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1. 明日に処刑を・・・
実話がベースなのだろうか、銃撃戦には中々の迫力を感じられるものの、正直随分ヌルイものを見させられた気がする。
まず、ストーリーが単調すぎる。
捕まる→逃げる→犯罪の繰り返し。
確かに仲間が吹っ飛ばされたり、罠にかかったりはしていたが、特別な派手さがあるわけでもない。
そして、主役の二人を含め全ての登場人物に何らの感情移入もできない。
女のほうは、小さな幸せを得たいというような目的もなく、ただ人を困らせることや犯罪を楽しむだけのただの子どもだし。
困ったときは得意技の身体を売ることだけしかすることはない。
男のほうは、正義や共産主義への戦いをただの犯罪へとすり変えているだけの哀しい犯罪者としか映らない。
この二人の行為には「俺たちに明日はない」とは違い、何も感じるものがない。
二人には苦悩も愛も何も感じられない。
事情はよく分からないが、この駄作っぷりはロジャーコーマンという製作者の関係だろうか。
それにしてもキルビルで見たあの人が主役の人だとは思わなかった。3点(2005-03-06 19:28:35)《改行有》
2. アニー・ホール
観ている間中、ずっと笑いっぱなしだった。
笑うといってもバカらしい笑いというよりもセンスのあるレベルの高い笑いが含まれていると感じる。
そしてなによりもシニカルな笑いが良い。
笑いもさることながら、演出手法が凝っているのには驚かされる。
本当にルールのない不意打ち的な手法だ。
過去の自分の姿を見て、それについて二人または三人で語り合ったり、ベッドで二人でいるのに、それを冷静にまた面倒くさそうに見つめている心の内面を語るもう一人の魂のような自分がいたり、映画館で映画等に関して得意げに語る奴に対して本人をどこからか引っ張って来たり、
心の声をセリフとして語るだけでなく、それを字幕にするというアイディアは本当に凄すぎる。
アニメにしたり、二重分割した画面なども効果的な使い方だった。
この映画は本当に評価されるべき映画でしょう。
また、笑いや演出方法だけでなく内容も評価できる。
男と女が付き合う謎を、アルビーシンガーとアニーホールという全くタイプも性格も違う二人を見せることによって、明らかにしている気がした。
男も女も確かに「卵」を求めているんだろうな。
観ていて気付いたことがあったのだが、クモを殺して欲しいと頼まれた時の壁にアルビーがエビと格闘した時の写真が貼ってあるのでそれも見て欲しい。
そして「私を会員にするようなクラブには入りたくない」というのもなんとも面白いフレーズだった。8点(2005-01-24 01:51:47)(良:1票) 《改行有》
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