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1. 完全なる報復
《ネタバレ》 先ほど観終りました。
非常に残念な映画です。
勧善懲悪に拘って、相当の傑作を最後の最後で台無しにしてしまっている。
確かにクライドは凶悪な殺人者ですが
同時に不完全なアメリカ司法制度の被害者です。
私はニックが罰を受けなかったという所がどうしても納得が行かない。
彼は本当にクライドに学んだのでしょうか?
みなさん言っていますが完全な報復には程遠い
不完全な報復、そしてとんでもなく片手落ちな正義です。
10年という月日を費やして
冷徹で頭脳明晰なクライドが計画した完全犯罪(結局露見しましたが)に比べ
ニックの最後のやり口は非常ズサンで場当たり的で傲慢
臨時とはいえ、地方検事という立場から考えれば、正に恥知らずと言うしかない。
イライラついでに言ってしまえば、プロットにもスザンな所が多数有る。
普通あれだけの事をした囚人の独房には、監視カメラぐらい付けるのが普通です。
その他、クライドが購入した土地が終盤、アッサリ割れてしまう辺りもそうですが
地下を掘って刑務所にあれだけの用意周到な仕掛けを施していれば
そのアジトにはカメラやセンサーぐらい付けてるでしょ。
それもこれも本当は些細な事で、映画自体の出来は本当に素晴らしいのです。
私は終盤に入るまでは非常にドキドキしながら見ていました。
それなのに全く、なんであんなラストへ強引に持って行かなければ成らなかったのか。
まあ、ココまでにしましょう。非常に不愉快だ。
ラストが煮え切ってキッチリ落ちていれば8点以上でしたが
今回は負けを悟り、潔く死んだクライドの鎮魂を意味を込めて
3点を献上します。
[DVD(字幕)] 3点(2012-04-01 17:32:21)(良:1票) 《改行有》
2. ガタカ
《ネタバレ》 いま観終わりました。
ゥーン。
題材や言わんとする事は非常に面白いのですが それをいま1つ描き切れてないかと思いました。
脇役もジュード・ロウやサンダーバークレイなどの1癖有る人を使っている割には
もう1つキャラが立ってないような。。
ただ近未来における選民主義の手法や手段などは結構良い線行っていると思いました。
まあ、粗を言えば幾らでも有りますが筋立てとしては間違ってないでしょう。
つまり生まれる前から遺伝子レベルで肉体的、精神的なハンデを予め排除し
優れた資質と能力を持つ個体が社会をリードして行く。
しかしこの映画で描かれているのは遺伝子を操作し優良な資質を持って生まれた弟が
有性生殖(つまりセックス)で生まれ劣悪な資質しか持たない兄に2回も遠泳勝負で負ける。
つまり監督さんの描きたかった事はそういう事で
生まれ持った資質も努力をしなければ生かせない。
選民主義という傲慢なドグマティズムの中であぐらをかけば人間は腐り堕落して行く。
逆に劣悪な遺伝子を持って生まれた個体こそがその差別社会の中で這い上がらんと知恵を巡らせ努力し
そしてしたたかに生き抜いて行く。
主人公をいつも診察している主治医は何時からか彼が偽者と分かっていたのでしょう。
しかし彼が土星に飛ぶ間際、わざと彼を見逃してしまう。
つまり現実の組織とはそういう物であると主治医は分かっていた訳です。
社会や組織は理想主義では動かない。
偽りでもそこでひたむきに努力し結果を出し続けた者こそが尊いのだと。
これは現代社会にも通じる話で、いまやすっかりおとぎの国と化した日本。。。
いや。。。止しましょう。切なく成りますから。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-17 03:52:33)《改行有》
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