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1.  アラビアのロレンス ドイツ側につくトルコに対しアラビアを支援した英国将校T.E.ロレンスの砂漠の世界。 金髪碧眼に白衣のロレンス(ピーター・オトゥール)と夜の色の髪と目、黒装束のアリ(オマー・シャリフ)の組み合わせの妙。 精悍で芯のあるアリは時に不安定なロレンスを支える影のようでもある。 脇もアンソニー・クイン、アレック・ギネス、クロード・レインズらで固められるが、主役はやはりどこまでも広がる砂漠か、茫々として美しく、蒼穹が映え朱の落日を包む。 ストーリー以上に映像表現に力がある前半は特に魅力。 風に舞い砂紋を刻む砂獏は有史以前から在り、地平線の彼方から現れるアリは芥子粒のようだ。 人間の野望や思惑などはその中にあっては何と矮小なものか。 エキストラを使った大規模な戦闘シーンも動物の縄張争いと変わらぬ気がする。 歴史上の英雄は侵略者でもあり、ガシムを救うため「運命などない」(NOTHING IS WRITTEN)と叫んだ彼が歴史に書き込んだものは、彼が真に望んだものであったのか。 そのガシムも自らの手にかけねばならぬアイロニー。 目に見えぬ力に翻弄される彼への思い入れを拒絶するかのような監督デヴィッド・リーンの冷徹。 志半ばで燃え尽きたかのようなロレンスに観客も長旅を終えた気になる。 来年は製作50周年を迎え、共に30才であったオトゥールとシャリフも齢(よわい)80となる。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-20 07:00:00)

2.  愛情物語(1956) 《ネタバレ》 喜びも哀しみもふくんだ穏やかな夜想曲(ノクターン)を聴くたびにこの映画を思い出す。 成功を手にしながら彼はかならずしも幸運な人間とはいえない。 天使であった最初の妻を失うだけでなく、嵐の夜にようやく開かれた息子の心を抱きしめたのもつかの間、まだ若い自分自身まで。 だがピアノにも家族にも精一杯の愛情を注いだ人生は短くともなんと価値のあることか。 瞬きのうちに風のように飛び去る魂を表現しているかにも思えるひときわ鮮やかなラストは、万感とともにこれ以上の幕切れを見たことがない気さえしてしまう。[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-03-31 20:43:29)(良:1票)

3.  アイアンマン3 《ネタバレ》 監督がシェーン・ブラックに交代したのは、「2」がちょっとマッタリとしてたからか(あのオットリした感じも悪くなかった)、前監督ジョン・ファブローは製作総指揮にまわり、瀕死のホーガンの俳優として存在感を見せてます。 前半は不気味なエクストリミスの出現やスターク邸の崩壊(「アベンジャーズ」でスターク・ビルが破壊されるのにつづいて?)など今までになくヘヴィーな展開は「時流にのったか?」と思えたのですが、悩めるトニー(ロバート・ダウニーJR)が一時リッチライフから離れて、少年と行動を共にする雌伏をへて復活。 新しいパワードスーツ「マーク42」はパーツが遠隔操作できるのが画期的、それがフルに生かされフィールドが広がり、エアフォース・ワンからこぼれおちた多数の乗客ひろいあつめて救出のシーンも感激、フィナーレはアレが花火に! 格段にスケールアップしたSFアクションムービーは、ペッパー(グウィネス・パルトロウ)のまさかの特撮ヒロインも見られ、満足度高し。(そのノリは、アイディア満載の進化型ハード・ロック的?) ウォー・マシンからアイアン・パトリオットに転身したローディ(ドン・チードル)との連携もよかったんだけど、マヤ(レベッカ・ホール)だけはかわいそうでした。 悪役もガイ・ピアースとベン・キングズレーの二枚看板、ホワイトハウスは大統領ウィリアム・サドラーに副大統領ミゲル・フェラー(「ロボコップ」)となつかしい顔ぶれ。 トニー最後の決断は潔いですが、TONY STARK WILL RETURN(007のまね!)はアチラで?[映画館(字幕)] 8点(2013-05-10 07:05:02)

4.  アレクサンドリア 《ネタバレ》 アレクサンダー大王の命により建設された古代都市アレクサンドリアを舞台に、アレハンドロ・アメナーバルが描く宗教戦争と学問に身を捧げた女性ヒュパティア(ハイパシア)。 無垢な美しさを失わないレイチェル・ワイズが美女と伝えられる女性学者に扮し、1200年後のケプラーの発見をヒュパティアが先んじてしたことになっているのは、天文ファンの心をくすぐる愉しき趣向。 彼女の元生徒だった長官オレステスと元奴隷だった修道兵士ダオスがそれぞれに彼女を慕い見守り続けるのですが。 やさしく触れるオレステスの手をすり抜けて、ヒュパティアの指は天を指す。 このシーンは非常にシンボリックに、人の愛よりも宇宙の真理を求めた彼女のキャラクターをあらわしていました。 オスカー・アイザックは「ロビン・フッド」では非人間的なジョン王でしたが、やはり役柄によって全然イメージが違い、ダオス役の若いマックス・ミンゲラも台詞の少ない難しい役、現実にはもっと悲惨だった彼女の最期にドラマティックな趣きを添えていました。 娘が男であったらと願う図書館長の父テオンのマイケル・ロンズデールも懐かしいお姿。 焚書の憂き目にあうアレクサンドリア図書館の蔵書は膨大なパピルスの巻物、盲信によりどれほどの英知が失われたのかと惜しまれます。 本国スペイン以外ではあまりヒットせず、建物をすべて建造した巨額の製作費の半分しか回収できなかったというのはわからないでもない。 娯楽性には乏しく生真面目で、キリスト教批判も手厳しい。 されど宙(そら)に恋するヒロインは珍しく、人の心を支配してしまう宗教には懐疑的で天文や古代史に関心があり、圧力に屈しない古の魂に共鳴される方には、希少な魅力をもつ作品と映るのではないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2011-09-30 07:00:01)(良:3票)

5.  雨に唄えば スタンリー・ドーネンの「雨に唄えば」は前の年の「巴里のアメリカ人」よりも明るく大衆的で、隙なく娯楽をつめこんだエンタメ・ミュージカル☆ ジーン・ケリーが演技もダンスもできるのに対して女性は演技のデビーとダンスのシドに振りわけて、ドナルド・オコーナーもすぐれたボディ芸を見せてくれる。 ストーリーとはあまり関係のないシド・チャリシーとのダンス・シーンは「巴里」に劣らない芸術性も入れるため? あれがあるから子どもっぽくなってない。 そしてやっぱりあのシーン、一般的にはマイナスイメージの雨の日をプラスに変えた功績は大きくて、灰色のレイニー・デイを楽しきものにした映画♪[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-10 07:00:05)(良:1票)

6.  アイアン・ジャイアント アメリカン・アニメとは思えないほどシブくて落ち着いたムード。森と海のある小さな町の空気、3人のさびしさを抱えたキャラクターたちと「なりたい自分になる」気持ちにめざめる元兵器のロボ。王道のストーリーですが描き方がよければかまわないと思います。人物は手描き、ロボはCGですが微妙なライン処理を施した手描きテイストで古さと新しさが共存。脚本のマッキャンリーズは父のいない少年に思い入れがあるのでしょうか。最後は思わずうれしさがこみあげる、「ウォルター少年と、夏の休日」とセットで好きな作品。[映画館(字幕)] 8点(2010-03-01 06:53:06)

7.  アンネの日記(2007)<TVM> 《ネタバレ》 新しい「アンネ」。ケレン味のない演出と研ぎ澄まされた演技の簡素な群像劇。撮影や美術がそれを際立たせる。ひたすら身を潜める日々に漂う不安と苛立ち、焦燥感。一触即発な空気の中で小さな火花が散り、予期せぬ友愛が生まれる。隠れ家の住人と支援者ミープ・ヒースを含めた9人の存在感はいずれ劣らぬものだが、とりわけペーターとデュッセル医師は印象深い。アンネは利発な少女だが、何でも批判したがる不寛容で狭量な面も見逃していない。映画ではシェリー・ウィンタースが、米国TV版ではブレンダ・ブレッシンが演じたファン・ダーン夫人役レスリー・シャープの愚劣な卑俗ぶりも見所である。アンネがキティと名づけた日記とともにミープの後年の手記も資料にされているだろう。自由な日まであと少しだったのに。だが彼らが無事生き延びていたら、プライバシーの面から日記は公開されることはなかったであろうことを考えると、運命の皮肉さを感じずにはおれない。(一部地域を除いて19日再放送予定)[地上波(吹替)] 8点(2009-09-18 01:46:34)

8.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 堕落した悪を描くのは簡単だが正義を正面切って描くことはむずかしい。デ・パルマには珍しい正攻法な映画でもある。テクニカルな見せ場よりも、凶弾に倒れたショーン・コネリー扮するマローンが消えかかった命の最後の炎を燃やす場面がやはり一番心に残る。なすすべなく魂が離れんとする仲間の手にふれるガルシアの手と。不屈の人間の気高さを謳うモリコーネのトランペット・スコアも心を高揚させるに十分。デニーロとガルシアはこれとGFサーガの両方にでているが、どちらを誇りに思っているだろうか。映画が暑苦しくないのはコスナーの風貌のせいだが、同時に官吏の冷たさも感じさせるものになってしまっている。[地上波(吹替)] 8点(2009-08-05 00:42:38)

9.  愛の嵐 《ネタバレ》 この作品におけるイメージ作りの巧みさは、芸術の域に達してはいまいか。看板となっているシャーロット・ランプリングのいでたちは勿論のこと、親衛隊員である男が収容されたユダヤ人少女に纏わせる淡い薄物のドレス、軟禁状態の中で飢えたルチアが貪る赤いジャム…女の彫像に似た透徹した美貌も男をして「この女でなければ」と思い込ませるに足るものだ。登場人物も舞台となる場所も限定され、次第に強まっていく閉塞感も凝縮に繋がっていく。夜明け前、死装束を身に着けた二人が表に姿を表し橋の袂で撃ち倒されるシーンも、悲惨さよりも呪縛からの開放を感じさせ、鮮やか。(こんなお耽美で歪んだ愛にもついつい惹かれちゃうんだな~余談ですが、LZのJPは77年のシカゴ公演でシャーロットのあのカッコ真似してると思います。あちらも一公演の衣装にもかかわらずフィギュアになってるほど有名なものですけれど、これとの関連性について指摘したものを目にした事はありませんが、絶対マネしてると思う…)[映画館(字幕)] 8点(2009-05-25 05:27:21)

10.  明日に向って撃て! 悪漢物には魅力を感じない自分でもこれだけは、というところがある。 彼らが卑しく見えないのはジョージ・ロイ・ヒルや役者や「雨にぬれても」のせいなのだろうけれど。 自由気儘に生きる男たちと彼らが死ぬのを見たくないばかりに離れていく女。 罪をかさね次第に追いつめられながら呑気にジョークをかます彼らが無事に逃げおおせていたら、おそらく彼らを好きではないのだろう。 楽しき2人の逸れ者は共に散り残るは風の伝説のみ。[映画館(字幕)] 8点(2008-09-28 17:31:47)

11.  青い珊瑚礁(1980) 「プリティ・ベビー」で魅了されたブルッキーに2度目に会えた青い海に浮かぶ島。濃い化粧に彩られた幼い娼婦は消え、小麦色の肌をさらし日に焼けた髪をなびかせる、すらりとした少女がいた。対照的なこの2作、彼女の代表作としてどちらも好きだ。呪術的な暗い闇が眩しい陽光を引き立て、時おり挿入される自然の産物が南の島の情緒を生み、パディの口からこぼれる蟹が幼い二人に死を教える。夏になるとこの島に思いを馳せるひともいるだろう。エムとリチャードの島に。(エメラインのヌードはブルッキー本人のものではありませんので念のため) [映画館(字幕)] 8点(2007-07-14 09:18:23)(良:2票) 《改行有》

12.  アマデウス 《ネタバレ》 サリエリは幸せではなかったか?自らの平凡な才能に埋没する人生よりも。俗人の心が嫉妬に焼かれても、聖なる音楽家としての魂は神の子の調べに誰より酔い痴れたのだから。死床の楽聖の口述筆記をつとめた彼の目は至福に輝き羽ペンを持つ手は震え頭には天使の鐘が鳴ったのだから。この時ふたつの魂は確かに寄り添うたのだ、一瞬。かの人は天の園へ去り残されし人に人生は酷に永く、常人の届かぬ悦びを知る者は常人の知らぬ苦しみもまた深い。[映画館(字幕)] 8点(2006-05-20 20:16:02)

13.  アンネ・フランク<TVM> アンネの面影を持つハナ・テイラー・ゴードン。ベン・キングスレーもまたオットー・フランクを演ずるに相応しい。この2人を得て、物語は日記のページから鮮やかに現実味をまとって立ち上がる。普通の幸せな少女から籠の鳥へ、そして・・・。実際の日記は隠れ家を発見された時点で途切れるが、その後の彼らの足取りも生存者の証言や新たな資料を駆使して組み立てられ、アンネと姉マルゴのベルゲン・ベルゼンでの最期の日々までが再現される。TVムービーらしく極端な描写は抑えられているが、作品の質を損なうことはない。フランク一家らの保護に尽力し、日記を保存することともなったミープ・ヒースを演じたリリ・テイラーも印象的。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-19 19:09:37)

14.  アラン・ドロンのゾロ オペラ座の怪人やマスク、そしてこのゾロと仮面物にはめっぽう弱い。 ZORROは狐の意味だそうで、この「黒いきつね」が大のお気に入り。 深刻で暗いイメージの強いドロンだけど、息子のために作ったこの映画では精悍なヒーローそのもの。 陰謀に倒れた亡き友人の身代わりとなるニセ総督の周りを煙に巻くオカマぶりも、意外なほどハマッていて楽しい。 悪役(ベイカー)やヒロイン(ピッコロ)も魅力的。 シンプルで小気味良くまとめられたこの快作には、バンデラス&ホプキンスのダブルゾロが束になってかかっても敵わないと思われるのだ。 先頃めでたくDVD化され、♪ZORRO IS BACK♪ 弾むテーマ曲も心を奪う。[地上波(吹替)] 8点(2005-12-09 19:10:03)(良:1票)

15.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 ウィリアム・ワイラーの「嵐が丘」。 ヒロインが語る「ジェーン・エア」と違い、「嵐が丘」はメイドの語りになっているため、プライベートな会話は監督や脚本家の創作による部分も多く、映画によって違う会話が聞けるのが特徴。 小説では思い込みが激しくほとんど破滅的な性格の彼らが、荒野(ムーア)のイメージと一体化し強い個性を生んでいますが、それを映像にするのはむずかしそう。 ローレンス・オリヴィエは野生児ヒースクリフにはあまり嵌っていないように思え、キャシー(マール・オべロン)もエドガーとヒースクリフの間で揺れが大きいので、重要な「私はヒースクリフなの」のセリフに説得力がないように感じます。 前半(一世代)しか描かれておらず、キャシーがヒースクリフの腕の中で息絶えるのは彼らにとり幸せな結末かもしれず、まとまりはよいと思うものの決定版という感じでは… エドガー・リントンのデヴィッド・ニーブンがまだ若々しいのが驚き。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-06 07:00:00)(良:1票)

16.  アンヴィル!夢を諦めきれない男たち 「今日「アンヴィル!」だよ」「あ~(一応)見なくちゃ…」だったんだけど、よかった。 カナダのHMバンドで監督はイギリス人。 「ターミナル」の脚本を書いた人(共同)で、アメリカの感動作はたいてい苦手なのにアレは例外なのは不思議だったけれど、あまりオメデタくしないで最後も質素なのがイギリス的かもしれず、これもハタから見ればミジメかもしれない彼らを(どうなるかもわからずに)淡々と見守りつづける。 スティル・クレイジーなリップスとクールなロブの友情は、すでに兄弟か夫婦の境地。 最初と最後が日本なのは、この国のプロモーターがメタルフェスに彼らを招聘したからこそ、このドキュメンタリーも完成をみた証で、(「ランナウェイズ」同様)日本の特殊な位置も見える。 あの電話から後はムードがガラッと変わるけど、必要以上に引っぱらずにタイトにまとめており、もっと見ていたいと思えるサジ加減が好ましかったし、興奮冷めやらぬ渋谷の2人も幻想的に撮れていて、イイもの見たなって気がした。 この映画でふたたび注目され、音楽1本でやっていけるようになったと知り安堵するのは、かいがいしく働いて「これでライヴがやれるんだから俺は幸せ」とつぶやくリップスを見たからなんだろう。 笑顔がこんなにうれしく感じる映画もないと思えるのは、30年の情熱の重みかもしれない。 (ヘヴィメタじゃないけど、ツェッペリンの「祭典の日(奇跡のライヴ)」の上映(17-18)も見てネ♪)[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-09 06:59:57)

17.  アウトランダー 日本劇場未公開のマイナーSF。 ソフィア・マイルズ目当てだったのですが作品自体も意外とよくて、ひっそりと隠れ咲いている映画の中にも掘り出し物が。 「ジョン・カーター」とは逆に異星人が8世紀の地球に飛来しバイキングの仲間となるお話で、いわくありげなエイリアン、ケイナン(ジム・カヴィーゼル)がノルウェーの地になじんでいく。 俳優の持ち味もあるでしょうが、主人公のキャラクターが押しが強くないのがいいところで、彼と心をかよわせる孤児の少年(エリック・ザ・バイキング?)もかわいらしい。 闇の中で光るモンスターはホームズの「バスカーヴィルの犬」的な怪奇さで、そのモアウェンにも背景があってただの怪物ではなく、人間の自然への罪を象徴するものでしょうか。 バイキングの部落の描写もよく、一番いい場面はケイナンとウルフリックが競う「盾渡り」かもしれません。 地味なB級SFではあるかもしれないけど、大地や森や水の匂いがする土着的な世界は魅力あり、脚本家が監督もかねる丁寧な作りは未公開シーンが多いのがもったいない感じ。 赤毛にしているソフィア・マイルズは「トリスタンとイゾルデ」の役柄からキャスティングされたのだと思いますが、族長(ジョン・ハート)の勝気な娘フレイヤ。 イゾルデのような王女やぺネロープのようなお嬢様を演じても、庶民性があり体温を感じさせる人ですが、この作品ではたくましい面を見せています。 敵対する族長ガナー(ロン・パールマン)の見せ場が少ないのが残念だけれど、いい役者がそろっているのも魅力です。[DVD(字幕)] 7点(2012-10-04 07:00:00)

18.  アレキサンダー 170分余りの大作にして労作。 アキレスやアーサー王ら神話・伝説の人物と違い、生きた人間であり広域へ遠征を行ったアレキサンダー大王の波乱多き生涯をたどる。 語り部であり、物語を書記にパピルスへ口述筆記させる老プトレマイオス(アンソニー・ホプキンス)は、思い入れを持つオリバー・ストーン自身でもあるのだろう。 英雄としてよりも幼少より両親の確執に挟まれ育ったアレキサンダー(コリン・ファレル)の葛藤を出したかったように思われる。 蛇を偏愛する母オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)と隻眼の父フィリッポス(ヴァル・キルマー)を含めた3人の描写にあまり重みがない気はするけれども。 妻より美しい幼なじみヘファイスティオンとの絆や、インド奴隷に夜伽をさせるなど彼の男色嗜好もほのめかす。 度重なる戦闘シーンには食傷気味だがバビロンは壮麗であり、ヴァンゲリスの曲はしばしば史劇に使われるが単なる勇壮さ以上の効果をあげている。 冒頭と末尾にポンペイ遺跡で発掘されたモザイク壁画にある戦場のアレキサンダーが映し出される。 大きく見開かれた目。 32才と早逝ながら、その目は老人よりも多くのものを見てきたやもしれない。 アレキサンダーの名は彼が理想を夢みた都市に今も残されている。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-29 07:00:00)

19.  ある公爵夫人の生涯 マリー・アントワネットと同時代を生きた英国デヴォンシャー公爵夫人の人生を、子孫である故ダイアナ妃にオーヴァーラップさせて描く。 途中までは「ブーリン家」レベル…と思えたけれども、終盤の「三つの椅子」の使い方はなかなかオツであった。 後継ぎを産む道具としてしか顧みなかった自身を反省し、何とかジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)の離れた心に近づこうと試みる公爵(レイフ・ファインズ)の歩み寄りが形として見える趣向。 前半は夫人を悲劇のヒロインとして立てるが徐々に公爵の比重も増しており、女性の立場だけに偏っていないのもよいと思う。 軽率なイメージも拭えなかったダイアナ妃とチャールズ皇太子にも、「お家」存続の犠牲者として同情を寄せているかに感じられる作品。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-26 06:59:59)

20.  アドベンチャーランドへようこそ おなじヴァージンボーイの恋でも、「(500)日のサマー」は作りはともかく肝心のキャラクターに魅力がなかったんだけど、コレにはそれがあったと思う。 クリステン・スチュワートは撮影中に「トワイライト~初恋~」のオーディションに受かり、ジェシー・アイゼンバーグも「ソーシャル・ネットワーク」の前、ヒット作で有名になる前の彼らの自然な演技がさわやか。 ジェシーは「ゾンビランド」と似た不器用だけど芯のある男の子、クリステンは涼しげで陰のある少女(その分もう一人の子が80年代ファッション)。 彼女の秘密もしらずに、好きな曲を集めたテープをあげたりするアピールが男の子らしい。 それぞれの事情で遊園地で働く彼らは笑いさざめくお客さんを見ながら思いをめぐらし、悪友へのしっぺ返しがかなった時には夏の終わりの気配がただよう。 監督のノスタルジックな思い出がつめこまれた世界は下品にならず、みずみずしさがあってよかった。 タイトルバックにルー・リードの歌が流れ、ポスターやTシャツなんかもあって監督のシュミ。 選曲も渋め(キュアーとか)で、ヴェルヴェッツの「ペイル・ブルー・アイズ」にも彩られるひと夏。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-04 07:00:00)(良:1票)

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