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1. シティ・オブ・ゴッド
リオデジャネイロの強烈な気候風土を感じさせる、ひたすら暑くそして熱い作品だ。スラムに生まれたときから宿命のようにストリートギャングとして生きてゆかざるを得ない少年たち。一方、そこから抜け出してジャーナリストとして生きようとする少年。映画は、その生々しい彼らの生態を実録風に活写してゆき、個々の生きざまを通して様々な問題を我々に投げかけてくる。縄張り争いによる団結・裏切り・復讐を繰り返しながら暴徒化する彼らを、スピード感を伴う独特の編集テクニックで見せきる巧みさには感心させられる。また、彼らの中には殺人を強要されるまだ年端も行かない子供も存在するという描写などは、本作の真実味を感じさせる鮮烈なエピソードとしても忘れられない。抗争を繰り広げるセピア調の画面が余計ヒートアップさせてはいるが、この国の物価や賃金のみならず命の値段までが安いと感じさせるほど、そのバイオレンス描写に悲惨さはむしろ希薄で、実にあっけらかんとしているのが本作の特徴であり、唯一の救いでもある。8点(2004-07-21 15:37:53)
2. 蜘蛛女のキス
政治犯のバレンティンと、同性愛者のモリーナの奇妙なラブ・ストーリーが獄中で展開される。主演の二人が、その本性を現わしたかのような演技合戦のその凄さ。終盤、警察の手先であるモリーナが政治犯仲間と接触するという市街地でのスリリングな展開と、閉鎖された空間から一気に開放感あふれる、そのロケーションが圧倒的に素晴らしい。8点(2000-11-19 23:53:50)
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