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プロフィール |
コメント数 |
250 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。 評価はもちろん主観です。 評価基準 各2点ずつで計10点 1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか? 2.視覚的に何かを象徴できているか? 3.プロットの構成は適切か? 4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか? 5.作品のテーマに普遍性はあるか? |
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1. 君の名前で僕を呼んで
アメリカ人(フランスとの二重国籍)が主演し、アメリカ人が脚本を書き、タイ人が撮影し、イタリア人が監督した映画。この中だとイタリア人の仕事にいまいち褒めるところが見つかりません。現地の人間ですからロケーションに貢献したぐらいでしょうか。いくら二人の世界が中心になりがちなジャンルとはいえ主役二人以外に印象に残る人物があまりいません。終盤の父親の語りのシーンはいいと思いますが、それも普遍的な人生訓というよりはあくまで二人の儚い世界を彩るためのものでしかないと感じてしまいます。深いテーマを求めるような映画ではないんでしょうけど、ストーリーも映像も綺麗以上の感想は出てこないです。とはいえ全体的に健康的な雰囲気なのは好きです、人間の醜さも全く描かれず地上の楽園にいるような気分に浸れます。こういう同性愛を描きながらも安易に劇的な展開にしない映画も作られる意義はあるんでしょうね。単純にティモシー・シャラメの美貌を堪能しようとしてもアップだと意外と髭が目立つショットがあるのでちょっとがっかりしちゃいますね(笑)、お相手のアーミー・ハマーがおじさんというのもなんだかなあ。斬新な映画というより少年愛も含めてヨーロッパの美の伝統を尊重している部分が評価されてそうです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-23 22:27:14)
2. シティ・オブ・ゴッド
撮影と編集は世界レベル、映像に全く安っぽさはなくポップでテンポよく面白いです。ブラジルという多人種国家の国柄もあるのでしょうが、2002年の時点で多様な人種を安易に対立構造にはめることなく、何ら特別なものとしても描かず自然に登場させているのも大したものです。しかし技術的に優れており現実をありのままに映すことはできても、この現実の前に監督がどう思っているのかがいまいち伝わってこないのです。フェルナンド・メイレレス監督は優秀な職人監督ではあっても、一貫したテーマや作家性を反映した作品を作っているようには見えません。先に述べたように人種的多様性や国際性への志向はあるようですが、それが画面の細部には反映されても物語の本筋にはあまり関わってこないのです。良いも悪いも原作や題材次第、それがこの監督がこの作品以降いまいちパッとしない映画ばかり撮っている原因だと思います。意外とアメコミ映画あたりを撮らせたらいい仕事をしたかもしれませんね、もうそんな機会もなさそうですが。[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-14 23:20:12)
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