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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. アトミック・カフェ 確か宣伝文句が「最高のブラックコメディ」かなんかだったと思うのだけれど、僕の場合笑いのセンスがないのか、ほとんど笑えなかった。代わりに沸々と心に沸いたのが、言いようのない怒り。まるで心の中で五万人のシド・ヴィシャスがペッペと唾を吐きながら「マイ・ウェイ」を絶唱するかのようで、変な言い方だが「“良い意味で”神経を逆撫でする」作品。第二次世界大戦後、アメリカ人が原爆を「勝利・希望」の象徴として見ていたというのは予備知識として知っていた。が、例えばビキニ諸島の島民に対するアメリカの傲慢な態度(僕は安易な“言葉の言い換え”には反対だけど、これを観て「ビキニ」という女性の水着に対する呼称に反発したくなった。日本人だって、例えば女性の過激な衣装とかを「ヒロシマナガサーキ!」なんて言われたら、嫌だろ)や自国民の兵士を放射能に関する人体実験に利用(!)する姿勢、さらにはソ連が原爆の開発に成功した後のアメリカ人の狼狽ぶり、そしてそれに対する軍や政府のとてつもなくマヌケで人を馬鹿にしたプロパガンダ映像には反吐が出る思いだった、マジで。そういえば「華氏911」でマイケル・ムーアが「権力者たちはアメとムチを使って国民を思うがままにコントロールしている」と言ってたと思うが、この映画を観るとまさにアメ(物質的豊かさ)とムチ(核戦争やソ連の脅威、すなわち「物質的豊かさ」を脅かすモノに対する恐怖を植え付けること)にアメリカ人が翻弄され、そしておそらく今も翻弄されているのが良く分かる。とはいえ、それに関しては日本だって他人事ではない。日本人の場合、マスコミによって様々な恐怖(テロやら北朝鮮等の政治的なものだけでなく、例えば健康、将来の人生設計、治安などに対する不安)を煽られている部分は多分にあるので(最近みのもんたがゲッペルスに見えてくるのは僕だけか?)、単にこれを観て「アメリカってひでー国!」と思うだけではイカンと思う。やっぱしそういう恐怖や不安に対抗するには、知恵と勇気と、何事にも動じない「のんき精神」は大事だ。あと「自分だけが良ければそれで良し」じゃなくて、他人を思いやる心も大事だよなあ。キリスト教徒でもなく、「愛は地球を二十四時間」を見ると反射的に中指を立ててしまうようなヒネクレ者のワタクシではあるけど、それでも「汝の隣人を愛せよ」というメッセージをもっと真摯に受け止めにゃならん、と思う。[映画館(字幕)] 9点(2004-12-21 19:23:45)(良:2票) 2. 赤ちゃんに乾杯! 僕も「スリーメン~」よりこっちの方が良かったと思います。あっちは確か麻薬ディーラーとのゴタゴタを膨らましていたけれど、こっちはある種フェミニズム的視点が入ってて、しかも上品で軽やかなコメディーとして作られてる気がしました。赤ちゃんの世話に疲れ切った男たちの表情とあどけない赤ちゃんの顔を交互に映すところなんか良かったなー。そういえば最近は男性でも育児休暇が取れるようになってきたけれど(普及はしてないけど)、この映画の功績も小さくはないのかもね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-01-27 15:50:39) 3. アタメ 《ネタバレ》 【sayzin】さん、お先に失礼致します。さてさて、最近観た「真夜中の弥次さん喜多さん」の台詞を真似て言うと「オイラ、オンナゴコロがとんと分からねえ」って感じっす。後半、バンデラス演じる青年に愛情を感じ始めたポルノ女優が、部屋を出て行こうとするバンデラスに「待って・・・(自分のことを)縛って」と声を掛ける。それがこの作品のタイトルの由来(「アタメ」とは「縛って」という意味、らしい)なのだが、うーむ。その心境が、分かる気もするんだけどやっぱ良く分からん。正に隔靴掻痒(かくかそうよう=靴を履いたまま、かゆい足を掻くような、もどかしい感じ)。んー、つまり「自分はあなたのことを愛し始めている。でもひょっとしてひょっとすると逃げ出したくなるかもしれない。だから自分があなたから逃げ出さないよう縛って」ってことなのか。つまりは「しっかり抱きしめて、離さないで」って事なのか。てゆーか、こーゆーのは頭で考えても意味は無いのか。よく女の人が「子宮でものを考える」とか言うけど、そーゆー事なのか。しかし、持ってないし、子宮。そもそもあの女優が、なぜバンデラスを愛し始めたのかも、良く分からん。怪我をして帰ってきて、可哀想だったから?彼の心が無垢だと感じたから?それともバンデラスだったから?あれが例えば出川哲郎とかだと、この話は成立しないのか?むー。んでも一番びっくりしたのが、これがハッピーエンドで終わっているという事。ペドロ・アルモドバルという監督さんは数々の問題作と呼ばれる作品を発表する、いわば「鬼才」的な人のイメージがあるのだけれど、こういうアブノーマルな設定の話をノーマルな形でサラッと終わらせる事で「こーゆーのも、アリなんじゃないの?」と提示しているのだろうか。んー、考えさせられる。この作品を観た女性の方の意見が聞きたいです。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-03 16:03:10) 4. 赤ちゃん泥棒 《ネタバレ》 んー、これがコーエン兄弟のスタイル、なのか。マンガ的に面白い感じはしたけど(別にマンガというジャンルを馬鹿にしてるわけではないです、念のため)、あんまり盛り上がれなかったなあ。ラストはちょっと良い感じだけど・・・何つーか、「悪人はどんな悲惨な死に方してもオッケー」みたいな、いかにもアメリカっぽい感じが、あんまし好きになれないです。[DVD(字幕)] 6点(2005-09-23 19:41:30) 5. アトランティック・シティ 主人公のバート・ランカスター、どっかで見たことがあると思ったら「フィールド・オブ・ドリームズ」のお医者さん役の人だったんですねえ。それはともかく、どうなんでしょ、この映画?かつて臆病者と呼ばれてた老ギャングがふとしたきっかけでカジノのディーラーを目指す女性(S・サランドン)と知り合って・・・という話でしたが、なんかストーリーが物足りないんですよね。ヨーロッパの監督がアメリカで撮った作品っていまいちなのが多い気がするのは気のせいでしょうか?6点(2003-12-19 15:39:23) 6. 秋のミルク あからさまな反戦メッセージは出てこないけど、興味深い作品でした。きっと都会はいざ知らず、戦時中の農村はこんな感じだったのかなー。ドラマ自体は、意地悪な姑と嫁、という「橋田ドラマ?」って感じでしたが。でもこれ、実話を元にしてるらしいです。6点(2003-10-07 14:53:26) 7. 愛と追憶の日々 デブラ・ウィンガーって、最近公開された「デブラ・ウィンガーを探して」っていう作品で名前を知ったんですけど、少し低めのハスキーヴォイスに気取らない感じの演技で結構好印象でした。でも、話自体は何だかとっ散らかっていたような印象がありましたね(特に前半)。ジャック・ニコルソンは(好きな役者だけど)あんまし宇宙飛行士に見えないし・・・。でも、子役はなかなか頑張ってたように思いました。特に最後の方のテディ(次男)が可愛らしかった。最後の方はいわゆる難病モノになってたけど、それほどべたべたしてないのは良かったかな。泣くほどではないけど。6点(2003-09-06 18:50:36) 8. 危ない話 井筒監督の第一話は、酔った勢いでとあるスナックに入ったサラリーマン(竹中直人)が、反目しあうヤクザ同士のいざこざに巻き込まれてしまうお話。正直、竹中直人の一人芸に頼りすぎという感じがしなくもないけれど、声優の川村万梨阿が何故かホステス役で出演しているので、ファンの人には嬉しいかも。黒沢清監督の第二話は、友人のペンションを借りている作家が、何故か謎の二人組に命を狙われてしまい・・・という不条理ホラー。低予算(多分)ながら、アイデア勝負でなかなか面白かった。のだけれど、高橋伴明監督の第三話・・・、銀行強盗に成功したカップルの女の方が、顔を見られてしまったために整形手術をして・・・という話なのだけれど、うーん。クールでニヒルな感じにしたかったのだろうけれど、どーも成功してないような。それに主演の永島敏行もあんましやる気なさそうだし。全体としてオムニバス企画としては、どーなんでしょ。5点(2004-06-02 17:57:44) 9. ある日どこかで ごめんなさい、あんまり物語にひたれませんでした。しかしさすがはスーパーマン、無茶なタイムトリップはお手の物。4点(2003-06-13 19:31:45)
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