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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1305
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/20066/
ホームページ http://w.livedoor.jp/mushokamondai/
年齢 51歳
メールアドレス gurugurian@hotmail.com
自己紹介 ♪わたしの小さい時 ママにききました

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ

 さきのことなど わからない


 大人になってから あの人にききました

 毎日が幸福に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 
 さきのことなど わからない


 子供が出来たら そのベビーがききます

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 
 さきのことなど わからない ケ・セラ・セラ~


(2010.4.16記)


現在、ダイエットちう。腹筋、割れてるでー。




力を入れると。

(2011.8.28記)


↑ホームページのリンクを「朝鮮学校無償化問題FAQ」に張り替えました。特に「パッチギ!」ファンは、見てね。




これからもよろすく。





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評価順123456789101112131415

81.  ゲロッパ! 《ネタバレ》 いやー、やられましたわ、井筒監督!よくぞこんな映画を撮ってくれはりました。そもそもね、ワテがいい年こいてから映画にハマりだした理由の一つに監督の「こちトラ自腹じゃ!」があったんですわ。いわば恩人なわけですから「こら応援せなアカン!」と思って観に行ったんですわ。ただね、観る前にちょっと心配してたトコもあったんです。「もし、ぬっる~い人情喜劇みたいなのだったらどないしょ」って。だって、ヤクザの親分と生き別れたその娘なんてシチュエイション、もうコッテコテやないですか。おまけにジェームス・ブラウンを誘拐!?どないなっとんねんっちゅう話ですわ。それが観てみたら・・・・・・確かに人情喜劇には違わないんですが、「ぬるい」ではなく「ぬくい」映画でしたね。「アンタ、貧乏性ちゃうか?」とツッコみたくなるくらいの小ギャグの連打、連打、そして登場人物の関西弁からにじみ出る「あたたかさ」、もう、これでもかッってくらいのパワフル&ハートフル!なんや知らん、下町のオバチャンが焼いてくれた具沢山のお好み焼き食べさしてもろて幸せーな気分になった感じ。特に西田敏行演じる親分がJB(のそっくりさん)の代わりにステージに上がるところ!泣けましたわー(ワテね、「アバウト・ア・ボーイ」なんかもそうなんですけど、こういう「大切な人のために勇気を出してステージに上がる」ってシチュエイションに弱いんですわ、ホンマ)。「ブルース・ブラザーズ」を思わすようなエンディングも素敵やしね。いや、ワタクシ事ですんませんけど、最近ワテ、映画観ながら頭ン中で屁理屈こね回してる事がようありましてな、それがごっつう嫌でしてん。この映画はそんな生意気なワテの頭をゴーーーーンって気持ち良うぶん殴ってくれましたわ。「なんっかむっつかしい映画もええけどな、人間何が一番大切かって、毎日笑って泣いてっていう、そういうことやん。もしこの映画観てアンタが元気になってくれたら、ごっつ嬉しいわ。ほな、明日からも頑張ってえな」って監督に言われているようで、めちゃ元気になりましたわ。ま、ひょっとしてあのオチに対して「そんなんあるわけないやん、都合良過ぎるわ」っていう人もいるかもしれません。そんな人にワテは言いたい。「・・・・・・ええやないか(微笑)」とにかく、これで大好きな日本映画がまた一つ増えましたわ。井筒監督、アンタには完敗!そして乾杯!10点(2003-09-02 17:51:00)(良:2票)

82.  運命じゃない人 うーん、面白かった。脚本はもちろん巧みなんだけど、何つうのかな、それを鼻にかけてないというか、いかにも奇をてらいましたというのでもなく、「新進気鋭の作家でござい」みたいなところもなく、ごく自然に「面白いものを作りたかったので面白いものを作りました」って感じなのが凄い。話の内容も、ひねってはいるけれど、シニカル過ぎず、甘過ぎず、心地良~い「塩梅」。役者さんもそれぞれ適役だし(出番は少ないけどレストランでコーヒー入れに来た店長さんとヒロイン(?)の乗るタクシーの運転手さんも良い味出してたな~)。こういう新人監督さんがポコッと出てきちゃうんだから、まだまだ日本映画も捨てたもんじゃないよね。[DVD(字幕)] 8点(2006-04-01 17:49:38)(良:2票)

83.  魚影の群れ いやマジで凄いって!何がってアータ、あのマグロの一本釣りのシーン!だって緒方拳、ホントにマグロ釣ってるよ?人間よりもデカいのよ、マグロ!それが海中でユラ~リとしてる所の迫力といったら・・・。それを、相米監督お得意の長回しでジワーっと撮ってるんだから、もぉ・・・さすがに「血が沸騰する」って言ったらJAROに怒られちゃうけど、体感温度は2,3度上がった、マジで。あれ、どうやって撮ったんだろ?多分途中までは本物の漁師さんがやってたんだろうけど・・・。勿論それだけでなく、ドラマ自体も見応えがありました。いまさらだけど、緒方拳って味のある役者だなー。夏目雅子も凄く可愛らしいのにちゃんと演技できてるし。ホント、見た目だけで演技力ゼロの女優に彼女のDNAを注入したい。8点(2003-12-06 15:14:46)(良:2票)

84.  バグズ・ライフ 《ネタバレ》 今まで出てるピクサーの作品(ファインディング・ニモを除く)の中では一番最後に観たんですけど、改めてピクサーの凄さを感じました(よく「ディズニー作品」としている方がいらっしゃいますが、やはり別物だと思います。いや、むしろこっちの方が「本来の」ディズニー作品というべきなのでしょうか?)。第一にフィクション(嘘)の世界の作りこみ方が実に細やか。個人的に「アイス・エイジ」はその辺が不十分で(だって、あの中ではサーベルタイガーとマンモスはあくまで捕食者と被捕食者の関係なのに友情が成立する訳ない!と思えてしまったので)不満だったのですが、本作ではさりげなくガとカマキリを夫婦という設定にしたりして、きちんと「この作品はここまでファンタジーとしてつくってるんでそのつもりで楽しんでくださいね」ということを示しているように思えるんですよね。その他にも虫たちのサーカスやフリックの発明品など、楽しい仕掛けがいっぱいで飽きさせません。第二に、キャラクターの設定がこれまた細やかで楽しい。本作でも健気で可愛いドット姫や、脇役ながらいい味出してるダンゴ虫のドツキ漫才コンビ、ジャンキーっぽいバッタなど強烈なキャラが盛り沢山で、いわゆる「捨てキャラ」がほとんどない!第三は、やはりストーリーの面白さ。王道でありながら、ひねくれた三十男(私)をも最後まで飽きさせない。これはやっぱり凄いことだと思うんですよね。あと、最後といえばピクサー作品で重要なのがエンドロールのNG集(残念ながら「ファインディング~」では採用されていないようですが)。これって悪役のキャラ(本作ではホッパー)も「役の一人」とすることで楽しい映画の世界から現実の世界にうまくソフトランディングさせてくれる役割を果たしているのではないでしょうか。例えば本作では悪役(ホッパー)はいささか残酷な最期を迎えますが、あのNG集で再登場することによって「これは楽しい『嘘』なんだ、『お話』なんだ」と思わせてくれるんですよね。ともあれ保守本道を歩みながら今や少数派となった良質の映画を作り続けるピクサーの、今後の活躍を期待してます。8点(2003-12-04 19:27:27)(良:2票)

85.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 映画版ドラえもんは確か中学生くらい、「竜の騎士」辺りまでしか観てなくて、その辺りからテレビ版からもマンガ版からも遠ざかって、もうすぐ二十年。宿題勉強大嫌い、昼寝ぐうたら大好きで、あやとりと射的しか取り得のない、でも心優しいのび太に思い切り感情移入しまくっていたクソガキも、いつの間にやらクソ大人になりましたよなってしまいましたよ。そんなクソ大人が久々に再会した(しかも劇場では初めて)ドラえもんは、やっぱりドラえもんで、もうそれだけで何だか嬉しくて、声優さんが代わったとか演出が変わったとかそういうのは、ま、どうでも良くて、ただ嬉しかったのです。・・・帰り道、「いっそのこと、あの千葉にある南蛮渡来のネズミ王国を接収して“藤子不二雄ランド”にしてしまえば良いのに。いやすべきだ、そもそもネズミはドラえもんの天敵だし」とか思ってしまったワタクシはやっぱりクソ大人です。でも映画は最高。[映画館(邦画)] 8点(2006-04-15 18:30:59)(良:2票)

86.  死刑執行人もまた死す すげい映画を観てしまった。ナチスがヨーロッパで猛威を振るっていた頃のプロパガンダ映画であるにもかかわらず、ちゃんと勧善懲悪の形を取り、優れたエンタテインメントとして成立していながら(つまり、普通の意味ですっげー面白い、ということ)、人間の闇、そして「このような極限下においては抑圧・弾圧される側も“鬼”にならなければならない」という冷徹な事実を突きつけられる。それにしても、よく政治的な作品(マイケル・ムーアのとかね)が「プロパガンダ映画だ」と批判されることがあるけど、例えプロパガンダ映画として作られても、優れた作品はその枠をぶち壊すようなエネルギーを発するものなのだな、と思った。日本で戦前・戦中に作られた国策映画と呼ばれる作品の中にも優れた作品があるそうだし、やっぱ映画って深いのだ。9点(2004-11-26 18:09:37)(良:2票)

87.  ALWAYS 三丁目の夕日 21世紀に入ったのにちっとも「アカルイミライ」なんて見えない、共同体意識は崩壊寸前で、「個人」は脆弱なままバラバラになるばかり・・・そんな現在、こういう作品がヒットし、支持されるというのは、分からなくもない。「未来」に希望が見えずに不安な状況では「過去」は甘美な魅力で人を惹きつける。そういう意味では確かに時代のニーズに応えた作品ではある。・・・んでもさ。例えばクレしんの「オトナ帝国」がなぜあれほど感動的で、かつ刺激的な名作になり得たか?「オトナ~」では、「過去」を甘美なものである事を認めた上で、「決別すべきもの」として描いた(またもや誰かさんの言葉を借りると「観客をブレヒト的に戦わせ」た)。映画であれ他のジャンルであれ、「過去」をああいう形で提示したのは、僕の知る限りあの映画が初めてだったと思う。しかるに、、何やねん、この作品の「過去」の描写の薄っぺらさは。確かにあの時代の日本は、夢と希望に溢れていたかもしれない、いや確かにそうだったと思う。「豊かになりたい」っていう明確な目標があったから。でも同時に不安や絶望、それに「心の闇」だってあった筈。確かに現代はヒドい時代かもしれないけど、だからっつって過去を過剰に美化するのってどうなのよ?「物質的には貧しくても、心は豊かだった」って、そりゃそうかもしんないけどさ、あえて逆説的な事言うならば「携帯やパソコンが溢れている現在“でも”、『心の豊かさ』は手に入れられる」んじゃない?つうかさ、これは負け惜しみと思ってもらって構わないんだけど、この作品単純に下手だ、演出が。これなら「はじめてのおつかい」の方が10倍感動的で、泣ける。この作品で唯一「映画」らしいと思えたのは、電気冷蔵庫が来た日に旧式冷蔵庫が粗大ゴミとして出されるシーンだけ、でした。<追記>:ただ、この作品がヒットした影響か、古い邦画のDVDが大手レンタル店に置かれる比重が高くなった気がする。それに関しては、素直に感謝してます。[DVD(邦画)] 4点(2006-07-26 18:52:10)(良:2票)

88.   心がざわつく作品。当時、オウムという集団が凶悪犯罪を起こしたのはほぼ間違いなく、また新たな犯罪を起こそうとしていると思われたのは当然のことだ。だから公安による微罪逮捕なども、ある程度仕方のない事だとは思うし、そもそも社会の規範や現世での幸福を否定している団体が「人権」とか言うのも矛盾している、と思う。駄菓子菓子。後半に登場していた、オウムを「悪魔教団」と罵り、「オウムに破防法を適用せよ!」とヒステリックにアジってたおばちゃんにも感情移入することはできなかった。その意見の是非ではなく、「相手が絶対悪=自分が絶対善」と無邪気に(?)信じている様が、まるで「デビルマン」に登場する「悪魔討伐隊」を思わせて不気味なのだ(なので、もし映画「デビルマン」を観ようとしてる人にはこっちが断然お勧め)。まるで「フセインは悪だ!だからこの戦争は正しい!」と叫ぶどこかの大統領のようでもある。 そもそもオウム(アレフ)信者は、自分たちの集団が犯罪を犯したことを知りつつ在籍しているのだろうから、社会から白眼視されたとしても、それを甘んじて受ける責任と覚悟は必要だと思う。しかしだからといって社会がオウムに対して何をやっても許される、ということにはならない。大体歴史的に言っても宗教というのは外部からの迫害が大きければ大きいほど結束を強くし、信仰は深まる。彼らに「麻原(松本)が犯罪を犯したのは確かなのだから脱会して社会復帰しろ」というのは、例えばキリスト教徒に「人間はサルから進化した生き物で神が創ったのでないことは明らかなのだから信仰を捨てろ」と言っているようなものだと思う。結局まず彼らに対する「狂信的集団」という見方をひとまずやめて「オウムという信仰を持っている人々」という認識から始めないと問題の解決には至らないのではないだろうか。この作品のスタッフがオウム側に信頼され、ここまでの映像を撮ることができたのは、その認識があったからだと思う。 さて、最後に映画としてのこの作品に対して注文を一つ。この作品は、観る人が事件についてある程度の知識を有していることを前提に作られている。だからこれから若い人たちが予備知識なしにこの作品を観ても、よく分からないと思う。できれば事件に関する資料やコメントを入れた「再編集版」も作ってほしい。この作品は、そうするだけの価値がある、と思う。8点(2004-10-28 19:04:37)(良:2票) 《改行有》

89.  シャイニング(1980) これ、「エイリアン」でも書いたんですけど、僕がホラー嫌いになったのは、幼い頃、十以上年の離れた姉(現在二児の母)にホラー映画のパンフレットで散々脅かされたのがきっかけ。姉『ほら、ここに載ってる人たちね、この人以外全部殺されちゃうんだよ~』ぐる『ううぇうぇwww(半泣き)』姉『・・・それでね、最後にね、お墓から・・・』ぐる『びえええええ、お、おでえぢゃ~ん、やぁ~めぇ~でぇ~(全壊)』・・・てな感じで。その頃姉に「解説」して貰った作品の中にこの「シャイニング」もあったのですが、【GOGOのはらひめ】さんに触発されて、自分も観てみよーかなーと、二十数年ぶりに「再会」。んで、結論から言うと、確かに怖かったけど、結構楽しめてしまった。これは単なる食わず嫌いだったかも。そういえば小学生の頃、給食に出てた「ほうれん草のごま和え」が死ぬほど嫌いだったんだけど、大人になって食べたら美味しかったもんなあ・・・と、閑話休題。まーこの作品に関して今更ワタクシごときが付け加えることなんてほとんどないけど、シェリー・デュヴァルの顔とかあの双子の姉妹とかと同じ位、キューブリックのあのきちっきちっとした絵の作り方も怖かったなあ(あの真っ赤なトイレとか)。ともあれ、これで自分もほらーが結構いける口だとわかったので、次は「ザ・フライ」かデップ兄貴の「エルム街の悪夢」にでもアタックしよーかな。8点(2005-02-01 16:43:13)(笑:2票)

90.  ヒーローショー 誤解を恐れずに結論めいたことを言うならば、これは井筒監督のキャリアの集大成にして、2010年現在、撮られるべくして撮られた正統派青春映画の傑作だ。■「大人」になり切れないまま、肥大した自意識と破れかけた夢だけをズルズルと引きずつつダラダラとした日常を無為に生きるユウキは、今という時代を的確に映すキャラクターになっている。彼や、もう一人の主人公・勇気を取り巻く若者たちもまた、自意識を持て余し、それを刹那の享楽や他者への攻撃性へと変えて行く。■劇中では暴力と憎悪が連鎖し、加害者と被害者は場面ごとに立場を逆転させていく。事態はただ悪化するばかりで、そこには一人の勝者もない…そんな身も蓋も無い現実が、実にリアルに、シビアに描かれる。前作「パッチギ!LOVE&PEACE」の公開時、監督は「実はHATE&WAR(憎悪と争い)が裏テーマでもある」という主旨のことを語っていたが、本作ではそのテーマがいっそう明確に語られている。■また、主役のジャルジャル(福徳秀介・後藤淳平)を始め、本作の主要キャストにお笑い芸人が起用されているが、彼らの演技が非常に素晴らしい。過去の井筒作品でも同様のキャスティングがされたもの(ガキ帝国、岸和田少年愚連隊など)がいくつかあるが、本作はその中でもそれが最も成功したものと言える。■なお、本作ではかなりリアルな暴力シーンも含まれており、それがR15指定作品となった要因のひとつでもあるのだが、その擬斗を担当しているのが「パッチギ!」シリーズで非常にエモーショナルな「どつき合い」を演出した秋永政之であることも特筆しておきたい。単に「暴力的」というのではなく、暴力を振るう側の「おびえ」など、細やかな心理描写を伴ったその演出は、もっと評価されてしかるべきだと思う。[映画館(邦画)] 9点(2010-07-10 19:26:09)(良:2票)

91.  学校の怪談4 うむ、これを「ホラー」だと思うからアレなのであって、この作品に「怖さ」を求めるというのは、例えば「兄貴の嫁さん」とか黒沢清の「神田川~」に「○○さ」を求めるのと同じだな(一応、良い子の為の映画だと思うので控えめな表現にしてみました)。これは、夏の映画、「日本の夏」の映画、「夏の切なさ」の映画、そして本来の意味での「お盆」の映画。海、プール、スイカ、盆踊り、灯篭流し・・・今の時期観るのにぴったりじゃあーりませんか。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-10 19:06:17)(良:2票)

92.  ブラウン・バニー 《ネタバレ》 実はこの作品、ずっと前から観ようと思いつつ、躊躇していた作品。はっきし言って僕は恋愛経験豊富ではないし、多分小学生レベルだと思う。だから基本的に恋愛映画は「良い奴が素敵なヒトとめぐり合って幸せになる」みたいなのが一番好きだし、あんまりディープなものは苦手。だからこの作品も、全然理解できないか、もしくは心の奥のあまり触れたくないトビラが開いてしまうかどっちかだろうという予感がしていた。結論から言うと、結果は後者。クレイは旅の途中、花の名前を持つ女性に声を掛けるが結局途中で捨ててしまう。僕はそれがすごく分かる気がする。いや、実際にそういう事をした経験は無いけれど、何つうのかな、「ここで手を伸ばせば、望んでいたものが手に入るかもしれない」というかすかな希望と「やっぱり、自分が望んでいたものは“それ”じゃなかった」という失望。途中の、特に事件が起こる訳ではないシーンが退屈という意見も分からないではないけれど、例えばクレイが車を走らせながら窓から手を出して風を感じる所とか、或いは塩の砂漠をバイクで疾走して地平線の彼方へ去っていくシーン(実際、あそこでギャロは自分を消し去ってしまいたい、とどこかで思っていたと、思う)とか、主人公のやるせなさ、哀しさがヒシヒシと伝わってくる。そして問題のシーン、そして謎の解明。あれは痛い。あれを痛いと感じない人はきっと、人生でも恋愛でも失敗や後悔を一切していない(か、忘れているかのどちらかの)人で、皮肉ではなく幸せだと思う。僕もあれとは全然違うけれど、何かをすべきだったのに何もしなかった、出来なかった、ただ立ちすくんでいただけだった経験があって、それはとても昔の事なのだけれど、今でもそれを思い出させるようなものを目にすると、心がキリキリと、痛む。おそらくギャロにも、あれと同じではないにせよ、本質的に似たような経験・想いがあったのだと思う。そんな自分の想い・弱さとギリギリの所で向かい合い、このような表現をしたギャロは、やっぱりホンモノだ。[DVD(字幕)] 8点(2005-05-03 17:34:42)(良:2票)

93.  変態家族 兄貴の嫁さん 誰が言ったか忘れたけど「文化は辺境から生まれる」という言葉がありました。僕はこれを「素晴らしいものは、えてしてメインストリームよりもマイナーな分野、あるいは不当に低い評価をされている分野から生まれる事が多い」と解釈していて、最近だと「クレヨンしんちゃん」の一連の映画作品、あるいはVシネマなどはその好例だと思います。で、かつての日本のポルノ・ピンク映画というのもそうした事例の一つで、後の名優・名監督を輩出しただけでなく、様々な意欲作や実験作を多く生み出しているのです(何しろ、女性の裸・性交場面さえいれれば後は何をしても良いのですから)。で、この作品もまさにその一つといえると思います。話に聞いた所によると全シーンに必ず小津作品の引用が入っているそうですが、残念ながらそれほど小津作品を見ていない僕には分からない引用もありました(きっとヴィム・ヴェンダースとか蓮實重彦とか【まぶぜたろう】さんとか(笑)なら全部分かるのでしょうが・・・)。とはいえ「秋刀魚の味」「晩春」それに「東京物語」を観ていればかなり楽しめます。特に大杉漣の「笠智衆っぷり」は必見(意外と目元がそっくり)!また、監督によるとこれは「続・晩春」のつもりだそうで、後半「晩春」の台詞がそのまま引用されています(ただ、主演の女優が原節子のイメージとは程遠いのですが・・・)。ま、仮に小津作品を全く観た事がなくても、ポルノ映画としてはかなりシュールな作りになっているので、結構笑えると思います。小津生誕100周年の今年(もうすぐ終わっちゃうけど)、こんな映画を観てみるのも宜しいのではないでしょうか。 6点(2003-12-26 19:11:26)(良:2票)

94.  のんきな姉さん 《ネタバレ》 この作品、実は今年(2004年)の初め、公開初日に観ました(監督・キャストの方々の舞台挨拶も初体験)。んじゃあ何で今までレビューを書かなかったかというと、(ひょっとして約一名?ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが)実は鑑賞前にビールを飲んでしまったために物語の後半部分では尿意との戦いで精一杯で、とても鑑賞どころではなかったのでした、ゴメンナサイ。ということでDVDで改めて鑑賞。・・・正直、とっつきにくい作品かもしれません。時間軸がバラバラというのもあるし、登場人物の寿司夫(弟)があまりにもダメ人間、というかちょっと「いっちゃってる」奴に思えてしまうし。でもきっと、この作品は「そういう風に観る」作品ではないんだろーなーと思いつつ故・ブルース・リーの「Don't think.Feel!」の精神で鑑賞(でも「何も考えないで観る」って意外と難しい。ついつい雑念とか入り込んできちゃうから)。最初はどこか、重苦しいような感じがしてたのですが、途中三浦友和と佐藤允がシュールな感じで出てきて何とも言えない「間」を作り出してるところ辺りがツボに入りました。で、最後に安寿子(姉)が雪の中、弟に寄り添うところで見せた笑顔が何だか暖かな感じで、ちょっと切なかったです。何だか幼い頃見た、目が覚めた時何故か泣きたくなっちゃったような夢をそのまま映画にしたような、不思議な印象でした。 6点(2004-12-12 18:41:57)(良:2票) 《改行有》

95.  第七天国(1927) 《ネタバレ》 貧しいけれど快活で、将来への自信にあふれた若者シコと、薄幸で健気な少女ディアンの恋・・・ってそれ反則!と言いたくなる位ベタな話だけど、泣けますね。この映画、サイレントだけど、台詞がすごくいいんですよね。シコが口癖のように言う「だから僕は出来る奴なんだ」(←これがうまい具合に伏線になっている)とか、シコが「I LOVE YOU」の代わりに言う「シコ、ディアン・・・天国」とか。中でもアタクシの涙腺をバーストさせてしまったのは「幸せに慣れてないから―――変ね、胸が痛むの」!!!!!!くぅーーーー!言われてみてえーーーー!・・・ただ、ずっと悲劇の話だと思っていたので、実はシコの戦死は誤報で実は生きてました、というオチがいかにもとってつけたような感じはあったのですが(だから僕にとってのこの作品のクライマックスはシコが戦場に赴く直前の所なんですけどね)、それでも素晴らしかった。ちなみに僕が観たのはDVDの「淀川長治名画100選(←もしかしたらタイトル違うかも)」バージョンで、残念ながら弁士付きではありませんでした。おそらくタイトルになっている「第七天国」というのは弁士の語りの中に含まれていた(はず)だと思うので、【STING大好き】さんともどもサイレント映画の弁士付きバージョンの発売を各ビデオ会社の方々にお願いしたいです。8点(2003-08-11 18:04:43)(良:2票)

96.  鴛鴦歌合戦 可愛い。歌声の音程が絶妙な市川春代が可愛い。まるでいたずらっ子のように微笑む片岡千恵蔵が可愛い。純情な一人娘をからかう志村喬が可愛い。歌唱力は高いが台詞が微妙に棒読みのディック・ミネも可愛い。勿論お春のライバルの娘たちも可愛いし、脇役の一人一人も、いや道八茶碗から麦焦がしに至るまで、みぃーんなみぃーんな、可愛い。豪快なまでのハッピーエンド、ニコニコのハッピーエンド、最後は主役も脇役もカタキ役も一列に並んで大合唱。ご都合主義と笑うなかれ、これぞ映画、夢の映画。くたばれ、ニヒリズム。糞喰らえ、ペシミズム。みんなさ、つまんないことであくせくせずに、朗らかに歌って踊っちゃえば良いじゃ~ん、♪浮か~れてっしゃな~りと♪って、ね。[DVD(邦画)] 10点(2006-05-21 20:07:24)(良:2票)

97.  若き日の次郎長 東海道のつむじ風 <はじめに>マキノという人はその生涯で実に261本もの作品を監督しているそうな。んで、僕がその中で観たのは今のところ2本だけ。正直「自分にこの偉大な監督について語る資格があるのか?」と思わないではないけれど、でもだからっつって奥ゆかしがって黙ってたら、きっと「知る人ぞ知る」人になってしまうと思うのです。ひょっとしたらその方が良いのかもしれないのだけれど、僕はただソボクに、自分が「良い」と思った作品を他の人にもみて「良い」って言って欲しいなー、と思うので、資格があろうが無かろうが書くのだ書いちゃうのだっ。大体において、偉大な映画、いや映画に限らず、ある作品を評論、もしくは分析してその作品について「分かった」つもりになったからって、その作品「そのもの」には勝てっこないわけで、つまりはレビューを書くっていう行為は(少なくとも僕にとっては)毎回「負け戦」に挑むみたいなもんで、そんでも僕は坂口安吾が「人間は勝てやしない。ただ、負けないのだ」と語ったとおり、レビューを書き続けるのだぁ!・・・・・・え?いや、大丈夫です、酔ってないです。え、救急車呼んじゃった?ごめんなさい、すぐレビュー始めますんで、ハイ・・・。 ということで、マキノ雅弘が中村錦之助と組んで撮った次郎長モノなんですが、なんだか知らないけどやったらめったら面白くて、観ながら何度も背筋がゾクゾクしました。ところが!どこがどう良いのか、これが説明できない!中村錦之助の時代劇はそこそこ観ているのに、それらとは どこか違う。しょーがないので好きなシーンを羅列すると、まず冒頭、そして何度か登場する、「雲助節」の歌声。「♪古~いかんざし~、あの娘の形見よぉ~」という歌がかっちょ良い。それと、中村錦之助演じる次郎長はもちろんかっこ良いのだけれど、ジェリー藤尾や渥美清らが演じる次郎長の子分たち、こぉーれがなんだかかっこ良い(主役だけでなく脇役が光ってるっていうのは良い映画の条件の一つだと思う)!うーーーん、うまく説明できないのだけれど、例えば(全然違う作品だけど)昔初めて「天空の城ラピュタ」を観た時に感じた「ちくしょおおおお!肉沸き血踊るぜええええ!」ってな感じと同じ感じ。とぉーにかく面白いんだからさあ、観て、観て、観てぇぇぇ! ・・・・・・また、負け戦だったな。9点(2004-06-28 21:24:07)(良:2票) 《改行有》

98.  赤目四十八瀧心中未遂 《ネタバレ》 やばい、やばい、やばい・・・観てる途中からずっとこの言葉が頭の中を鳴り響く。何故ならば、主人公の自称「甲斐性なし」生島に、自分がすっかり感情移入してしまっていたから。多分もしああいう場所・ああいう状況で寺島しのぶに誘われたら自分もフラフラとついて行ってしまうだろう。彼女と昼夜を問わずまぐわい、貯金通帳も有り金も全部渡してしまうけれど、結局一緒に死ぬことも、彼女の手を取ってどこか遠くへ逃げることも出来ず、だらしなく下駄を足に引っ掛け、無様に彼女を見送ることしか出来ないだろう・・・痛い、痛い、痛い。男は死にながら生き、女は死を見据えながら生きる。これは男の(いや、そーゆー物言いは逃げだな、敢えて言うけど「俺の」だ)弱さ、情けなさ、そして甘えを容赦無くあぶり出し、見せしめにし、断罪する作品。てか、面白いとかどうとか言う前に、人物も、描かれる風景も、音楽も、エンディングのキャスト・スタッフクレジットに至るまでの画面からほとばしる全てのモノの質量・密度が、そこらの映画とはケタ外れ。まるでブラックホール。僕は映画賞、特に日本国内のそれをあまり信用していないのだが、この作品が数々の賞を受賞しているという事は、まだまだそんなに捨てたものじゃないのかもしれないと思う。それにしても荒戸源次郎、名前もごついが撮る映画もごつい。 [DVD(字幕)] 10点(2005-05-03 18:02:35)(良:2票) 《改行有》

99.  弥太郎笠(1960) 僕はマキノ雅弘って明朗快活で爽やかな活劇が得意な、ある種職人的な監督さんだと思っていたのだけれど、やっぱそれだけの人じゃなかったんだ、とこの作品を観ながら思った。上手く説明できないけれど、どこか過激で異様な(勿論良い意味で)要素が時々見え隠れして、それがとてもスリリングなのだ。これはもう、「映画的魔法」としか言えなくて「そうか、マキノの“マ”はマジシャンの“マ”だったんだな」とか思いながら酔いしれるしかないやね。とにかく中村錦之助演じる弥太郎と丘さとみのヒロインの美しさ(お祭りで二人が踊るシーンの美しさはある意味ミュージカルですわ)やら、何やら暗示的な「ひょっとこ」と「おかめ」のお面の異様さやら、何だか分からないけれど盛り上がってしまう、この説明不能な魅力。参りました。あ、そうそう、この映画「お米を研ぐ錦ちゃん」が見られるよ。だからどうしたと言われても困るけど。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-16 15:57:12)(良:2票)

100.  シザーハンズ 昔大槻ケンヂがオールナイトニッポンでこの映画を紹介してるのを聞いて観に行ったのですが、パンフを見ただけで何故か号泣。中身は言うまでもなし。ラスト近くのキムとエドワードのやり取り「抱いて・・・」「できない・・・」という場面をDVDで観る度エグエグしています。<2003.12.29追記>←うっわー懐かしい!これ、初投稿なんですよねえ。この頃はまだまだ初心で、レビューも慎ましげ(笑)。そもそもJTNEWSを知ったのも「シザーハンズ」で検索して見つけたんですよ。最近HNを色々いじったりして、この作品の事を良く考えたんですけど、あの、英語でベターハーフって言葉がありますよね。確か元々男と女は一つの生き物で、それが引き裂かれて男と女になった、だから結ばれる男女はかつての片割れ同士で、引き裂かれた継ぎ目がぴったりと合っている・・・みたいなことだったと思います(昔聞いた話なので勘違いして覚えている可能性ありですが)。で、この作品は僕にとって正にそういう存在、つまり失われた自分の片割れ、もっと言っちゃえば「運命の恋人」のような存在なのですよ。だから、勿論他の方がこの作品を褒めて下さるのは嬉しいんですけど、たとえ誰からも支持されてなくても、この作品はとても大切な作品(丁度、自分の恋人が他人にどう思われていようと関係ないように)。こういう作品に出会えた事を、本当に感謝しています。 10点(2003-02-01 15:58:43)(良:2票)


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