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プロフィール
コメント数 170
性別 男性
年齢 44歳
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【製作国 : カナダ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
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1.  ダーウィンの悪夢 なるほど、こりゃあ地獄だ。ヴィクトリア湖の生態系をぶち壊した巨大魚ナイルパーチの、腐った肉片が付着した骨を天日干しているシーン(地面は魚の油でグチャグチャ、魚には大量の蛆・ハエがたかる。そこで働く人々は腐乱により発生するガスで目をやられ、服もボロボロ。それでも仕事がある分、まだマシだと話す。)が強烈。ヘコむとか、そういった感情を突き抜けて「もう、どうでもいいや」という開き直りの念だけが残る。同時にこんな映画を撮った奴は相当なバカだと思った。貧困や政情不安が蔓延る社会を、とにかく生々しく、言い換えれば贅沢に、それがこういう映画に対する唯一の有効性であるかのごとく(しかもそれらを包むグローバリゼーションの功罪をふんだんに匂わせつつ)、そしてそれが誠実な態度であるかのようにタンザニアの現状(らしきもの)を捉えるカメラ。まあ当然、あえて「地獄」だけを見せてるんだろうが、そうしたドキュメンタリーにおける虚構性と安易に戯れる様はかなり見苦しい。この映像を撮っている奴らを対象とした方がよっぽど面白いドキュメンタリーになるに違いない。タンザニアの歌を歌った娼婦が殺されたと知った時に、彼らが見せたであろうしたり顔とかさ(笑)[映画館(字幕)] 4点(2007-01-18 21:08:15)

2.  ザ・フォッグ(2005) 《ネタバレ》 霧と共に幽霊が町へ復讐にやってくる、という設定はなかなか面白い。だが、この幽霊は姿が不透明な割に物理的な力が凄い(霧に包まれた部屋から人が吹っ飛ぶ事が何度かある)し、特殊な殺し方もやってのけるので、別に霧に紛れなくとも十分強く、霧による恐怖演出が余り恐怖として伝わってこない。また、良質であることを第一と考えているのかどうかわからないが、全体的に下手に上手くこなしてるので安心してドキドキできるという感じがどうも嫌。「怖い気分に浸りたい為にホラー映画を見ている私は、本当に怖い気分にはなっていない」、これである。[映画館(字幕)] 5点(2006-08-22 21:52:08)

3.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 戦慄の映画である。一見、ひねりのない平凡な映画に見えるが、同時にこんな映画は見たことがないかもという不思議な感覚がある。この手の映画はふつう、傾く。暴力を映画で扱いきれず、奇抜な脚本とか編集あるいは特殊な映像表現という、いらん飾りをつけてしまう。そうすることで暴力の危ういバランス感覚がどこかへいってしまう。だがこの映画は暴力をスタイリッシュという文法に乗せないで、極めてシリアスに扱っている。スタイリッシュ暴力はそのほとんどが「痛み」感覚を追求しており、映画でしか味わえない暴力体験を擬似的に与えようとする。しかしヒストリー・オブ・バイオレンスはそんなに甘くない。痛いじゃ済まない。そもそも痛みは猶予でもある。痛がる前にもう死んでるのがこの映画。そして素早いカット割りで無駄のない殺しを実行するヴィゴ・モーテンセンの目にこそ暴力の本質が現れるのである。そしてバイオレンスとくればセックスという安易な発想から逃れた、バイオレンスの地続きとしてのセックスがあの階段でのシーンとなり、観る側の血を凍りつかせる。ラストは、暴力というバランスの危うさに傾き堕ちることを免れたこの映画だからこそ到達できた屈指の名シーンだと思う。この映画を見てしまうと、あれほど面白いと思った「オールドボーイ」や「ファイトクラブ」が単なる曲芸のように見えてしまうのだから恐ろしい。[映画館(字幕)] 9点(2006-04-11 12:26:41)(良:1票)

4.  特別な一日 誰もいなくなった団地。管理人のおばちゃんが大音量で流すナチスの集会の放送だけが聞こえるその団地での、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニとの出会いは、既に諦念によって包まれており、そこにはあらかじめ決められたかのような不可能性があるばかりだ。ラジオから流れる「軽さ」と、カメラの前で繰り広げられる特別な一日の「重さ」が同時進行していく、その緊張感は見事としかいいようがない。 ラスト、少しずつ電気が消され暗くなってゆく室内は、特別な一日が終わりを迎えた事を示すだけでなく、さっきまで「軽さ」であったはずの戦争は生活に直接影響する「重さ」へ変わり、二人の出会いは風船のような「軽さ」へと変わる。ソフィア・ローレンに残されたのは三銃士と修理された電球だけだったが、それは消えてしまいそうな軽さの為に欠かせない、錘なのだった。屋上でのシーンとともに忘れられない映画。[ビデオ(字幕)] 9点(2004-12-07 01:22:26)(良:2票) 《改行有》

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