みんなのシネマレビュー
六本木ソルジャーさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順12345678910111213141516171819

41.  エデンより彼方に 50年代の雰囲気を楽しむメロドラマ映画というのが事前の知識だったけど、人種差別などアメリカだけでなく、現代の日本にもまだまだ残る「偏見」を扱った映画。 楽しめるかどうかは別として、数多くの賞を得ているのも納得です。 外見にとらわれず本質を見極めることの難しさはいつの時代どの国でも一緒ですね。 「誇り高く生きて欲しい」という彼の言葉は胸に響きました。7点(2004-06-25 15:24:06)(良:1票) 《改行有》

42.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 アカデミー賞外国語賞を受賞している世界的に評価されている作品。 一切飽きることはなく、興味深くストーリーを追うこともできる。 時代背景が必要なところもあるが、さほど難解さもなく、ストーリーは大体理解できたと思う。 しかし、受け手側である自分の人生経験不足ということもあり、個人的には世間的に絶賛されているほどハマることはできなかった。 自分は、まだまだ過去や思い出に生きるほどの熟した年齢ではないということか。 劇中においては、瞳の奥に刻まれた過去や思い出に囚われて生きる男の悲哀や空虚さのようなものが感じられる。 妻を殺された男性、その事件(もちろん事件だけではない)を忘れられない男性という二人の男性が印象的に描かれている。 彼らは“a”が打てないタイプライターのようなものかもしれない。 重要な部分のどこかが壊れている。 過去から一歩抜け出せれば、『怖い』→『愛している』のように何かが劇的に変われるのだろうか。 しかし、過去をどんなに忘れたくても、過去からどんなに抜け出したくても、簡単に抜け出せるほど、単純ではないということもしっかりと描かれているような気がした。 妻を殺された男性の場合には、『愛している』→『怖い』へと変わってしまったのだろう。 この事件によって、彼は“a”を打てなくなってしまったようだ。 冒頭の駅における別れのようなシーンが観客の瞳にも刻まれていくような仕掛けも見事である。 この印象的に描かれたシーンがどのように結び付いていくのかと、観客は考えざるを得ないだろう。 それぞれのキャラクターの瞳の輝きや微妙な表情など、セリフで描かれていない部分なども多く、それらも評価されたのだろう。 また、サッカー競技場における撮影方法についても見所があった。 上空のヘリコプターから撮影しているのだろうと単純に思っていたら、徐々にズームしていき、いつのまにか雑踏の中に視点が移っている。 「今のどうやって撮影したのだろう。どこかで切り替えたとは思うが、初見では分からないな」などと撮影技術などについても感心させられる。[映画館(字幕)] 7点(2010-10-12 21:34:12)(良:2票) 《改行有》

43.  AKIRA(1988) 原作を読んでないので、勝手なことを書くけど、映画の世界は現在の世界を縮尺したようなものではないかと考えてしまった。 テツオの持ったチカラは「核」のようなもので、テツオや金田たちは一つの国と考えると分かりやすい。 金田のようにリーダーの国がいて、その同盟国としてチカラがない追従するしかないテツオのような国がある。 そのような弱い立場にあるモノがとんでもないチカラを持つとどうなるか、そういった世界を想像しながら観た。 立場が弱く鬱積していた感情が爆発し、徐々にエスカレートし、しまいには自分でもコントロール出来なくなり、破滅する。 ただ、自分のことを認めてもらいたかっただけだったかもしれないのに。 そのチカラが愛する人や友を殺すことになるともしれずに。 その他にもチカラの亡霊に振り回される人たちが上手く描けていた。 ただ、ケイの存在というか役割がイマイチ掴みづらい。 人間には世界を破滅へと追いこむチカラもそれを回避するチカラもそれぞれ持っている。 そのチカラをどう使うかいつ使うかは分からないが、もうそのチカラを使い始めているのかもしれない。9点(2004-06-25 14:14:05)(良:1票) 《改行有》

44.  ハプニング 《ネタバレ》 「なぜ起きたのか」「なぜ収まったのか」という説明は必要ない、「自然ってよく分からないね」という説明で十分だ。特別なオチや、どんでん返しも必要ない。 しかしながら、「何を伝えたかったか」は必要である。 「環境破壊」「自然の驚異」「地球温暖化」「人口増加」「ミツバチの必要性(=生態系)」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 「夫婦の絆の強さ」「壊れかけの夫婦の再生」「子ども(世界の将来)を守り抜く責務」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 何もかも中途半端な描き方しかできていない。 ただ単に、「植物が放出する毒素によって、人々が自殺する姿をショッキングに描いた」というだけの映画でしかない。 脅威となる存在がモンスターやゾンビなどの可視的ではなく、“風”から逃げるという点はユニークであり、珍しいパニックムービーを作りたかったのかもしれないが、その観点からも演出が足りなさすぎる。 本作を見る限りでは、脅威となる存在はやはり目に見えないと面白くないという結論になってしまった。 また、本作のラストがあまりにも酷い。酷いという言い方は語弊があるかもしれない。 本作の設定を踏まえて「一番批判を浴びないラストを考えろ」と言われたら、このようなラストになるだろう。過度な批判は浴びないだろうが、あまりにも安直であり、捻りもなく、冒険のないラストである。シャマラン監督は良くも悪くも記憶に残る監督だったはずではないか。野球選手に例えれば、三振を恐れずにホームランを狙って大振りするような選手だ。その大振りが、時には我々に驚きを与えたり、期待の大きさから、逆に落胆させたりもする。しかし、本作は三振しないように短くバットをもって、ボールに当てただけのような気がする。 毒にも薬にもならないような作品を作ることは、自分自身を貶めるだけではないか。 今度三振したらもうプレイすることができないという状況に追いつめられているのは分かるが、長い目で考えれば自分のスタイルを捨てて平凡なプレイヤーになるべきではない。 ジョーイというキャラクターを自分自身で演じているが、過去の作品に比べて、存在感のあるキャラクターではないのも批判を恐れて自分のスタイルを捨てた証しではないか。 「シックスセンス」から「レディインザウォーター」まで、彼の作品をそれなりに評価してきたが、本作は評価できない。[映画館(字幕)] 3点(2008-07-30 09:37:54)(良:4票) 《改行有》

45.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 スコッセッシ監督の作品は良作が多いけれども、それほど自分にピタッとはまるようなものは少なかった。しかし、本作は彼の作品の中でも全く異なる印象を受けた。かなり自分にピタッとはまった。これほど丁寧に、繊細にかつ念入りに人間の孤独、心の闇を丁寧に描いた作品にはそうお目にかかれることはないだろう。一見するとテンポが悪いようにもみえるが、じわじわと一人の孤独の男が心の闇に支配されていくような感じも受けて、ぞくぞくする興奮を覚えた。トラヴィスは元々から狂っているわけではない。特殊な存在ではなく、どこにでもいるただの普通の寂しい男だ。寂しさを紛らわせるために、タクシードライバーを始め、働いているうちに道で見かけた女性に恋もしたりもする、やはり普通の男だ。ベッツィにとっても、彼のような不器用ながらも直球を投げてくるタイプの男は珍しかったのだろう。二人は少しはよい関係になるが、ありがちなコミュニケーション不足や、女性に対する接し方の経験不足から、あっさりとふられてしまう。振られた痛手が導く「自分が認められない、自分を受け入れてもらえない」気持ちと、さらに汚れた街、孤独な街がトラヴィスの心を一層、孤独にし、闇に染めていき、狂気へと駆り立てていく。しかし、どこかにまだ心の中に自分を必要としてくれる人がいるのではないかという希望は消えていない。それが忘れられない20ドル(アイリスの存在)である。トラヴィスの一方的な思い込みではあるが、やはり彼は完全な狂人ではなく、救いを求めている人間らしいところも垣間見れる。救いを求めたとしても、心の闇に支配された男はそう簡単に変われるものではない。狂気は実現へと進んでいく。狙撃する対象は、別に誰でもよかった。大統領候補でも、ギャングでも。この世界と、自分の環境が少しでも変わり、自分という存在が誰かに認められ、自分の孤独が少しでも癒されればよかった。しかし、大統領暗殺の犯罪者から一転して、トラヴィスはヒーローに祭り上げられた。アイリスの両親からも感謝され、新聞にも取り上げられた。自分の存在を誇示するように、新聞の切り抜きを自宅の壁に貼り付けるものの、彼は変わっただろうか。少しも自分の心の乾きは潤されることはなかった。ベッツィと復縁のチャンスがあっても、自ら孤独から逃れる機会を拒否している。やはり、孤独な男はいつまでも孤独でしかないのだろうか。[DVD(字幕)] 9点(2006-07-29 02:18:13)(良:3票)

46.  ピッチブラック 金は掛けなくても映像は凝ってるし、冒頭の落下のシーンにはセンスの良さを感じた。 あれだけ多数のエイリアンが相手なので、エイリアンとの戦いには焦点をあてずに、極限状態での人間性をテーマに悪人リディックを主人公にした設定は面白いと思う。 冒頭に人を荷物のように投げ捨てようとしたにもかかわらず、ラストに自分の命の危険性を省みずに救おうとしたキャロリンの姿が対照的に描かれている点は素晴らしい。 極限状態になれば普通恐怖に怯え、自分が生き残るためには他人を犠牲にしても厭わない、そういう世界は確かに描けてはおり、一体何が善で、何が悪なのかを一応考えることは出来たが、そういう世界や視点が上手く表現できていなかった気はする。 善人そうに見えていたほど…という展開の方が分かりやすかったのではないか。特にあの警官っぽい賞金稼ぎをもっと上手く使って欲しかった。 リディックは確かにカッコ良かったが、神の存在を信じているが、神を憎み続けた男が辿り着いたラストとしてはあれでは少し演出が弱いと思う。 ラストの一言以外にもっと心の動きを感じられれば良かった。 こんな中途半端に描くくらいなら、「自分の命を賭けられるか」というキャロリンとリディックとの二人のやり取りを考えると、思いきってリディックが自分が助かりたいがためにキャロリンをエサにしようという演技をしていたという展開の方が面白いと思った。 それならば、こいつは筋金入りのワルだなと思える。 本作はやはりどことなく中途半端に感じる。5点(2004-08-08 01:07:35)(良:1票) 《改行有》

47.  ゴッドファーザー 東劇でデジタルリマスター版を観ました、古臭さは全くなし、非常に満足。 登場人物は多いけどキャラクターにそれぞれ特徴があるし、すんなりと頭に入る混乱もしない演出と脚本は見事。 冒頭とラストシーンだけでも震えるほどの感触。 劇中でのドンの存在感ははっきり言って神がかっていた、オーラがある、死に方も意外と好き。 血で血を洗う抗争と憎しみの連鎖。 愛するものを失ったドンとマイケルの対比が良かった。 息子を失ったドンは戦う意欲を無くし、本当に愛していた妻を無くしたマイケルは感情を失くし逆に復讐の鬼、冷酷な殺人マシーンとなる。 妻にも躊躇はしながらも嘘をつき、最後は少しは開かれていたはずのマイケルの心の扉が完全に閉まった所でのラスト、本当に素晴らしい。 運命というか、マフィアの家に産まれついた宿命によってマイケルの翻弄されていく生き様が何とも言えない。10点(2004-06-22 21:57:45)(良:1票) 《改行有》

48.  ザ・ムーン 《ネタバレ》 映像は豊富であるものの、「月面旅行」を体感できるような類の映画ではなく、基本的にはコリンズ(アポロ11号に乗ったのに月面を歩けなかった人)を中心とした宇宙飛行士たちが語るエピソードがメインの眠くなる類のドキュメンタリーだ。 しかし、この手の分野には興味のあるものの知識がなかっただけに、“人類の進歩や挑戦”の苦労や興奮を体感できたり、「冷戦」を背景とした当時の“宇宙開発計画”の時代の裏側を知れたりと、非常に興味深い時間を過ごすことができ、いい勉強にはなった。 神秘的な映像を見られると思った人には、おっさん達のつまらない話としか感じないが、関心のある人には優良ドキュメンタリーとなるだろう。 本作を見ることで、ニール・アームストロングの『That's one small step for a man, one giant leap for mankind』(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)という有名なセリフの深さや重さを味わうことができた。 このセリフには感動させられる。 先人たちの無謀ともいえるチャレンジスピリッツがあるからこそ、現在の豊かな暮らしに繋がっているとも感じられるとともに、人類や人間には不可能はないということも感じられる。 そして、“月”を描くということは、間接的には“地球”を描くということにも繋がっているとも感じられた。 本作の裏のテーマは“地球”であるのは間違いないだろう。 奇跡の惑星である“地球”の美しさは見事としかいいようがない。 “月”から“地球”を眺めてみれば、“地球”を汚染したり、ちっぽけなことで争いをしている人類の愚かさを改めて実感させられる。 “地球”の奇跡を享受することを当然のことのように考えるのは、間違っているとも感じさせられる。 確かに、眠くなるドキュメンタリーかもしれないが、本作を見ることで、人類や地球について何かを感じ取れることができるのではないだろうか。[映画館(字幕)] 6点(2009-02-07 23:30:28)(良:1票) 《改行有》

49.  U・ボート 6話構成の5時間の完全版を観ましたが、あっという間に観れました。 大した戦闘もなくてたった二機を撃墜したにすぎないし、大きなストーリー展開もジブラルタル越えくらいで潜水艦内の日常を追っているだけなんだけど、非常に息が詰まるような人間ドラマが繰り広げられている。 熱気、緊張感、緊迫感、閉塞感はハンパなく、その中には言いようもないいらだち、空虚さ、やるせなさがにじみ出ている。 また「音」による恐怖を効果的に使用している演出も素晴らしい。死線を乗り越えた後のあのラストには戦争に対する強い憤りを感じる。8点(2004-05-13 23:12:13)(良:1票) 《改行有》

50.  ダンサー・イン・ザ・ダーク これは裏サウンドオブミュージックでしょう。 あちらは音楽を通して人々を幸せにして、多くの人々を結び付けていく世界が描かれているが、しかしこちらは、唯一の趣味のミュージカルに興じても、脳内ミュージカルで現実逃避を図ったとしても、結局は逃避でしかなく、現実を解決できるわけでもなく、その現実という救いのない世界が襲い掛かってくる。 現実逃避しか出来なくて、病気が遺伝すると分かってても子供を産んでしまった弱い主人公だが、その責めに対して、逃げることなく自分を賭して、最後まで自己犠牲的な愛を貫いている、それが唯一の救いと言えようか。 ドヌーブの「必要なのは母」というセリフに対して、「必要なのは眼」と主張している。手術をしなければ自分と同じ道を辿るであろう運命に対して、母(現実での逃げ)よりも眼(未来)という結論こそ、セルマの見出した答えじゃないのか。 映画としては、つらい内容なので評価は別れるだろうが、他の映画とは一線を画すセンス、衝撃的なラスト、線路や稽古場で警官に連れられていくシーンなど評価すべき点は多い。 この映画を見て嫌な気分になった人は「サウンドオブミュージック」でも見て中和することを薦める。9点(2004-02-22 02:44:58)(良:1票) 《改行有》

51.  スパイ・ゲーム(2001) 「スパイゲーム」というタイトルの割にはゲーム性もなく、007のような映画とは違い、真面目で落ち着いた出来に仕上がっている。 出来自体は決して悪くはないのだが、盛りあがりに欠ける為、期待ハズレと感じる人も多いだろう。 部下であったトム救出のために動き回るネイサンの退職の日の「現実」を縦軸に、75年ベトナムでの出会いから、76年西ドイツでの二人の考えの対立、そして85年のベイルートでの二人の別れを「過去」の回想を横軸に二重構造にして描かれている。 ネイサンの信念には「情報提供者に命をかけるな」というスパイの役目や負けられない危険なゲームと割り切ることが大切という考え方があり、一方、トムは理想肌で「人を殺すことは苦しいこと」と語っていたように「人の命の重さ」を知っている。 二人の考え方はだいぶ違うと思ったが、やはり二人にはどことなく似ている部分を感じさせるし、人間的な根っこは同じような気がする。本作では師弟愛が感じられた。 しかしなあ、ネイサンはベイルートでは当然の策とはいえ、トムを待たずに、キプロス義勇軍を使ってしまったり、エリザベスをトムから引き離すために拉致って中国に引き渡したりしているわけでかなり実際はかなり非情なオトコなんだよな。 トムとエリザベスの二人の愛が本物だとは知らずに拉致ったりしているから今回のような事件が起きたわけで、28200ドルは自分のまいた種を刈り取ったようなものかもしれない。 エリザベスとトムの二人には、救出後2台の離れたヘリコプターで見つめ合う姿に愛を感じさせずにいられなかった。 ネイサンの奥さんネタも随所に登場させているから、ネイサンの奥さん、家族、愛についての考えも少しだけでも描いて欲しかった気がした。 奥さんネタはやや消化不良に終わっていると感じたな。 衛星写真のすり替えや「ディナー作戦決行」の周りの反応などニヤリと出来る場面も多く、「ディナー作戦」と聞いた時のトムの反応も特に良かった。7点(2004-12-18 16:35:49)(良:2票) 《改行有》

52.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 予告編で結論等は予想できてしまうが、中身は予想を大幅に越えており、大満足の映画に仕上がっている。 多少強引なバタフライ効果(母の肺ガン、エヴァンによるトミー殺し)もあるが、脚本自体の穴はそれほど目立たないと思う(子どもの頃に書いた殺人の絵と冒頭のメモ書きを除く)。 個人的に一番気になったのがラスト。 通りでエヴァンとケイリーがすれ違うところがラストであるが、彼女を振りかえらせる必要はなかったのではないかというのが個人的な感想。ましてや本人も振りかえる必要もない。 自分が演出家ならば、キャリアウーマンの彼女よりも、母親にでもなって幸せそうに家族で歩いている彼女を見せたい。当然エヴァンを見ても何も気付かないケイリー。そして一瞬立ち止まり、喜びと哀しみが入り混じった複雑な表情を見せて再び歩き出すエヴァンでラストという感じの方がこの映画の趣旨に合っている気がする。 製作総指揮まで務めているのだから、アシュトンにも高い演技を要求しても良いだろう。とにかくラストはあのままで良いとしても、表情はもうちょい工夫が必要だろう。 そして、この映画のテーマとしては「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」というものがあるとは思う。 確かに、娼婦に身を落したケイリーとカフェで二人で語るシーンや腕を無くしたときにベンチで二人で語るシーンがあり、脚本としては充分に盛りこまれていると思う。 しかし、上記のテーマが観客の心に触れるほどには至っておらず、少々演技が足りないと感じる部分はある。この二箇所は重要なポイントなのでもうちょい重めに描いて欲しかった。 また、この映画の重要なキーアイテムである日記については、扱いが多少雑なような気がする。ベッドの下をごそごそと漁ればすぐに出てくるような軽いものにして欲しくなかった。現在の状況を変えたいと思い立ってすぐに「現在」を変えてしまっては面白くない。 刑務所での出来事のようにすぐに変えられない状況をそれぞれのエピソードにも盛りこむという仕掛けが用意すればさらにストーリーに動きがつき、面白くなると思うのだが。 色々と言いたいことは書いたが、この映画自体には興奮させられたのが率直な感想。 [映画館(字幕)] 8点(2005-05-22 22:35:57)(良:3票) 《改行有》

53.  フォーン・ブース 満点を与えようか迷うほどの素晴らしい傑作。 81分間という短い時間ながらぎっしりと中身が濃い、充実した映画。 そして一瞬も気を許せない緊張感。 さらに満足すべきなのは、素晴らしいアイデアと脚本と演出だ。 特にラスト付近のスチュが洗いざらいぶちまける姿は見事だ。 スチュの人生はキーファーとの電話で明らかになっていくが、二人のやり取りを見ているだけでスチュの人生、性格、生き方も見えてくる。 都合良く話を作り上げたり、言い訳やごまかしを多用し、すぐに人のせいにする。 このやり取りを聞いているだけで、スチュの生き方が分かる仕掛けも見事としか言いようがない。 決して悪党とは言えない小悪党を次から次へと裸にする様は素晴らしい。 最初見たときこれがもっと大悪党だったら面白いかと思ったがそれは大間違いだった。 というのもスチュとは映画の特別な存在ではなく、いわば我々自身の姿とも言えるからだ。 衣装や上辺だけを装い、ウソで塗り固めた偽りの人生を生きているのは彼だけではない。 他人に対して傲慢にあたり、利用できる人間だけを利用しようとするのも彼だけではない。 その彼に罪を償わせ、許しを求めさせたのは何故か。それは我々も罪人だからなのかもしれない。 コリンファレルはかなり良い演技をしていたんだが、自分はこの役をトムクルーズにやらせてみたいと思った。 彼がどんな人生を告白するか考えただけで面白そうだ。 大抵の映画なら主人公や警察の機知で犯人役が捕まるというオチが相場なのだが、この映画では犯人がどんなオトコで、何の目的(ほとんど分かるけど)でこんなことをしたのか明らかになっていないが、その点も自分がこの映画が好きなところだ。 なんでもかんでも映画内で明かにするのではなく、少しは観客に想像を掻き立てる映画というのもアリだろう。9点(2005-01-04 01:46:16)(良:1票) 《改行有》

54.  機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛 《ネタバレ》 一言でいえば、こんなものはZでもなんでもない茶番だ。 鑑賞前から恐らくハッピィーエンドで終わるであろうとは思っていたが、単に強引にハッピィーエンドにしたところで、何も感じることもないものにして良いはずがない。 そもそもオリジナルラストでカミーユの精神が崩壊するのは、シロッコが死ぬ間際に「オマエの心も連れていく」と言ったからだけではない。あれは単なる引き金に過ぎない。カミーユは戦闘の中においても、「人は誰とでも分かり合えるのではないか」という想いを抱いて戦っていたが、レコア、サラ、ロザミアといった女性たちと最後まで分かり合えることなく、戦いを止めさせることができなく死なせてしまったという苦しみ。また、戦闘の最中にカツ、ヘンケン、エマという仲間が無残に死んでいく姿や、コロニーレーザー「グリプスⅡ」の圧倒的な力にニュータイプ一人の力では戦争を終わらせることができない無力感、そしてニュータイプは単なる人殺しでしかないのではないかという苛立ちなどが、たまりにたまってカミーユの精神を崩壊させたのである。宇宙空間でヘルメットのバイザーを上げたのも既に精神に変調を来しているからであって、「一瞬気絶してました」とかいう訳の分からない理由からではない。 それにしても創りが雑すぎる。ロザミアを描くことは時間的にできないにしても、最後のシロッコとの戦いにはでてくるのは問題だし、さもなければロザミアを描けないかわりに、レコアやサラとカミーユの関係はじっくり描くべきだろう。 そもそも結構劇中では出番があったのに、なぜレコアがエウーゴから離脱し捕虜ではなくティターンズに加わって戦っているのかが普通の人では感じ取れないだろう。オリジナルではクワトロが暴走したグワダンでの脱出の際に確かクワトロをかばってレコアは怪我をしたはずであり、その辺りでのクワトロとのやり取りを上手く利用すればよかったのではないか。なぜか普通に敵に撃たれていたのには理解が苦しむ。また、バスク大佐のドゴスギアを撃ち落としたのは、レコアのパラスアテネであってヤザンではない。あれではヤザンの立ち位置が余計ややこしくなる。 エウーゴとティターンズの間でキャスティングボートを握るアクシズを巡る三者の攻防に加えて、ティターンズ内のシロッコとジャミトフ+バスクの内紛も劇中ではごちゃごちゃさせただけで上手く描けなかったのも悲しいことだ。[映画館(字幕)] 3点(2006-03-11 23:29:41)(良:3票) 《改行有》

55.  スクール・オブ・ロック 日比谷で観ましたが、観客ダイブとラストには拍手が巻き起こりました。 「LOTR」や「SW」ならよくある話だけど、それほどメジャーでもないこの作品でみられるとは思わなかった。それだけ皆ハマッたといえるのではないでしょうか。 自分もロックは全然詳しくないけど、十分楽しめた口です。 ジャックブラックの好演もさることながら「ロック」への熱い情熱を高く感じられる。 ブラックの役どころが特に良かった。 途中からブラックの子どもたちへの接し方も上からモノを言うというより、同じ目線で語っているように感じられ、演じる曲もザックが原案し、皆で一緒に完成させていく姿に自分も引き込まれた。 一番気に入ったシーンは、突然の曲変更で一番きつかった照明係に演者よりも一番に労をねぎらったようなところですね。 演者だけが光があたるのではなく、それぞれ一見地味な役ところにもクラスの子どもたちを配置し、クラス全体でライブを成功させたというのが伝わってくる。 だから、子どもたち皆活き活きと演じていたような気がする。 ブラックも「ロック」の精神を教えていたつもりが、子どもたちに改めて「ロック」の精神を逆に教わったのではないだろうか。 校長や同居人の「夢」や「大人」について語るサイドストーリーも描かれているのでより深みをましている。9点(2004-06-25 14:36:32)(良:3票) 《改行有》

56.  カポーティ 《ネタバレ》 小説「冷血」は未読。せめて映画「冷血」は観たかったが、常にレンタル中のため、待ちきれず本作を鑑賞することにした。読んでおくにこしたことはないが「冷血」を知らなくても、なんとか本作は十分鑑賞できるのではないか。 本作の主眼は、事件の真相というよりも「人間の内部に潜む冷酷な二面性」だろう。カポーティは、ペリーに近づき、親身になって友人として振る舞うことによって、小説のネタにするための事件の真相を探ろうとしたに過ぎない。徐々に、彼の心の闇を垣間見てしまうとふいに気付いてしまう、彼は自分自身と同じであると。「表出口から出て行ったのが自分で、裏口から出て行ったのがペリーだ」と気付く。一方は、賞賛される人気作家であり、他方は、死刑が待ち受ける犯罪者であるが、その根っこは同じである。人々から、奇異と受け止められ、周囲から疎まれ、誰からも自分のことなど理解してもらえない。ゲイの恋人はいるものの、真の意味で通じ合っているわけではない。カポーティは自分自身しか愛せなかったからだ。そんなカポーティに、真の意味で通じ合えたのが、家族から愛されず、理解もされないペリーだ。彼は、どんな日常生活よりもペリーと過ごす時間の方がくつろげたはずだ。自分自身しか愛せなかったカポーティが自分と同視できる存在と向き合えるのだから。 そんな心の安らぎであるペリーに対して、誰よりも死を待ち望んでいるのは、紛れもなくカポーティである。4年もの歳月を費やした小説を完成させるためには、彼らの死がなければ始まらない。本作のポスターのうたい文句にもなっていたが、まさに「彼の死を恐れるとともに、彼の死を望む」という状態である。カポーティこそ「冷血」であることは間違いない。クリスクーパーの「事件を起こした犯人が冷血なのか、それともそれを描く作家が冷血なのか」という問いかけは見事としか言いようがない。 そして「助けることができなかった」と嘆くカポーティに「助けたくなかったんでしょう」と言い放つネル。ネルでさえもカポーティの二面性に傷つく心を理解できず、彼は一層立ち直れないほどに孤独になっていく。 この矛盾するような感情を抱え、精神が徐々に蝕まれていく様子を、見事にホフマンが演じきっている。彼のアカデミー主演男優賞には全く異論がない。ただ単にカポーティの仕草を似せたのではなく、内面までも深く演じきっているから素晴らしいのである。[映画館(字幕)] 8点(2006-10-16 22:12:38)(良:1票) 《改行有》

57.  スペル 《ネタバレ》 傑作ホラーといわれている「死霊のはらわた」が個人的に全く合わなかったので、無理を承知で鑑賞してみたが、やっぱり合わなかった。 極端につまらないとは思わないが、どうにもノリ切れない。 ホラーともコメディともいえない独特な路線がサム・ライミ監督の持ち味なのかもしれないが、自分にはどちらにも振り切れていないと感じられて、中途半端にも映った。 それほど怖くもなければ、それほど笑えるわけでもないという生煮え状態が続く。 追いつめられていくような心理的な圧迫もなく、単に“突然さ”と“音”だけで誤魔化しているのではないかと感じられるところもチラホラと見受けられる。 冒頭の車内バトルは楽しめたので、あのようなテンションが続けばもうちょっと楽しめたと思われるが、あとは基本的にはワンパターンにも感じられた。 作り物のグロさには耐性があるので、あの程度ではビクともしない。 冒頭を過ぎれば、肝心のババアとのバトルも盛り上がりはない(死体に髪を引っ張られるだけのシーンは“お約束”と笑えばいいのか)。 ラストの落としどころは誰でも分かるように製作されている。 それはそれで「そのネタをいつ明かしてくれるんだ!」というワクワクするような期待感を抱くことができるものの、ノリ切れない者にとっては「バレバレなんだよ。早くしろよ!」という“萎え”という感想も抱くことにも繋がる。 完全に見る者を選ぶ映画といえそうであり、自分はもちろん選ばれなかったようだ。 こういう作品を心から楽しむことができないのは、自分はちょっと損をしているかもしれない。[映画館(字幕)] 4点(2009-12-01 23:39:27)(良:2票) 《改行有》

58.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 まあキングの原作の映画化ということで、だいたい予定通りで予想通りの作品に仕上がったといった感じ。 デビッドコープの初監督ということで期待していたが、良くも悪くも無難な仕上がり。万人向けの映画になってしまっている。 脚本家として高い地位があるんだから、もう少し個性を出したり、冒険をしてもいいんじゃないか。せっかく監督やるんだから。 一方、デップは相変わらず小技を多用しながら、いい演技をしていたと思われる。 彼が演じてなければ、どんなにつまらん映画になっていたことか。 しかし、多重人格のネタばらしのシーンはもっとうまく演出して欲しかった。 デップ本人がもっとコンフューズしてくれないと、観客もコンフューズできないだろう。 その一歩手前でいきなりネタをばらされてしまった印象、デップもすんなり受け入れているのがやはり問題。 一体何が起きているのか誰も分からないというようにしないといけない、他のレヴューを見る限り丸分かりだったようなのでそれはマズイだろう。 順序を変えた方が良かったんじゃないか。 自分が多重人格と気づいた後に、妻を殺しているが。 妻が殺された後に、自分が多重と気づいた方がもう少し衝撃が強いと思う。 肝心の小説ももう少し丁寧に扱った方が良いだろう。観ていてもどういう内容の小説がイマイチ伝わりづらい。 渋谷で映画を観たのだが、観ている最中にでかい地震が二発ほど来て、結構観客がざわついていた。 ちょうどクライマックスに差しかかっている所に地震が来たので、思いっきり揺れながらも必死に映画を見るという体験だった。 たぶん、この映画は自分にとっては内容よりも地震があったという印象しか将来残らないだろう。6点(2004-10-24 04:02:39)(良:1票) 《改行有》

59.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 かなり骨太の作品で充分満足できる内容。 あまり見る人はいないけど、見た人の評価は高い作品かと思ったら意外と皆さんの評価悪いですね。 冒頭数分間で誘拐による恐怖やメキシコでは日常的に起こっていることと観客に植え付けて、その後本ストーリーに進むというのはなかなかいい演出だと思った。 そしてクリーシーがストーリー前にどんな悲惨な目にあって来て、酒に依存するようになったか、ココロを閉ざしてしまったのかをあまり明らかにしていないことが最初は不満だったが、復讐劇が始まるにつれ、だんだんと彼の心情が理解できるようになってきた。 人を人と扱わずなんの躊躇もない非情な殺人鬼と化す姿を見れば、彼がどんな人生を送ってきたか大体は想像がつく。 ウォーケンの一言も重みがあった。 「もう人を殺すのは嫌だ…」このセリフを聞けば彼らの心のダメージがなんとなく理解できる気がした。 さらに彼の怒りの理由も理解できるだろう。 心を病みそうになっていた彼を救った少女、酒も聖書でも救えない彼の心を救った二人のやり取りはなんとも言えずに微笑ましかった。 少女もまた彼によって精神的に救われていたと感じられた。 復讐編の出来もまあまあ良いだろう。 難しい人間関係もなく、単純に一人また一人と殺していく。 その殺し方や尋問方法も色々と手が込んでいて観客にとっては飽きさせない創り。 ラストには少し違和感はあるが、単純に生きてて良かったねと言える。 自分の人生を救ってくれたかけがえない人を助けることが出来て死ねるというのもなかなか悪くないのではないか。 強いて言えば、連邦捜査官がラスト絡むかと思ったら何もなし。ラストの車爆発もなし。 さすがに自分のお尻に爆弾をし込むようなことはしなかったか。 新聞記者の女性も最初はクリーシーを利用しようと思っていたのに、クリーシーと捜査官にいいように使われているのもなかなか面白いと感じた。 この映画は面白いのだが、何か心に引っかかるものを感じる。 脚本は良いのだが、演出のリズムというかテンポがのろい。 カッコつけすぎていてどうでも良い部分までも撮っている感じがしたのは自分だけだろうか。8点(2004-12-29 00:02:59)(良:1票) 《改行有》

60.  告発のとき 《ネタバレ》 鑑賞中は「つまらない映画」と思っていたが、鑑賞後は「素晴らしい映画」と感想ががらりと変わった。 「アメリカがイラクで行った暴虐に対して告発する」という大きなテーマを描くのかと思って見てみたら、大間違いだ。 見終わった後は、それよりももっと大きく深いテーマを扱っていると気付くだろう。 “戦争が人間性を崩壊させる”というテーマを、感傷的にもヒステリックにもならずに、静かに怒りを込めつつ冷静に告発している。 見終わってから全てがみえてくるというポール・ハギスの計算された作風が見事だ。 息子を殺された父親と、その息子を殺した加害者が「パンスト話」で笑い合ったり、酒を飲んだりするというシーンの恐ろしさは、最後まで見ないと分からない。 息子を殺された父親に対して、ともに戦った戦友の殺害を冷静に罪悪感もなく語るシーン、戦友を殺して切り刻んで燃やしたあとに腹が減ってきたのでチキンを食べたと語るシーンには、言葉も出ない。 この“異常性”こそが本作の真相であり、その“異常性”を見事に描き切った。 戦争によって“異常”な人間になってしまったが、父親に対して送ったメッセージ、父親に対して贈った写真と国旗には、元の“正常”な心は完全に失われていないことも伝えている。 ポール・ハギスは、アメリカが異常な国になってしまったと告発しているが、正常な国に戻れるはずだという想いも込めたのだろう。 ラストに登場する青年兵士の姿、そして逆さにした国旗に込めた想い、どれもこれも深くて熱い。 原題のタイトルの由来となっている「ダビデとゴリアテ」の話が恥ずかしながらよく分からなかった。 「ダビデ」はシャーリーズ・セロンの息子の名前の由来なので、アメリカの若い兵隊を言い表しているのだろう。ダビデ(若い兵士)はパチンコ(現代に置き換えれば銃)をもって、巨人「ゴリアテ」に立ち向かう。 巨人「ゴリアテ」は、イラクを指しているのかもしれないが、この場合“戦争”そのものを指しているのかもしれない。 結果的には、ダビデ(アメリカの若い兵)は巨人との戦いには勝つことができた。 しかし、ポイントは小人が巨人に勝つことではなく、なぜそもそも小人のダビデが巨人と戦わなければいけないのかが問題ということなのだろう。 勝ち負けの問題ではなく、アメリカの希望ある若い兵隊が戦争に赴くことに対する問題とその矛盾を示したという解釈をしたい。[映画館(字幕)] 8点(2008-07-16 20:13:10)(良:5票) 《改行有》


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS