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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. アニー・ホール さすが代表作だけあって、これまで観たウディ・アレン作品の中では一番バランスが取れていると思う。非常にテンポがよく、ジョークはいつも以上に冴えているし、常識に捕われないユニークな表現は目を惹く。これだけ好き放題やっているのに違和感を感じさせないという力加減の上手さは天才的。 また、あくの強い作風が薄れて、全体的に整ったわかりやすい作品となっている。ウディ・アレンが苦手だという人でもこれならいけるんじゃないか――と思ったけど、みなさんのレビューを読むとそうでもないみたいですね…。 ほろ苦い結末がウディ・アレンのシビアな恋愛観を窺わせる。タマゴの比喩は、憎らしいくらいに的を射ていると思った。 しかしあれだけしゃべりまくれば、そりゃふられるわなあ。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-01 14:22:58)《改行有》 2. 悪魔のいけにえ 怖くはなかったが、面白かった。 これほど幼児的・動物的で理解し難い殺人者も珍しい。実話を基にしているというものの、モデルになった事件とはかなりかけ離れている。このようなパーソナリティの殺人者など実在しないはずだ。それでもリアリティが失われていないのは、この殺人者が属する家族の関係性に妙な説得力があるからだろう。 一番凶暴で強靭だが知性がなく、父親と弟のいうことは大人しく聞く長男(レザーフェイス)、弱々しいが父親に反抗できる弟、いちばんまともだが家族の長である父親、ほとんど死にかけている(認知症?)のに家族には慕われている祖父。一般的な家族愛とは違うが、不思議と強い絆に結ばれているように見える。 レザーフェイスは確かに恐ろしいが、おそらくこの家族のフォローがなければまともに生きていけず、一生を精神病院で送るのが関の山だろうと思われる。つまりレザーフェイスは家族全体が揃って初めて本当に恐ろしい怪物になりえるのだ。この奇怪な一家の存在感は半端ではなく、たぶん(犯罪を犯しているかどうかは別として)モデルとなった家族は実在するのではないだろうか。弱々しい老人に無理やりハンマーを持たせてヒロインを屠らせようとする"家族団欒"の場面が強烈な印象を残す。 いたずらに派手ではない殺し方といい、夕陽の中での奇妙なダンスといい、並みの映画とは狂気の迫真性が違う。監督自身が内側に狂気を秘めた人でなければ、これは創れないと思う。 ちなみに主演女優の方、初見時はただただうるさいと思っていたが、よく観ると恐慌状態にもきちんと段階をつけて演技している。ラストの逃げ切った後のヒステリックな笑いの演技なんかはとくに感心した。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-03-23 01:24:02)《改行有》 3. 暗殺の森 《ネタバレ》 映像はともかく、脚本に不満が残る。 後になって全体のあらすじを思い描いてみるとそれなりに面白い気がするのだが、なぜかいまいちだった。この笑わない主人公との距離を縮めることができなかったのと、台詞が味気ないのが要因だろうか? どうも表層的で実感の伴わない台詞が多かったような気がする。 しかし終盤での主人公の精神的な崩落の過程についてはすごく面白かった。とくに題名にもなっているあの容赦のない暗殺の場面は、恐慌状態の夫妻とはコントラストをなすファシストたちの冷静さが恐ろしい。不自然なほど垂直に伸びた木々が並ぶ騙し絵のような森の風景は独特の美しさで、そこで進行している行為の残虐さを浮き上がらせていた。 ラストのどんでん返しも秀逸。後半の筋書きがよかっただけに、それ以前の脚本をもう少し煮詰めてほしかった。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-13 22:18:01)《改行有》 4. ある愛の詩(1970) 付き合いで人と一緒に観ることになり、「こんなベタな話に泣くかよ」とバカにして観たら、普通に泣けた。話の大枠はシンプルだが、二人の会話のひとつひとつが洒落たセンスとやさしいユーモアに満ちている。むしろシンプルでひねりのない脚本だからこそ、いいのかもしれない。[映画館(字幕)] 8点(2006-01-05 14:10:56)
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