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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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21.  アワーミュージック まず「地獄篇」で戦争の記録映像と様々な戦争映画の断片がコラージュされる。ゴダールの『映画史』から戦争の部分だけを紡ぎなおしたような映像の波はその映像の一つ一つの惨さとは裏腹に美しい。ピアノの旋律は恐ろしく響いているのにやはりこれは美しい。どんなに惨い映像が映し出されてももうそこに映し出されたはずの戦争は戦争でなくなっている。戦争を映画にするということはこういうことなのだ。ということだろうか。そこをふまえて本編となる「煉獄篇」へ。戦争の映像ではなく目の前にある戦争の傷跡に涙する女。戦争が残したもの、テロについて言及される。もちろん「映画」を絡めてくる。ゴダール本人が発した言動に何かを決意する学生。そのことにゴダールは気付かない。これもやはり映画の宿命。観客は勝手にメッセージを受け取るが発信者はそこにいない。「天国篇」はよくわからないけど興味深い。天国に兵士がいる。平和そうなんだけど、それは兵士が兵士じゃないから平和なのか兵士が天国を守っているから平和なのか。とりあえず映画館で鑑賞できなかったことが悔やまれる1本。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-11 15:38:48)

22.  暗黒街の弾痕(1937) ボニーとクライドをモデルにした最初の映画なのだそうだが、犯罪映画というよりもメロドラマ寄り。なんだけど、そこはやはりラング、ねちっこい怖さが充満している。怖いのは国家とか警察とかじゃなく、ラングのほかの作品同様にやっぱり民衆なのだ。大きな悪よりも小さな悪の集まりの怖さを描く。主人公について回る偏見の恐ろしさよ。盗られてもいない金を盗られたと申告するなんてのも偏見と自分本位から成る行為の一つとして印象的に映し出される。主人公の疑心暗鬼はナチスが台頭してきたドイツを逃れてきたラングが実際に経験してきたものなのだろう。疑心暗鬼が引き起こす悲劇というのもまたラングのおなじみの展開である。かといって主人公が全くの犠牲者かというとそうでもない。主人公は冤罪で捕まったが、捕まったから強盗をしなかったのかもしれない。元々偏見の元である犯罪を犯したのは彼自身であり、すぐにカッとなって暴力をふるうという偏見を呼び込むべく人でもあったのだ。そのあたりの単純に善悪の割り切れない人間性を見せているからこの映画は暗く、深く、そしてやっぱり怖いのだ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-24 16:09:33)

23.  悪人 《ネタバレ》 「出会い系」というツールが結ぶ男女の出会いを発端に、一人は殺され一人は初めて人を愛する。一つの出会いが運命的な出会いとなる。それが二つあるわけだ。なんて映画的なんだろう。となると「出会い系」という安易で軽薄なツールを使う登場人物たちの孤独さを象徴するシーンの連なりがこの作品の肝となってくる。原作どおりとはいえ、GT-Rに三連メーターなんていう車オタクぶりを見せる妻夫木。居酒屋で友人に対して虚勢を張る満島。妹カップルの出て行ったあとの乱れた寝室をぴしゃりと閉める深津。それぞれの孤独を表すなにげないシーンが効果的に配されてゆく。なのに「国道のあっちとこっちを行ったり来たりするだけの人生」(正確じゃないけど、そんな感じのこと)という決定的な孤独環境をセリフにしちゃう安易さよ。「レイプされたと訴えてやる」と声を張り上げるそのときの「絶対」を連呼する満島の短絡思考表現の絶妙さに比べて岡田のわかりやすいだけの人物造形のスカスカさよ。そしてやっぱり出てきたバカの一つ覚えのようなマスコミの描き方。とどめは一生懸命に何かを語ってくる音楽の鬱陶しさ。いいところも多々あるのに、どうしてそんなことしちゃうのってのがもっとある。[映画館(邦画)] 5点(2010-09-21 16:31:11)(良:3票)

24.  ああ結婚 《ネタバレ》 人生の苦汁が全部顔に出てますみたいなソフィア・ローレンが出てくる。なんだか重そうな雰囲気だ。時を遡り十代のうぶな彼女が出てくる。同じ人物とは思えない変化にびっくり。『昨日・今日・明日』の三変化も凄いけどこの年齢からくる変化に人生経験のあるなしを加味した変化がまじで凄い。男は女が好いていることをいいことに都合の良い女中のように扱い続ける。女は女で三人の子供のために男の金を当てにし続ける。どうしようもなくドロドロである。仮病を使って結婚とか、自分の子供はどの子か捜すところなんか、かなりコメディな様相を見せるんだけど、これとてドロドロの賜物なわけで。ところが突如ハッピーエンディングへ。なんだかんだいって心のずっと深いところで愛し合っていた、なんて、んなあほな、という納得しがたい展開なんだけど、マストロヤンニとソフィア・ローレンだもんでまあそれもありかと。いやほんと、この二人でないと無理でしょ、この展開。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-23 18:20:29)(良:1票)

25.  アデュー・フィリピーヌ 《ネタバレ》 始まってしばらくは男がメインで映されている。時はアルジェリア戦争6年目。兵役につくまでの限られた時間といっても若者のすることはいつでもどこでもどこか無駄で怠惰に過ぎ去ってゆくものだ。共同購入した自動車を走らせ女の子を口説き。この口説かれた女の子二人組みが徐々に画面を支配してゆくと映画はどんどん面白くなってゆく。ベッドの上で戯れる二人の女の子はまるで『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(監督ゴダール、脚本ロメール)の女の子。一人の青年をめぐって何かを企み何かを企まれる。が、秘かであるはずの企みはあっけらかんと陽の下にさらけ出され、譲ったり譲られたりのロマンスという名のお遊びが展開する。男はたまったものじゃない。若いってことはもうそれだけで罪。映画はその罪の瞬間をしっかりと映しきる。やがて眩しい一瞬を切り取ったバカンスが終わる。成年が乗る船がゆく。ふたりが手を振り走り出す。その手の振り方が、走る速度が大きくなる。散々弄んでってこともないが、楽しんでおきながらなぜそこで必死ともいえる動きをするのか。唐突に思いだす。青年は兵役につくのだと。それとも単なる眩しい一瞬が過ぎ去ろうとすることへの購いなのだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-02 16:23:14)

26.  アナザー・カントリー 《ネタバレ》 80年代のロシアを現代としてそこから30年代の英国パブリックスクール時代を振り返る。というのが冒頭部。物々しく登場するインタビュアーが老いた主人公になぜスパイになったのかを取材しているのだから、当然その後の映画の舞台となるパブリックスクール時代にその答えがあるということになる。なかなかに興味を持たせる冒頭部なのだが、終わってみると、インタビュアーの質問から時代を遡ってゆくこと自体はいいのだがそこまでの物々しさは不必要だったんじゃないかと。物語はファシズムが頭をもたげようとする30年代。スクールに充満するブルジョア、エリート社会の内ゲバが描かれる。トップエリートを目指す主人公はゲイであることを暴露されて道を閉ざされる。簡単に言っちゃうとそんな話。スパイになった原因は、ファシズムの台頭、ブルジョアの退廃、そして自分を受け入れなかった社会への復讐。ならば冒頭の物々しさもありかもしれない。が、最大の理由は老いた主人公の部屋に飾ってある写真にある。共産主義者という異端者として堂々と生きる親友の存在があったからこそ主人公は逃げずに鞭打ちの罰を受けゲイという異端者として生きることを選んだのだと思う。共産主義に殉じた親友への純愛こそがスパイとなった理由。このあたりの多くを語らないさらりとした演出と冒頭部の物々しさが全く合わないように思ったのだ。冒頭部に合わせるなら多く語ったほうがいいし、さらりといくなら冒頭部もさらりといったほうがいいと思うのだが。[DVD(字幕)] 6点(2010-06-17 16:48:41)

27.  アメリカン・ソルジャーズ B級戦争アクションなんだけど、記憶も新しいイラク戦争を舞台としているため、どうもスカッとアクションというわけにもいかず、かといってイラク戦争を問うたような社会派の意識なんて欠片も無いというなんとも中途半端な作品。敵が襲ってきてドンパチあって誰か死んで死に際に何か言って移動してまた敵が現れてドンパチあって誰か死んで死に際に何か言ってまた移動してたらまたまた敵がやってきてドンパチあって・・・と、しつこいっちゅうねん。ワンパターンの繰り返し。ロケットランチャーみたいなのがジープに当たってわーわー言っててもジープ全然平気だし。ま、それはありかなとも思うんだけど、もうちょっと緊迫感出すとか怖がらすとかかっこいいアクション見せるとか、なんかないとなあ。[DVD(字幕)] 1点(2010-06-03 13:58:20)

28.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 いやはや、マトリックスだったわけですね。アイデアの勝利だ。そのアイデア以上にサスペンスに満ちたシナリオがうまい。そのサスペンスを大いに堪能させてくれる演出がうまい。どこから見ても怪しいレイ・リオッタの存在もサスペンスを盛り上げる。人格統合の舞台がなぜモーテルなのか(しかも大雨!)は、精神科医が多重人格について検察官や刑事たちにレクチャーしながら同時に観客に説明するという同じシーンをもつヒッチコック『サイコ』のパロディなのかな。モーテルってのはアメリカ映画のホラー・サスペンスの定番的舞台でもあるのでなんとも言えんけど。てか、あのレクチャーのほうがパロディか。展開がスピーディなので今どきな消費型作品の様相もあるんだけど、サスペンスがしっかりしているので2度目3度目も楽しめると思います。まだ試してませんが。[DVD(字幕)] 6点(2010-05-28 15:39:31)

29.  貴方なしでは 製作がセルズニック。同年に『風と共に去りぬ』がある。翌年製作の『レベッカ』も当然かぶっているだろう。それでも現場まかせにせずにあーだこーだ言ってくるってのは凄すぎる。ちなみにセルズニックは『レベッカ』の主演女優もキャロル・ロンバードにするつもりだったとか。そのキャロル・ロンバードを美しく撮る照明とカメラは当時のハリウッド映画のレベルの高さを証明している。しかし一番輝いていたのはジェームズ・スチュワート。人がよくて損をする役柄にぴったりはまる。映画は小粋な恋愛コメディといった感じで始まり、家庭を持つことの様々な苦難が襲い掛かる中盤にはちょいと辛気臭くなるのだが、ニューイヤーパーティで一気にメロドラマへと昇華する。と思わせておいてここから大変な事に。ワクチンだか血清だかを嵐の中を運ぶ飛行機乗りの登場は同年製作の『コンドル』とかぶるが偶然か。このあたりの描写は前半と同じ監督だとは思えないほど色調が暗く、またスリリングだ。『風と共に去りぬ』や『レベッカ』と比べると明らかにお金をかけていないのがわかるし、ストーリー自体も陳腐かもしれない。でもこのストーリーを100分を切る映画にしたってだけでも凄いことだと思う。[映画館(字幕)] 7点(2010-05-21 16:10:07)

30.  愛妻物語 レビュー二番目にして前の方と同じく4点というのはなんだか気がひけるのだが、見る人によってはじゅうぶんに高得点だってありえる感動ドラマですので。とフォローから入ってみる。シナリオライターの主人公が「これはシナリオじゃない。ストーリーです。」と大御所映画監督・坂口から付き返されるシーンがありますが、これは実際に新藤が溝口健二監督に言われたという有名なエピソードです。そのことからもこれは「半自伝」どころか「ほぼ自伝」と言っていいかもしれません。新藤監督の亡き妻への気持ちと監督デビュー作ならではの力の入りようゆえか全体的にちょっと硬い印象を受けました。演技自体もどこか前時代的に見えたのは、たまたま同時期に拝見した同時代同テーマの清水宏『もぐら横丁』のせい(清水監督の演出は際立って自然を装ってるもんで)だけではなかろう。でも私映画の、しかもこの内容ならではの監督の真剣さは伝わります。[映画館(邦画)] 4点(2010-05-19 16:53:56)

31.  アバター(2009) 3Dに関しては確かにこれまでの3D映画とは桁違いの出来と言えよう。でも黒い3D用メガネはその黒さゆえに相当画面を暗くしてしまい部分的に見にくいところがあった。かといってメガネを外すと当然黒メガネを考慮した画面は眩しすぎるくらいに明るい。3D映像に関してはまだまだ改善の余地ありかと。とりあえず3Dは無視して評価しようと思うのだが、それでもやっぱり映像が凄い。地球とは違う風景をなんの違和感も感じさせずに実写として画面に映し出す。これは素直に凄いと思う。巨大な枝の上を進んでゆく画づらが遠巻きにとらえられる。CGだからどこからとらえた画だろうが撮れるんだけど、しっかりとこの画を選んでいるってのがいい。空中戦の大俯瞰だってそう。空から落ちてゆく体を大きな葉が受け止めてゆくアクションシーンもそう。いい画、いい繋ぎを見せている。もちろん3D用画面ゆえか陰影に乏しいってのが決定的にダメで、夜の森の怖さが全く表現できていなかったりするのは絶望的ですらあるんだけども、それでも見たこともない「凄さ」がこの映画にはあって、それは映画の凄さではないかもしれないけど「凄い」って思ったことには変わりなく、その感動はこの映画の欠点を補うには余りある感動だったんじゃないかと思う。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 18:45:37)(良:2票)

32.  アンナと過ごした4日間 ある男が斧を買う。女が通りを歩くのをじっと覗き見る。斧を持った男が寂れた、それでいて頑丈に閉ざされた小屋に入る。その中の焼却炉から人の手首。この男は殺人鬼。という完璧なミスリードから映画は入ってゆく。つまりこの無口な男、殺人鬼でもなんでもないのだが、このミスリードは後に明らかにされる過去の冤罪事件を含め、常に損な役回りをする主人公を象徴したシーンともなっているのだろう。サスペンスに満ちた魅力的なオープニングのネタばらしがされてもサスペンスは持続する。美しい町並みも絵に描いたような空と雲も、そして静寂すらも不穏な空気を作り出すためのもののように感じる。静寂といえば、この男が行うある行為は静寂を必要とするのだが、それゆえに「物音」が強調されてここでも極上なサスペンスを発生させているのだが、この「物音」の使い方、響かせ方がまたうまい。この「音」は出来ることなら映画館で体験してほしいところ。そんな緊張の中にユーモアと切なさを同時にもたらす雪上のしりもちは見事と言うほかない。あのしりもちは芸術だと思う。そしてそしてこの結末よ!あぁ、あぁ、言葉にならない。愕然とはこういうことなのか。[映画館(字幕)] 8点(2010-03-15 17:12:39)(良:1票)

33.  暗黒街の顔役(1932) 開口一番の長回しでぎゅっとひきつけて、アクションシーンは鮮やかなカット割りでポンポン見せてくる。緩急のつけかたが巧すぎ。ハイテンポで見せるカーアクションがまた素晴らしく、並走シーンもクラッシュシーンもかっこよすぎ!死体と共に映される×印(作品の一番最初は画面いっぱいの×印)がいやでも目に付き、だからこそ妹と相棒の部屋ナンバーⅩが映されるところはショッキング(リメイク作『スカーフェイス』で知ってはいるんだけど)。ボーリングをするシーンと殺しのシーンのカットバックは『ゴッドファーザー』を代表とする後年の様々なギャング映画が頭をめぐる。このときの最後のワンピンの倒れ方がまたかっこいいのだがどうやって撮ってるんだろう。カポネをモデルにしたというキャラクターがまた強烈なのだがその子供のようなわかりやすさが魅力的でもあって、その魅力は映画に釘付けにする重要な要素ともなっている。忘れちゃいけないのがお間抜けな秘書の存在。当時としてはかなり強烈なバイオレンス描写に富んだ作品だったと思うが、そんな中でもユーモアはけして忘れない。それでいてユーモア部門を一手に引き受けていたこの秘書が最後の最後に感動まで届けてくれるのだ。いやー、書いてみてあらためて思ったが、素晴らしい映画だ。[映画館(字幕)] 9点(2010-03-05 18:06:07)(良:2票)

34.  青い車 《ネタバレ》 死に損ないの印としてある目じりの傷を隠しながら死に損ない続ける主人公。どこか投げやりな強さと生命力の決定的な弱さをあわせもった主人公とARATAという役者の持つ資質が絶妙なブレンドを見せる。そんな主人公と主人公に寄り添う生命力溢れる恋人と主人公の負のオーラに引き寄せられるその妹が形成するトライアングルがそれぞれを引き立ててゆく。レコード店主とのコミカルなあれこれになんの意味があるのかよくわからないが、死に損ない続けながらも現実には生きて生活しているということを表現しているのだろうか。よくわからなくても、マイナスなイメージの夢のシーンの暗さ重さから開放されるシーンとしてなくてはならないシーンだと思った。というか夢のシーンがくどいような。最後はトライアングルの光り輝く一角を失って初めて何かを掴んで終わる。生きてゆくのに必要な何かを。[DVD(邦画)] 6点(2010-03-04 17:42:17)

35.  アラジン(1992) ジーニー最高!『リトル・マーメイド』と同じ監督とは思えないほどの躍動感あふれる動きとアニメーションならではの奔放な表現が素晴らしい。活き活きとした絨毯の動きも擬人化された動物たちの動きも古き良き時代のディズニーアニメを彷彿させていい。アラジンが王子に化けてやってくるミュージカルシーンはディズニーアニメの本領が発揮されている。加えてディズニーアニメの中でもユーモアが質・量ともにピカイチ。もちろんそれらユーモアは全てジーニー絡みだ。ジーニーのキャラクターが出来上がった時点でこの作品はほぼ成功を勝ち得ている。声ではロビン・ウィリアムスもいい仕事をしているが日本語吹き替え版も負けてはいない。七色の声を持つ男・山寺宏一にはいちいち驚かないが羽賀研二には驚いた。じつにしっくりと馴染んでいる。[DVD(吹替)] 7点(2010-01-21 14:01:02)

36.  あんにょん由美香 既に亡くなられた人のことについてその人と関わりのあった人たちが語り合う所謂インタビュー集という体裁のドキュメンタリーというのはよくあるが、そこに映し出されるのは語られている人ではなくカメラを担いでる監督の気持ちであったという点が異色であり、また親近感に似た感覚を覚えさせている。AV・ピンク映画界においてその名を轟かせた林由美香その人を私は全く知らないのだが、『あんにょん由美香』で語られる林由美香はどんな男をも虜にする女の可愛さと、どんな男をも納得させる人としての素晴らしさを持っている。実際のところは知らない。監督・松江哲明の林由美香に対する尊敬の混じった恋心、これがこの作品のほとんど全てと言っていいと思う。しかしこのドキュメンタリーの大半と言っていい『東京の人妻・順子』というカルトな韓国産ポルノを執拗に追う理由がいまひとつ理解しがたい。この作品に満ちた純粋な想いとは裏腹な作為的なものを感じずにはおれない。だからムリヤリに集めた韓国スタッフらと撮りあげたラストシーンにもなんの感慨も持てなかった。林由美香のことをよく知る男たちの誰もが知らない顔を知ることで少しでもその男たちと肩を並べたかったのだろうか。そう考えると分からないこともないか。[映画館(邦画)] 6点(2009-11-30 18:10:57)

37.  アサシン(1993) 元々『ニキータ』自体がハリウッド映画を模したような作品なのでこれをハリウッドでリメイクするとなると相当派手なものが出来上がるんじゃないかと思ったが、派手なようで意外に地味で堅実な演出をするジョン・バダムのおかげで無難な佳作に仕上がった。ブリジット・フォンダが個人的に好きなのでけっこうポイント高いです。ニキータはめそめそしているのが良かったのだが、アメリカ女は強さを前面に出す。終盤の対決がいかにもハリウッド的展開なんだけどけして悪くない。舞台がアメリカ(しかも旅先の殺しのシーンもオリジナルのベニスに対しニューオーリンズ)というだけでどこかサバサバとした爽快感が漂う。『ニキータ』のほうが印象的なシーンが多いが、全体のバランスでは『アサシン』に軍配をあげたい。[DVD(字幕)] 6点(2009-10-28 15:26:35)(良:2票)

38.  アザーズ 例の映画よりも『シャイニング』や『ポルターガイスト』を彷彿させる。私が最もイメージとして近いと思ったのはフィンチャーの『パニック・ルーム』。ほぼ舞台を家の中に限定し暗がりであることが重要で尚且つ「母の物語」であるという点で。生憎『パニック・ルーム』は『アザーズ』とほぼ同時期の公開なので、どちらの作品も互いに影響を受ける境遇にはないのだが、アメナーバルが好きな監督の一人にフィンチャーの名を上げているのは興味深い。『次に私が殺される』における「映画と現実」、『オープン・ユア・アイズ』の「夢と現実」、と二つの世界を同居させて見せ続けるというクローネンバーグ的モチーフがこの作品においても有効的に使われる。しかしクローネンバーグというよりはやはりフィンチャーか。主人公がもう一つの世界に視点を変える、そのショックと刹那は『ファイト・クラブ』のそれに近い。そして視点を変えさせる役目が「光」というのがメタ映画的などと思ってしまうのはもちろん言いすぎなのだが、子供を殺す恐怖の対象が真実を照らすものであったという重要なアイテムに「光」を持って来るというのが憎いくらいに巧い。[DVD(字幕)] 7点(2009-10-22 14:49:29)

39.  あるいは裏切りという名の犬 いい感じの雰囲気を出してるシーンが多々あるんだけど、ストーリーがまわりくどいというかジメジメしてるというか。もうちょっとシンプルに語れないものか。まわりくどくあれこれ語るわりに、というか語りすぎちゃって二人の男の立場と微妙な関係がわかったようなわからないような。過去のエピソードをもっと明確にしてくれれば「男のドラマ」、中でも「裏切り」がいっそう引き立って面白くなると思うのだが。題材がいかにもフランスのフィルム・ノワールなのにいまひとつソレっぽくないのは「男のドラマ」と「裏切りのドラマ」が薄いからだと思う。監督が元警官だとか。そのせいかどうかわかんないけどリアリティに拘りすぎちゃったのかも。フランス映画界屈指のスター二人が貫禄のオーラでドラマを引っぱっている。[DVD(字幕)] 5点(2009-09-15 17:33:28)

40.  熱いトタン屋根の猫 明朗快活に見えるアメリカの表層の下にうごめく心の闇に光を当てるテネシー・ウィリアムズの戯曲を心の闇を描かずに映画化してしまっている。自殺した親友に対する同性愛的感情から生まれる葛藤という心の闇を描かずに。当時は当然タブーだったんだろうから仕方ないんだけど。親友の死のショックと親友と自分の妻に何かあったのではという嫉妬に置き換えてなんとなくまとめているがちょいとムリがある。ムリがあるんだけどそこはなんとかしなくちゃいけなく、親子の問題、兄弟の問題、夫婦の問題をからめて筋が通るようにしているのは苦肉の策としては合格点なのだろう。兄嫁のあんまりなキャラに辟易しつつもエリザベス・テイラーのもうなんて言ったらいいのか、要するに色っぽいというかいや全然セクシーなことしてないんだけど内からにじみ出るような若妻臭というんでしょうか、ってそう書いちゃうとものすごくエロいけど、そうじゃなくてもっとこうなんちゅうか、、、、たまらんね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-09 17:36:18)(良:1票)

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