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プロフィール |
コメント数 |
35 |
性別 |
男性 |
年齢 |
44歳 |
自己紹介 |
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1. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 多分にメタファーに満ちた作品。「神経症と不安の現代人」に対して、神話を提示してみせる宮崎の新たな試みをポジティブに評価したい。あまりに無垢に世界を破滅へと導くポニョの神々しさと、あまりに容易に「愛」で世界を破滅から救ってしまう宗助ら人間の対比、ストーリーの破綻と言ってしまえばそれまでだが、この破綻具合が「神話」そのものな気がしてならない。グランマンマーレが自らの出自を語る部分「私たちは泡から生まれた」などは、ヴィーナスの神話を明らかにモチーフとしている。ならば彼女は神として、フジモトは魔法使いとあるが、俗世を捨てて人であることをやめながらも、なお世界の均衡を保とうとするその姿は「森の人」などと重なる、しかしどこかカリカチュアルだ。この世界でもっとも「人間的」なのは、皮肉屋で懐疑的で、周囲から浮いている老婆トキである。トキ以外の、宗助ら全ての登場人物は、あまりに記号的すぎて感情移入ができない。大人はこれを子どもに見せたい、しかし子どもはこれを見たがるだろうか。[映画館(邦画)] 8点(2008-08-08 10:14:22)
2. KAMATAKI -窯焚-
《ネタバレ》 良心的外国人監督による所謂「禅的」自然観への憧憬をもとにした親日的作品、と書くと現代日本の描写とその現実のあり方とに異様なギャップが生まれるのが関の山だったが、本作では見ていてそこまでの違和感は無い(それでも吉行和子は滝前に座禅するが)。と言うのは、主人公の叔父であり師となる藤竜也の演じる造形そのものが、現代的・文明的な生活(車・展覧会・バー・ロック)の中にいつつも、最も古典的な窯業の様式を守る古代的・自然的な生き方(窯焚・セックス・太鼓・狸)をバランスさせる事を主題としているからだろう。そして、その叔父の奔放な生き方こそが主人公を再び「生」に向かわせるのだが、このある意味分かりやすい筋書きとは別に、案外風景の撮り方がうまいのである。冒頭の森のシーンなどは『殯の森』を想起させた。[映画館(字幕)] 7点(2008-02-24 20:43:00)
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