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1. 影の軍隊(1969)
《ネタバレ》 なんとも地味でひんやりした印象の作品。真夏にちょっとした洞窟に入って涼みたい人向け。
一連のレジスタンス運動に対して一定の知識やイメージがあればもっと面白かったかもしれませんが、いかんせん不勉強なもので、不明な点が多々。だいたい抵抗らしい抵抗をしているシーンがほとんどなかったのですが、彼らはなぜ追われていたのか。「ド・ゴール派」というだけでアウトだったのでしょうか。
結局、全員が早晩退場してしまうわけで、しかもそれが後のパリ解放に結びついている風に描かれるわけでもなく、彼らの戦いとはいったい何だったのかと思わずにはいられません。まあ彼らに限らず、多くの人の人生は虚しく過ぎていくものですが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-06 01:17:32)《改行有》
2. 華麗なる激情
古くて長い映画というと、たいてい途中で飽きるか、登場人物がいろいろ出てきてわけがわからなくなる場合が多々。しかもこの邦題では、どういう映画なのかさっぱりわかりません。しかし、これは傑作。冒頭の教養ドキュメンタリー番組のようなミケランジェロの紹介からも、意気込みが伝わってきます。
基本的な登場人物は2人しかいません。「いつできる?」「完成したときだ」に象徴されるやりとりが魅力的。お金をめぐる問答や、解雇だの任命だのを繰り返す経緯はほとんどコメディです。それでも「壮大な芸術品を生み出したい」という情熱だけは一致しているわけで、そのあたりの描き方がすばらしい。ラストの教皇の去る姿が、強烈な余韻を残します。
もっとも、大権威であるはずの教皇がやたらとフレンドリーなのは、いかにもアメリカ映画という感じですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-08-11 19:29:22)(良:1票) 《改行有》
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