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プロフィール |
コメント数 |
73 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
http://6018.teacup.com/337/bbs |
年齢 |
54歳 |
自己紹介 |
心の機微が感じられる作品が好きです。 絵に携わる仕事をしていますが、映画を映像面から語ることが苦手です。 映画の社会的道徳は常に考えますが、基本的にエンターテイメントを冒涜するようなツッコミはしないのが観客のモラルだと思っています。 全体のバランスよりも、ただのワンシーンにノックアウトされたい。 |
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1. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
1~3部まで観た総評として書きます。ファンタジーの古典である指輪物語の看板を背負うために豪華な装丁になっていますが、やはり映画としては長すぎで、見せ場が散漫です。同監督の作品「ブレインデッド」はひたすらチェーンソーで人肉を切りまくっていましたが、この「ロードオブザリング」も単調さは同じ。ひたすら派手なCGで押し捲っているだけで下品です。フロドとサムの友情も第1部からずっと同じ調子で見せられてるので飽きてくる。アラゴルン、レゴラス、ギムリの活躍もしかり。全シーンがクライマックスじゃ疲れるんですよ。所詮はファンアイテムで、名作と呼ぶのはとてもじゃないけど無理。唯一褒めたいのは、スタッフの情熱だけは溢れるほどに伝わってくる点。第1部を面白いと思えなかったなら、あとの2編は観なくてもよい。9時間費やして鑑賞しても、何かが胸に残るような映画ではない。 ン億円かけて作った「指輪物語」の動く挿絵。5点(2004-10-21 07:24:23)(良:1票)
2. ラスト サムライ
そもそも侍魂とはつまり愛国心である。
そんなもの現代日本人の中にどれくらい残っているのか?
観客も、制作者たちも、侍魂を「命を懸けて自分の意志を貫く」くらいのシンプルな構造で
捉えているのだろう。だから勝元たちの戦う理由がわからない、という根本の空洞が生まれる。
「国の行く末を案じて命を懸ける」という感覚は、完全な個人主義に染まってしまった
今の日本では理解できないものだろうし、理解しろというのが無理な話である。
敗戦国の日本は戦勝国の米英によって、愛国心を抜き取られる教育を受けてきたのだから。
では日本の観客が「侍魂に共感した」と勘違いしたものの正体はなにか?
それは渡辺謙や真田広之の魂ではないか。彼らの奮闘に感動し、彼らの死そのものを悲しんだのではないか。
散っていく男の美学。日本人をカッコよく描いてくれてありがとう、という感謝の涙。
私はこの映画をその視点で観たし、その意味ではよい映画だったと思う。
しかし米国人に侍魂を教わるほど腐ってはいない、と胸を張って言える日本人で私はありたい。
日本人のアイデンティティーを口にするだけで煙たがられる現代日本において、
こんなレビューを書いている私は、ただの異端なんだろうな。6点(2004-06-04 22:16:33)(良:2票) 《改行有》
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