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プロフィール |
コメント数 |
1495 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
http://orionsforever.at.webry.info/ |
自己紹介 |
結構いろんなジャンルを見ています。 基本的にしょうもない作品は最初から見ない、もしくは途中で断念しますので高得点をつけることが多いと思います. 原則として鑑賞直後の印象を書きとめるようにしています。 (基本的に最高点は8点です。それに+α要因があるものについては9点乃至10点をつけております。)
※映画館で見た映画は若干甘い採点になっているかもしれません |
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1. オン・ザ・ミルキー・ロード
《ネタバレ》 戦争なんて格好良くもないし、ドラマティックでもない、ただ殺戮行為と死体がそこにあるだけという事実。クストリッツァは、それを、自分の作風を使って、うまく表現させています。
美人女優の起用、魅力的な登場人物たちの設定を作って恋愛ドラマを繰り広げるかのように見せながら、戦争がその展開をぶち壊してしまい、途中からひたすらドラマ性の全くない逃亡劇がひたすら画面に映し出されるだけになってしまっているのに、何とか映画として成立させてしまう技術はまさに天才としかいいようがありません。そしてクストリッツァ作品でおなじみの動物たちの使い方も、これまでと同じようで全く違っていて、大した大義もなく、人類全体で考えると非常にくだらない理由で、簡単に命を奪われる戦争の犠牲者たちの象徴のように描かれています。
まあ、最初に見終わった後は、魅力的な登場人物たちがあっけなく退場したり、動物たちがファンタジックでなくグロテスクに使われているのを見て「なんだこれは、ちょっと破綻しているな」と感じたのですが、時間が経つにつれ、その破綻こそが戦争の破壊性を表していることに気づき、改めてクストリッツァの凄さを思い知りました。[DVD(字幕)] 8点(2018-08-05 00:45:55)《改行有》
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