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プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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評価順123456

21.  ジョニーは戦場へ行った 戦争がもたらす悲劇を描く題材は数多くあるが、このような切り口があることにまず驚かされる。さすが名脚本家でもあるダルトン・トランボならではの発想です。本作は主人公ジョー(ティモシー・ボトムズ)に親しみを感じ感情移入しやすい作風になっているため、気がつけば苦しみを分け合ってしまい受け手もツラい。しかも第一次大戦中、英国兵の実話を基にしているだけになおさらだ。懐かしい家族の思い出と楽しかった恋人との一時が走馬灯のように脳裡を駆け巡る。このことが残酷な現実をより一層浮き彫りにしている。メリー・クリスマスの指文字やSOSを発信するシーンも鳥肌ものですが、個人的にはジョーが太陽の暖かさを感じ取り生を実感するシーンがいつまでも脳裡に焼き付く。見る者の大半が涙なしではいられないか、様々なことを考えさせられて当然ともいえる作品ではないだろうか。このような実例は今なお世界のあちらこちらの戦場で起こっており、軍部が世間に知れ渡るのをおそれ闇に葬っているだけかもしれません。また、この映画では今日的なテーマのひとつである、人間の尊厳死や安楽死についても問題提起している。「KILL ME KILL ME」このように一抹の希望を見出せない患者を前にして、あなたならどのような選択肢を取りますかと。名脚本家ダルトン・トランボの執念ともいえる本作には、何ら迷うことなく10点満点を差し上げたく思います。10点(2004-09-22 10:31:10)(良:2票)

22.  学校の怪談 この怪談映画は初めから小学生を対象にして作られているので、大人の視点から見てしまうと「つまらん」の一言で切り捨てられてしまう。ところがシリーズ化が証明しているように、子供達の目線に合わせた監督平山秀幸のオリジナリティ溢れる世界観が効を奏しており、製作サイドとしては見事成功を収めていることがわかる。たしかに、大人の視点から見た映画作品として評価すると高得点は付けづらい。しかし今回はもし自分が子供だった、あるいは父兄だったらという発想で点を付けてみました。7点(2003-10-15 15:15:47)(良:2票)

23.  誓いの休暇(1959) なんと! ! 旧ソ連にも、こんなに素朴で胸に染み入る映画があったんですね。まさに、隠れた名作という言葉がぴったりではありませんか。しかも様々な愛を描く中、厭戦感に満ち溢れた見事な反戦映画となっている。当時のソ連の実情から察すると、よくもまあこんな腹の据わった作品を作ったものだと思う。この映画は、善意のかたまりの様な主人公アリョーシャに尽きる。自然体で望んだかの様な演技は大いに好感が持てた。もちろん恋人役のシューラも負けじ劣らず、初々しく魅力的だった。物語りは、帰郷途上で出逢う人々との人情話しを描いているわけですが、なかでも松葉杖の男のエピソードがジーンと胸を打ち目頭が熱くなった。もちろんラストの母が言う「もうどこにも行かせない 」(確か記憶では)は、生涯忘れ得ぬ屈指の名台詞。何回でも見たくなる見事な作品でした。10点(2003-07-27 00:04:57)(良:2票)

24.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922) 《ネタバレ》 深夜でも昼間のように明るいという発想は一瞬面喰らうが、奇怪な白昼夢と受け取ればイマジネーションが喚起されてオモシロイ。この当時のヨーロッパ、何がオソロシイといえばペストやコレラなどの疫病の蔓延だったに違いなく、その眼に見えない恐怖を兼ね合わせることにより吸血鬼の悪夢的イメージを増幅させている。この作品を見た当時の観客(とくに女性)は背筋が凍り付くほど怖かった違いない。物語はといえば、恋人の無償の愛こそが悪鬼を滅ぼすという溜飲の下がる古典的スタイル。しかし本作で特筆すべきは、吸血鬼ノスフェラトゥの一度見たら忘れられないその何とも形容のし難い姿かたちに尽きるでしょう。尖った耳に枯れ枝のような細長い指、フロックコートに身を包んだ吸血鬼が棺からスゥーっと起き上がる様はゾッとするほどの不気味さである。その一方、「大事な血が」といって来客の切り傷の血をチューとすすったり、自分の寝床である棺を抱えていそいそと引っ越し先に向かったりするなどちょっとユーモラスな一面も垣間見える。怪奇映画の古典に登場するキャラクターとしてはある意味カリガリ博士を超えるインパクトを放っており、コワいが味のあるお気に入りの一本です。[ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-04 00:32:36)(良:2票)

25.  プライベート・ライアン 冒頭から物凄いシーン。そう、地獄絵図。まるで従軍カメラマンのドキュメンタリーみたいだ。戦争といえばその通りなんだけど、むしろ人間どうしの壮絶な“殺し合い”を見せつけられた感じだ。最前線に赴くという事は、阿鼻叫喚の地獄が待ち受けており、不条理な政治的命令で動かざるを得ないのが実情。しかも、生きるも死ぬも運次第。木っ端みじんならマシな方で、そのほとんどが苦しみ悶えて死ぬ。腰が抜けて何も出来ない兵士。ただ膝を抱えて泣叫ぶ若い兵士。「ママ、ママ …ゴー、ホーム」…悲痛な叫び声が脳裡に焼き付く。監督スピルバーグは音と映像を通して、戦場の恐ろしさをストレートな演出で訴えている。ラストのクライマックス、ドイツ軍の戦車が右方向に向きを変え、遠方からジワジワと接近してくる描写のもの凄い緊迫感。人間の内面から揺さぶる恐怖を描かせたら、さすがスピルバーグだ。言うなれば本作は、ミラー大尉、ライアン、アプムなど主要人物に感情移入させる手法をとり、窮極の戦争シミュレーションを観客に体験させ、厭戦感を植え付ける結果になっている点からすると反戦映画の部類に入るのではないだろうか。9点(2003-05-04 13:05:53)(良:2票)

26.  地球の静止する日 宇宙人侵略ものである同年に出された「遊星よりの物体X」や、「宇宙戦争」と対極に位置される友好型宇宙人を描いたSF映画の古典的名作。その後、「未知との遭遇」や「アビス」、そして「サイン」などSF映画に多大な影響を与え続けており、かなり高得点を付けてもおかしくはないエポックメーキング的な作品と個人的には思う。特撮や描写は時代を感じさせなくはないが(もっとも本作は社会派ドラマとして見るのが正解でしょう)、宇宙人による人類に対しての文明批判や警鐘というメッセージ性は当時としては斬新で、未来永劫語り継がれるべく永遠のテーマ。冒頭の主人公宇宙人と地球人側のファースト・コンタクトは大変考えさせられるシーンであり、さらに人間側との交流の中、会話のやりとりも深遠で味わい深い。このような説得力のあるドラマチックな演出は、さすが名匠ロバート・ワイズと言ったところか。不安を煽る不気味なテーマ曲も印象的だった。9点(2004-04-12 20:58:45)(良:2票)

27.  オルカ 本作は、人間の手により愛する家族を殺されたシャチによる、人間への復讐を描いた哀しい物語。いかなる動物でも人間と同様に家族を愛する心を持つし、深い悲しみをも感じるもの。やたら動物を捕獲したり殺しまくったりする人間へのメッセージとも受け取れる。エンニオ・モリコーネの哀感溢れるメロデーが素晴らしかった。7点(2003-12-08 16:50:11)(良:2票)

28.  人間魚雷回天 特攻隊といえば、敵艦目掛けて体当たりするゼロ戦ことゼロ式戦闘機が有名。そして、もうひとつの特攻隊である人間魚雷「回天」も忘れてはならない。潜水艦に備え付けられた魚雷に隊員が乗り込み、ゼロ戦と同様、敵艦に突っ込むという正気の沙汰とは思えない戦法である。まさに戦争による狂気が生み出した産物であり、人間を人間として見なさない当時の帝国陸海軍の証左ともいえよう。この作品は回天特別攻撃隊津村敏行の手記を映画化したもので、脚本は須崎勝弥に、監督は松林宗恵による演出。戦後10年しか経っていないこともあるとは思うが、リアリティ溢れる描写とセット美術が素晴らしい。荘厳で哀愁漂う音楽も、この戦争ドラマに厚みを加えている。岡田英二演じる特攻隊員を筆頭に木村功、宇津井健、沼田曜一など個々の切々と訴える好演も手伝い、見る者により一層悲壮感を掻き立たせる。とくにラスト。「赤とんぼ」の歌声が幻聴となって表われる中、朝倉少尉(岡田英二)が「我未だ生存せり」と心境を刻み込み、生を噛みしめんとするエンディングは悲し過ぎる。このシーンは何回見ても涙なしではいられない。もう遅い、すべてが遅過ぎたのである。神よ神よとおだてられ、自ら志願した後では時すでに遅く、お国の為に散っていくより選択の余地のない土壌が用意されていたのである。純粋な学徒達を特攻隊へと駆り立てた歴史的事実を描いた作品としては、「雲ながるる果てに」と共に日本映画史上、永遠に記録されるべき名作です。9点(2004-04-05 21:56:47)(良:2票)

29.  二十四の瞳(1954) タイトルロールに流れる「仰げば尊し」を筆頭に、「故郷」「七つの子」「浜辺の歌」などなど数多くの唱歌が作品全体を包み込み、これが抜群の効果を収める。音楽担当は監督木下恵介の実弟に当たる木下忠司。この人、兄恵介と毎回息がピッタリだが今作ではそれを極めている。場面、場面に流れる馴染みの唱歌を彩りのあるメロディーで微妙にアレンジしており、この作品にかける意気込みが充分過ぎるほど伝わってくる。また、小豆島の美しい風景と島民の生活模様が楠田浩之のカメラに余すところなく収まっており、これもまた監督と息がピッタリ。忍び寄る軍国主義に召集令状、貧苦に喘ぐ島民の生活、敗戦という新たな時代への出発…切々と暦をめくるように綴っており木下調の演出が冴えに冴え渡る。戦時の戦意高揚作「陸軍」の製作がよほど悔しかったのか、今作では平和へのメッセージがビシビシと伝わってくる。そして言うまでもなく、主人公の大石先生を演じた高峰秀子が文句なしに素晴らしい。純朴な子供たちに向ける優しい眼差しに、情感のこもった台詞回し。洋服の似合う新人の先生から人生の辛酸を体験し尽くした初老の先生までごく自然体で演じており、女性教師として一人の母親としての弱さと強さ、哀しさと美しさを見事表現しきっている。情感に訴える見事な反戦映画としてはクレマン作「禁じられた遊び」と双璧をなしており、日本映画史上、燦然と輝く名画。文句なしに10点満点。10点(2004-11-01 17:57:37)(良:2票)

30.  ターミネーター2 押しも押されもせぬSFアクション映画の傑作。何よりジェームズ・キャメロン監督の妥協しない、観客を失望させない映画作りに対する姿勢を評価したい。衝撃的な前作を超える続編物を作るなんて、そう簡単に出来るものではない。本作は前作とつながりを持たせつつ、ターミネーターに感情みたいなものを入れたり、ターミネーターどうし闘わせたりと見所を満載させ、方向性と展開を大きく様変わりさせたところに勝因があると思う。前作をなぞった描写はあるが、映像、音楽共にパワーアップしており、さしずめ重厚なヒーロー物というところか。またSFドラマという側面を持ち、この救いようのない人類の近未来に於いて、親子の愛だけは唯一不変という演出も素晴らしい。オープニングシーンからしてワクワクさせてくれた。期待に応えての「服をよこせ」の傍若無人振りに、黒ずくめのターミネーター・ルック。ラストのシーンは分かってながらも泣かせてくれた。重厚な超ド級の作品に、10点満点!!10点(2003-03-31 20:38:45)(良:2票)

31.  妖星ゴラス 「地球最後の日」より、巨大彗星などが地球に激突するというSF映画は今までに何作かあります。この映画の良いところは、安易に核の威力で恒星そのものを爆破しようというのではなく、地球そのものを移動して激突を避けるというところです。これはムチャというより逆転の発想と受け取りたい。しかも米ソの緊張が高まる時代背景の中、国連を通じ世界がその持てる科学力を結集し、人類の危機を回避するという斬新かつ希望に満ちたテーマ性。このように強く訴えるものがあるならば、時代を感じさせなくはない演出も特撮もおおめに見てしまいます。しかし残念なのは、突如現われ基地を破壊する怪獣マグマの登場シーン。これはイタダケナイ(-2)。怪獣ブームということもあり、きっと会社のトップから出せの命令が下ったのでしょう。円谷英二氏にしてみれば心底悔しかったに違いなく、大人向けSF映画の名作となりえただけに残念な作品です。7点(2004-06-17 11:10:03)(良:2票)

32.  無法松の一生(1958) 戦時中に作られた阪妻主演の前作は、当局の検閲により大幅にカットされたと聞きます。そのことが余程悔しかったのでしょか、作り手のこの作品にかける意気込みと愛情が充分過ぎるほど伝わってきます。美しいカラー映像を彩りのあるメロディーで包み込んだタイトルロールからしてヤラれてしまった。監督稲垣浩の手作り感に満ちた演出が冴えに冴えており、存在感たっぷりの無法松を演じた三船敏郎に名女優高峰秀子のしっとりとした演技、そしてカメラワーク、音楽、セット美術ともどもすべてに於いて申し分ない。光陰矢の如しというか、過ぎ去る年月を人力車の車輪でもって表現するシーンは抜群に美しく、監督稲垣浩のセンスの良さを遺憾なく発揮している。松五郎が万感の思いを込め祇園太鼓を打つシーンは大いに盛り上がるわけですが、個人的には運動会のエピソードが好きですね。松が子供の頃、唯一大泣きした話をぼんぼんに聞かせた後、パッと開放的な運動会の場面に切り替わる。松が徒競走に飛び入りする。「松、負けたら承知せんぞ」と酔客から声援が贈られる。ぼんと夫人の期待に応えて一等になる。ぼんは小躍りして喜び(この時の笑顔が最高にイイ)、夫を亡くしふさぎがちだった吉岡夫人の瞳までがキラキラと輝く。松を中心にぼんと奥さんが唯一三人一体となった場面で、この瞬間、松はぼんにとって父親以上の存在となる。この感涙を誘う一連のシークエンスが、この映画のヤマ場でしょうね。ラスト、貯金の話しも泣かせてくれた。名作です。9点(2004-12-17 15:54:57)(良:2票)

33.  地上最大のショウ 監督はあのスペクタクル史劇「十戒」の巨匠セシル・B・デミルなんですが、本作はエンターテイメント作品としてなかなか良く出来ています。世界を代表するリング・リング・サーカスとバーナム・ベイリー・サーカス。この二大サーカスの全面協力を得たことが大きいのは言うまでもなく、適度なサスペンスを散りばめたドラマ仕立てにしたのが良かったのかもしれない。ヴィクター・ヤングの胸躍るテーマ曲が流れるタイトルロールからしてワクワクさせてくれた。サーカスの華である空中ブランコのハラハラドキドキするシーン、象や犬たちのユーモラスな芸などなど、見せ場をふんだんに盛り込んでおり最後まで観客を飽きさせない。ラストに用意されたサーカス列車のスペクタクルシーンなんかも、さすがデミル監督らしくサービス度は満点。そんな中、個人的にはジェームズ・スチュワート演じる謎のピエロのエピソードが胸を打ちましたね。(何と、この時すでに安楽死の問題についてふれている) 観客に夢と感動を与える団員たちのプロ意識にはただただ脱帽。そんな彼らを取り仕切るボスこと座長の苦労の何と多いことか。古き良きアメリカを映し出すテクニカルカラーも印象的な、郷愁を存分に誘う名作です。9点(2005-01-25 12:13:40)(良:1票)

34.  明日に向って撃て! 大金の為なら人殺しをもする強盗二人を、シャレたタッチの青春映画に仕立て上げたジョージ・ロイ・ヒル監督の手腕は見事。そして、その強盗に扮したポール・ニューマンとロバート・レッドフォード。この二人、キャサリン・ロスをまん中に、魅力たっぷりに無法者を演じ切っており、思う存分観客に感情移入させてくれた。有名なバート・バカラックの音楽「雨にぬれても」も素晴らしく、二人で楽しそうに自転車を乗り回すシーンや、哀切を極めたラストシークエンス等を鮮烈に思い出させてくれる。8点(2003-09-30 10:32:16)(良:1票)

35.  セブン 陰影に富んだオリジナリティ溢れる映像、不安を煽る先鋭的な音楽、キリスト教の七つの大罪をベースにしたミステリアスな演出などなど…前作の「エイリアン3」でもそうだったが、映像と音楽を駆使して独自の世界観に引きずり込む手腕は、さすがデビッド・フィンチャーという感じだ。二人の刑事が猟奇犯を追いつめるサスペンスとしては、なぜか序盤から新人刑事の妻トレイシーに感情移入させようとする演出。これはひょっとして、終盤何らかのかたちで彼女が絡んでくるのでは、と思っていたのだが…。《ネタバレ》ラスト、七つの大罪の残り二つ、憤怒・嫉妬は強引にこじつけた感じでイタだけない。しかも前作同様、見る者を陰鬱な気分に引きずり落とし、後味はすこぶる悪い(-2)。まぁオレ流炸裂のフィンチャー作品、とでも言えばいいのだろうか。7点(2004-04-26 23:17:18)(良:1票)

36.  西部戦線異状なし(1930) 世界映画史に記録されるべく戦争映画の古典にして傑作。戦争ものとしては分かりやすい展開と演出なので、マイルストン監督の痛烈な反戦メッセージがストレートに伝わってくる。しかも、悪名高いドイツ軍という設定も当時としては良く考えたもので、老練な教師が少年達を戦場に駆り立てる様は大変リアルである。愛国心高揚に踊らされた少年兵達が、予想だにしない最前線に送られた後では時既に遅く、バタバタと戦死するのを待つだけ。有名な、平和の象徴である蝶を手に取ろうとするラストは言うまでもなく、記憶に残る鮮烈なシーンも数多い。とくに、ポール(リュー・エアーズ)がナイフで刺した敵兵と一晩を明かせざるを得ず「もし銃と軍服さえなければ君と友人になれたのに」とつぶやき、苦悩するシーンは生涯忘れられそうにない。文句なしの10点満点。10点(2003-10-21 11:28:34)(良:1票)

37.  ジュラシック・パーク スピルバーグらしい作品で、見る側のツボを憎らしいほど心得ている恐竜映画の傑作です。ストーリーもシンプルだがしっかりしている。肉食獣ティラノサウルスが現われるまでの細やかな描写は本当にうまい! ! さあ~ 来るぞ、とゾクゾクさせてくれた。襲撃ぶりも少々しつこいが迫力十分。 草食恐竜たちが悠々と放牧されている遠景は感動もので、恐竜好きにはたまらないシーン。キャラクター化させているヴェロキ・ラプトルと子供たちとの鬼ごっこは、ハラハラドキドキで大いに楽しめる。それと、デブ男とエリマキトカゲ?とのコントも笑えました。その他にも見どころは多く、ギャグあり笑いありでしっかりと楽しんだ2時間ちょいでした。9点(2003-09-27 19:01:01)(良:1票)

38.  靴みがき 敗戦直後のローマ。戦争の後遺症はここにも暗い影を落とす。両親や家屋を戦争で失った孤児たちは、大人相手に靴みがきなどをして必死で生き抜いてゆかねばならない。戦後の日本の都会でも同じような光景が見られたのは、記録番組などを通じて知るところ。しかしながら、こんな子供たちでも馬を買うという夢を持って生きているし、またどんな逆境でも夢や希望というものがなければ人間は生きていられない。そんな健気な子供たちを、敗戦直後の荒みきった大人達が盗品の横流しや窃盗団の手先として都合のいいように利用する。社会のルールや仕組みが分からない子供たちは、弁解の余地もなく刑務所(拘留場か?)に放り込まれてしまう。彼らはただただ大人の言われた通り仕事の手伝いをしたまでのことなのに…。そんな混乱期の母国イタリアの現状を、監督デ・シーカは力強くリアルに描いてゆく。おそらく現行の法律に照らし合わせると主人公の子供たち二人(パスクアーレとジュゼッペ)は無罪であろうし、当然ながら釈放して学校教育を受けさせるのが道理であろう。そんな荒んだ大人達だけではなく、刑務所内の先生と呼ばれる大人達からも理不尽な体罰を受ける。刑務所内の劣悪な生活環境に加え、このような非人間的な仕打ちを受けたところで更正など出来ようはずはなく、ますます大人や社会に対し反感を抱くだけであろう。暗く悲しいラストは強烈なメッセージを放っており、子供たちを取り巻く大人社会への糾弾とも受け取れる。名匠デ・シーカの作品としては「自転車泥棒」と双璧を成す傑作です。10点(2005-02-02 21:55:52)(良:1票)

39.  グローリー 《ネタバレ》 奴隷制度が廃止となる北軍の勝利というのは、長いアメリカ黒人史の中でもとりわけ重要な位置付けにあるものと思われます。またそれは他国の者が想像する以上に、黒人にとって勝利しなければならないものだったに違いない。この映画では、奴隷として酷使される黒人の様子がワンシーンでさえ挿入されていないので、他国の者からすると、黒人の白人に対する憎悪の気持ちや志願兵となりたがる動機付けなどが少々理解しにくいかもしれません。その辺の事情は「ルーツ」(映画ではなくテレビドラマだがよく出来た作品です)なんかを見ると、白人の手によりアフリカから捕獲され家畜同然のように酷使される黒人の様子が描かれているので、彼らの気持ちがよーくわかります。黒人の犠牲で成り立つ既得権益を執拗に維持しようとする南部の白人、それに対し、ただ人間としての自由と尊厳が欲しかった黒人という両者との構図。黒人志願兵たちの言う我々すべての黒人の為に戦うという言葉はズッシリと重く、またラストの玉砕覚悟の突撃シーンは感動的ですらある。事実、人間が生み出す“悪”が存在する以上、侵略なんかではなく正義の為の戦争もあり得るのだ…この作品を見終えてそんな事を思いました。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-30 00:10:38)(良:1票)

40.  ザ・フライ B級SFホラー映画の名作「蝿男の恐怖」のリメイク版なんですが、前作以上にエグさ炸裂で見る側に強烈な印象を残した映画でした。ところが、エグいグロいだけには終らせておらず「こんな醜い姿になってもオレを愛してくれるか」という悲劇的なテーマ性をも持ち合わせており、ジーンと胸を打たせてくれた。この当時、エイズ患者とダブらせているとかいないとかで、話題になった記憶もある。悲し過ぎる凄絶なラストは、前作同様に切ない余韻を残してくれた。一見、エグさグロさが“売り”の様な映画なんだが、実は「どこまで人を愛せるか」という奥深いテーマ性が用意されており、見る者をいい意味で裏切ってくれた。こういう手法の映画には許してしまうし、評価を高くもしたくなります。クローネンバーグの代表作のひとつにして、悲しいSFホラー映画の名作です。9点(2003-06-22 20:12:13)(良:1票)


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