みんなのシネマレビュー |
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1. 海よりもまだ深く 《ネタバレ》 「海よりもまだ深く 空よりもまだ青く」。本作のタイトルのもとはテレサテンの「別れの予感」です。人をそこまでに愛することは不可能なのかもしれないが、みんなそんなふうに愛し合っているのかもしれない。他人のワタシには冷凍ヤケしてんじゃないかと心配しちゃう食材を使ったカレーうどんをおかわりしながら食べる家族は、海よりも深く愛し合っているのではないか。父親がしてくれたように、台風の中公園の遊具にもぐって息子といっしょにおやつを食べるのは空よりも青く愛しているからではないか。淑子はいつかこの世を去り、真悟を通じてかろうじてつながっている良多と響子がよりを戻すことはまずない。真悟もいずれは自分の世界に旅立っていく。そこはかとなく別れの予感が漂う中に、それでもぎこちなく愛し合う家族を描いた良作だと思います。[DVD(邦画)] 8点(2016-06-05 07:54:11)(良:4票) 2. 評決 《ネタバレ》 なんか、思ってたのとずいぶん違うなあ…、というのが鑑賞直後の感想でした。でも、これ、やっぱりいいですね。いつ、この飲んだくれのダメ弁護士がヒトが変わったように活躍しはじめるのだろう、と思って観てましたが、結局、クズのまんま終わるのですね。かなり無茶な手段で、最後の切り札を手に入れますが、そのカードの切り方もまずく、法廷のルール破りをし、あげく大事な証言は証拠不採用。ダメなわけです。最終弁論は、陪審員に向かって行われているのではなく、クズな自分を赤裸々に言いつのってるようにも見えました。クズの純情が、陪審員の心を動かしたかに見える。鳴っている電話を取らずに、もう何もかもめんどくさそうに眼をつむるラストシーンは、見直してみると結構胸にしみます。クズでもいいじゃん。例え、人生1勝10敗でも。のたうち回ってりゃ、いつか勝つ日も来る。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-14 19:05:10)(良:4票) 3. ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 再見。だから、どうせ「10点」だと思いながら見直してみたのだが、あらためて気づいたことが二つある。その1、ラストを知りつつ見ると、初見時にはダルかった前半のコメディパートがものすごくいい。その2、11点を献上できるなら、本作にこそあげたい。[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-03-20 22:37:09)(良:3票) 4. がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 リーチェの「オギヨディオラ」を70年代の瀬戸内海にかぶせてきたところで、心を掴まれましたね。水面を滑るボートは美しい。なぜ、ボート?という疑問が全くわかない説得力。本作が源流になり生まれたとも思われる「あれ」や「それ」と、一線を画すのは、「ドベでなければ、いい」という控えめな目標を積み重ねて、決勝進出。最後には、すっかりそれなりのたくましい体つきになったボート部の皆さん。見て良かったです。[DVD(邦画)] 8点(2010-07-24 09:47:00)(良:3票) 5. 或る夜の出来事 《ネタバレ》 90年前の映画がそのまんま面白いって、人間って本質的な意味では変わらないなんだなあって。昭和9年ころの人たちとも分かり合えるような気がして、そのことが嬉しい気持ちになります。最後の夜に、「ベッドに戻れ」と言いつつも、時間差で「本気なのか?」と聞く一連が好きなんだ。わかるよ、そういう気持ちの流れ。多分、奈良時代の人が見ても、この映画は面白いんだと思いますよ(なんのこっちゃ)。◾️1点減点するまでもないのですが、飛行機乗りウェズリーにもしっかりストーリーに絡んでくれていればと。あの親父さんからイマイチ査定されるエピソードを入れるとか。もしかすると、あのヘリコプターと飛行機が合体した遊園地みたいな乗り物を使って結婚式に登場するようなところが嫌われたのかも、と思っています。[DVD(字幕)] 9点(2024-06-23 06:42:13)(良:3票) 6. 恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 これは文句なしで、面白いですね。満点です。こんなに評判の悪い邦題なら、蛮勇ふるってワタシがつけてやる!ということで、①「2月2日」、②「2月2日からの脱出」、③「フィルは、何でも知っている」、④「ずっといつまでも長い冬」。…ちっとも、ファンタジックコメディみたいじゃないですね。邦題つけるのって、難しいっす![DVD(字幕)] 10点(2010-12-20 22:06:37)(笑:2票) 7. 前田建設ファンタジー営業部 《ネタバレ》 50代男の気持ちを鷲掴みにするお仕事映画。悪ふざけの対義語が良しふざけなら、これがそれ。社外にノウハウを求めたところは是非が問われるところですが、ワタシはあり。この仕事はここまでやらなきゃって思う。前田建設の建設会社として品質を広報しているんですからね。いろんなところとの関係も含めて。観ている途中で、何度も「あれ。これでも、ホントには作らないんだよな」ってことを思い出して、フッと変な感覚になることしばしば。これはいいですよ。わかってやってますからね。これは「ファンタジー」なんだって。「大丈夫ですよ。そんな酔狂な会社、うち以外ないですから」って言った小木が好き。六角精児、よかった。[DVD(邦画)] 8点(2020-10-02 07:39:54)(良:2票) 8. コンテイジョン 《ネタバレ》 力強い映画。とても印象に残っているのは、自ら感染したことが分かるやいなや、すぐさまとるべき職務を行うミアーズ。人体実験の被験者として、全く躊躇がなかったヘクストール。「感染症もの」といえば、ヒステリックなもの、と思ってたところで、この静かで硬派な作品。ラストシーンでは、こう持ってきたか、とため息つかされました。[DVD(字幕)] 8点(2012-03-04 12:43:16)(良:2票) 9. 二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 レニーは、そうされるだけのことはしたのです。そして、他の誰にやらせることなく、ジョージが幕を引いた。ジョージは、いつかこういう日がくることを予見していたのではないか。月と太陽に照らされたシーンが多かったのが印象的です。[DVD(吹替)] 7点(2009-12-23 23:16:57)(良:2票) 10. GONIN 《ネタバレ》 再見。ビートたけしと本木雅弘と佐藤浩市と鶴見辰吾と根津甚八が本作以上に魅力的だった作品をワタシは知りません(竹中直人は別にある)。白昼の観光バスの車内を最後の対決の場にしようと考えたときの監督の興奮ときたら。クセの強い5人の集まりなんだけど、妙に仁義に厚いところも好き。久しぶりに聞いたよ、「水くせえじゃねえか」。一時期の邦画に、奥山和由が与えた影響は大きい。良いことが起きる気配が全くしないメインテーマも好き。いいと言うには少し差し障りがありそうな本作だけど、やっぱいいっすよ。[インターネット(邦画)] 9点(2017-06-13 22:07:01)(良:2票) 11. ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 釈然としなかった方のクチです。ノートルダム大学への編入のくだりについて。彼にとって情熱とは、時間をわきまえず入学担当者に会いに行くことであり、家庭教師を得るために女の子に声をかけたり、スタジアムのメンテナンスに精を出すことなのですね。勉強しろよ。フットボールチームに参加してからも、単にがむしゃらに相手めがけて突進を繰り返すだけ。過剰なエネルギーは感じるんだけど、なんか間違った努力をしている。「夢は宝物」って錦の御旗はもうたくさん。いい歳こいて「夢」とか言わんで欲しい。本物はそんなふわふわしたこと言わないで、冷静に日々精進して、合理的な努力をしているだけのはずだ。[DVD(字幕)] 3点(2013-09-15 23:29:30)(良:2票) 12. ペコロスの母に会いに行く 《ネタバレ》 原作のボワっとしたかわいらしい感じから、赤木春恵と岩松了で大丈夫かと心配しつつ観たモノです。結果、心穏やかにみることができました。それは、映画全体から岡野家のおそらく味噌くさいような匂いというか、加齢臭というか、人間くさいかおりが漂ってきたからだと思います。無味無臭の真逆な映画。なんか馴染む。赤木春恵さんの洞窟のように暗い瞳がスゴい。岩松了のなにか卑猥な眼つきが好き。なお、鑑賞後こんなに面白い原作だったかと再読しましたが、前読んだときよりも、しみじみ読むことができました。[DVD(邦画)] 8点(2014-09-07 16:45:00)(良:2票) 13. ジオストーム 《ネタバレ》 悪の一味であるダンカン・テイラーに「世界が滅びるところを見たくないのか」とたずねられれば、はい、実はその通りです、と答えざるを得ない。ようするに、私がこの映画に求めていたものは、世界のさまざまな都市が、ジオストームで破壊される映像です。いっそのこと、主人公チーム、すんでのところで間に合わなければよかったのに、と思っているオレは今、あんまり良くないかもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2018-08-04 17:26:38)(笑:2票) 14. サボテン・ブラザース 《ネタバレ》 「ギャラクシー・クエスト」を経由して、たどりつきました。誤解からはじまった助太刀だったが、いろいろあってウマくいくという、ある意味シンプルな話なのですが、ワタシは終始翻弄されていたという感想。例えば、①衣装を盗みに入るシーンのふざけ、②初めての野宿のシーンの書割りっぽさ、③世界観を壊しかねない歌う木と透明な剣士(何かの比喩かと思ったら。しかもあれっきり出てこない)、④敵役主観の、拳銃を空に撃ち駆け回るシーンもそうだな。なんかとてつもなく無駄な味付けがしてあって、それが妙に好きという困った映画。⑤跳び箱を飛び損ねるみたいに馬に乗るシーンとかも好きだなあ。映画のヒーローをそのまま本気にするという設定も、本当はそんなに真面目に考えてないんじゃないか。ヘンテコすぎるだろ。でも、好きだ。なんでだろう。【追記】ああ、この変な感じは、誰も共感してくれないと思いながら、「森田芳光作品」に似ているような気がする。[DVD(字幕)] 9点(2021-09-16 21:53:36)(良:2票) 15. トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 脱出したルースターに駆け寄るときの、イーサン・ハント(@ミッション・インポッシブル)走り。カワサキのバイクにノーヘルで乗って、フライトジャケットにジーンズ。トム・クルーズがいつものことをやっているという印象。■マーヴェリックという人間が分からないんだ。優秀な海軍パイロットwith Loveという人格一辺倒のように見える。オッサンががんばる映画は大概良いんだけど、50は過ぎた設定なんだから、50過ぎのなりの、偏屈な哲学とか、屈折した韜晦とか、狸おやじっぷりとかも、にじませて欲しい。何で、そんなに、さわやかなんだ。■「この年齢なのに、この身体能力!」ということではなく、年相応の魅力が欲しいので、教官として赴任すると分かったときには、ヨッシャと思いましたが、結局自分がキャプテンなのね。ふーん。□わかってます。偏屈なのはワタシだってことは。[映画館(字幕)] 5点(2022-10-09 07:34:33)(良:2票) 16. キャタピラー 《ネタバレ》 海外の国際映画賞を狙っていたな。「反戦」っていう錦の御旗ですべてをラッピングしようとしている映画。これでいいと思っているしたり顔がイヤなんだ。[DVD(邦画)] 2点(2015-10-03 20:00:00)(良:2票) 17. キネマの神様 引き受けた沢田研二は漢気があったと思う。しかし、ここは"上島竜兵"で勝負をかける手もあったのではないか。【追記220511】ああ。もう。本当に、上島さんの”ゴウ”が見たかったです。[DVD(字幕)] 7点(2022-03-26 20:54:22)(良:2票) 18. 新聞記者 《ネタバレ》 このどう評価したらよいのかわからない映画を噛み砕くために、原案とされる「新聞記者(望月衣塑子氏)」を読みました。少なくとも原案の書籍では、内調がSNSを活用して世論を撹乱しようとしているというような記述や、特区での大学設置による生物兵器開発疑惑なんてなかったですよ。だからワタシにとってはこの映画は、やや「トンデモ」映画であり、モデルと想像される望月記者について世間に誤解を与えかねない映画なのではないかと危惧してします。4点は、あくまでも、ひたむきで美しい女性記者を演じたシム・ウンギョンさんに。かっこよかった。しかし、この映画に、それ以上のなにかを読み込むのはむしろ状況をおかしくしないか。【追記】ラストシーン。わたしには、杉原のクチビルは「ゴメン」って動いているように見えました。そういう映画だと思っています。[映画館(邦画)] 4点(2019-08-01 21:16:01)(良:2票) 19. アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 スパイダーマンは、飛翔シーン。何度見ても、気持ちいいです。だから満足。ただ、予告編などで本作では「主観視点」の飛翔シーンを堪能できると思っていたので、少しそこは残念。ドラマパート。おそらくはじめてデートに誘うシーン。ポツポツ話しかける主人公とはにかみながらOKのヒロイン。その辺、ナイーブな感じが良かったです。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-09 09:09:48)(良:2票) 20. テッド 《ネタバレ》 アメリカ人なら爆笑なのであろう雰囲気の小ネタに置いてけぼりくらっているワタシが残念だ。悔しいので、日本版を作って欲しい。ジョン・ベネット:伊藤淳史、ローリー:ベッキー、テッド:リラックマ。そして、フラッシュ・ゴードンは千葉真一さんにお願いしたい。もう10年くらい年をとり、居酒屋のようなところでグチをこぼしているような哀愁漂う「テッド2」もいいな。[DVD(吹替)] 5点(2013-08-09 23:38:24)(良:2票) |
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