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評価順12

1.  タイムライン 《ネタバレ》 原作は2年前に読んだのですが、映画は時間を6時間と切り詰めている関係か、原作で絵になりそうな梁の上での決闘や槍試合などがなくて、城の攻防をめぐる混乱ばかりで非常にわかり難いものになっています。折角これだけ時代考証に努めたのだからもっとゆっくりしたテンポで見せればいいのに。二人の若手考古学者が身軽な女性と体育会系の古武器研究家で、主人公らしいのはダメ男って笑える組み合わせなのにあまり生きていません。高性能コンピュータで情報を圧縮してワームホールを潜らせると言う技術の解説はもっと模型などで説明する必要があった筈だと思えます。14世紀の城なんてあの程度のものでしょうけれど、結構金をかけている様子なのに説明不足で話題性も乏しくなっているようです。映画の入りは非常に悪かったです。いっそ原作にあったような転送失敗の猫とか見せたほうが、気持悪いけれど話題作りにはインパクトがあったかも知れません。クライトンものにしては失敗作だと思います。次は「Prey」が控えているらしい。6点(2004-01-21 22:16:19)(良:2票)

2.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 伝説的でもあるスパルタでの男子の鍛え方の掟と言うのが冒頭で説明されていますが,折角ならスパルタ人の起源の伝説(蒔いた竜の歯から生まれた戦士)から始めればよかったのに。それにしても最初のペルシャの特使にしてもクセルクセスにしても随分大きな連中を集めたものです(CGで細工なのか)。裏切り者のために間道が知られた時点で退路を絶たれる前にギリシャ軍は撤退を開始するのだけれど,スパルタは殿軍を引き受けて全滅しそれを称える碑が後に現地に立てられたと言うヘロドトスの「歴史」の中の短い記述だけから自由に膨らませた作品ですから,まあイランとかには不満たっぷりでしょうが作ったほうが勝ちですね。しかし,トロイでもそうですが当時のギリシャには弓矢は卑怯な飛び道具と見る考えが一般的だったようです。まだ鐙(あぶみ)が発明されていないので馬に乗って戦うことが一方的に有利でなかった時代考証は良く出来ています。でも見ていて疲れる映画です。[映画館(字幕)] 7点(2007-06-13 15:34:14)(良:2票)

3.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 硫黄島は位置がマリアナ諸島と東京の中間にあり,たまたま飛行場に適当な平地があったために戦略上の重要地点となったものです。ガダルカナルにしてもキスカにしても防衛も増援もできない地域では当時の日本軍でも転進と言う名の撤退をさせていますが,西中佐の言にあるようにこの島を海に沈めることができないならば守るしか選択の余地はなかったのです。栗林中将の作戦はできるだけ長い間守備を続けるための戦術で,それが増援の艦隊が存在しなくて,数少ない航空機も本土防空のために撤収すると言う状況ではどうせ死ぬなら華々しく散りたいとの誘惑を抑えての任務遂行に徹したことは賞賛されるべきものがあります。通常軍隊では兵力の半数が無力化されると組織的活動は不可能として全滅として扱われるのですが,文字通り最後の一人までが死守する例は世界の戦史の中でもラストサムライでオルドリンが勝元に説明したギリシャ時代のテルモピュライ,アラモの砦などと並び称されるもので,さだまさしの防人の歌にはむしろこのほうが相応しいとも思えますが,日本では反戦が表に出ないと映画にできないような雰囲気が続いていたので映画化できなかったのでしょう。これは戦艦大和の出撃みたいな無意味な戦闘ではなく,たまたま任務を負った人達が困難な中でその義務を果たす状況を題材にして丁寧に描いています。もちろん戦争が非情で残酷なものであることは自明ですがそれを映画と言う形で残すことも必要なことです。題名にあるこの出されずに(だから多分検閲も受けていずに)砂に埋められた手紙は実在していたのでしょうか?[映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 15:37:20)(良:2票)

4.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 この映画を現代風の「不倫」と言う切り口で評することは、当時の西欧の貴族・上流社会のルールとは違っているのではと思います。離婚を認めぬ宗教の下で、婚姻と言う形式は資産や子供とかをリンクさせた現代とは別物と考えてもよいのでは。最初の出会いである砂漠のキャンプでのヒロインが朗読するヘロドトスの「歴史」の一節が王妃の裸体を見たものは妻とする(王殺しを行う)か死罪とされるかの選択を迫るものであったことがこの先の全てを暗示しています。結局彼女はその報いを受けたことにはなりますが、それでもつかの間でも再会を果たしたのですからこれで物語は完成しており、ハナはその証人となることで過去から決別した人生を歩むことが暗示されて終わっています。7点(2004-04-21 12:19:55)(良:2票)

5.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 今日見てきました。平日の初回なのに満席状態。同じ条件で10%に満たなかった「キル・ビル」とは大違いです。確かに神風連の乱などが下敷きになっての刀・槍。弓での近代軍隊との対戦(でも甲冑はやりすぎ)で、それも政府軍の挑発(これは西南戦争か)によって意地を見せずにはいられない、已む無き戦闘ですから筋は通っています。オルグレンはビッグホーンの生き残りとの設定になっているけれど、その報復としての先住民部族の虐殺に荷担したことで酒びたりで武器商人のマネキンを勤めていたのが明治政府に雇われて徴兵の訓練係に日本に来たことになっている。オルグレンの説明の中でテルモピュライのスパルタ軍の話が出てくるけれど、これとかアラモとかでの戦士の義務は上からの指示でなく自発的なもので、それを自分の義務と課すのが戦士で、命令だから(尤も最後の一兵までなんてのは日本軍だけのお題目で、兵士は責任範囲を果たせば降伏しようと逃げようとお構いなしがグローバルスタンダード)ではないと言うところに共感を持つのは洋の東西を問わないのだと思います。最後に勝元がテルモピュライの結果を聞くと、「勿論全滅した」との答が返ってきて、それで勝元は自分の役割を明確に悟ったのでしょう。「タイムライン」とかでも示されると思うけれど、弓は火縄銃はもちろん近代銃に比べてもそんなに効果は見劣りしないようです。もちろん絶え間ない訓練があっての話です。でもオルグレンがガトリング銃が使用されるのを知りながら、煙玉とかの準備をしなかったのは納得できない(機関銃は弾着が見えると効果が上がるのだから)けれど、そこまで自軍は保たないと考えていたのでしょうか?釈放されてそのまま村に戻るのはいかにも納得できないところで、冒頭のような僧形で放浪の果てに戻るようならまだよかったのにと思いました。8点(2004-01-08 00:25:37)(良:2票)

6.  モスラ(1961) このモスラの原作は確か60年安保闘争の時代にサンデー毎日の月刊版に掲載されたのを読みました。だからか悪役の国籍とかはあいまいになっているようです。単行本は出なかったと思います。当時の純文学の若手(と言っても亡くなったひとが多い)何人かのリレー小説の形式ですからお遊びでしょうが。読んだときには小美人を(コビト:現在は放送禁止用語かも)と読ませるのに気づきませんでした。最近ビデオで改めて観たのですが、当時はイメージに合わないと思っていたピーナッツが「でも、モスラが来ます。」と言うときの悲しげな表情とか、よくキャラクタを選んだものだと思いなおしました。6点(2004-06-24 15:47:57)(良:1票)

7.  クラッシュ(1996) この映画の原作はここのクレジットにはないけれど,J.G.バラードです。劇場公開時に淀川長治の酷評にもかかわらず数少ない上映館から捜して観に行ったのも,このバラードとクローネンバーグの組み合わせに興味を持ったからです。しかし,劇場のポスターからしてポルノ映画扱い(実際そう受け取られても当然なのですが)で少し退いてしまうようなものでした。障害に性的好奇心を喚起させられる傾向を否定するものではないけれど,この映画に賛意を示せないひとが多いのも無理からぬことです。それでもこの種映画が製作できる環境があることは貴重なことです。[映画館(字幕)] 6点(2006-06-08 14:51:58)(良:1票)

8.  未知への飛行 《ネタバレ》 この映画と「博士の...」の類似性が言われていますが、実際に原作の「フェイル・セイフ」はその前に出版されていた「Red Alert」との構成の類似性(時間単位で進行する形式の構成から相互の都市破壊の提案まで)のために、映画化の際に訴訟問題が発生して意図的な真似との裁定からコロンビア社が映画化権を獲得することになったのです。その結果この映画のほうは日本での商業上映はなかったはずです。最初に見たのは米国のホテルでのケーブルテレビでした。内容では、この原作のほうは「博士の...」と違って(グローバルな指揮システムやヴィンディケータと称する超音速爆撃機など当時の未来戦の場面を想定した)ハイテクスリラーなのですが映画ではシリアス過ぎたので恐らく軍関係の協力とか得られずに爆撃機の姿も僅かな機影だけで戦闘シーンも皆無です。(多分チープなテレビドラマのセットでの作成でしょう)しかしそれで緊迫感を盛り上げているのは立派です。この映画にちらりと登場する巨大な表示装置にリアルタイムで文字が表示されるシステム(アイコノラマ)は現在の液晶での投影システムとか見慣れたひとには当たり前に思えますが1950年代の終わりに米軍が物凄く金をかけて実用化したものです。(それまでは背後から人手で(もちろん逆に文字を書く特技のひとが)書いていたのです。この原作と映画に登場したホットラインはキューバ危機を契機に実用化(テレタイプ方式でしたが)されました。改めて観直しましたが、原作(米国ではベストセラー、当時朝日ジャーナルに抄録が出て河出書房から出版)に馬鹿みたいに忠実で、そのために人物がパターン化され過ぎて実在感が乏しいのは仕方ないでしょう。原作に無い最終段階で編隊指令の妻を連れてきて説得を試みさせるシーンですが、冒頭の基地での会話にあるように昔の爆撃機と異なりクルーに家族意識を持たせないシステムなので機長が心をぐらつかせても副操縦士が「謀略です」とラジオのスイッチを切ってしまう訓練された非情さが示されます。また防御用僚機への後方を追い払えの命令で意図的に高度を上げて姿をさらしての囮戦術(多分マニュアル化されていた)にも非情さが現われています。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2004-09-18 14:51:35)(良:1票)

9.  影なき狙撃者 《ネタバレ》 この映画は劇場公開時に時間がなくて見逃したのですが、評判が悪かったせいか以後の上映がほとんどなくてやっとDVDで観ることができました。この映画にしても「ブラック・サンデー」にしてもフランケンハイマーの映画は時代を先取りしているためか毀誉褒貶もあったりして興行的にいま一つのところがあったのは残念なことです。映画中の主人公の母親などは50年代の世相では女性が政治の世界に進出するなど米国でも考えられなかった時代で、そこにヒラリー・クリントン並の意欲のある女性が「モグラ」と言う屈折した形でも野心を満たしたいと思うのはあり得ないことではなかったと言うのでしょうか。この映画がオズワルド事件よりはるか前に構想されたことは注目すべきでしょう。ちなみに日露戦争当時に陸軍参謀部で親日派の馬族を組織化してゲリラ戦を行ったのですが、これは映画の原題とは直接の関係はありません。[DVD(字幕)] 7点(2010-02-10 16:08:51)(良:1票)

10.  ワルキューレ 《ネタバレ》 謎の多かったこの暗殺未遂事件は何度も映画化されて史実との関係も明確になってきているようです。暗殺に成功しただけでは混乱の中で何が起きるか不確定なことからワルキューレ作戦の利用を考えるなどの緻密さは十分に評価されますがその割には人材が不足していたようです。暗殺失敗はこの映画でも描かれているように爆薬の使用量が少なかったことと会議室が暑さの関係で開放的な場所に変更されて爆発の効果が弱まったこともありますが、やはり実行者に決死の覚悟が欠けていたことで、これは事後の指揮権までも抱え込まされたことで同情すべきことですが多くの直接は責任の無い人たちまで巻き添えにする手段を採るからには実行者は一歩退いた位置に留まらねばならないと言う意味では暗殺に専念せねばならなかったようです。映画では家族愛に重点を置いての表現ですが、冒頭に示される忠誠への誓いへの意識、ドイツ陸軍としての名誉と自分に生命を委ねた兵士達への責任感、手段についての軍人の誇りなど多くの要素に対する苦悩みたいなものがやや希薄になり、却ってそれをふっ切れた感じの夫人のほうが強い印象を与えるように思えました。 ゲッペルス(背も高過ぎるようだし、特徴ある頭の形などまるで似ていない)が毒薬を含みながら会見し、ヒトラーの声を聞かせて説得を確信してから吐き出すところなど手の込んだ演出ですがそれほど効果はなかっらようです。[試写会(字幕)] 6点(2009-03-23 20:01:30)(良:1票)

11.  ナショナル・トレジャー この映画で印象づけられたのはアメリカが如何に底の浅い人造国家であるかと言うことです。だから建国200年ちょっとでは歴史なんて中学の教科書程度の内容しかないし,かと言って英国のようにもはや歴史に呑み込まれた先住民の業績を歴史遺産として継承するだけの自信も度量もない(それを行うと国の基盤さえ維持する自信が持てない)国家の悩みが伝わってくるようです。だからと言ってインディアナジョーンズシリーズみたいに特定の宗教に拘っての手法も先が見えているのではないでしょうか?[地上波(吹替)] 4点(2008-01-04 23:30:51)(良:1票)

12.  ディスクロージャー この原作および映画が作られた当時では携帯電話やCD-ROMがハイテクの代表みたいになっていて,そこにバーチャル・リアリティを派手にプレゼンテーションするやり手のヒロインが登場するところ,また当時の日本では全く知られていなかった調停人など時代を先取りしている部分が多くて興味がありました。舞台となるシアトルは今ではマイクロソフト社で知らないひともいませんが,当時のハイテクの中心はシリコンバレーでした。ヒロインのイメージは当時では全くの創作ですがシリコンバレーのハイテク産業の代表であるHP・コンパック社でのフィオリーナ前社長などを思い起こすと決して古い時代のものとは思えません。[映画館(字幕)] 5点(2006-10-03 23:52:17)(良:1票)

13.  出口のない海 《ネタバレ》 50年前に観た新東宝映画「人間魚雷回天」とかなり似た構成や結末ですが,大戦後これだけ時間が経過しているのに多くの協力があったためか丁寧な作りになっています。潜水艦にはちゃんと当時のレーダーアンテナもついているし。でも艦内の照明が蛍光灯みたいで少し変でした。学徒出陣の光景は当時のニュースを用いているのは制作費の制約でしょうか?試合のシーンも含めてこのあたりには制作費の制約が大きかったようです。当時の明大野球部学生(大下弘の先輩ですね)の学生街の喫茶店での集まりや,多分近郊に在住の官吏と思われる一家の生活にはまだ緊迫感が少なかったところから志願して海軍に入るあたりには召集を受けて陸軍に入隊する庶民とは少し違ったものがあったようです。そのためにいわゆる初年兵への「しごき」のような場面は抜きで,それでも周囲の流れや誇りから特攻要員に志願するに至るところ,戦局についての知識は一般の人達よりも冷静に把握していて,その無意味さを知りながら,それでも意味を見出せずにいられないところが悲壮と言うか悲しいものがあります。勤労動員により女学生たちが部品を手作りで仕上げる人間魚雷は,それ故に信頼性が低くなる(当時の魚雷は最高の精密兵器でした)のは至極当然のことであり,そのようなシステムを特攻や軍神の美名で粉飾し,勝利はおろか打開への見通しも無くなった戦争を無為に継続させ,その場の責任逃れのためだけに自殺兵器を作らせ自らは生き延びた人々に対して,その兵器とそれによって死んでいったひとのことを語り継がせるために死ぬのだとの主人公に言わせたかった映画でしょう。[映画館(邦画)] 7点(2006-09-27 21:45:02)(良:1票)

14.  レッド・バロン(1971) WWIにおけるドイツ陸軍のエースのリヒトホーエンとそれに対抗したカナダ出身の英国陸軍のブラウンを中心にした物語で,それに後にナチドイツの空軍相となるゲーリンクも絡めての一応史実の沿った展開になっています。当初の貴族的なフェアプレイ精神が庶民出身のブラウンの参入により基地への奇襲とその報復,それにゲーリンクの殺人狂めいた無差別殺戮に変質するエピソードもありますが,フランスの田舎を背景にした複葉機の戦闘は上下感覚が無くなる様に思わせる撮影で一見の価値のある作りになっています。WWII当時のゲーリンクは太めになってとても戦闘機パイロットとは思えない体型たったようです。リヒトホーエンの従兄弟はスペイン戦争などでの指揮官でしたがWWIIの戦争中に病死しています。 [DVD(字幕)] 9点(2007-09-16 00:58:17)(良:1票) 《改行有》

15.  ミクロの決死圏 《ネタバレ》 この映画と「2001年」はSF界の両巨匠の(この映画はアイザック・アシモフ)原作による途方も無く金と時間のかかった映画と言うことで公開もどんどん遅れるし,前評判も高かったけれど,こちらの作品は「空想旅行」とかの名前である程度の筋書きまでついて紹介されていました。そのときに「どうして質量も小さくできるのか?」と言う自然な疑問にも何とか言い訳がされていました。現在ならV.Rとか利用したマイクロマシンとかの手法も思いつきそうですが,それでは冒険にならないし女優の使い道も限定されるからやはりこの映画化が正解でしょう。日本では映画封切り当時には両作品ともに大きな評判にはなっていません。SFものが一般の評判になったのは大阪万博の後あたりからだったと思います。ほとんど何もしていないように見えた将軍が最後の場面で適切な判断を行ってみせるところは後の多くの映画でもよくみかけるようです。[映画館(字幕)] 7点(2007-01-08 16:49:20)(良:1票)

16.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 「何物も残すな。」の命令がリスクマネジメントを欠いていた悲劇ですね。素人が鉄砲撃つだけだから防弾チョッキで充分で、死体でも残した日には蛮人の餌になってしまい、家族に説明がつかないとの意識からの指令だったのでしょうが。多くのソマリア人には市場の真中で突然戦闘が始まりおろおろしていると空から機銃弾の雨が降ってくると言う悪夢の日だったでしょう。結局は一人だけ傷ついて捕虜になった操縦士とソマリア人の指導者の一人とのベッド脇での対話だけが救いです。欧米流のスタンダードが普遍性を持たないことの啓蒙にはならないのでしょうが。6点(2003-11-11 17:31:44)(良:1票)

17.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか この映画の原作者はビーター・ジョージと言う英国空軍の退役軍人で、Red Alertの題名で発表した本(後にTwo hours to the doom:邦題「破滅への2時間」で早川書房で出たけれど、多分絶版になっている)ですが、ここではもちろんDr.Strangeloveは登場しないし、投下した水爆は不発(原爆のみ爆発)で核戦争は回避されることになっています。この怪しげなドイツ人に似たのは「フェイル・セイフ」の原作に登場する亡命ユダヤ人のグロートシール博士で、当時ハーマン・カーンを始めとする多くのドイツ系、ユダヤ系のテクノクラートが米国の政治・軍事に大きな地位を占めてきていたのを戯画化したもののようです。これも呼び出し暗号のPOE(Peace on Earth)をPurity of essense(下品ですが)にしたのと同じキューブリックの悪ふざけです。オープニングの空中給油がいかにも何かを連想させるようになっているのも笑えます。Ghost riders in the skyは米国では結構ポピュラーなカントリー・ウェスタンのようですが、この映画のイメージしか浮かんでこないようになってしまいました。 8点(2004-02-18 01:22:13)(良:1票) 《改行有》

18.  冷静と情熱のあいだ 《ネタバレ》 画を破壊した犯人は弟子間の嫉妬を匂わせておいて実は修復工房の女師匠であったとの展開の動機を彼女の弟子の才能への嫉妬と言わせているが、修復と言う確かに必要な仕事ではあるが、補助金依存の請負仕事で下手をすると贋作家養成所になる仕事に対する彼女自身の反発が奥にあり、主人公に画家としての才能を認めて、その自立を促すための行為だったように思える。有名画家の孫であるが、他の道を選んだ父親に続き芸術家としての自立には踏み切れない、それでもその周辺をうろつくあたりの優柔不断は恋愛ばかりではない。世界遺産とかの名のもとに過去の芸術資産だけに頼りがちになる芸術の都を批判する師匠であるが、一方でリスクをとらずにこの仕事に参加したがる芸術家の卵をスポイルしてしまう矛盾した事業であり、それと対照的に独り技術を磨くために努力したチェロ奏者のささやかな成功が描かれている。最後は恋愛映画としての結末であるが、主人公の画に対する姿勢はどうなってしまうのだろうか?6点(2005-03-23 00:05:42)(良:1票)

19.  薔薇の名前 《ネタバレ》 原作における時代背景(神聖ローマ帝国皇帝とローマ在住でないローマ教皇の対立)の説明がないのでその特使である枢機卿との協議の重要性とかあいまいになっていますが,修道院における連続殺人事件の謎解きとしての映画なら十分に楽しめます。図書館の舞台が原作の平面の迷路から立体迷路になっていてゲームとかにも出来そうな題材になっています。印刷技術や紙さえも伝わっていなかった中世ヨーロッパですが人の交流だけはグローバルで英国出身の師のギャグに富んだ語りが笑いを嫌う修道院の長老との対比をなしています。ちょっとセックス場面でのサービスが良過ぎるので教会の協力がよく得られたものだと思います。娘が火事騒ぎで助かったのは燃え残った火刑台を示すだけで十分で最後の別れの場面は明らかに蛇足のようです。登場人物のキャラクタ付けがちょっと濃い目ですが皆さん役のために相当に努力をされている点でおまけ。[DVD(字幕)] 7点(2007-09-20 22:16:29)(良:1票)

20.  ブリット 《ネタバレ》 ずっと前に観たのですが、印象に残っているのはカーチェイスの始まる直前に悪役側の2人がちらと目くばせをしただけでハーネスを締めて(昔の自動車って飛行機のシートベルトと同様に乗ってるひとが加減するんです)加速すると言うシーンでいかにもプロらしいところが場面を引き立たせています。最後の飛行場の入り口での落ち着き払った銃撃のシーンも印象的です。7点(2004-07-13 23:37:21)(良:1票)


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