みんなのシネマレビュー |
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1. 北斗の拳(1995) やっと観ることが出来ました。封切りのときは少しは話題になりましたからね。 で、私は原作の大ファンです。勿論、連載第一回から毎週読みましたし、コミック化されたものも全て買って大切に保管してますし、TVシリーズは毎週録画して、今でも保管してます。ですから、愛着心も先入観もバリバリです。 でも、そんな私なのに、正直な話コレって意外に楽しめました。原作を知らなければ、むしろ途中放棄だったかも。確かにミスキャストっぽいし、ストーリー違うし、セットはチープだし… でも、映画化の際に原作が制作者によってアレンジ(ま、程度ってものがあるけどね)されてしまうのは当たり前みたいなもの。割り切って見てしまえば、確かにB級はB級なんだけど、B級としての面白味はキチンと押さえてあると思うのですよ。マルコムやクリスが出てるってのも良かったし、ゲイリー・ダニエルズの足技は本物だしね。 ということで、それほど極端な低評価は出来ません。何より、大作やら話題作の中にだって、コレ以下の作品が結構あるでしょ?5点(2005-01-20 01:24:34)(良:4票) 《改行有》 2. マチェーテ 《ネタバレ》 こりゃ面白い。手放しで楽しめる本格的B級バイオレンスアクション巨編ですね。 何から何までいい加減に作っていそうでいて、キッチリ押さえるべきところは押さえ、台詞で敷いた伏線(「修道院に送り込むぞ!」とか「アタシは簡単に殺されないよ!」とか)は行方知れずになることなくちゃんと収まるべきところに収まってる。この監督のイカレっぷりは半端じゃないですね。解ってイカレてる。計算ずくです。 出演者も皆イイ味出してます。ダニー・トレホのヒーローってだけでもウケルのに、老体に鞭打って重そうに走る走る、その姿に心配させられつつ、ちゃっかり美女の裸身を抱きしめたり、ジェシカやミッシェル(2人とも眩しいぐらいに魅力的)とのラブシーンがあったり、もう役者冥利に尽きるってのはこのことじゃないかって感じ。「マチェーテ、メールしない。」なんて、いきなり英語が下手になっちゃうところも受けた。 演技が上手いんだか何だか判らないセガール様は、メジャーになってから一度も殺られ役がないと思うんだけれど(「エグゼクティブ・デシジョン」では死ぬところは出てこないし、どっちにしても直接殺られてない。)、ついに負けたか!と思いきやマチェーテを生かし自ら切腹だもんね。この訳の解らない冷酷無比な極道ぶりがまた受けました。 上院議員からタクシードライバーに転じてしまうデ・ニーロさんは、「防弾チョッキ!」と叫んでいたとおりにチョッキに救われ、そのくせ密入国者の扮装をして逃げたばかりにあっさり自警団にトドメを刺されちゃう。 まぁ、例を挙げればキリがない。何回見てもその都度新たな発見を楽しめる超B級作品ですね。ただ、ストーリー部分がシリアス過ぎるので、もう少し弾けて欲しかったなという気持ちから8点献上です。 ちなみに、まさかの「続編」、ましてやの「続々編」は、今度こそ劇中劇ですよね?[DVD(字幕)] 8点(2011-05-22 02:06:54)(良:4票) 《改行有》 3. サウンド・オブ・サンダー これ、いつも行くレンタル屋さんで結構借りられてたんですよ。新作のうちからね。ただ、パッケージのあらすじ読んで(予備知識なかったもんで…)、ちょっと危険かなって思ったんで旧作になるまで待ってました。でも、旧作になってからも意外と借りられてて、思いっきり期待して満を持して借りてきたんですよ。それなのに、それなのに… もう、皆さんがいろいろ書いてくれてるから敢えて書くこともないです。あまりに使い古されたストーリー、お約束だらけのご都合主義、確信犯的とも思わされてしまうチープ映像などなど。一体全体、レンタル屋さんでこれを先を競って借りてた人たちは、知ってて借りたんでしょうかね?もう、人を信じないぞ![DVD(字幕)] 4点(2007-01-03 00:48:18)(笑:3票) 4. ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 遅れ馳せながら鑑賞。前作と比べて少なめのレビューながら、良い点もそうじゃない点も概ね皆さんに語り尽くされた感がありますね。私は肯定派、支持派です。思いっきり楽しませていただきました。 いきなりでまさかの精鋭部隊?捨て駒作戦、キッチリ始末したと思ったら実は味方だったというブラックジョーク、サメやらネズミやらイタチやら動物たちの大活躍(サメはハイブリッドだしイタチは活躍の予感だけですがw)、レトロでサイケなラスボスの大暴れ、前作同様ハーレイ・クインの魅力爆発等々、やや長尺にも関わらず中だるみ皆無でラストまで惹き付けられっぱなしの上にエンドロールにはオマケが2個。良い意味でおなか一杯になりました。まさに「ゴチソウ」でした。 強いて言わせていただければ、トリ馬鹿のワタクシ的には冒頭の小鳥ちゃん受難(後で仇討ちしてもらえるけど)と少し後の鳥カゴ放火シーンがNGですが、人の命を思いっ切り軽視している本作では全く聞いてもらえない意見ですね。 次回作やスピンオフに期待せずにはいられない快作に9点献上します。[インターネット(字幕)] 9点(2024-04-05 11:32:06)(良:3票) 《改行有》 5. シックスヘッド・ジョーズ<TVM> 《ネタバレ》 冒頭いきなり40年前の研究施設(どう見ても手造りの浮島)に登場する6つ頭サメ。ただし、今作はひたすらサメサメサメではなく、6つ頭君誕生秘話的な部分にも(若干)触れつつ、倦怠期カップルの人間模様の描写があったりして、過去の多頭鮫作品より少し頑張ったかな?感があります。ただし、それと引き換えにスピード感が薄れ、中だるみが激しいとも言えます。早くサメを出せ!みたいな。でも、心配するまでもなく、6つ頭君は一回出たら最後次から次へと攻撃してきます。頭を切ってもすぐに再生するし、サイズ感がその場その場で変わったり(?)、頭が多いから狭いところ入れなかったり、岩場でジャンプして人間咥えて岩場に突っ込んでどう考えても大怪我してそうだったり。結構お茶目さんですが…。そして極め付けは、サメの首ってそこで曲がる?みたいな角度で頭が足化して砂浜や岩場を蜘蛛の如く高速移動!もう、この歩行シーンの足役の頭が何とも健気!そして、まるでお約束のごとく繰り広げられる登場人物たちの感情移入不能行動。ツッコミどころが沢山ありすぎてお腹一杯。でも、この手の作品はそれだからこそ楽しめるってわけで、CGとかちょっとだけ予算が増えたかな感のある超トンデモ作品でした。ちなみに、DVDのジャケットのシーン(クルーザーも被害者も)は存在しません。これはむしろ前作でしょう。英語版のジャケットの方がもう少し合ってるかな?[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-05-04 11:12:34)(良:3票) 6. シャッター アイランド 《ネタバレ》 遅れ馳せながらの投稿ですが、皆さんの酷評の数々はある意味当然とも思えます。配給会社の宣伝の悪さも頷けます。 ただ、私としては余り酷評はしたくないところですね。単純にストーリーだけを追ってしまえば、おそらくはストレートに主人公が精神を病んでいて、ここで繰り広げられる出来事のかなりの部分は妄想なんでしょう。良作駄作織り混ぜて、本当に使い古されつつある手法です。 でも、だから駄目ってことは全くなくて、それをいかに消化するか、昇華させるかが監督さんや脚本家の腕の見せ所。この作品の場合には、ラストにオプションを付けましたね。自らの狂気を受け入れる。受け入れた上で封じ込める。それは自我の全てを封じ込めることになるのであって、彼の人格にとっては自殺に等しいことです。 一見して強い意志のようでいて、やっぱり彼はあまりに弱い人間だったということなんだと思います。このエンディングは「あり」だと思います。 全編を通じての重厚で安定感のある画面と音楽。出演者たちの確かな演技。これは良作なのだと思います。 ただし、あの部分をこうすれば良いのでは?などと随所で思わせてしまうスキがあることも事実。だから、少し辛めの7点献上します。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-26 13:16:17)(良:3票) 《改行有》 7. シャークネード<TVM> 《ネタバレ》 少し前に録画しといたのを時間があったので観てみたら相当に衝撃的な作品でした。基本的に、設定も展開も登場人物の感情や行動などなども、すべて出鱈目なので、割り切ってコメディ感覚で観るべき作品です。最初のなんだかよく解らない闇取引のシーンはまあまあ許せるのですが、やっぱ水の中でも動いてなきゃ死んでしまうとさえ言われているサメが、堂々とトルネードの中で元気いっぱい生きているとか、サメの大群に襲われて犠牲者続出なのに呑気に海辺のバーで飲んでいる人々だとか、サメに足を齧られても普通に歩いている準主人公とか、手製爆弾でトルネード(そもそもなんでハリケーンでトルネード?)の原因となっている空気の寒暖差を吹き飛ばして問題解決とか、あぁやっぱ出鱈目だ。こんな大騒ぎなのに軍隊も出て来ないし、警察もハマーに追いつけないし。で、解ったんです。そうか、やっぱこの作品はその辺を楽しむべきなんだと。ひまーな時に観てください。 (追記) CSでシリーズ6作を二日に分けて一挙放送していたので、初心に帰って第一弾から再観賞しました。結果、反省です。以前観た時はサメ映画についての認識が不十分でした。本作こそが所謂「サメ映画」の基本ですね。 サメが出る。人を喰う。サメをやっつける。犠牲も出る。ここまでは「ジョーズ」で既に完成形が示されたように思えるのですが(ちなみに「ジョーズ」は自分的には「サメ映画」ではなく「海洋パニック作品」とカテゴライズしています)、「サメ映画」を標榜するにあたっては更なる仕掛け(殆ど飛び道具)が必要だと思うのです。本作では「サメが空から降る」「街中をサメが泳ぐ」「室内に居てさえも喰われる」という常識外れのアイディアが盛り込まれ、更には「チェーンソーを構えて自らサメの体内に飛び込み中から退治して出て来る」という究極的退治法まで披露しています。更に更に「SHARKNADO」という造語タイトルも先駆的で、後の多くの作品のタイトルのヒントになっていることは間違いないと思います。 この作品は「サメ映画」の金字塔。改めて素晴らしい作品であることを思い知りました。以前に「良」評価をくださった方には申し訳ありませんが、評価内容と点数を訂正させていただきます。(3点→8点)[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-01-08 22:11:51)(良:3票) 《改行有》 8. ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 冒頭の逃走シーンが激しいアクション作品を思わせながら、基本的には動と静を繰り返すことでストーリーを紡いで行く。純愛と暴力のコントラストも極端だ。色調、カメラアングル、台詞回し、どれを取ってもしっかりと作りこまれている感じですね。ストーリー自体は決して斬新ではないけれど、ここには確かな作品としての価値があります。 この手の作品にハッピーエンドは期待してはいけないんだろうけれど、少しだけ主人公に感情移入してしまった。[DVD(字幕)] 8点(2013-09-23 23:44:23)(良:3票) 《改行有》 9. 帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 強烈な風刺劇ですね。タブーと禁句の地雷を潜り抜け、よくぞ製作&上映出来たものだと思います。主演のオリバー・マスッチさんは、ヒトラー役のリアリティを追及するために抜擢された舞台俳優さんということですが、顔立ち風貌と言うより、語り口と存在感がまるで本物かと思わせるぐらいの完成度じゃないでしょうか。現代の問題点や政治の望ましい在り方を訴える彼の言葉の数々には、気を抜くと頭から信じて支持派になってしまいそうな説得力を感じます。作り手は、決してヒトラーの存在と主張を肯定していないであろうにも関わらず、あたかも彼の主義主張を世界に向けて肯定的に発信しているかのような錯覚に陥ります。それも、すべて脚本の妙と主演俳優の力量に依るものだと思います。これはコメディ?いや単純に笑えるものではないですね。劇中のヒトラーの言葉と、彼に関わる周囲の人々の振る舞いとその変化を通じて、現代社会が解決すべき問題点について投げかけている優れた風刺劇と受け止めました。[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-25 23:32:41)(良:2票) 10. シベリア超特急 今更こちらに書き込むのも躊躇われますが、折角観た以上は一言寄せたいと思います。 皆さんの全てのレビューに目を通したわけではないのですが、多くの方がおっしゃっているとおり、この作品は、水野さんの映画に対する情熱と愛情の成果物なのでしょうね。反戦へのメッセージには共感を覚えます。だから、評価すること自体に疑問を感じてしまいます。これが「水野作品」でなければ、間違いなく0点ないしは1点でしょう。でも、そう簡単に低評価して良いものかどうか迷わざるを得ません。この作品への評価が、即ち水野晴郎という人物への評価ではないからです。点数による作品評価の限界を感じました。「評価困難」あるいは「評価対象外」みたいな選択肢があればなぁと思った次第です。 残念ながら、私には「シベ超シリーズ」の残りの作品群を観たいという気持ちは起きませんでしたが、日本映画にとっていろいろな意味で貴重な作品だと思います。 ちなみに、出演されてる外人さんたち、いろんな再現フィルム(地上波バラエティ番組)でお馴染みの方ばかりですね。劇場公開版ということを忘れてしまいそうでした。 2点(2004-08-29 01:08:36)(良:2票) 《改行有》 11. HK/変態仮面 《ネタバレ》 随分と前にCSで放送していたのを録画。古い録画を整理していたらたまたま発見。時間があったので観てしまいました。「観た」のではなく「観てしまった」のです。 これは禁断の作品でした。お下品なコメディというと欧米、特にアメリカ映画が本家と思っていて、邦画のお下品コメディというと概ね昔懐かしいロマンポルノではないかと信じていました。(実際、ロマンポルノには傑作下ネタコメディがあると思います) ところが、こんなにもメジャーな役者さんを使い(しかも皆さん体当たり演技、いや素の演技?いやいや素だと演技じゃないか)、欧米作品でも滅多に観れないような超ストレートで包み隠さない下ネタの数々。恐れ入りました。 原作漫画は未読ですが、皆さんのレビューを読むと原作を忠実に、あるいは原作を超えて仕上がっているようですね。変態に関する主人公の苦悩や偽変態仮面とのイデオロギー対決のあたりは深味さえ感じます。単なるお下品コメディと切って捨てられない作品と思います。 ところどころ雑な作りが気にはなりますが、キャスティングの妙(その後の各役者さんたちの御活躍を思えば尚更)、脚本の妙、演出の妙等々、邦画お下品コメディ、下ネタコメディの可能性を感じさせてくれた1本でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-08-09 13:45:30)(良:2票) 《改行有》 12. えびボクサー ほのかな期待を胸に鑑賞したのですが… 見事に外してくれました。まさにアイディア倒れというか、海老をボクサーに仕立てようという企画を思いついたものの、いかんせんストーリーの方向性が決められず、結局ヒューマンドラマっぽく作っちゃって、でも少しは観客を喜ばせようってんでセックスシーンも入れちゃったって感じでしょうか?いっそのこと、パロディ仕立てにした方が良かったのでは?「えびロッキー」とか。3点(2004-06-18 00:20:52)(笑:2票) 13. マシニスト 皆さんのご意見の中に散見されるように、アイディアとしては決して目新しくありませんね。もう少しオリジナリティが欲しかった。でも、これだけ世の中に類似の作品が出回ればそれも難しいのかなぁ?ただ、同じ素材を料理するにしてもこの作品の出来栄えは出色だと思います。クリスチャン・ベールの役作りばかりに目がいきそうになりますが、全体的な纏まりは素晴らしい。途中である程度結末が見えてしまいますが、それでも最後まで観させてしまう演出の力量は評価すべきです。制作者サイドも類似作の多さは承知のことでしょうから、ストーリー的に目新しいアイディアを盛り込まなかったのは、ある意味確信犯的なのかもしれませんね。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-27 10:15:58)(良:2票) 14. 世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 ひさびさに全編興奮状態維持で観ることが出来たアクション巨編。これは観る者を選びますね。皆さんのレビューがそれを物語ってます。嫌いな人は徹底的に嫌い。好きな人は徹底的に好き。両極端です。SF作品や戦争映画では珍しいパターンかも知れません。 でもって私は後者。これは面白い。そもそも理屈も何もあったもんじゃない設定。殺るか殺られるか。銃弾が降り注いでいても走らなきゃならない時は必死で走る。突っ込まなきゃならない時はひたすら突撃。振り返らなきゃならない時は全力で引き返す。このシンプルさが寧ろリアリティを引き出しているわけで、シューティングゲームを1時間50分見せられているのとはちょっとばかり違う。主人公の抱える心の重荷についてのエピソードも、他の登場人物たちの描き方も、全てに程好く加減されてて好感が持てます。 アメリカ万歳的であっても、主人公は死なない的であっても、これはこれでいいのです。もし、このシチュエーションでもっと理にかなった作品にしようとして、登場人物の描き方や宇宙人の描き方なんかを理詰めで組み立てようとしたら、ものすごく重苦しい作品になってしまうでしょうね。私はこっちの方がはるかに映画的に正解だと思うなぁ。 ま、強いて言わせてもらえば、この邦題はないでしょう。こりゃチープ過ぎ![DVD(字幕)] 9点(2012-05-01 01:30:13)(良:2票) 《改行有》 15. ファイブヘッド・ジョーズ<TVM> 《ネタバレ》 サメ映画のファンは多いですよね。こんなにもアレンジ可能な怪物って他にいるもんでしょうか?この多頭鮫のシリーズ(公式にシリーズ化されてはいないと思うのですが)も、とうとうファイブヘッドです。(これを書いている時点で既にシックスヘッドも鑑賞済みですが)しかも、フォーヘッドと思わせておいて、+ONEを尻尾に持って来るとは。最早、生物学は完全に無視ですね。 と言う訳で、あとは特に見るべきものはないのです。何故に5つ頭が生まれたとか、5つ頭だからこその倒し方だとか、ファイブヘッドであることの必然性は皆無。若干環境汚染の影響かと思わせる節はあるものの、結局その部分の受けは無いまま。 でも、バラエティ豊かな飛び道具的なサメ映画はこれで良いのでしょう。一作品に何か一つの目玉さえあれば、あとは水着のお姉さんが次々と現れ、間違いなく犠牲者の登場人物が悪態をついて主人公を苦しめたり等々、お約束と既視感の連続でOK。新ネタひとつで一気に作品化。実写サメシーンは使い回しで予算節約、CGだって瞬間的な登場だから、サイズ感だとかディテールは曖昧で結構。あとはワイワイ騒いで鑑賞出来るってことが醍醐味。 まあ、それにしても多頭シリーズは物理的にそろそろ限界ですかね?陸も歩いたし空も飛んだし火も吹いたし、さてさて未だ見ぬ次なるサメは一体どんな荒業を繰り出してくれるのか?[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-03-31 14:25:02)(良:2票) 《改行有》 16. ドッグヴィル 《ネタバレ》 奇抜な演出だけの作品かと思っていました。とんでもなかった… とてつもなく重い。 作り手は、ドッグヴィルの住人の、つまりは人間の傲慢さ、残酷さ、醜さを描きたかったのでしょうか。いや、当然町の人々だけではなく、グレースや彼女の父親も含む全ての登場人物について同じ視点で描きたかったのでしょう。そうに違いありません。 ただ、私には、そのことを作品の内部でのみ表現しているのではなく、観ている私達観客の心の中にまで拡大して表現しているように思えます。何故なら、このラストシーン、支持しますか?スッキリしましたか?もしかしたら、「早く殺せっ!こんなヤツラは殺してしまえっ!」なんて思いませんでしたか?ラストで彼女が町に残るか、はたまた町を消すか。これだけの長編なのに、僅か数分のラストで作品全体の方向性さえ変わりかねません。 最後の選択を支持するのも傲慢、支持しないのも傲慢。結局人間とは、まだまだその程度の心しか持ち合わせていないのだ、そんなメッセージを観客の心の中に直接生じさせているのだと受け止めました。そして、一匹の犬だけが、全てを客観的を見ていた証人だったのでしょう。全てが消え去り、観察者は姿を現しました。 ちなみに、殺風景なスタジオなのに、途中から(実際には目の前にない)風景が脳裏に浮かび始めました。優れた表現力を持って書き上げられた、そんな小説を読んでいるかのような錯覚におちいったのは、私だけでしょうか?9点(2004-10-10 00:42:32)(良:2票) 《改行有》 17. ハッピー・デス・デイ 《ネタバレ》 ホラー作品と思って観始めたら冒頭は少しばかりスロースタート。B級青春ドラマと見間違える雰囲気。矢鱈とヒロインのお馬鹿っぷりが披露されて行きます。そしてマスクマン登場。あっさりヒロイン撃沈。ん?グロさ皆無。これってホラー? そしてタイムループ開始。当然戸惑うヒロイン。でも混乱しているようで何も変わらない。寧ろビッチ度増強。ところがループを繰り返すうちに事の真相に気付き始める。 そこからの展開はスピードアップ。ビッチ、ビッチャー、ビッチェスト(bitchは名詞だっけか?)とばかりにエスカレートしたかと思えば、悟りを開いたかの如く超好感度善良女子大生化したり、死に様も様々ならば反撃も創意工夫したりと実に面白い。 ループ脱却には犯人を殺してしまえばいいという彼女なりの結論を得てからの展開も良いですね。そう簡単には目的を果たせないし、果たせたかと思ったらどんでん返し。そうきたか!といった感じ。いやいやお見事。脚本の妙ですね。 思えば、そもそも何で誕生日にタイムループし始めたの?とか、犯人候補と真犯人それぞれの死亡の件でヒロインは逮捕勾留されてもおかしくない立場と状況だとか、そんな野暮は言いっこなしですね。ハッピーエンドに相応しいエンドロールも素敵でした。 きっちりヒューマンストーリーとしても完結している贅沢なB級?ホラー&コメディ、迷わず8点献上です。 ちなみに、この監督さん、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの頃はイマイチと思ってましたが、監督としての前作「ゾンビワールドへようこそ」以来注目してます。なので、同監督作品で未見の続編は当然観ます![インターネット(吹替)] 8点(2023-02-14 12:03:39)(良:2票) 《改行有》 18. コーダ あいのうた 《ネタバレ》 (かなりネタバレです) この作品の中心となるのは聴覚障がいのある家族の在り方。父も母も兄も障がいがある中で唯一健聴者の長女ルビーは、幼い頃から一家の通訳として重要な役割を果たして来た。家族は仲睦まじく、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、高校生となった彼女は、漁業の手伝いで昼夜逆転のような生活をしながら学業や恋をすることの困難さを知ってしまう。障がいがあることで少なからず社会生活に困難を抱えているルビーの家族は、明るく前向きに生きる強い力を持っているが、彼女の存在なしではここぞという時に無力さを感じてしまう。歌う喜びを知り新しい人生の夢を胸に抱いたルビーは、進学への強い意欲を見せる。しかし、両親は彼女なしでは家業の維持が出来ず生活基盤を失ってしまうことを恐れる。妹思いの兄は何とかなると彼女を擁護しようとするものの、心の中は不安で満ち溢れている。誰も正解を得られないような状況。どうすれば誰もが幸せになれるのか?物語には客観的な判断をもって家族を導くような存在は登場しない。誰に導かれることもなく、家族が自らの力で正解を求めて行く姿が印象的です。 序盤の下ネタ満載のコメディ風味から、中盤から後半に描かれる障がい者が社会生活を送っていく上での深刻な問題、CODAの悩みと苦しみ、そして終盤の爽やかで希望に溢れた結末と続き、安心して観ていられる感動作です。彼女が学校のステージで歌う場面で訪れる突然の静寂によって現実に引き戻され、進学に一番反対していた母親が彼女に告白する出生時の感情に驚き、そして振動でリズムを感じることの出来る父親が彼女に触れながら歌声を感じる場面で感涙し、気付いた時にはすっかり作品世界に没入していました。 上手く行きすぎでしょ?といった見方もあるかも知れません。予定調和が過ぎるみたいな。でも、生きる力、家族を愛する力が明るい未来を約束してくれるという、希望が前面に押し出された作品があってもいいじゃないですか、との思いからひさびさに10点献上します。[試写会(字幕)] 10点(2022-01-31 22:17:56)(良:2票) 《改行有》 19. 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 《ネタバレ》 実は死霊館シリーズの前2作は鑑賞しておらず、純粋に本作のみについての感想です。 普通に面白い。個人的には何でもありになってしまいがちな悪魔モノはイマイチ好きになれないのですが、本作は邦題でミスリードされつつも、要所要所はしっかりと作り込まれているため、実話ベースとは俄かに信じ難いながらもその作品世界を楽しむことが出来ました。 ただ、そもそも夫妻の目指すのは法廷で悪魔の存在を証明することだったと思うのですが、法廷シーンは殆ど登場せず極々短いカットのみ。実話を標榜し当事者近影まで載せて居るのですから、そこはキッチリと描き込んで欲しかったところです。それじゃ長尺になってしまうし、ホラーらしからぬ展開になってしまうから無理なのかも知れませんが。 エンタメ性十分なホラー作品に6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2024-06-13 21:59:29)(良:2票) 《改行有》 20. スーパーサイズ・ミー 初めてこの作品の噂を聞いた時、「マイケルムーアの二番煎じで目立ちたがり屋じゃないの?」などと思ったものです。でも、実際に観た人の話を聞いているうちに「実はかなりシリアス?」と思えるようになり、ネットで上映期間を調べたら今週で終了。で、慌てて本日観て来た次第です。その結果としての感想は「ま、真面目っ!ストレート!」です。私自身、日頃からファーストフードは嫌いなのですけど(特に○ック)、自分が嫌っている根拠を「キミの考えは正しいよ」と言って貰えたようで嬉しくなってしまいました。まぁ、実際に毎日三食欠かさずマックなんて人は居ないだろうけど、でも、だからこそ死人が出ないで済んでいる訳で、結果が伴わないから危険じゃないなんて理屈は成立しないのです。私なりに考えているファーストフードの功罪は、この作品の中で述べられている以外にもあるのですけれど、ま、それはココでは書くべきじゃないでしょうね。というわけで、監督の真面目な仕事に8点献上!8点(2005-02-02 22:56:37)(良:2票) |
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