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1. 怪物(2023)
《ネタバレ》 すでに評判の通り、同じ事柄を母、教師、息子の3者の視点から描かれます。
視点が変わるたびに見ているこちらの先入観をこれでもかというほどひっくり返されます。
特に湊視点で片方の靴をなくした場面と、校長にトランペット(トローンボーンだったかな?)を吹く場面がとても好ましかったです。
あと、高畑充希が退場する場面での「また今度」にはニヤリとさせられました。
怪物は誰なのか、少年たちは死んだのかがいろいろな場面でコメントされていますので、今時点の見解を残しておきます。
私は、他人や自分自身であっても自分には見えない部分があり、それに対する恐れや思い込みが怪物で、視点を変えながら物語を進め、私たちの先入観を取り除いていくことができれば、怪物なんて本当はいないんだと説明されているように思えました。
嵐の中横倒しになった車両に雨が落ちる場面は、美しいながらも息苦しく、終盤に湊と依里が車両から出て駆け出す場面では涙があふれましたが、でも少年二人は死んでいないと信じることにします。
モチーフになったと思われる銀河鉄道の夜もカンパネルラとジョバンニは死んでいないと信じてます(笑)
是枝監督が活躍する時代に生きていてよかったなと思います。[映画館(邦画)] 8点(2023-07-16 16:23:36)(良:1票) 《改行有》
2. 借りぐらしのアリエッティ
映像は文句なく美しかったです。ただ、それ以上なにが見どころ?主題となるものは?となると、まったく何も思い浮かびません。
過剰な世界観や主義、思想が提示されるアニメは苦手なので、トトロのように単純に楽しい気持ちになれる映画を期待して見に行ったのですが、ちっとも気持ちが晴れないまま、劇場をでました。
少年と小人の少女の交流、もしくはまるで世界を分かったようなかわいげのない少年が、少し大人になるとか・・・なんかないんでしょうかね?浮上するような、明るい明日を夢見られるストーリー展開。期待したほうが悪いのか、もはや大御所が未来に希望を抱いていないのか、複雑な気持ちです。
[映画館(邦画)] 5点(2010-09-05 22:33:36)《改行有》
3. 陰日向に咲く
《ネタバレ》 原作の評判が良かったので期待していたのですが、なんだかうすっぺらないい話って感じでしたね。時代考証や登場人物の設定も適当で低予算だけど、出演する俳優さんの力でなんとか引っ張った2時間ドラマのような印象です。
三浦友和と岡田准一の和解シーンがなかなか良かったのでこの点をつけますが、こんなのを感動のストーリーとか紹介されるとちょっと違和感を感じます。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2008-02-10 01:04:51)《改行有》
4. 華氏911
世界情勢を知りたければTVで簡単&無料で見られるわけで、この作品を見るために、わざわざ劇場に足を運んだのは、TVが必ずしも中立な報道を行うとは限らないことを知っているからです。1,500円を支払ってでも、別の立場から、別の視点から見た世界を知りたかったから。とはいえ、M.ムーアが語ることが、また真の真実ではないことも知っています。それを踏まえたうえでのレビューです。
本作品は、私にいくつかの衝撃的な事実を示してくれました。もはや、子供を抱いた母親が、進攻してくる戦車に向かって、「この子は無関係なの。助けて」と叫んだところで、兵士には届かない。精神を高揚させるロックを聴きながら、ひたすら前に進むだけだということ、また一方で、イラクに行きたくないと布団の中で泣いていた貧しい家の少年が国の命令で進軍する時に、泣き叫ぶ人々の声を、骨が砕け、命が散っていく音を聞け、というのもあまりに残酷としか言いようがないこと。
長くなってしまいましたが、本作の内容は、優れた問題提起を示してくれながら、見終わった後で自身の無力感ばかりを感じてしまったことから、8点としました。世の中を帰るために自分も何か出来るぞ!と思わせてくれたらドキュメンタリーとして満点だったのですが。しかし、多くの人に見てもらいたい作品であることは間違いありません。8点(2004-10-12 00:22:11)《改行有》
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