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1. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 ジャパニーズファンタジーを、アニメの特性を存分に生かして大胆な構図、ダイナミックな動き、印象的な色彩とタッチで見せ付けるこの企画力や手法は、日本が誇る映画分野の完成品という他はない。脚本や演出?的にはところどころ練れてないなと感じる部分もあるし、背景が日本のとある港町というリアル感と生活感をベースとしているだけに、ファンタジー部分の中に垣間見えるリアルの描き方に誇張しすぎの違和感がある場面もなかったわけではないが、圧倒的なファンタジー部分の映像としての存在感があることで、ほとんど欠点ではないと思う。(ファンタジーとリアルの配分加減が絶妙だったのが「トトロ」かな。)お子様向けではあるのだが、ディズニーや他のアニメにはない独特の世界観を維持し続けてくれているのは、日本映画の発展のためにもうれしい限り。町が水没してしまうシーンは、昔、ニュース映像で洪水で家が水没してボートで住民を救助するのを見て、被害のこととか生活困るとか考えずに、不謹慎にも楽しそうだと思っていた子供の頃のわくわくする感覚がよみがえった(^^; 。宮崎アニメの初期作品「パンダコパンダ 雨降りサーカス」でも、同じようなシーンがあり、監督も、きっとあのわくわく感が好きで、現在のアニメ技術で再現したかったんだなあ、と勝手に解釈。あ、そういえば、千と千尋・・にも、水没シーンがあった。
[DVD(邦画)] 8点(2009-07-22 18:28:00)(良:2票) 《改行有》
2. カーズ
《ネタバレ》 車の種類・年式自体から来る印象と擬人化したときの性格が付けとが絶妙にマッチして、完全に感情移入してしまった。
圧倒的な質感のフルCGで迫力と美しさはさすがピクサー、かつ、車の擬人化した動きも自然で、ストーリーもどこかで見たことあるようなものであるが単純明快で判りやすく、誰が見ても爽快感があってホロッとして暖かくなれる。
娯楽映画としては一級品。誰でも理屈抜きに楽しく見られること間違いなし。
一番のツボにはまったお気に入りのシーンはトラクターころがし、、農学部出身なもんで(^^;
[DVD(吹替)] 7点(2010-07-01 02:03:34)(良:1票) 《改行有》
3. 蟹工船(2009)
《ネタバレ》 原作を大胆に脚色した構成だが、原作の持つ時代背景、テーマの強さ、深さに完全に負けた感じ。
1953年版と比べると格段にフィルム事情、撮影技術も進歩しているはずなのに、舞台劇程度の場面展開しかなく、画面の迫力が格段に負けている。
松田龍平はじめ、個々の役者の演技や心理描写は光るものがあるのだが、原作の持つテーマをなぞってちょっと光らせてみました程度で、大胆に切り込んだ感じはなかった。
原作、1953年版を完全に忘れた状態で見れば、少しは評価が上がるかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-14 01:00:17)(良:1票) 《改行有》
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