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1.  アメイジング・スパイダーマン 5年しか空いてないのはライミに続投させるつもりだったからですが、別シリーズになったのでそれだと近すぎる感は否めず、ライミ版がエルフマンの音楽もふくめて個性的だったので、ややおとなしい印象を受ける「アメイジング」。 「500日のサマー」の監督なので、ピーターとグウェン(スーパーマンにロイスとラナがいるように、スパイダーマンにもMJとグウェンがいます)のボーイ・ミーツ・ガールっぽいところも。 半分英国人のアンドリュー・ガーフィールドは繊細さがあるけれど、トビー・マグワイアのような強烈な個性がないのでちょっと弱い感じ。 グウェンのエマ・ストーンは元のブロンド+前髪+ブルーアイで「ゾンビランド」より可愛いヒロイン、彼女の方がピーターより目立ってしまっているかもしれません。(彼女のパパが警察官なので面倒なコトになっていて、ピーターが部屋にいるため「今日はアノ日なの」といってパパを追いはらうグウェンがなかなか☆) メイおばさんがサリー・フィールド、ベンおじさんがマーティン・シーンと豪華なキャストですが、メイおばさんは旧作のローズマリー・ハリスの品のいい老婦人という感じが好きかも。 マーティン・シーンは「星の旅人たち」よりオジイサンぽいヘアメイク、ピーターの愛情表現にはにかむ笑顔がよかったのに退場が早いったら。 ライミ版でもスパイダーマンのVFXは十分アメイジングだったので、クレーンを使用するなどして見せ方を工夫しているよう。(クレーンの作業員が「ヒッチャー」(85)のC・トーマス・ハウエルなのにびっくり!) コナーズ博士の右腕が崩壊するシーンは胸が痛みました、彼にとっては積年の夢だったのですから。 ヒロインから離れようとするのは旧作1作目に似ていますが、あれよりも明るさがあるラスト。 旧作同様、原作者スタン・リーが音楽教師として姿を見せていました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-07 07:00:00)

2.  アイアンマン3 《ネタバレ》 監督がシェーン・ブラックに交代したのは、「2」がちょっとマッタリとしてたからか(あのオットリした感じも悪くなかった)、前監督ジョン・ファブローは製作総指揮にまわり、瀕死のホーガンの俳優として存在感を見せてます。 前半は不気味なエクストリミスの出現やスターク邸の崩壊(「アベンジャーズ」でスターク・ビルが破壊されるのにつづいて?)など今までになくヘヴィーな展開は「時流にのったか?」と思えたのですが、悩めるトニー(ロバート・ダウニーJR)が一時リッチライフから離れて、少年と行動を共にする雌伏をへて復活。 新しいパワードスーツ「マーク42」はパーツが遠隔操作できるのが画期的、それがフルに生かされフィールドが広がり、エアフォース・ワンからこぼれおちた多数の乗客ひろいあつめて救出のシーンも感激、フィナーレはアレが花火に! 格段にスケールアップしたSFアクションムービーは、ペッパー(グウィネス・パルトロウ)のまさかの特撮ヒロインも見られ、満足度高し。(そのノリは、アイディア満載の進化型ハード・ロック的?) ウォー・マシンからアイアン・パトリオットに転身したローディ(ドン・チードル)との連携もよかったんだけど、マヤ(レベッカ・ホール)だけはかわいそうでした。 悪役もガイ・ピアースとベン・キングズレーの二枚看板、ホワイトハウスは大統領ウィリアム・サドラーに副大統領ミゲル・フェラー(「ロボコップ」)となつかしい顔ぶれ。 トニー最後の決断は潔いですが、TONY STARK WILL RETURN(007のまね!)はアチラで?[映画館(字幕)] 8点(2013-05-10 07:05:02)

3.  アベンジャーズ(2012) 「ウルトラ」「ライダー」大集合のアメリカ版ってゆーか ☆★☆★ マーヴェル・ヒーロー・ファンは楽しめそうですが、キャプテン・アメリカやロキ、ソーの衣装なんかはちょっと苦手。 「アイアンマン2」のナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)はこっちにいて、(「エイリアン」のブレット)ハリー・ディーン・スタントンが、落っこちてきたハルクに「君はエイリアン?」って聞くのはいーね! ジェレミー・レナー(ホークアイ)は「ハート・ロッカー」以降アクション映画にひっぱりだこ、ステラン・スカルスガルド(エリック)がこんな映画に出てるのは意外。(芸幅広し) ニューヨーク決戦など技術的にはスゴくても、様式どおりに作ってる感じなのがヘヴィメタっぽくないかな。(新鮮味少なし) けど最初と最後にトニー&ペッパーの夫婦まがい(ここだけ出演のグウィネス・パルトロウは余裕あり)が見られるので、「アイアンマン」好きは必見のお祭りムービー。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-05-09 07:00:03)

4.  アパッチ(1990) 軟派なヘリ映画★ 今でも使用されている米軍ヘリAH-64を投入し、「ブルーサンダー」より「トップガン」に近い感じ。 ニコラス・ケイジとショーン・ヤングの恋もからめてますが、「追いつめられて」後のゴシップでもう下り坂のヤングは、この映画での脱ぎっぷりもフツーでなく。 彼女は「ブレードランナー」ではその美貌で貢献してくれましたが、子供の頃から妖精と呼ばれて育ったことは、彼女にとってはマイナスだったのではと思います。 戦闘シーンより「JFK」で有名になる前のトミー・リー・ジョーンズ教官がよかったかな。[映画館(字幕)] 5点(2013-03-04 07:00:05)

5.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 ウィリアム・ワイラーの「嵐が丘」。 ヒロインが語る「ジェーン・エア」と違い、「嵐が丘」はメイドの語りになっているため、プライベートな会話は監督や脚本家の創作による部分も多く、映画によって違う会話が聞けるのが特徴。 小説では思い込みが激しくほとんど破滅的な性格の彼らが、荒野(ムーア)のイメージと一体化し強い個性を生んでいますが、それを映像にするのはむずかしそう。 ローレンス・オリヴィエは野生児ヒースクリフにはあまり嵌っていないように思え、キャシー(マール・オべロン)もエドガーとヒースクリフの間で揺れが大きいので、重要な「私はヒースクリフなの」のセリフに説得力がないように感じます。 前半(一世代)しか描かれておらず、キャシーがヒースクリフの腕の中で息絶えるのは彼らにとり幸せな結末かもしれず、まとまりはよいと思うものの決定版という感じでは… エドガー・リントンのデヴィッド・ニーブンがまだ若々しいのが驚き。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-06 07:00:00)(良:1票)

6.  アンヴィル!夢を諦めきれない男たち 「今日「アンヴィル!」だよ」「あ~(一応)見なくちゃ…」だったんだけど、よかった。 カナダのHMバンドで監督はイギリス人。 「ターミナル」の脚本を書いた人(共同)で、アメリカの感動作はたいてい苦手なのにアレは例外なのは不思議だったけれど、あまりオメデタくしないで最後も質素なのがイギリス的かもしれず、これもハタから見ればミジメかもしれない彼らを(どうなるかもわからずに)淡々と見守りつづける。 スティル・クレイジーなリップスとクールなロブの友情は、すでに兄弟か夫婦の境地。 最初と最後が日本なのは、この国のプロモーターがメタルフェスに彼らを招聘したからこそ、このドキュメンタリーも完成をみた証で、(「ランナウェイズ」同様)日本の特殊な位置も見える。 あの電話から後はムードがガラッと変わるけど、必要以上に引っぱらずにタイトにまとめており、もっと見ていたいと思えるサジ加減が好ましかったし、興奮冷めやらぬ渋谷の2人も幻想的に撮れていて、イイもの見たなって気がした。 この映画でふたたび注目され、音楽1本でやっていけるようになったと知り安堵するのは、かいがいしく働いて「これでライヴがやれるんだから俺は幸せ」とつぶやくリップスを見たからなんだろう。 笑顔がこんなにうれしく感じる映画もないと思えるのは、30年の情熱の重みかもしれない。 (ヘヴィメタじゃないけど、ツェッペリンの「祭典の日(奇跡のライヴ)」の上映(17-18)も見てネ♪)[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-09 06:59:57)

7.  アウトランダー 日本劇場未公開のマイナーSF。 ソフィア・マイルズ目当てだったのですが作品自体も意外とよくて、ひっそりと隠れ咲いている映画の中にも掘り出し物が。 「ジョン・カーター」とは逆に異星人が8世紀の地球に飛来しバイキングの仲間となるお話で、いわくありげなエイリアン、ケイナン(ジム・カヴィーゼル)がノルウェーの地になじんでいく。 俳優の持ち味もあるでしょうが、主人公のキャラクターが押しが強くないのがいいところで、彼と心をかよわせる孤児の少年(エリック・ザ・バイキング?)もかわいらしい。 闇の中で光るモンスターはホームズの「バスカーヴィルの犬」的な怪奇さで、そのモアウェンにも背景があってただの怪物ではなく、人間の自然への罪を象徴するものでしょうか。 バイキングの部落の描写もよく、一番いい場面はケイナンとウルフリックが競う「盾渡り」かもしれません。 地味なB級SFではあるかもしれないけど、大地や森や水の匂いがする土着的な世界は魅力あり、脚本家が監督もかねる丁寧な作りは未公開シーンが多いのがもったいない感じ。 赤毛にしているソフィア・マイルズは「トリスタンとイゾルデ」の役柄からキャスティングされたのだと思いますが、族長(ジョン・ハート)の勝気な娘フレイヤ。 イゾルデのような王女やぺネロープのようなお嬢様を演じても、庶民性があり体温を感じさせる人ですが、この作品ではたくましい面を見せています。 敵対する族長ガナー(ロン・パールマン)の見せ場が少ないのが残念だけれど、いい役者がそろっているのも魅力です。[DVD(字幕)] 7点(2012-10-04 07:00:00)

8.  赤ずきん 人気のアマンダ・サイフリッドが赤ずきんちゃんに。 これも赤ずきんヴァレリーに対して男性2人なのだけど、こちらは女優でなく監督が「トワイライト」1作目の人なので。(片方は野生的、もう一方は王子様タイプというのはもはや定型) ミステリー、ファンタジー&三角関係でプロットは凝ってる(犯人も意外な人物)と思いますが、女性監督ってあまり得意じゃないのはよく言えばソフト、わるく言うと抑揚がなくてフワフワしてるから。 ヴァレリーの母がヴァージニア・マドセン、祖母がジュリー・クリスティと美女三代、ゲイリー・オールドマンやルーカス・ハースもおりキャスト的には満足、映像もきれいですが、何となく平板な感じ。 人狼もヴァンパイア同様よく見かけるので目新しさは少なく、可愛いアマンダの大きな瞳もこういうホラーっぽい映画だとちょっとコワくも見えて。 赤ずきんが白い雪を頂く山上で赤いマントを長く引きずるイメージは、幻想的な美しさです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-02 06:59:57)

9.  アンダーワールド/エボリューション 怪奇アトラクション「ヴァン・ヘルシング」をはさんで、再びケイト・ベッキンセールがセリーンに。 ヴァンパイア伝説発祥の地ヨーロッパ・ブダペストで撮られゴシックロマン色が強い前作に比べ、大規模なアクション大作となっており、ブルーな映像は統一されていてそれほど違和感なく見られる後編。 ハイブリッドのマイケルとの関係が深まり、愛を交わすセリーン。 回想シーンのみのビル・ナイに代わり、シェイクスピア俳優デレク・ジャコビをコルヴィナスに迎えて重厚さを出そうとしているよう。 日の光にさらされ彼女の皮膚が焼けただれるシーン(どんなに強くともヴァンパイア体質なのがはかなげ)がラストの涙の美しさを引き立てる。 前作と同等のクォリティはあると思うのですが、凄絶な描写が多いのは相変わらずでツライ★(特に最後はグロ!) MTV出身の若いワイズマンがこの後「ダイ・ハード4.0」に抜擢されたのは映像センスを買われてのことでしょうが、こちらのブルーに対してイエロー系のカラーでイメージを変えて、あちらもよかったと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-02 07:00:03)

10.  アンダーワールド(2003) ヴァンパイアは昔から映画にネタを提供してきましたが、今世紀はブームといってもいいほどの隆盛。(バートンまで撮るし!) 「月下の恋」(95)でも人間ではなかったケイト・ベッキンセールはヴァンパイア美女が似合いますが、アクションはこの作品が初めてでしたね。 監督と結婚もしたこのシリーズは彼女にとって当り役、厚底のブーツで上背を出しブルー系の映像で肌の白さを強調したセリーンは魅力十分、黒衣のガンアクションはマトリックス風。 レン・ワイズマンの映像センスや現代的なアレンジもよいけれど、どうも陳腐な感じがするのはヨーロッパ的ゴシックを意識しすぎてるせいか。 エリカのソフィア・マイルズなど英国俳優で固めているのはこだわりを感じるものの、美形老人ぶりを買われたビル・ナイの重々しきヴィクターは笑っちゃいそーです。 敵対する狼人族ライカンはCGの視覚効果と昔ながらの特殊効果を組み合わせてリアル、明かされる真実にも意外性がありますが、血で血を洗うような抗争にはウンザリとしてしまい。 マーカスの復活をほのめかすのは続編への布石、次の「エボリューション」と合わせて一つの話なのがわかります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-01 06:59:56)

11.  アデル/ファラオと復活の秘薬 ん~、この手の題材は好きなのですが、あまり楽しめなかったよう。 エジプト、翼竜プテロダクティルス、ルーヴル美術館…と魅惑のコンテンツなのに、全体的に生気に欠けているせいかアピールせず。 エジプト物は「ハムナプトラ」以来というのもあってつまらなくはなかったですが。 ルイーズ・ブルゴワンは一生懸命に演じているのですが役にあっていないようでもあり、帽子のピンの使い方は目新しいとはいえグロイ。 翼竜も「ジュラシックⅢ」のプテラノドンより小型なので貧相に見えてしまふ。 復活ミイラの目を黒目がちにしてるのはカワイく見せるためかな? 最後にラムセス2世がつぶやくジョークが、リュック・ベッソンが着想をルーヴルのガラスのピラミッドから得たのでは、と思わせます。 それと「三銃士」もですが、最近のアドベンチャー映画の副題は長くなる傾向にあるようで。[CS・衛星(吹替)] 6点(2011-11-02 07:00:04)

12.  アラビアのロレンス ドイツ側につくトルコに対しアラビアを支援した英国将校T.E.ロレンスの砂漠の世界。 金髪碧眼に白衣のロレンス(ピーター・オトゥール)と夜の色の髪と目、黒装束のアリ(オマー・シャリフ)の組み合わせの妙。 精悍で芯のあるアリは時に不安定なロレンスを支える影のようでもある。 脇もアンソニー・クイン、アレック・ギネス、クロード・レインズらで固められるが、主役はやはりどこまでも広がる砂漠か、茫々として美しく、蒼穹が映え朱の落日を包む。 ストーリー以上に映像表現に力がある前半は特に魅力。 風に舞い砂紋を刻む砂獏は有史以前から在り、地平線の彼方から現れるアリは芥子粒のようだ。 人間の野望や思惑などはその中にあっては何と矮小なものか。 エキストラを使った大規模な戦闘シーンも動物の縄張争いと変わらぬ気がする。 歴史上の英雄は侵略者でもあり、ガシムを救うため「運命などない」(NOTHING IS WRITTEN)と叫んだ彼が歴史に書き込んだものは、彼が真に望んだものであったのか。 そのガシムも自らの手にかけねばならぬアイロニー。 目に見えぬ力に翻弄される彼への思い入れを拒絶するかのような監督デヴィッド・リーンの冷徹。 志半ばで燃え尽きたかのようなロレンスに観客も長旅を終えた気になる。 来年は製作50周年を迎え、共に30才であったオトゥールとシャリフも齢(よわい)80となる。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-20 07:00:00)

13.  アレクサンドリア 《ネタバレ》 アレクサンダー大王の命により建設された古代都市アレクサンドリアを舞台に、アレハンドロ・アメナーバルが描く宗教戦争と学問に身を捧げた女性ヒュパティア(ハイパシア)。 無垢な美しさを失わないレイチェル・ワイズが美女と伝えられる女性学者に扮し、1200年後のケプラーの発見をヒュパティアが先んじてしたことになっているのは、天文ファンの心をくすぐる愉しき趣向。 彼女の元生徒だった長官オレステスと元奴隷だった修道兵士ダオスがそれぞれに彼女を慕い見守り続けるのですが。 やさしく触れるオレステスの手をすり抜けて、ヒュパティアの指は天を指す。 このシーンは非常にシンボリックに、人の愛よりも宇宙の真理を求めた彼女のキャラクターをあらわしていました。 オスカー・アイザックは「ロビン・フッド」では非人間的なジョン王でしたが、やはり役柄によって全然イメージが違い、ダオス役の若いマックス・ミンゲラも台詞の少ない難しい役、現実にはもっと悲惨だった彼女の最期にドラマティックな趣きを添えていました。 娘が男であったらと願う図書館長の父テオンのマイケル・ロンズデールも懐かしいお姿。 焚書の憂き目にあうアレクサンドリア図書館の蔵書は膨大なパピルスの巻物、盲信によりどれほどの英知が失われたのかと惜しまれます。 本国スペイン以外ではあまりヒットせず、建物をすべて建造した巨額の製作費の半分しか回収できなかったというのはわからないでもない。 娯楽性には乏しく生真面目で、キリスト教批判も手厳しい。 されど宙(そら)に恋するヒロインは珍しく、人の心を支配してしまう宗教には懐疑的で天文や古代史に関心があり、圧力に屈しない古の魂に共鳴される方には、希少な魅力をもつ作品と映るのではないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2011-09-30 07:00:01)(良:3票)

14.  アレキサンダー 170分余りの大作にして労作。 アキレスやアーサー王ら神話・伝説の人物と違い、生きた人間であり広域へ遠征を行ったアレキサンダー大王の波乱多き生涯をたどる。 語り部であり、物語を書記にパピルスへ口述筆記させる老プトレマイオス(アンソニー・ホプキンス)は、思い入れを持つオリバー・ストーン自身でもあるのだろう。 英雄としてよりも幼少より両親の確執に挟まれ育ったアレキサンダー(コリン・ファレル)の葛藤を出したかったように思われる。 蛇を偏愛する母オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)と隻眼の父フィリッポス(ヴァル・キルマー)を含めた3人の描写にあまり重みがない気はするけれども。 妻より美しい幼なじみヘファイスティオンとの絆や、インド奴隷に夜伽をさせるなど彼の男色嗜好もほのめかす。 度重なる戦闘シーンには食傷気味だがバビロンは壮麗であり、ヴァンゲリスの曲はしばしば史劇に使われるが単なる勇壮さ以上の効果をあげている。 冒頭と末尾にポンペイ遺跡で発掘されたモザイク壁画にある戦場のアレキサンダーが映し出される。 大きく見開かれた目。 32才と早逝ながら、その目は老人よりも多くのものを見てきたやもしれない。 アレキサンダーの名は彼が理想を夢みた都市に今も残されている。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-29 07:00:00)

15.  ある公爵夫人の生涯 マリー・アントワネットと同時代を生きた英国デヴォンシャー公爵夫人の人生を、子孫である故ダイアナ妃にオーヴァーラップさせて描く。 途中までは「ブーリン家」レベル…と思えたけれども、終盤の「三つの椅子」の使い方はなかなかオツであった。 後継ぎを産む道具としてしか顧みなかった自身を反省し、何とかジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)の離れた心に近づこうと試みる公爵(レイフ・ファインズ)の歩み寄りが形として見える趣向。 前半は夫人を悲劇のヒロインとして立てるが徐々に公爵の比重も増しており、女性の立場だけに偏っていないのもよいと思う。 軽率なイメージも拭えなかったダイアナ妃とチャールズ皇太子にも、「お家」存続の犠牲者として同情を寄せているかに感じられる作品。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-26 06:59:59)

16.  雨に唄えば スタンリー・ドーネンの「雨に唄えば」は前の年の「巴里のアメリカ人」よりも明るく大衆的で、隙なく娯楽をつめこんだエンタメ・ミュージカル☆ ジーン・ケリーが演技もダンスもできるのに対して女性は演技のデビーとダンスのシドに振りわけて、ドナルド・オコーナーもすぐれたボディ芸を見せてくれる。 ストーリーとはあまり関係のないシド・チャリシーとのダンス・シーンは「巴里」に劣らない芸術性も入れるため? あれがあるから子どもっぽくなってない。 そしてやっぱりあのシーン、一般的にはマイナスイメージの雨の日をプラスに変えた功績は大きくて、灰色のレイニー・デイを楽しきものにした映画♪[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-10 07:00:05)(良:1票)

17.  アドベンチャーランドへようこそ おなじヴァージンボーイの恋でも、「(500)日のサマー」は作りはともかく肝心のキャラクターに魅力がなかったんだけど、コレにはそれがあったと思う。 クリステン・スチュワートは撮影中に「トワイライト~初恋~」のオーディションに受かり、ジェシー・アイゼンバーグも「ソーシャル・ネットワーク」の前、ヒット作で有名になる前の彼らの自然な演技がさわやか。 ジェシーは「ゾンビランド」と似た不器用だけど芯のある男の子、クリステンは涼しげで陰のある少女(その分もう一人の子が80年代ファッション)。 彼女の秘密もしらずに、好きな曲を集めたテープをあげたりするアピールが男の子らしい。 それぞれの事情で遊園地で働く彼らは笑いさざめくお客さんを見ながら思いをめぐらし、悪友へのしっぺ返しがかなった時には夏の終わりの気配がただよう。 監督のノスタルジックな思い出がつめこまれた世界は下品にならず、みずみずしさがあってよかった。 タイトルバックにルー・リードの歌が流れ、ポスターやTシャツなんかもあって監督のシュミ。 選曲も渋め(キュアーとか)で、ヴェルヴェッツの「ペイル・ブルー・アイズ」にも彩られるひと夏。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-04 07:00:00)(良:1票)

18.  或る夜の出来事 1934年っていったら「キング・コング」の次の年ですよ~スゴイ! キャプラ初期のヒット作はお金も時間もかかってなさそうだけど、十分オモシロイ。 かわいくないエリーがだんだんかわいく見えてくる。 エリーの衣装はローブ、イブニング、ウェディングとある中で、ずっと着ていた質素な服が一番似合っていたし、巨額の大金をふりまわすわりに金勘定が細かいのが庶民的。 新聞記者ピーター(「風共」のレットより感じイイかもね)の特ダネ交渉は20年後の「ローマの休日」がソックリいただいてる。 エリーのパパは名の知れたパイロットよりホネのある貧乏記者がお眼鏡にかなったよう。 エリーの結婚式の後は2人が画面に登場しないのも粋な演出に見えるんだけど、すでにスターで短期間しか参加しなかったコルベールの都合ってことはないよね? 重要視していなかった作品でオスカーをもらった彼女は壇上でキャプラに謝辞をのべ、彼女もエリーのように改心したってこと。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-09 07:00:01)

19.  新しい人生のはじめかた ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンのラスト?ラブ。 秋のロンドンが舞台のアメリカ映画、監督・脚本はイギリス。 一度共演ずみでエマの方から声をかけたそうで息もあっているよう、目を見はるような才気走ったところはなくても丁寧な作りは好み。 ハーヴェイ(脂の抜け具合がよろし~意外とコートが似合う)とケイト(少し太っちゃったね!)の半分アキラメの人生。 元気のない2人が出会った効用は大きくて、ハーヴェイの娘の披露宴スピーチでは継父(ジェームズ・ブローリン)にも花を持たせる心ばせが場をなごませ、ピアノのシーンもしっとりと。 エマの方が背が高い・・・と思っていたら、ラストシーンのためだったんだ。 助演女優もキャシー・ベイカー(米)、ブロナー・ギャラガー(英)と好きな人たち。 デーム演じる被害妄想ママも進展があってお守役を卒業できそうな気配。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-02 07:00:00)(良:2票)

20.  アナザー・カントリー 《ネタバレ》 パブリックスクールの青春。ブラナーやデイ=ルイスも出演した舞台劇の映画化。 モデルであるイートン校での撮影がかなわずオックスフォードでロケされたのは、名門にマイナスイメージは不要というところか。 派閥に分かれるスクールの生活は英国上層社会の縮図のようだが、自由気儘な策士ガイ(ルパート・エヴェレット)は学内の権力闘争の中で危険分子と見なされるも行動を改めようとはしない豪胆さ、同室のガイに言い寄られてもなびかないクールな共産主義者ジャド(コリン・ファース)の思想は違っても友人として彼を見守る立ち位置が好ましい。 ハーコート(ケイリー・エルウィズ)への思慕を隠そうともしない無防備さゆえに、自身のものと疑わなかったエリートコースから永久に外れたガイが選んだ道は。 老ガイ(メイクアップの出来がよくない)の回想として語られる日々、モデルがある2人を結んで織った物語は英国の裏の歴史でもある。 デカダンなエヴェレットはブルジョワ学生に嵌り、早い時期から老成していたファースは今と変わらぬ声を聞かせる。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-18 07:00:01)

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