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プロフィール
コメント数 354
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

サブスクが苦手。

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評価順123456

1.  ガッチャマン 《ネタバレ》 という訳で、タツノコプロなら「みなしごハッチ」「タイムボカン」シリーズ、「新造人間キャシャーン」という40過ぎのおっさん…どうでもいいや。前評判からして「ひ~どいう~わさの、ガッチャマ~ン」である旨は聞いてたのだがここまでやっつけ仕事なのは如何なものか。名作アニメの実写化という時点でオリジナルを超えるのは難しいし、40年前のアニメなので2013年時の社会情勢との乖離があるのは仕方がない。正直配役も不満はあるが多分松坂桃李や剛力彩芽あっての企画なのだろう。問題は原作への愛着感がまったく見受けられないという事が素人目にもわかる、という事に尽きる。関係製作者にキャラクターに対する愛情や敬意があり、そのイメージを壊さないように設定や脚本・配役を立てるという当たり前の事を順守するという点、この「ガッチャマン制作委員会」というのはわかっていないらしい。出演者曰く、「世界観はこちら(演出や脚本)で構築するので、原作は見なくて良い」という指示をする製作者自体、この名作アニメは単なる金儲けの一環で「国内が駄目でも、ソフト化+他メディアの展開+海外上映等でカバーするもんね」という意図が見えて虚しささえ感じる。世界の半分を17日間で征服→13年後ってその間何してたのギャラクター。そんな人類の危機下にも関わらず東京はのんきな日々で白鳥のジュン両手ショッピング。ジュンの婚活。健とジョーとある人物の三角関係。戦闘直前まで「俺は…」みたいな語りを滔々とするガッチャマン。力不足のCG。水野晴郎先生が「シベ超」に掛けた情熱の1%位、あればなぁ…。[映画館(邦画)] 3点(2013-08-30 09:58:35)(良:4票)

2.  エイリアン 《ネタバレ》 私はこの映画、「セックスとジェンダー」という体と精神両面から男性に虐げられる女性の深層恐怖を「異性人=エイリアン」で表現した作品と認識しています。他の方も述べられているのですが成長したエイリアンはまさしく男性器のメタファー、卵という媒体を通じて生まれたチェストバスターは望まれない妊娠=レイプへの恐怖を表しているようにしか思えません。そして平凡パンチを口の中に押し付け殺人をもくろむアンドロイド、これなんかはあまりにも露骨な男尊女卑主義者の典型でしょう。マザーコンピューターは「おふくろさん」にも関わらずやることはパワハラ、この皮肉。リプリーが一人になってからこの映画は素晴らしい展開を見せていますがそれは彼女が対するのはエイリアンだけではない、パワハラやセクハラといった人の心の奥底に潜む暗い、「目に見えないもの」への反抗・戦いだからこそ。もう一つ、最後に彼女が振り絞って歌う「君は僕の幸運の星」~「雨に唄えば」だよ!このセンスに脱帽。こういった世界観を生み出せるか単なる勢いかが監督スコットとキャメロンの違いであり、この作品は監督スコットの最高傑作。[映画館(字幕)] 9点(2007-12-31 20:15:51)(良:3票)

3.  ワイルドバンチ 《ネタバレ》 モンティ・パイソンの短編にペキンパーの流血描写を茶化したコメディがあり、それを見た若き日の私は「イギリス人は馬鹿だ」と本気で頭にきた事を思い出します。この人の映画の本質はやはり「時代遅れの人達への共感と古きよき時代への郷愁」ではないのでしょうか。ペキンパー自身が西部劇の黄金時代から衰退期を経た、時代遅れの生き方を余儀なくされた映画監督だったのだからその思いはひとしおです。生き残ってしまったソーントン、時流に置いてきぼりにされてなお生き続けていくことの苦しみはいかばかりか(ロバート・ライアン最高) だからこの映画で最高に輝いている場面はそういったダサい男達が見せるふとした幸せや喜びをかみ締めているシーン、メキシコの村を離れるところや銃器を強奪後に酒を飲みあい笑い会うあれだと思うのですよ。それをスローモーションの流血描写だけことさら強調して映画の情報誌によく書かれている「今のアクション映画の原点はペキンパーだ」という文章、あれはこれから映画を見る皆様、そしてペキンパーに失礼だろうがとこの映画が大好きな私は思うわけですよ。文章が雑になってきましたので頭を冷やしてきます。[映画館(字幕)] 10点(2006-04-16 23:08:38)(良:3票)

4.  死霊の盆踊り 《ネタバレ》 おっす!おらNbu2!おらもレビュアー仲間にいれてくれよな!(野沢雅子さんの声で) という訳で今年最後の映画鑑賞、アラフィフおじさんがこの度32年ぶりのスクリーンリバイバル・HDリマスターを劇場で見ましたよ。もう何と言うのか...劇場で映画を鑑賞して「2001年宇宙の旅」「アラビアのロレンス」「燃えよドラゴン」を見たのと同等の衝撃=何にも感慨が起こらないという衝撃、虚無の感情が脳内を駆け巡った90分。 自分はこれまでワースト映画は見てきたつもり、だった。「デビルマン」=怒り:漫画史上空前絶後の傑作台無し、「北斗の拳」=哀しみ:バツが悪そうに演技する鷲尾いさ子や真剣に吹替えしてる神谷明、「シベ超」:驚き=情熱に対する映画の面白さがここまで反比例している実例、そして「北京原人」:おぱーい。...悪いなら悪いなりに感情感想を抱くし、込められるだろう。がこの作品、怒り哀しみ驚きおぱーいといった歴代のワースト作品に対して感じた要素がてんこ盛りにも関わらず、なんにも感じない。あるのはただ「他になにか有益な時間の使い方があったのでは」「何故俺は、劇場まで来てこの映画を見ているのだろうか」という禅問答。ラスト救助隊が助けに来た時、マジで「助かった~!」って思ったよ。巻き戻し早送り、ストップ出来ねーんだから。 で思ったんだ、これは映画ファンにとっての予防接種のようなもの、新井選手にとっての護摩行そのものだって。この先どんなにつらい映画ライフを送ろうとも「俺は『盆踊り』を劇場でお金を払って90分時間をかけて、鑑賞したんだ」って。心の苦しみ、全てオーケー。映画製作者や関係者にも希望の一本かもしれない。「下には下がある」と(それはそれで困ったことだが)。フェリーニ「道」でリチャード・ベースハートがジュリエッタ・マシーナにも言うてたやないか、「どんなものにも意味がある、この石ころにだって」。だから映画の内容はともかく1点を献上する。んじゃ、またな! でもこの映画が人生最後に見た映画だとしたら...絶望だな。[映画館(字幕)] 1点(2019-12-30 18:43:39)(笑:2票) (良:1票) 《改行有》

5.  じゃりン子チエ 《ネタバレ》 先に述べておく。極・私的高畑勲監督の劇場映画最高傑作は「火垂るの墓」でもなく「平成狸合戦ぽんぽこ」でもなく、(「パンダコパンダ」には傾きそうになるが)この作品である。...思い起こせば映画好きの友達と激論を交わした。友曰く、漫画+TVアニメと雰囲気が違う/ヒラメちゃんが出てこない/いきなり「ゴジラの息子」映像の挿入はそぐわない/吉本芸能の大御所を使った声優陣がうっとおしいなど。...いやいやその観点が可笑しいのだ、わからずやめ。この劇場版での高畑監督の意図は「(原作とは異なる)1960年代後半の大阪を舞台としたじゃりン子チエ」物語・ファンタジーの創出であり、はるき悦巳原作の完璧な再現であったTV版とは違うのだよ。吉本芸人に求められてるのは関西社会の雰囲気であり演技ではない。そしてチエちゃん一家の生きる活力=明るさにフォーカスをおいた原作よりも、人生の浮沈盛衰=現実感ある市井の生活に視点をおけば悲哀感が出てくるのは当然。そこがいいんじゃないか。(家族旅行が原作では金閣寺→遊園地に変更されたのも印象的。映画表現においては「遊園地=不安の隠喩(メタファー)」でもある) こんな議論も最後は「世界名作劇場の高畑作品最高」→「『ハイジ』は別格として『母をたずねて~』と『アン』、どっちが好きか」になってゆくのでした...。高畑監督ご冥福をお祈りします、そして有難うございました。[ビデオ(邦画)] 8点(2018-04-06 10:31:13)(良:3票)

6.  洲崎パラダイス 赤信号 《ネタバレ》 別れた方が良いのは十分わかっている。お互い仕事は見つかったし、自分をちゃんと支えてくれるパートナーも出来そうだ。それに流れ流れた恋の行く末が悲劇となってしまった例をこの眼で見てしまったのだから、、、、でも別れられない二人。本当に忸怩たる思いですなコリャ。それでも赤信号を越え深川の洲崎門を離れていく二人の乗ったバスは素敵な未来へ向かって行くと信じたい! 90分にも満たない小品ですが私も好きです。[DVD(邦画)] 8点(2006-04-14 21:26:22)(良:3票)

7.  男はつらいよ 日本全国の観衆に感動・誇り・人の心の暖かさ・生きてゆくことへの活力・涙等を約25年間与え続けた上、邦画の低迷期に唯一その存在意味を知らしめたこの長寿シリーズが無ければ多分日本における「映画」文化は没落したであろうし、庶民文化としての「落語」というジャンルは壊滅の道を歩んだものと自分は思っている。そんな愛すべきこの作品にどうして低い評価をつけられようか。そういった点も含めてこの点数。[映画館(邦画)] 10点(2008-10-18 22:19:24)(良:3票)

8.  人間蒸発 《ネタバレ》 (もろネタバレです)「ドキュメンタリー」というジャンルに分類されているこの映画ですが実際の所は真実と虚像のごちゃ混ぜになった内容で今村昌平の弟子である原一男の映画「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」の先駆けという内容でしょう。映画が進むにつれ「真実を映し出す鏡たるドキュメンタリー」といったお決まりのパターンにはまる事などまったく無く、男の存在なぞはついぞ出てこない。なぜゆえに失踪したのかも提示されない。この男と婚約者、その姉との三角関係が現れて観客はそこに原因があったのか、とかんぐりたくもなるがそれも単なる推測、勝手な想像として流しているだけであって実際はわからない。そもそも失踪した男の存在すら虚構で、これは「実録」という名を借りたフィクションなのではないかとも思う。でも私はこの映画を高校生の時に見て、物の見方、特にメディアというフィルターを通して映し出されたニュース映像は100%それが真実を示しているわけではなく、第三者(撮影者とか、編集とか監督など)の視点から見た事実にしか過ぎないのかなという啓蒙を与えてくれたという意味で大いに良い映画だった。ただこれは(今でもお昼のワイドショー、巷のゴシップ紙なんか典型的だが)記事になっている・写されている人間の思いをまったく無視し、視聴者に判断をゆだねるという無責任な行為であって不快になる人も出てくるだろう。そういった意味では賛否両論、問題になりやすい映画でしょう。[映画館(邦画)] 9点(2006-04-19 23:44:06)(良:3票)

9.  浮雲(1955) 《ネタバレ》 正直若い頃にこの映画を見た感想は「退屈」、それしかなかった。「稲妻」「おかあさん」「乱れる」を観ていてじゃぁこの傑作に!と臨んだらこれだ。あり得ないくらいの暗いトーンに繰り返し流れる重苦しい音楽。森雅之が演じる富岡の屋久島赴任に伴う高峰の「私も連れてって!」に関しては最後憤怒の情すら湧いた。なんじゃそら。ところが今日この映画を見直して本当に胸うたれた。年を経れば経るほど恋愛には不安や暗い面が伴うこと。と同時に若き日の想い出はなぜか明るく楽しかった事しか覚えていないこと。昔の想い出から抜けきれないまま(日光のあるシーンというのが過去の赴任地=インドシナの想い出のみというのが深い)、どこまでも墜ちてゆく彼ら二人とそのような世界を構築した監督成瀬の凄みを感じてしまった。無駄なベッドシーンばかり挿入し「性欲まるだしでーす」みたいな不倫を取り扱うばかりの今の邦画界はこの映画を観て、猛省していただきたい。同じ時期に大石先生とゆき子を演じていた役者高峰の素晴らしさ(この人の魅力は顔もさることながらあまり美声とはいえない「声」)もあるけれどやっぱり森雅之の演じた富岡=邦画史上どの役者も真似できない、役柄の造形につきる。高峰さんの訃報を受けて書いたこのレビュー。今頃天国では成瀬&木下監督が早く高峰さんと新作を撮りたいとウズウズしているよ!改めてご冥福をお祈りします。[映画館(邦画)] 10点(2011-01-01 13:07:26)(良:3票)

10.  誰かがあなたを愛してる 極私的チョウ・ユンファの最高傑作はまさしくこれ。異国の地で暮らしている寂しさを漂わせつつ、精一杯の明るさで振舞う彼の演技は素晴らしい。また若くしてこの世を去ったダニー・チャン、この後映画界を引退したチェリー・チャンにとってもこの映画は「最高の瞬間をフィルムに残せた」奇跡の一本。[映画館(字幕)] 10点(2006-06-03 00:26:42)(良:3票)

11.  グロリア(1980) 《ネタバレ》 若き日の自分なら多分この映画に「4」くらいしか付けなかったと思う。アクションは妙に中途半端だし(敵役もこれといった印象は残らない)助けられる子供もナタリー・ポートマンは何とかしたいがこのガキはドーデも良いやという感想しか起こらなかった。ところが不思議なもので年を重ねてこの映画を見るとその雰囲気、例えば冒頭の朝のニューヨークの場景や子供を連れて逃げたホテルの部屋で夜一人佇むグロリアを映すショットといったその「空気」にやられてしまっている自分がいる。カサベテスのベストではない気もするし、元々自作撮影用の資金集めの為に他者に提供する目的で書いた脚本で彼自身本当に撮りたかったかどうかは?なのだがそれが彼の代表作になり、愛妻ローランズはアメリカインディー映画界のミューズ(女神)になったのだからわからないもんだ。マイナスはラストのあの音楽。「ロッキー」のビル・コンティは無いんじゃないの?[映画館(字幕)] 8点(2007-05-20 20:43:32)(良:3票)

12.  狩人の夜 《ネタバレ》 私にとっての「画竜点睛を欠く」映画はこれ。現実に無理矢理引き戻されるようなラスト、取って付けたようなクーパー婦人(リリアン・ギッシュという配役は凄い)の説明臭い台詞で終わらせず最後までダーク・ファンタジーで突っ走って欲しかったという事で減点をしたが、名優チャールズ・ロートンの描き出した「マザーグース風の話を悪夢調にアレンジしたもの」という雰囲気は見事に描き出されている。伝道師ハリーを演じるミッチャムのとろけたまなざし・有名な「LOVE&HATE」の入れ墨。水の中に浮かぶシェリー・ウィンタースの死体のカットの美しさ。逃げ惑う兄妹を取り巻く沼地や動物の不思議と綺麗なこと!まさに悪夢の御伽話の世界。映画雑誌には「幻の名作」と書かれているけど、そこまで気負わずに。あとこれ見るなら夜!部屋の電気を消して![ビデオ(字幕)] 8点(2008-03-08 12:50:50)(良:2票)

13.  プラトーン 何というのかなぁ、良い食材と性能の良い道具を使用しているのにもかかわらずシェフの腕が悪いから不味かった、そんな感じの映画だな。(悲しい音楽とスローモーションを使用してというのはある意味映画人としては芸がないと思うのだがいかがなものか。役者が頑張っている分逆に力量のなさが目立つ)しかもこのシェフ、「店内は私語厳禁」位の押し付けを平気でかましてる分だけ逆に腹が立ってくる。ある意味アカデミー賞を取ったんだから、宣伝は一流なんだろうけど。[映画館(字幕)] 2点(2007-01-11 23:59:00)(良:2票)

14.  血槍富士 《ネタバレ》 私も少々戸惑った一人です。「東映映画チャンバラ」のルーティンを内田吐夢は壊してしまったと感じました。つまり勧善懲悪、公明正大、清廉潔白な雰囲気を売りとした東映時代劇の進行を突然主人とその家来の死で断ち切り、ラストの十分間は妙にリアルな殺陣を繰り広げるという展開はその当時の「時流」から離れたものだったのではないでしょうか。そしてそれは満州を理想郷として追い求めた彼の挫折感の投影であると同時に、「明るく希望に満ちた旅」とはまるっきり逆の状況で死んでいった兵士や犠牲者への鎮魂歌(ラストの「海ゆかば」に私はそう解釈しました)であったのではないか、と思いました。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-16 03:09:36)(良:2票)

15.  ガルシアの首 《ネタバレ》 初めてみた大学生の時はその良さがまったくわからなかった、という事を素直に告白しておく。が年を経て少しは人生経験を積むにつれ、このピアノ弾きの行動に痛いほど気持ちを込めてしまうのだ。一攫千金を求め何とかこの機会に這い上がりたいという想いや、どうしようも無い情婦=彼女であるけれど、支え合ってこれからの人生を築き上げたい、と考えた小さな夢とその破綻に対する悲しみ。彼女を守れなかった悔しさ。同じ女を愛していた賞金首への贖罪の気持ち。これら感情を一身に背負い演技するオーツ、最高。全(男性)映画ファンにとっての「漢の映画・必修科目」の一本。[映画館(字幕)] 9点(2009-04-19 23:10:12)(良:2票)

16.  ひろしま(1953) 《ネタバレ》 世の中には「総合芸術たる映画」とは違った、作家監督が「自分達の主張を何とかして伝えたい・伝わって欲しい」という側面で作られた作品がある。 同年の「原爆の子(新藤兼人)」は鑑賞済であったが、恥ずかしながらこの作品は最近まで知らなかった。戦後8年経った広島。「原爆について学んでなかった・忘れようとしていた」風潮の中で人々はあの日の悪夢を思い浮かべる。この作品のポイントはやっぱり原爆の惨劇をとことん映し出した前半の群衆シーン、そこに尽きるのだと思う。正直このシーンだけで疲労感は極限に達した。...映画において「イデオロギーを声高に主張する」という方法は作家の押し付けがましさが過度に出がちな感があり、個人的な感想としては「原爆の子」「ゴジラ(’54)」には及ばない。そしてこの点(「ドイツではなく日本に原爆が落とされたのは、日本人が有色人種だからだ」台詞=松竹は「反米的」と判断)が全国上映の扉を閉じ、幻の映画となってしまったのだろう...   以上が初見時の感想(2017年)。 がこの度リマスター化したフィルムを劇場で見る機会があり、私は映画としての良し悪しとは別にこの作品に携わった関係者キャストの想い、特に「絶対に戦争を起こさない+この悲劇を風化させない」という気持ちをなんとか皆様に伝えたく、点を+2にすることにした。被爆者が語る「一番自分が経験した事を身近に感じさせるフィルム」「(実際にエキストラとして映画に参加した被爆者の証言)現実から比べたらとてもじゃないが、あんなものではない、と私たちから言えば思いますけどその体験をした人がどんどん少なくなっている現在だからこそ、何かの形で伝えていく事は絶対に必要な事なのではないかと」(ETV特集×NHK1.5chより)[DVD(邦画)] 8点(2019-08-07 13:06:02)(良:2票)

17.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 世界初の全身麻酔手術の成功を支えた嫁姑の物語=それは女としての確執から生まれた偽りの「美談」であった。監督増村・脚本新藤なので高峰秀子と若尾文子(様)のバトルはもちろん凄まじい。ただそれ以上に私には華岡青洲を演じた市川雷蔵が印象に残り、極私的彼の演技ベストファイブに入れても良いと思う。『夫に尽くすという事・理想的な妻/母であるという事は時として夫の「我が侭/エゴイズム」に女性がしたがっているだけであって、そこには女性としての幸せや生きる意味はない=女性に隷属を強いる男の狡賢さ』という(私Nbu2が考える)有吉佐和子原作小説の主題を見事に体現している演技だから。リメイクにおける竹脇無我や三浦友和、最近の谷原章介は単に「麻酔研究に情熱を燃やす医学者」華岡青洲であって、そこに雷蔵が示した「理想や成功の為に妻や母を犠牲にしたエゴイスト(しかもそういった嫁姑の協力に甘えている?という感を出すのがまた凄い)」華岡青洲は、見えない。母親於継の死がナレーション(補足:杉村春子は文芸座でこの於継役をもち役としてます。)のみで片づけられたのも青洲の名声にとっては小事でしかない+女主人の座を得た様に見える加恵も最終的にはそんな小さな扱いで終わってしまう、という意図を込めてるのでしょう。うだうだと書いてしまいましたが少なくとも最近のリメイクよりはこっちの方が迫力等上。機会があればぜひ堪能してほしいのし![映画館(邦画)] 8点(2013-06-13 21:39:33)(良:2票)

18.  お早よう その映画人生でひたすら「家族」の来し方行く末を描いてきた監督小津。当時の関係者内からはその作風に批判的な風潮があった、と聞いていますが約50年経った今でも支持されるのは彼の描写した風景の本質そのものは時代が変わっても不変だからでしょう。でこの作品。大人の理解を超えた、子供ならではの行動を見せつけられて可笑しさが増す。オナラ遊びに気を入れすぎて「み」が出てしまった時の子供の凹みっぷり、面白すぎる。話の面白さだけではなく近所付き合いの様子(人の出入り)を捕らえたショット、流れのテンポに関しては実はものすごく工夫されたもので注目すべき点。あとこの映画の久我美子。あいらぶゆうー![映画館(邦画)] 8点(2008-01-13 23:58:19)(良:2票)

19.  カリフォルニア・ドールス 《ネタバレ》 映画史において「遺作」というのは基本がっかりな物が多い中、これは数少ない「観て損はない遺作」に入れても良いアルドリッチの一作。「漢」の映画を撮り続けた彼にしては扱った素材が女子プロレスというのは?であり、御都合主義でありきたりなストーリーではあるけど最後は胸熱く心躍るいつもの「アルドリッチっぷり(根性あふれるどつきあいを自分はこう呼んでいる)」に楽しくて仕方がなかった。殴られ蹴られ泥だらけでポロリもありの根性入れまくりの主演女優、ドールズ2人もさることながら2人のマネージャーを演じたフォークの演技が素晴らしい。そしてアルドリッチの演出もちゃんと彼彼女らの侘びしさや苦しみを丹念に描写しているので(個人的にはリノの超豪華なホテルでのカジノでドールズ2人がスロットに興じるシーンがつぼ)、ラストのタイトルマッチへの盛り上がり=勝って成功をつかむ、という展開に説得力がついてくると思う。あと日本の女子プロレスリングテクニックは世界一で有ることを知らしめた(最後にこれが効いてくる)ミミ萩原+ジャンボ堀コンビにプラス1点。2015年初ソフト化は、めでたい。ウィ!ウォン!ドールズ![映画館(字幕)] 8点(2012-11-28 15:12:47)(良:2票)

20.  ゴジラ(1954) 邦画史上最高の、人類愛と平和を訴えた究極の到達点。映画というメディアが存在し続ける限り、1954年は「ゴジラの誕生した年」として記憶されるだろう。ゴジラ、そしてオキシジェン・デストロイヤーと一緒に海中に消えた芹沢博士の涙は永遠に人類への警鐘となる。[映画館(邦画)] 10点(2008-01-30 23:22:46)(良:2票)


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