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プロフィール
コメント数 2291
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。
2024.6.28
とりあえず1周目クリアしたのでぼちぼち投稿再開しています。
2024.7.19


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  帰ってきた あぶない刑事 《ネタバレ》 『トップガン』『マトリックス』少し前だと『インディージョーンズ』。不思議なタイミングで制作される人気シリーズ映画の続編。本作もそんな映画のひとつです。前作公開から実に8年後。劇中でも同じ月日が流れていました。当然キャストの皆さんもその分御歳を召す訳で、ダンディ鷹山もセクシー大下もはっきり言えばお爺ちゃんです。だって実年齢70オーバーですもの。しかし文句なくスタイリッシュ!期待値を遥かに上回る見事なアクションを見せてくれました。郷ひろみにしてもそうですが、ファンの理想を裏切らぬプロポーションを維持しているだけで本当に凄いと思います。これぞ「スター」で間違いありません。 物語の方は良くも悪くも『あぶない刑事』としか言いようがなく、本来昭和のエンタメ刑事ドラマのスタイル(または様式美)を令和で再現しようとするとこうなるんだろうなという感じ。こう言っては何ですが脚本家の方はさぞ頭を悩ませたことでしょう。元刑事に銃を撃たせるだけでも無理難題どころの話じゃありません。ですから私は二人に銃を渡した力技に対し「そんな訳あるかい!」とは言いません。よくぞ鷹山刑事に「単車ショットガン」シーンを用意してくれたと素直に感謝したいと思います。もちろん浅野温子さんも仲村トオルさんも「らしさ全開」の熱演ありがとう御座いました。 さらなる続編は無いとは思いますが、もし制作されるのであればいっそ「ゾンビもの」へシフトしては如何でしょうか。この世界なら倫理観とかリアリティなんてものに縛られず、自由に銃が撃てますし、あぶデカドラマも違和感なく展開出来るのでは。これ冗談に聞こえるかもしれませんが、割と本気で提案しています。ちょっと想像してみてください。マジでハマると思いませんか? 以下余談。作中若かりし頃のタカ&ユージが出てきますが、当時のTVドラマの映像素材ではなくAI生成CGが使われていた気がしますが気のせいですか?特にミドル鷹山に違和感があったのですが。多分ハリウッドあたりでは当たり前になりつつある技術だと思いますが、いずれ年齢差を理由とする配役吹き替えが無くなるんでしょうか。そうだとすれば正直ちょっと嫌だなと思います。似たイメージの俳優で吹き替えたり、直接顔を映さない演出だったり、今まで培われてきた技術や工夫が失われていくようで少し寂しく感じるのです。究極的には俳優さんも要らなくなる理屈ですし。[映画館(邦画)] 7点(2024-09-05 19:45:28)《改行有》

2.  カーム・ビヨンド/漂流者 《ネタバレ》 大水害により水没し廃墟と化した香港が舞台のサバイバルスリラー。略奪者がボートで徘徊する無法地帯で息を殺して生活する女性が主人公です。『ウォーターワールド』と『クワイエット・プレイス』を足して2で割ったイメージでしょうか。なぜ無政府状態なのか?水中の捕食生物って何?等判然としない部分はあるものの、甘んじて受け入れるよりほかありません。鑑賞作法は『ゾンビ映画』に同じと考えます。背景を自分なりに想像して補完する楽しみがあると考えれば、むしろお得かもしれません。 終末系映画にしては、サバイバルの難易度は破格の好条件でした。飲料水、食料あり。煮炊き、洗濯、水浴びOK。照明あり、ラジオ放送(娯楽)あり。略奪者が来たら隠れましょう。この「緩い」設定に本作のテーマ(問いかけ)が隠されていました。「今日一日やり過ごすだけなら困りません。さあ、あなたはこの無為な生活をいつまで続けますか?」あれ?災害前の日常と大差ないような。病気、怪我、事件、事故。今までだって寿命を全うできる保証なんて無かったのですから。違うのは、安心が消えたこと。社会に対する義務と責任も無くなったこと。人によってはこちらの世界の方が「生き易い」と感じるかもしれません。 実家を出て自由が欲しいと願っていた主人公が、引きこもり生活に甘んじているのは皮肉なもの。そして前述の問いかけに対する彼女の答えは「このまま行けるところまで」でした。多少不都合があろうとも、今手にしている「平穏」を手放したくないと考えるのが人情です。俗にいう現状維持バイアス。ゆえに変革には「強制力」や「外的要因」が有効です。本作にあっては少女がその役目を担いました。彼女は訴えかけます。このままではいけない。私はここを出ていくと。そんな少女に絆されて主人公も旅立ちを決意したという結末であります。そういう意味では物語終盤の戦闘シーンはサスペンスの見せ場であっても、テーマには直結しません。あくまで移動手段獲得のためのイベントでした。 主人公は時間を浪費していくだけの人生に見切りをつけたのでしょうか。あるいは少女の未来を慮って決断したのでしょうか。いずれにせよ「生きること」より「活きること」を選択したと言えそうです。彼女の人生に革命が起きました。この判断は「正しい」ですし「美しい」とも思いますが、如何せん本作で示された「希望」は脆弱でした。まるで溺れる者にとっての藁のよう。それでも何も無いよりマシですか。勝負をしないまま時間切れより、手酷く負けた方が後悔は少ないのかもしれません。時間と命はほぼ同義です。どうか2人が賭けに勝ちますように。もっとも私個人としては、勝負はできるだけ避け、いつの間にか不戦勝を狙うタイプだったりしますけども。[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-26 19:31:23)《改行有》

3.  カラダ探し 《ネタバレ》 ジュブナイルホラー+ループもの。こんなの絶対に面白い組み合わせじゃないですか。個人的には砂糖醤油か味噌バタークラスの鉄板ミックスと考えます。当代きってのアイドル女優・橋本環奈さんの美しいお顔をあんな感じに歪めてしまう「忖度の無さ」をみて、こりゃひょっとすると大当たりじゃないの?と色めき立ちましたが、結果的には「壁ドン系ラブロマンス」でしたと。いや「壁ドン」じゃなくて「お口ズボッ」ですか。いずれにしても見事に騙されました。正直言って「なんだそりゃ」であります。でもこれは私が悪い。カラダ探しの最後のパーツにしても、絶対に参加者の誰かを生贄にしないと駄目なヤツだろとか、ループが切れたとき結局生き残り一人とかだと切ないなあと、勝手に思い悩んでいたくらいですから。ここまで予断を持って臨むようでは、そりゃ観る方が悪いです。ごめんなさい。で、それを承知の上での相談ですが、やっぱりあれくらい全方位型ハッピーエンドにしないといけないものですか。「ループが終われば記憶は消えてしまう」この上ない「切なさ要素」をいとも簡単に反故にしますか。内村航平が鉄棒大車輪から回転もひねりもなく、すっと着地したような肩透かし感。同じハッピーエンドでも、もっとほろ苦くも、むしろキュンキュンにも出来たと思うのですが。個人的には、銭婆の名セリフ「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで」を踏襲しつつ、ちょっぴり切なく、でも極めて未来志向の爽やかエンドが良かったのですが。無理な相談ですか。そうですか。グラニュー糖のハチミツ掛けは、私には甘すぎました。[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-31 20:26:40)

4.  ガンパウダー・ミルクシェイク 《ネタバレ》 極めて個人的な感想ですが、本作は『スカジャン』の映画でした。スカジャン。それはどんな紳士淑女でもヤンキーorチンピラに変身させる魔法のアイテム。ファッションとして着こなせるのは余程の上級者か、浜ちゃん所さんくらいのものです。しかも本作で主人公が着用したのはサテンのオレンジ色で、バックプリントにかわいい虎ちゃんのイラスト入り。完璧な仕様です。劇中で主人公がぼやくように客観的にダサいのは間違いありません。しかるに主人公が着ると化学変化が起きました。好き好んで着ているのではなく「着させられている」という背徳感が謎のエモさを醸し出していたように感じます。考え過ぎですか。そうですか。いずれにしても、バタフライナイフで自身の指を切るか、鉄パイプを振り回すくらいしか能がない(失礼)チンピラが、ハイスパートアクションを披露するのですから、見た目とのギャップに魅了されるのも仕方ない話かと(凄腕の殺し屋だってことを忘れさせる)。子どもドライバーとのコンビカーアクションもお見事で私の趣向にドンピシャとハマりました。図書館司書の皆さんも個性豊かで実にチャーミング。そして格好いい。パッケージに注文をつける要素はありません。ただ難点があるとすれば後半メインとなった格闘戦に必然性が感じられなかったこと。閉鎖空間では銃に圧倒的なアドバンテージが無いのかもしれませんが、銃器所持の敵に対して同じく銃器で対抗しない方針に首を傾げました。実際は銃撃戦に終始するより肉弾戦の方が見栄えがするのでエンタメ的にはオーライですが「必然性」を担保して欲しかったと思います。それこそスカジャン着用にはきちんと必然性がありましたし。『キック・アス』とか『キングスマン』が好きな人なら基本的に好きなタイプの映画だとは思います。[インターネット(吹替)] 7点(2023-03-19 08:24:46)

5.  カウントダウン(2019) 《ネタバレ》 『カウントダウン』は死期を知らせるアプリ。神父はこのアプリを『悪魔との契約』すなわち『呪い』と言いましたが、そもそも寿命は運命によって決められているものであり、死ぬ日時を事前開示しているに過ぎません。おそらく悪魔の目的は、死の恐怖に慄く様を眺めること。またほとんどの者が運命に逆らおうと行動を変える『契約違反』をおかすため、この場合のみ悪魔が直接命を奪うことが許されるのでしょう。 『呪い』ならば破ることが可能なはず。しかもこの呪いは一般的な二者契約ではなく多人数契約に該当するもの。死期を守らぬ『契約違反者』が一人でもでれば呪い(契約)全体が破棄になる理屈。なるほど。多人数契約における高い不履行リスクの隙をつく見事な作戦であります。ただ、運命は簡単に変えられるものではないでしょう。悪魔も邪魔をしますし。主人公が悪魔を欺けたのはキリスト教お得意の『自己犠牲』が功を奏した結果と考えることも出来そうです(参考例:オカルトアクション『○ンス○ンチン』)。いずれにしても主人公姉妹はアプリをダウンロードしなければ運命に従い死んでいた訳で『災い転じて福となす』な結末でありました。いやエンディングを見る限りそんな単純な話ではありません。アプリ登録者の死期(運命)は今回の一件で一旦ご破算となったので、新たな死期がどう割り振られるのか誰にも分かりません。それにこれからも契約違反者が出る可能性も大いにある訳で、その度にバージョンアップされ、余命が変わる『カウントダウン』に悩まされ続ける人生が約束されたとも言えます。心穏やかではいられませんな。ならいっそ健康的な生活を心掛け、契約違反にならない形での健康寿命延伸に励むのが良さそうです。BMIが理想に近づくにつれ余命が伸びるとか胸熱ですな。なんだそりゃ。 予告編を見る限りありきたりなアイデアのオカルトサスペンスで、正直あまり期待していなかったのですが、これが意外と面白い。小難しい理屈を付けることなく、分かりやすく納得感のあるストーリーで好感が持てました。傑作という程の出来ではありませんが、普段使いの(?)サスペンスならこれくらいが丁度良いと思います。[インターネット(吹替)] 7点(2023-03-08 18:00:18)《改行有》

6.  KAPPEI カッペイ 《ネタバレ》 『北斗の拳』風味の『クロコダイルダンディ』。今なお根強い人気のレジェンド漫画(アニメ)のパロディに、カルチャーギャップの笑いです。基本的に好みの味付け(のはず)なのですが、いまいち乗り切れませんでした。設定がカルトっぽくて意外とシリアスだったから?いいえ、原因は配役にあると考えます。はっきり言えば伊藤英明さんに難あり。役作りは注文通りで何も間違っていないと思うのですが、これじゃない感が最後まで払拭されませんでした。コメディはキャラクターが命。やはり主役を愛せないと厳しいものがあります。これは伊藤さんの演技力云々というよりコメディ慣れしていないことが原因ではないかと。長年かけて培われる役者さんのイメージも影響する気がします。そういう意味では、小澤征悦さんや山本耕史さんには全く違和感がありませんでした。勿論芸達者ってこともありましょうが。阿部寛さんなら勝平にぴったりだったと思いますが年齢が合いません。筋肉ありでコメディもいけるという点で考えると鈴木亮平さんも候補になりますが、ケンシロウ感は無いですかね。となると要潤さん以外に適役が思い当たりません。恐縮ですが筋トレお願いします。[インターネット(邦画)] 6点(2023-02-26 01:58:29)

7.  怪奇!! 幽霊スナック殴り込み! 《ネタバレ》 監督、脚本、撮影『杉作J太郎』。制作、配給『男の墓場プロダクション』。この字面で何かしら察することが出来る御仁のみが本作鑑賞資格の第一ハードルクリアと考えます。日本人のうち何パーセントが該当するのでしょうか。間違いなく狭き門です。サブカル、アングラ、実話系与太話、紙エロス界隈に入り浸り、大事な何かを失った翼の折れた天使(エンジェルと読む)のみに許された「せめてもの慰め」とも言えましょう。J太郎氏以外のキーワードとしては「大槻ケンヂ」「みうらじゅん」「山田五郎」「安斎肇」あたりでしょうか。これらの名前にリビドーを感じるならば、多分あなた様も有資格者に違いありません。「リリー・フランキー」はどうかって?20年前ならいざ知らず今は屁の突っ張りにもならんですよ。なお、資格がある=鑑賞に適しているとは限りませんのでご注意ください。これはフグ調理師免許や野菜ソムリエと同じですね。資格を持っていても実戦で通用するとは限りません。本作のような玄人向け映画なら尚更です。「昨日宝くじを当てた」「只今禁固刑中である」「ツチノコを見た気がする」など極めて特殊な心理状態であることが、本作を面白がれる必須条件に加わります。決してサブスクの新着で見つけた程度の安易な動機で鑑賞してはいけません。限りある人生の貴重な時間を無駄にする大変危険な行為と知るべきです。寿命が一時間強縮まることをご覚悟なさい。 かくいう私も一応有資格者と自負しておりましたが、コンディションはごく一般的な正月呆けであり万全ではありませんでした。にもかかわらず命を賭したのは、あのタナダユキ監督が主演であったから。『モル』以来の女優バージョンを頂戴できて大変満足いたしました。相変わらずお美しい。周りの役者さんが見事に棒だらけだったのでポッキー畑の中に可憐な風ぐるまが一本立っているかのようでした。あれ?これって地獄絵図ですか。いえ、こういうのを乙な情景と呼ぶのです。本作を観ると如何に川崎実監督や井口昇監督が洗練されているか分かるでしょう。前述したとおり、本作を楽しめるのは極めて特殊な精神状態のときのみ。シラフで観たら多分この点数くらいです。[インターネット(邦画)] 3点(2023-01-10 18:15:42)《改行有》

8.  かがみの孤城 《ネタバレ》 一泊二日の家族旅行。子どもたちも久々の映画館でウキウキ。でも中1二女と小4三女の意見が割れたため、私は二女と本作を、長女と三女が『すずめの戸締まり』を鑑賞しました。結論から言うと特大の当たりを引きました!私自身の予備知識は原恵一監督で結構評判は良さそう程度。二女は原作既読だったそうで、本作鑑賞を譲らなかったのだとか。でかした二女よ。 完璧な脚本と演出で、数年に一本あるかないかレベルの傑作だと思います。もし少しでも興味がおありなら、何としてでも劇場鑑賞なさってください。政治家の答弁やビジネスシーンなどで耳にする、やや冷たい印象のあった「善処する」がこれほど胸を打つとは。数々の傑作名作が踏襲してきた映画のお約束が破られる驚きの結末にエンドクレジットが滲んだことは二女には秘密ということで。 ちなみに『すずめの戸締まり』組も満足したようで何より。小4三女に本作は少し早い気もするので、今回の家族分散鑑賞は大正解でした。[映画館(邦画)] 10点(2023-01-07 12:58:04)(良:1票) 《改行有》

9.  海底47m 古代マヤの死の迷宮 《ネタバレ》 『潜水病』に言及していない時点で『海底47m』の続編としては認められません。『ドント・ブリーズ~海洋編~』なら納得です。[インターネット(吹替)] 5点(2022-04-11 19:52:16)(良:1票)

10.  海底47m 《ネタバレ》 海洋パニックはシンプルな構成の作品が多い印象ですが、本作も極めて単純な仕立てでした。海底。檻の中。サメ。これだけでサスペンス映画が1本成立してしまうのは、基本設計が優秀だからでしょう。『息が出来ない』は問答無用の恐怖であり、生命の危機というシチュエーションにおいて右に出るものはありません。また、サメの恐ろしさを広く世間に植え付けた『ジョーズ』の功績が大きいのも間違いないでしょう。『潜水病』の怖さもよくわかりました。有事の際は充分に気を付けたいと思います。[インターネット(吹替)] 6点(2022-04-11 19:48:25)

11.  仮面病棟 《ネタバレ》 (ネタバレしています。未見の方はご注意願います) コンビニ強盗犯による病院立てこもり事件発生。病院は5階建て、病床数は(たしか)64。夜勤スタッフは院長、当番勤務医、看護師長、看護師の4名のみ。満床ですが、療養型ゆえ満足に動ける患者は少ないそう。一方、犯人は拳銃所持の単独犯で、負傷した女性人質を連れていました。さて問題。この状況で立てこもりは成立するでしょうか。勿論否です。広大な建物と大人数の人質を、たった一人で制御下に置くなど不可能です。しかもスタッフを誰一人拘束しないというユルユルぶり。この時点で、ははーんこの事件には何か裏があるなと誰でも勘づくでしょう。こんな先入観を持たれた段階でミステリーとしてはアウトです。さらに事件の真相。いわゆる『復讐』が動機でしたが、いくらなんでもそんな目に遭いますか?という話。病院の裏稼業(仮面病棟なる所以)が、あまりにお粗末過ぎて呆れました。物言わぬ人々を獲物にするからこそ成立するビジネスではないのですか。様々な設定上、ストーリー上の欠点を要約するなら『リアリティが無い』に尽きると言えましょう。もう少し上手に嘘を付いて欲しいと思いました。ただ、役者の皆さんはお上手だったと思います。高島弟さんの「悪い医者」ぶりはすっかり板に付いていますし(そもそも医者役多いですよね)、最近では連ドラ主役を張る江口のりこさんもこの手の脇悪役で本領を発揮するタイプ。そして何より永野芽郁さん。彼女は可愛いルックス以上に幼いイメージがありましたが、本作の難しい役柄をちゃんと自分のものにしていたと思います。当初違和感ありありだった茶髪や赤い口紅も、真相を知れば府に落ちます。[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-10 18:57:05)《改行有》

12.  カバディ! カバディ!〈OV〉 《ネタバレ》 主演はグラビアアイドルの倉持由香さん。"お尻の立派なゲーム好き"(あるいはエロいperfumeののっち)程度にしか存じ上げておりませんが、直近に観た『デスフォレスト2』(こちらも主演)の印象があまり(すいません。嘘をつきました。だいぶ)良くなかったため、期待値は低めでした。このような前提で鑑賞したせいもあってか“そんなに悪くない”と感じました。もっとも物語の骨子はみんな大好き「スポーツ青春もの」。そこにバラエティ豊かな愛されキャラを配した訳ですから、基礎点は取れる仕様と言えましょう。加点は無くとも、安定した満足感を得られるレシピ。カレーなら基本美味いに同じ。そう考えると、ちゃんと作ればもっともっと面白い題材だろうに、と思います。カバディ面白そうですよ。一言でいうなら『有名人が結構出てくる自主制作映画』。もっとも改善が望まれるのは「音声」です。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-17 21:23:56)

13.  架空OL日記 《ネタバレ》 『大切なのは真実ではなく矛先』『厄介な人を“基”と呼ぶ』など、相変わらずバカリズムのお笑いセンスは抜群で、バカリ本人が素でOLになりきる不条理さも相まって、まさにバカリズムワールドの極致ともいえる世界観を体感いたしました。基本的には『バカリズムTHE MOVIE』と同じネタ映画なのでしょうが、架空のOL『私』が過ごす“特別な事は何も起きない日常”が得も言われず心地よく、コントの域を越えたコメディドラマとしてすこぶる優良であったと思います。結末はいわゆる『夢オチ』。一般的には禁じ手に分類される悪手ですが、こと本作に限っては“このギミックゆえに映画として成立した”と思えるほど見事な切れ味でありました。長く楽しい夢から覚めた時に感じる“寂しさ”や“虚しさ”は、映画ならではの余韻であったと思います。私など『あのメンツが同僚だったら、さぞかし職場は楽しいだろうなあ』と呑気に思うのですが、一緒に観ていた中3の娘は『随分仲がいいな』、妻は『面倒くせえ』と吐き捨てておりました。まあ、それが女性の現実なんでしょう。だからこそ虚構の『架空』や理想の『夢』に価値がある訳ですが。[DVD(邦画)] 8点(2020-12-15 17:54:37)

14.  怪談(1964) 《ネタバレ》 映画のジャンル分けで一般的に使用される『ホラー』とは異なる『怪異の物語』。不可思議ではあっても、不合理でも不条理でもなく、人間の業を味わうドラマとして楽しむことが出来ます。『物語=読み聞かせ相手に想像させるもの』とすれば、本作を象徴する特徴的な書割も観客のイマジネーションを掻き立てる意味で有効だったと思います。3時間は流石に長尺でしたが、オムニバスで目先が変わるため、体感はそれほどではありません。豪華キャストはお得感満載。たまにはゆったりと日本の詫び錆びを堪能するのも一興かと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-30 18:57:34)(良:1票)

15.  カイジ ファイナルゲーム 《ネタバレ》 人気エピソードは既に映画化済み。未映画化エピソードは正直イマイチなので(福本先生ごめんなさい)オリジナルストーリーでの続編は理解(容認)できます。舞台は近未来の日本、『もしも』の世界。アナザーストーリーというよりパラレルワールド。これは地雷臭プンプンです。一縷の望みは福本先生が脚本に名を連ねていることでしたが、残念な仕上がりでした。でもよく考えたら当たり前の話。良いアイデアなら連載の方で使いたいでしょうから。 不満箇所を挙げたらキリがないため、私からは1点だけ。人間秤ゲームはカイジチームの勝ちで大丈夫ですか?張り主の伊武さんがリタイアした時点で不戦敗の気がしますが。それに勝敗を分けたコインは完全に「運」ですよね。弾かれたコインが偶然カイジ側の秤に入っただけ。『運否天賦ではなく戦略で勝つ』を旨としてきたカイジにそぐわない決着と感じます。主人公に晴れ舞台を用意するために伊武さんが退場し、欠けたコイン1枚分僅差の勝利で『一円を笑う者は一円に泣く』を再現。ドラマチックでキレイな幕切れですが、ファンが『カイジ』に望むのは、そういう事ではないのでは。『相手の不正を逆手に取れ』『裏のルールを見破れ』『死中に活を求めろ』。原作の『カイジ』が支持されたのは、持たざる者があらん限りの知恵を絞って強者の足元をすくう様。運よく当たりの宝くじを拾うのではなく、ハズレくじを是が非でも当たりくじに変える姿に心打たれるのです。カイジの魅力が映画で表現されていない以上、原作ファンとしては本作を『カイジ』と認める訳にはいきません。1作目の感想でも同じ事言ってますね。 基本的に福本先生の漫画は実写化向きと考えます。近年ドラマ化された『アカギ』や『銀と金』も上々の仕上がりでした(注:『天』は未見。『零』は何だこりゃ)。個人的には1作目カイジで軽い扱いを受けた『限定じゃんけん』をキッチリ描いていただくか、まだ手付かずの『涯』や『黒沢』の映画化を望みます。特に『黒沢』は絶対面白いと思うんですよね。黒沢役本命:高橋克実、対抗:宇梶剛士、大穴:くっきーで如何ですか。また同じこと言ってる。[CS・衛星(邦画)] 1点(2020-11-30 18:29:35)《改行有》

16.  怪怪怪怪物! 《ネタバレ》 劇中で主人公が言及するように、人喰い姉妹より彼女を監禁した子どもたちの方が余程悪質です。表題の『怪物』は彼らを指すものと考えてよいでしょう。怪の数=主人公を除く4人の監禁犯。実際、彼らの「善悪の判断をしない」様は、空恐ろしく、激しい嫌悪を覚えました。彼らと同類だった女教師も同様です。そういう意味では、良心の呵責を感じていた分、主人公の方が随分と“マシ”に思えます。ところが最後、主人公は4人の蛮行をも遥かに上回る凶行に及びました。情状酌量の余地などない、絶対に許されない行為。首謀者グループが消えてもなお、無くならない自身へのイジメ。殺人を幇助した意味も無くなり「人間」に対して絶望した結果、主人公は身も心も「怪物」に変化したと考えます。タイトルも4人の怪物の意味ではなく、怪が4つもつく超特大の怪物=主人公かもしれません。注目すべきは、主人公のパーソナリティが特別ではなかったこと。自身へのイジメを回避するため、いじめっ子に同調する狡猾さ。ほどほどの良心。彼は何処にでもいる普通の子です。普通の子が怪物に変わるから恐ろしいのだと思います。彼はいつもコンビニのイートインでひとり夕食をとっていました。これが当たり前の景色になる“異常事態”に、事件の本質が隠されている気がします。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-30 20:24:53)

17.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》 『ストリートダンス』とは『自由な生き方』の象徴。誰もが憧れますが、簡単に出来ることではありません。諸々の事情により雁字搦めになって生きるのが常。人が社会生活を営む以上、対人関係の悩みを排除するのは困難です。彼女たちが当初ダンスに没頭したのは、地元イベントでの小さな成功体験もさることながら、自由に対する潜在的な欲求があったからと推測します。孤独の恐怖、愛の渇望、家庭の事情。踊っている間、彼女らは束縛から逃れられたのでしょう。ただ、これは一種の『対症療法』。抱える問題が肥大したことで、彼女らは対症療法さえ諦めました。このままダンスを辞めても、元の生活に戻るだけ。理論上、損も得もありません。しかし踊る事の楽しさ=自由に生きる喜びを知った者が、牢獄に戻れるはずもありません。再び踊る事を決意したのは、必然だったと考えます。それぞれが悩みを吐き出した事で、自らを縛る鎖の正体も明確になりました。敵を知り己を知れば百戦あやうからず。『しがらみ』『固定観念』『偏見』を克服するのは容易ではありませんが、彼女らは戦い方を知ったはずです。『ステップ』とは人生の階段。泣きながら、ぶつかりながら、JKは軽やかに、でも力強く、階段を昇っていきます。隣に同志がいる幸せを噛みしめて。 本作はスポーツ青春ドラマの王道フォーマットを利用しています。あとはモチーフとなる素材やキャラクターの魅力如何。『ストリートダンス』は、素人目にも良し悪しが分り易いため、かえって難しい題材だった気がしますが、努力の過程を重視し、パフォーマンスの見せ方も工夫し、クライマックスでは十分なカタルシスが得られました(最初の失敗ステージの方が、実は見応えがあったりします)。キャラクターについては、文句なしで大拍手!ISSAと見紛う塚本高史は雰囲気満点。ジミーズ5人はみな嫌味なく、等身大の女子高生を活き活きと演じてくれました。個人的にツボだったのは、岸本JK(メガネちゃん)。モッサリ具合が愛おしく、出番が少な目な分彼女の一言一言が重く、心を掴まれました。「一緒にやろうと誘ってくれた言葉は一生の宝物です」は号泣案件です。最後に一つだけ苦言を。超危険な“坂道自転車暴走”は“心の開放を表す比喩表現”として許容しますが“親に内緒の流産”は娘を持つ身として見過ごせません(昭和の学園ドラマだと割と普通だったりしますけど)。これは子どもたちを責めるより、非常事態に頼ってもらえない親が不甲斐ないと感じます。何の為の親だと。血縁に甘える事なく、家族内でもきちんと人間関係を築く努力をしなければと自戒します。[インターネット(邦画)] 9点(2020-07-25 17:28:58)(良:1票) 《改行有》

18.  片桐はいり4倍速〈WEB〉 《ネタバレ》 女優『片桐はいり』を使って、自由に物語を創ってくださいとの趣向。魅力は何か?どう使うか?監督の腕の見せどころです。では順番に感想を。①『受験生』板尾創路企画。今を時めく太賀(現:仲野太賀)主演。お題となるメイン素材を、あえて添え物に使う発想は“芸人らしいスカシ笑い”と言えましょう。これは偏にはいりさんの『圧倒的存在感』無くしては適わなかった芸当であります。ところで、ヒッチコックのオマージュはありますか?②『スピリチュアル マイ ライフ』辛酸なめ子監督。こちらは先の作品とは打って変わって、正々堂々『片桐はいり』をメインに据えたお話。お顔のインパクトを『説得力』と解釈しました。まあ、普通です。③『ピーコちゃん』ホラー仕立て。しかも一撃必殺。『笑い顔』の怖さは絶品でした。オチの悪ふざけは賛否が別れそうですが、個人的には大笑いしました。④『部長』松尾スズキ監督。シュールコメディに全振り。『バカドリル』(サブカル漫画)から引用だそうですが、はいりさんはサブカル系女優でもある(と思う)ので、当然相性はバッチリです。こちらも正しい『はいり活用法』でした。全体を振り返ってみると、どの作品もはいりさんの個性を上手く活かしており手堅い印象を受けます。特段面白いワケでもない『スピリチュアル~』も、アラカルトの一品として悪くありません。そう、イメージ的には『フルコース』ではなく『前菜盛り合わせ』。ショートオムニバスですから当然ですけど。強烈な個性ゆえアクセント的に起用されがちな女優さんですが、これから円熟味を増すにつれ主要キャストで輝く方だと思っています。樹木希林さんのポジションにすっぽりハマれる逸材では。[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-10 18:51:02)

19.  神さまの言うとおり 《ネタバレ》 ゲームが理不尽だったり、ルールが説明不足だったりするのは問題ありません。世の中そんなもんです。ただ、ゲーム攻略に対し戦略性が乏しく、クリアで爽快感が得られないのは致命的でした。単に悪趣味な人殺しショーに付き合わされている感覚。何のために映画を観ていたのか意味が見いだせなくなります。言葉を選ばずに言うなら「しょーもない」と。原作は立ち読み程度には読んだ覚えはありますが、もう少し面白かった印象が。結局のところ、毎度お馴染み三池印の漫画実写化映画ということです。[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-05 18:48:49)(良:1票)

20.  がっこうぐらし! 《ネタバレ》 これが一般的な4人グループのアイドル映画であればいいんです(演技のクオリティ的には良くもないかな)。主演は、あの対戦型オーディション番組出身の『ラストアイドル』。それなら、最大限ギミックを活かさなきゃ勿体ないです。候補生も含めアイドルちゃん全員生徒として出演させましょう。何なら審査員も先生役で出演してもらいましょう。次々とゾンビ化で脱落していく様をメタ構造として披露。憎い審査員には鉄槌を下しましょう。『また加藤ひまりを落とすのか』なんて、ネットを炎上させてナンボじゃないですか(俺も詳しいな)。ゾンビ化した脱落者だけ集めて集団行動させたらいいんです(これは時系列的に映画後のネタですか?)。エンディングは、生き残りメンバーが主題歌を歌って大団円と。悪趣味ですか?いえ、いえ、ホラー映画よりアイドル番組の方が残酷なんて、洒落にもなりません。[インターネット(邦画)] 3点(2019-11-05 18:59:15)

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