みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 ダメな邦画にパターンがあるなら、①理屈に合わないことを平気で放置する。②観せるべきシーンを端折り、どうでも良い台詞を重ねてテンポを悪くする。③情感だけを誇張し、それをオチにして終わらせる。この傾向は大作を装う作品に頻出し、本作にもきれいに当てはまります。山田孝之のように重要に見えて何もしていないキャラがいるオマケ付きでした。知りたかったのは、誰が何を目的にどんな技術を用いてGANTZを作ったかってこと。主人公の自己犠牲が完璧な解答? 制作者のパーフェクト・マスターベーションでしょう。[映画館(邦画)] 2点(2011-05-21 00:51:03) 22. ガリバー旅行記(2010) 《ネタバレ》 王道感のあるタイトルだけど、小ネタを楽しむ映画。もともとは風刺小説だけど、これはファンタジー。短いので退屈する間も無く終わります。特に何も言っていない割り切りが潔い。なんか、テーマパークのアトラクションのような作品でした。前もって知識の無い子供が観たら、ガリバーってメタボ系の下品なおっさんとして定着するんでしょうね。つまり、新しいガリバー像の創造ですね。特に意味ないけど。[映画館(字幕)] 4点(2011-04-29 08:38:29) 23. GANTZ 《ネタバレ》 原作は読んでいる。ヤバイ表現が多いので連載当初から大好きだった。その映画化は観ずにいられないが、普通に映画化されたのね、という感想。星人の表現やグロシーンはそれなりに出来ている。キャラクターの描写もお題目通りには出来ていると思う。不満が残るのは演出のテンポの悪さ。異常な世界へ転送されて、その異常に疑問符を付けるのは当然だけど、「これは何なの!?」がしつこくて長い。はいはい、もう分かったから先へ進めよって感じだった。そもそも監督とアクション監督を分けた演出の布陣で、納得できる作品って観たことない。この先は原作ファンの意見。原作の面白さは生死を賭けた星人との戦い以外に、主人公の自己中なヒーロー観とナルシスティックな陶酔と青少年らしい下半身の劣情が渾然となって妙なパワーを発揮するところ。そこには日本のコミック好きが共感しそうな閉塞と開放の両方が描かれている。本作はキャストに合わせて主人公の設定を高校生から大学生に引き上げたが、あの年代の数年の差は大きい。その為か二宮・玄野は原作の青臭さいバカさが低減しているように感じられて、それが残念だった。玄野ってもう少しカッコ悪く、その反動で頑張っちゃうから玄野なのにね。多恵ちゃん役の吉高由里子は、目立たず冴えない女の子を吉高なりに存在感を殺して演じているように思えて感心した。予告編を観る限りパート2は原作を離れたオリジナル色の強いものになりそう。楽しみです。[映画館(邦画)] 5点(2011-01-31 23:13:34)(良:1票) 24. カラフル(2010) 《ネタバレ》 すべり込みで劇場観賞。劇場で観て良かったです。パーソナルな記憶を消去して生活環境を残すことで新たな暮らしが始まる。自らを客観視するような行為の究極版でしょうか。かつて、行き詰まった状況を堆積させた真には見えなかったものが、他人の生活という気楽さから徐々に見渡せるようになる。自殺を企てた人物は、決して疎外されていた訳ではないことが判明する。周囲の心遣いが省みれない狭量を反省した覚えのある人には響くでしょう。私のことですが。本編途中で真が真の真(マコトがシンのマコト、笑)だと分かる構成ですが、彼が食卓で公立高校を受験する理由を吐露しながら涙を流したとき、自殺前の真と自殺後の真が繋がったことがはっきりと分かりました。お母さんが追い詰められて、次は彼女が自殺しそうでとても怖かった。間に合って良かったです。タイトルの「カラフル」の意味も特に気負った原理ではなく、誰にも色々な側面があるという当たり前を表現していました。ストーリーはその「当たり前」を丁寧に積み重ねていました。常々言ってることですが、アニメは有り得ないアクションや設定を表現するだけではなく、キャラの心情などを純化し抽出して見せる事に向いているメディアでもある。「アルプスの少女ハイジ」などが良い例です。本作は、派手な描写はなくともシンプルなテーマを力強く分かり易く見せるところに、アニメの特性が生きています。実は本作の後に実写版「カラフル」も観たのですが、改めてその想いを強くしました。[映画館(邦画)] 8点(2010-10-02 18:50:13)(良:3票)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS