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1. 怪物(2023)
《ネタバレ》 皆さんの感想と少し異なるかも知れませんが、私は「怪物」は大人から見た「10歳の壁」だと思いました。子供から未熟な大人になる2次性徴なりかかりの少年少女、小4-6年位までは10歳の壁と言われて人は全員経験し、皆混乱した時代を送るけどいつの間にか終わって忘れているものです。星川と麦野中心に強調されて描かれているけど、一見問題ない様に見える教室の全員がおかしい(10歳の壁の中にいる)。私自身10歳の壁の時にいじめや親、先生への嘘(その時は仕方ないと思っていた)、異常な教室、動物虐待、暴力事件など経験しました。その時、大学出立ての新米先生は迷いながらも正面からぶつかってくれて、還暦過ぎていまでも年賀状を交換しています。
作品はスタンドバイミーのオマージュとかモンスターペアレント、校長先生の個人的問題、LGPT的な要素とか混ぜているから一番描きたい所が分かりにくくなっている様に感じました。羅生門みたいな行ったり来たりしないで正面から10歳の壁をがっちり描いたらもっと見ごたえがある作品になったようにも感じます。ヒトはそこの対応次第で思春期以降とんでもない人生になったり、本物の怪物になってしまったりするのですから。校長先生が「ああ、嘘ついちゃったんだ。」と言ってラッパを勧めた所、この先生が一番この壁を理解してたのだと思いました。
壁の時は慾をどこにぶつければ分からずに同性愛的な方向に進むことは普通にあります。それはLGBとは違います。性同一性障害はLGBという性の嗜好とは全く違う範疇なので一緒に論ずるべきではありません。芸術・美術的描き方をしすぎてかえって分かりにくくなったと感じたのでこの点数で。[インターネット(邦画)] 6点(2024-10-21 17:23:46)《改行有》
2. 帰ってきたヒトラー
《ネタバレ》 この映画の見所は「本物のヒトラーがタイムスリップした」という設定で映画(フィクション)を作っているという設定のドキュメンタリーに一部仕立てている所で、本物のドイツネオナチ政党の党首や右派政党の党首と政治談義対決をしている所と思います。「本物という設定」でオリバー・マスッチがヒトラー節をまくしたてるのでネオナチの党首もタジタジであり、インタビュアーの「あなたは彼の命令に従いますか?」の問いに「カメラを止めろ・・、彼が本物ならば従うね。」と返す所などが秀逸。
一番印象に残った場面は、初めてテレビに出演した時に1分以上も沈黙を守って聴衆を惹き付けておいてからテレビ局が作ったユダヤ人を揶揄した台詞などを破り捨てて「このような低俗な番組に意味はない・・現在のドイツの様はどうだ・・」と大衆を煽動する一流の演説で聴衆を虜にしてしまう場面でしょうか。「君たち(国民)が私を総統に選んだのだよ。」という後の台詞の重さが生きて来ると思いました。ただどこまでが制作なのかやや解り難いのでこの点で。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-27 00:23:35)《改行有》
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