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今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。 物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。 備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。
10 至高の殿堂入り 9 心に残る傑作 8 もう一度観たい佳作 7 面白い 6 そこそこ面白い 5 普通 4 それほど面白くはない 3 面白くはないが見どころがなくはない 2 全然面白くない 1 酷い駄作 0 呆れ果ててもはやネタレベル |
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1. トランストリップ
《ネタバレ》 従来のホラー映画をイメージすれば拍子抜けを食らう。キレイな女性が被害者となるホラーでは恐怖や不安におののきながらも健気に頑張る姿にこそ肩入れできる。ところが、ホラーヒロイン史上最弱のヘタレメンタルのアリシアに共感できない。ホラーやサイコサスペンスは、主人公に感情移入できないとつまらない。
――と思っていたのだが、初見からしばらく経って従来のホラーに期待するものとは違う視点で見ると印象がガラッと変わってきた。
ホラーといえば、必ず悪意や狂気を持った人物や霊が出てくる。だが、この映画にはオカルト現象もシリアルキラーも存在しない。不快な人物、無神経な人物は出てくるが、明らかな悪人は一人もいない。
終始不機嫌できつく当たるバルバラ、下品で無神経なブリンクらの存在は、神経質でメンタルの弱いアリシアには負担が重すぎた。一人だけスペイン語がわからないのもあって、孤立感、被害妄想を募らせてしまう。
人にはどうしても生理的に合わないやつというのがいるものだが、学校でも社会でも接触を避けることはできる。ところが、旅行ではそうもいかない。仲の良い友達同士でも数日旅行で寝食を共にすればトラブルにもなるのに、相性の悪い者同士ならたまったものではない。ギスギスイライラのストレスがびんびん伝わってくる。
メンタル崩壊してパニックを起こしたサラは、呪術師が妙な儀式で裸にされた上に変な薬を飲まされて、息をしなくなるという最悪の結末。
普段は特別なこともなく普通に生活している人たち。普通だったらどこかでストップがかかるものだけれど、悪意がなくても歯車が狂えば現実にもこういう惨事が起こりうるかもと思わせる。そうした類の怖さを感じさせるサイコスリラーだった。
人間心理の危うさが浮き彫りになる点では面白い。ただ、ヒロインに感情移入できないので、ホラーを楽しむ要素であるハラハラドキドキはしないのが弱点。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-19 21:46:10)《改行有》
2. アフターショック
《ネタバレ》 地震になるまでが長い。
チリ地震のパニック映画という予備知識はあったので、もしかして違う映画かと思ったほど。
まったりしすぎているが、後半がそのギャップで引き立つのと、人物にある程度思い入れを持たせてくれる効果はある。
パニックものでは特に、思い入れがあるのとないのとではハラハラの度合いが全然違ってくる。
エキストラ同様の人物が死んだところで、ほとんど他人事になってしまうので。
地震や津波といった天災も悲惨だけれど、それに伴う醜悪なエゴや争いによる人災のほうがもっと悲惨。
日本の震災では民度の高い助け合いのほうが多く見られたようだが、国によってはこうした暴動や凶行も十分起こりえるのが怖い。
無法地帯の修羅場と化して、人間の醜い部をこれでもかとばかりに露出させてくる。
善意で助けようとする人も、報われることなく地獄絵図に。
もう踏んだり蹴ったりでとことん救いのない、悪趣味ともいえる映画。
製作・脚本・主演を担うのが『ホステル』のイーライ・ロスだとわかってなるほどなと。
ワインセラーの女性ガイドや掃除のおばさん等、最後までストーリーに絡んでもおかしくないキャラでも序盤からバンバン惜しげもなく死なせていく。
その死に方もむごたらしくて、パニック映画というよりもホラー系のグロさが前面に出ている。
後味が悪すぎてあまり好きなタイプの映画ではないものの、明確なコンセプトに沿ってよくできているし、感情を揺さぶるインパクトはある。
再鑑賞。次から次に嫌なことが起こる映画。どんな顔して作ってるんだろうと、ふと思った。[DVD(吹替)] 8点(2015-01-20 02:53:02)《改行有》
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