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1. アルフィー(2004)
《ネタバレ》 「それほど愛し合っていたわけじゃない。でも、いつも一緒だったんだ。」
いまやSirとなったマイケル・ケイン主演で、60年代に公開された『アルフィー』のリメイク作。女性たちの設定はさすがに変化したものの、主人公アルフィーのキャラクターはそのまんま。40年の時を経ても、相変わらず彼は浅はかです。今回アルフィーを演じるのはジュード・ロウ。彼がそんなにいい男かどうかは置いておくとして、『クローサー』のダンといい、こういうガキっぽい役は見事にはまります。
次から次へ、ある女性のある部分だけを求めてしまう彼。安らぎだとかゴージャスさだとか、女性の"アクセサリー"を愛し、欠点を見つけると簡単に捨ててしまう。気持ちは分からなくもないけど、そんなことしていては「赤い糸で結ばれた」女なんて見つからないだろうに。しかも、彼は運命の人が自分を変えてくれると信じている。
自分を変えられるのは自分だけ。いい歳してそんな当たり前のことを知らないなんて、あなた。それはモテてたんじゃなくって弄ばれていたんじゃないの?(ニッキーとの関係は共依存だし、リズにとっては単に若いツバメの一人でしかなかったし。)
アルフィーは観客にだけ本心を明かす。
これが結構ひどいこと言っているんだけど、妙に共感できるから余計にたちが悪い。ラストシーン、誰からも見捨てられて、彼は初めて人生について考える。ついでだから一度決めたら、そう簡単に相手を捨ててはいけないことにも気が付いてくれればいいけど。お互いの苦しみを理解し、支えあったマーロンとロネットみたいに。[DVD(字幕)] 4点(2008-10-05 21:51:01)《改行有》
2. アニー・ホール
《ネタバレ》 「僕を入れるようなクラブには入りたくない」
↑自己否定の極みのような台詞です。でも、共感してしまえる自分にビックリ。
恋愛中の濃密な時間、すれ違い、仲直り、別れの予感、別れの後に襲ってくるどうしようもない寂しさetc。地味な会話が延々々々続いていくだけなのですが、突然登場人物が観客に話しかけてきたり、会話の本心が字幕で出たり、空想や過去が紛れ込んだりだとか、次に何が起こるか全く読めない演出で楽しませてくれます。(そして同時に生臭さも緩和してくれる。)
誰にでも、忘れられない人がいると思う。特にドラマチックなことがあったわけじゃない。世の中半数は異性だというのに、どうしてこの人じゃなきゃ駄目だったのか?何度思い返してみてもさっぱり分からないけど、私たちはとても"お似合い"だったと思う。未練と言うわけじゃないけれど、思い出すとチクッとくるような想い。10数年ぶりに見たこの映画は、そんな切なさによく似ていました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-05 21:47:03)(良:1票) 《改行有》
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