|
1. 赤い航路
《ネタバレ》 ポランスキー監督の作品はあまり意識して観ていなかったのですが、この映画は凄い。結婚7年目の記念旅行と言う設定ですが、これとシチュエーションが似ているのがキューブリックの最後の作品で、結局は仲の良い夫婦の意識していない破局への道がそこに入り込んだ第三者によって暴き出されて修復されると言う筋書きで、それでその第三者に宗教的な意味を与えているように思えます。子連れやもめのインド人で象徴される異文化にそれを求めての旅だったのかも知れないけれど救いはやはり西欧的なものから与えられるとの結末は単純すぎるようですが。9点(2004-10-31 01:22:36)
2. 阿部一族(1993)<TVM>
原作は高校の教科書にもなるような森鴎外の中篇小説ですが、これは乃木の殉死が社会的に話題になった中での作品で、それに続く事件はあくまでエピソードなのです。深作がこれをヒントにして凄い作品にしていますね。使用人の足軽中間も揃って弓矢どころか鉄砲まで用いて藩に戦争を仕掛けるのですから穏やかでない。単なる武家の意地とかでなくて叛乱になっているし、もし本当なら細川家は存続の危機になっていたでしょう。もう原作も忘れたけれど、妻子は離縁してたのではなかったでしょうか。切腹前の仕舞とか見せ場を沢山演出していたけれど、海外への売り込みとかも考えてとのあざとさが目立ちすぎます。しかし佐藤と真田の勝負はかなりにリアルで、これを映像にしたいからと言う映画です。しかし、次があの殿様では殉死もしたくなるでしょう。
7点(2004-03-24 01:30:50)《改行有》
|