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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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変更日付順12

1.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 ゼロ戦の設計者・堀越二郎が実名で出ていますが、 「風立ちぬ」の著者・堀辰雄の人生と著作をフュージョンさせたフィクションでした。 宮崎氏が描きたかったのは、飛行機の設計だけに執着した男の話。 道徳的な教訓や反戦的な思索を込めた作品では無い。 だから、時代背景として描出される大正後期から終戦までの出来事 ~関東大震災、失業者が溢れる不況、銀行破綻、特高警察のマークなど~ はあくまで背景として流すだけで、主人公はそこに関わらない。 戦争描写も同様で、物資不足や空襲は描かれない。 思い切った省略が為されている。 「お国のために」という意識が堀越二郎に皆無だったとは思わないが、 そこも外されている 後半、病身の奥さんとの遣り取りが美談風に描かれる。 この辺りが堀辰雄からの引用。 でも、あえて較べるなら、主人公の頭の中は飛行機7、奥さん3くらいに思えた。 これらは意図した演出だろう。 空への憧れ、という一点だけを見つめた男を浮き彫りにするための演出です。 艦上戦闘機の設計に「機関銃さえ無ければ可能な案」が浮かぶ。 兵器を設計しながら、思考は「美しく飛ぶ飛行機」を模索する。 本人の目的と、製造されるモノの目的が合一しない。 最終的にゼロ戦は「機能美」を獲得した機体になった。 彼が夢で見たゼロの編隊飛行はとても美しい。 でも、その夢の中でも「最後はズタズタでした」と語る主人公。 「ズタズタ」とは撃墜や敗戦だけでは無く、「棺桶」として使用されたことも含まれるのだろう。 これらのギャップや矛盾が本作がテーマだったと思う。 時代のうねりの中で、 嗜好だけを貫いた者がどのような感慨を覚えたのかを描きたかったのだと思います。 そして、本作の主人公は宮崎氏にオーバーラップします。 この人ほど「空を飛ぶ機械」への憧れを描き続けた作家はいない。 ファルコ、ギガント、メーヴェ、ガンシップ、オーニソプター、アルバトロス、等々。 デッキブラシなんてのもあったけど(笑)。 長い付き合いの中で多くの飛翔を堪能して来ました。 彼は飛行機の操縦も設計も出来なかったが、描き、動かすことを自己実現の手段とした。 手法こそ違え、本作の主人公そのものではないか。 「空を飛ぶ機械」は美しく描きたいが、アニメになったら大半は戦闘シーン。 流麗に飛ばしたくとも、人殺しのシーンが最もイキイキする。 これも矛盾です。 個人の嗜好と有用性は、矛盾を孕んで進むものなのだと思います。 本作は分かりにくい映画でしょう。 それは、強引な取捨による個人の一側面描写に起因しています。 敢えて禁止用語を使いますが、ヒコーキキチガイを描いた映画でした。 同時に、監督の想いを綴った私小説ならぬ私映画でした。 そこに込められた想いに呼応できないと、ぼやけた見え方になると思います。 彼は「ズタズタ」になったとしても、彼の嗜好でアニメを作り続けたのでしょう。 広告に使われていたフレーズ「生きねば」とは、それしか出来ない者の覚悟だったと解釈します。 私は感動しました。 (2018/12/15更新 初投稿時、文字数制限で割愛していた部分を補足しました)[映画館(邦画)] 9点(2013-07-24 05:08:58)(良:6票) 《改行有》

2.  葛城事件 《ネタバレ》 同監督の「その夜の侍」を怖い映画だと評しましたが、コッチの方がさらに怖かったです。似た映画を観たことがあります。「タクシードライバー」。動機が分かりにくい犯罪や凶行が起こった理由を探究する姿勢が類似です。これをテーマにした映画は多くはありません。 夫婦と兄弟の4人家族。この家庭が壊れます。長男は自殺、次男は連続殺人の死刑囚、妻は精神を病んだ状態でした。崩壊への最後の引き金を引いたのは次男の通り魔殺人ですが、そこへ至った経緯が回想的に語られる。どうやら親父に問題があったようです。 この親父、自分勝手だし、時に妻や子に手を上げたりもします。周囲の者のためにやっているように見せながら、実は自身の満足を最優先しているようでした。でも、それが殊更に酷いレベルとは思わなかった。奴が元凶と断罪するのは簡単だけど、誰にも少しは似たような側面があるように思えるのです。ワイドショーを賑わすクソ親父にはもっと酷いのが幾らでもいます。 家族の誰にも「友人」が見当たらなかったこと。コンビニ弁当ばかり食べていて母親の手料理が無かったこと。親父の身勝手以外の原因も背景として語られていました。 死刑を認めない女性活動家が獄中の次男の嫁になる。彼女は次男に寄り添う「家族」になることで死刑を否定しようとする。彼女が何度も口にする「家族」と云う言葉は、本作では皮肉として機能していました。(個人的には、この女がとてもウザかった) 本作の怖さとは家庭を崩壊させる家主に自覚が無いところです。誰の身にも起こる可能性があるところが怖いです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-01-13 22:36:46)《改行有》

3.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 すべり込みで劇場観賞。劇場で観て良かったです。パーソナルな記憶を消去して生活環境を残すことで新たな暮らしが始まる。自らを客観視するような行為の究極版でしょうか。かつて、行き詰まった状況を堆積させた真には見えなかったものが、他人の生活という気楽さから徐々に見渡せるようになる。自殺を企てた人物は、決して疎外されていた訳ではないことが判明する。周囲の心遣いが省みれない狭量を反省した覚えのある人には響くでしょう。私のことですが。本編途中で真が真の真(マコトがシンのマコト、笑)だと分かる構成ですが、彼が食卓で公立高校を受験する理由を吐露しながら涙を流したとき、自殺前の真と自殺後の真が繋がったことがはっきりと分かりました。お母さんが追い詰められて、次は彼女が自殺しそうでとても怖かった。間に合って良かったです。タイトルの「カラフル」の意味も特に気負った原理ではなく、誰にも色々な側面があるという当たり前を表現していました。ストーリーはその「当たり前」を丁寧に積み重ねていました。常々言ってることですが、アニメは有り得ないアクションや設定を表現するだけではなく、キャラの心情などを純化し抽出して見せる事に向いているメディアでもある。「アルプスの少女ハイジ」などが良い例です。本作は、派手な描写はなくともシンプルなテーマを力強く分かり易く見せるところに、アニメの特性が生きています。実は本作の後に実写版「カラフル」も観たのですが、改めてその想いを強くしました。[映画館(邦画)] 8点(2010-09-26 11:06:17)(良:3票)

4.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 手描きの絵による動画の風情を出し尽くすことを目標としたような映像。鑑賞中より、後からジワジワと効いてくるような味わいがありました。「おとぎ話」の世界を崩さず、それでいてモダンな表現で、とても見応えがありました。 私が知るかぐや姫は、求婚者の失敗を高所から見下ろしつつ老夫婦との別れに涙する不可解な人物でした。絵巻物の平安美人のように表情の無い人です。そこにスッキリした解釈とプロフィールを与えて貰ったというのが率直な印象です。本作の彼女は珍宝に目を輝かせ、甘言の求愛に動揺し、訃報に心を痛めます。それらの表現は細やかでしたが、敢えて言うと常識的な反応だと思います。彼女の内面は「普通の人」なのです。そんな彼女の感情が最も解放されるのが野山を駆け巡っているとき。それは彼女の唯一の自由で、私には自然への讃歌と云うよりも籠の鳥が得た束の間の大空だったと感じられました。 幸せの探究とは極めてパーソナルな価値観の具現であり、特別な存在になるほど周囲との摩擦も増えて達成が難しくなります。彼女は老翁が用意した高貴な姫様コースには反抗したけれど、月世界の頭目には逆らえなかった。地上での記憶を失くすことは「タケノコ」&「かぐや姫」の死と同義で、彼女の自由や幸せ求める闘いは敗北したと記憶されるべきなのでしょう。 親が考える子の幸せと本人が望む幸せのギャップは世代や時代を越えた普遍性を持つのかもしれません。そのギャップをかぐや姫側の視点から描いたという意味で、「竹取(の翁媼の)物語」ではなく「かぐや姫の物語」でした。個人的には月世界の住人も振り切って望む未来を手にして欲しかったのですが、さすがにそれでは違う物語になってしまいます。でも、そう思えたこと自体がテーマだったのかなと云う感想です。 ちなみに、都の邸宅でかぐや姫の付き人をやっているマンガみたいな顔付きの女の子の表情が楽しくて、登場カットごとに心躍りました。[映画館(邦画)] 7点(2013-12-12 01:29:25)(良:1票) 《改行有》

5.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 これはもっと評判になって良かったのではと思うくらいの品質を感じました。私はかなり楽しめましたです。ミニオンでしたっけ、あのバナナ小僧たち。あれがイイ。中途半端な知性を上手く活かしていて、やり過ぎとか失敗も含めて憎めず可愛く笑わせる。また、遊園地のジェットコースターの落下とか月に向かうロケットなどの重力を感じさせる部分のリアル描写と、フィクションと割り切っている描写のメリハリが上手だなと思いました。吹き替え版の鶴瓶師匠がなぜか大阪弁丸出しで(って、それしか喋れないのか…)、1時間くらいは慣れなかったです。最後は気にならなくなりましたが、個性が強すぎるのもどうかですね。里親を欲していた3人の少女孤児たちがグルーを恐れることなく、真直ぐに向き合うことで悪党が改心するのは見慣れた風景ですが、見飽きることなく楽しませてくれるのは子供たち個性と一途さに魅かれたからだと思います。「(里親のグルーが)ハゲだからアニーになれるかと思ったのに…」って台詞は映画好きに効きますね。[CS・衛星(吹替)] 7点(2011-12-07 19:33:15)(良:1票)

6.  借りぐらしのアリエッティ 鑑賞後、手のひらをうえに向けて「彼ら」をイメージしてしばらく眺めていました。これくらいの大きさだよね…って。一見、無意味に不愉快な樹木希林さん。劇中では嫌悪の対象になっていましたが、世の中のおばさんの代表じゃないですかね。無意識とか気まぐれという範疇に入る悪意を発揮することが、ちょっとした生き甲斐になっている人たち。責められても悪気が無かったと言い訳できる範囲で暗躍し、責めた方を糾弾する人たち。まぁ、おばさんに限ったことじゃないけど、あの類いの気まぐれが「種の絶滅」に繋がるのでしょう。あんなおばさんを絶滅させたい。本編はところどころに宮崎氏の回想が入っていました。丸まった虫は王蟲、さつきと猫バスはアングルまで同じで、スピラーは「コナン」のジムシーにそっくりでした。どうせなら、脚本からすべて若い人に任せてあげた方がよろしいんじゃないですか。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-25 23:09:35)(良:2票)

7.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 ゆる~いヒーローもの。この種のテイストが久しぶりで、それが新鮮ってことも含めて楽しかったです。アウトローぶってるけど正義感はある。麦わらの海賊団みたいなものですかね。主人公とヒロイン(?)はどうってことなくて、実は何がやりたいのかよくわからない。でも、植物男と筋肉親父とアライグマはしっかりキャラが立っていて、彼らのアクションと台詞に期待感を持ちながら観ていました。漫才レベルのボケと突っ込み満載です。乱闘シーンのアングル選択とカット割りは最悪レベルに下手くそで、とても見づらかった。特に凝る必要を覚えなかったのは私だけかな。カセットテープのウォークマンでラナウェイズのチェリー・ボム。なんでウォークマン?とも思ったけど、懐かしいポップスを聴く風情の映画としてまとまっています。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-09-04 15:13:40)

8.  神様のカルテ 《ネタバレ》 先進医療と献身的医療の選択を迫られ、後者を取る主人公。その選択は劇作として有りがちであり、感動の押し売り感が無くもない。個人的にはどちらを選んでもらっても良くて、意地悪を言うなら大学病院を取ってくれた方が新しいものが見られたと思ったくらいです。医療従事者の姿勢を問うようなテーマ性より、主人公を取り巻く人間関係が面白かったです。旅館風アパートと勤務先の病院の2つのコミュニティに、それぞれ味わい深い人物たちが集まっていました。病院側の描写は、看護師たちとのやり取りを始めとして内容があったように思いますが、アパート側が薄味です。原作を読んでいないので分らないことですが、お互いを「ドクトル」「男爵」「学士」などと呼び合う間柄にはもっとドラマがあって良かったはずで、桜の門出祝いに唐突感を覚えました。就職して少し経った青春後期の苦悩を表現する作品としては、主人公の設定がユニークでした。反応が鈍くどこまで悩んでいるのかが良く分らない。スローに悩む奴。それを周囲との関係の中であぶり出すような作風は飽きなかったです。「Dr.コトー」の影響とか受けてるんでしょうね。自分は人生も半ばを過ぎてますので、主人公より死んで行く人たちに視線が行きます。最初の方に偉そうなことを書きましたが、自分が死ぬときにあんな先生が近くにいてくれたら、そりゃ安心で幸せでしょう。加賀まりこが「大先生」と記した気持ちは良く分ります。[映画館(邦画)] 6点(2011-09-13 23:30:52)(良:1票)

9.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 映像表現は凄かった。CGアニメでもザック・スナイダー節が炸裂していました。フクロウたちの目の表現が素晴らしい。表情の大半を眼差しで演出していました。ソーレンが飛翔のコツをつかむシーンの感覚的な描写の鮮やかさにも感激しました。やはりこの人が作る印象的な絵は逸品だ。3Dアニメーションの質も作品によって格差があることが分かる。これは最高級の部類に入ると思います。ストーリーは「スター・ウォーズ」でした。ひよっこを伝説の勇者が導いたり、そのひよっこが一発芸でヒーローになったり、身内がダークサイドに落ちたり、R2-D2とC-3POがいたり、最後は王様から叙勲されたりと…。真似たというより、ファンタジーの王道ストーリーなのでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-24 21:19:08)

10.  華氏119 《ネタバレ》 米国大統領選まで約3週。この作品のレビューを書くには絶好のタイミングだと思いました。 マイケル・ムーアはトランプが大嫌い。革新左派系思想を持つ彼には、それは想像の範囲内。でも、本作はトラップバッシングに終始する訳では無く、もう少し根本的な問題点を暴き出そうとしているところが良かったです。それは、民主党がその性格ゆえに抱える問題点でした。 米国の政党政治は民主党と共和党の二大政党制。この制度はとてもスタンダードだと思うのだけど、敗戦を経て占領下に作られた体制をベースにした日本とはかなり違います。まず、日本には共和党に類する政党がありません。あえて云うなら、穏健な右翼団体がそれに当たるのだろうか…。民主党は現在の日本の野党の集合体みたいなものです(あくまで私見ですよw)。自民党は党首総裁の個性によって性格が変動します。強引に二分するなら、小泉は民主党っぽく、安部は共和党っぽい方針を持っていたと思います。米国民主党的政治を志した日本の民主党は、実力不足(と云うか、後述する力学)で亡くなりました。チーン。 アメリカの政策は大統領の所属政党によって左右に大きく舵が振られてきました。まず、大統領の顔つきからして違う。民主党大統領、ケネディ・カーター・クリントン・オバマ→優男。共和党大統領、ニクソン・レーガン・ブッシュ親子・トランプ→コワモテ。ですよね(笑)。 民主党の問題点に話を戻します。とても賢くて、口あたりが良く、真っ当なことを発言します。人種差別反対、銃規制推進、利益を分配し貧困を解消、等々。うんうん、それが出来るなら、それに越したことは無い。でも、出来ません。私見で極論しますけど、人類は個々人の欲や富の占有をエネルギーにして進歩してきたからです。民主党のリーダーは偏見や欲を否定しますが、ヒトの本質とは(DNA的に)かけ離れた論理なのだと思います。人はみな平等と云う概念は達成が難しい目標で、それに近づければ合格って感じかな。女性から見て、フェミニストは個人的に付き合うには良いパートナーですが、行政のリーダーとしてはどうなのか? 近隣国家から侵攻されそうですw 改革思想を持つ力強いリーダーが出現すればそれがベストかと云うとイエスとも言い切れない。ヒトラー、毛沢東、近くはプーチン、習近平がそれだから。大勢の支持を得るため、あるいは大勢の支持を背景に、一部を極端に排斥する為政者です。 米国政治は、二次大戦後に関しては、民主党と共和党がほぼ交互に大統領を輩出しています。一方向の方針が強まると、それに対するセーフティ機構が発動してバランスを取って来ました。日本の民主党はこのバランスでちょっとだけ水面から浮上しましたが、元々が偏重したバランスゆえに二度と浮上できないほど沈んでしまいました。 トランプはムチャクチャな大統領です。キム委員長と同じくらいムチャクチャだと思います。人種差別を容認し、女性蔑視発言を頻発し、黒人を撃ち殺す警官を擁護し、人権デモを軍隊で取り締まる。そんなムチャクチャな大統領が許されているのは支持者がいるからです。その支持者は白人至上主義者だけではなく、民主党の口当たりの良い弁舌に失望した方も含まれる。マイケル・ムーアが本作で言いたかったことは、そこだと思います。「民主主義の危機」まで持ち出して民主党へ送った辛口エールです。 「追記」を書き足すために、元々あったレビューの一部を削除しました。2000文字が上限なのですね。 【2020/12/5追記】 もの凄く往生際が悪かったトランプ氏もやっと観念する風情が見えてきました。 巷間で言われていることですが、今回の米大統領選は両候補のどちらが良いかと云うより「トランプのままで良いのか?」が問われていたと思います。私が大嫌いな中国に強硬姿勢を取り続けるトランプ氏はとても頼もしかったけど、そんな私でさえも彼の続投には首肯できなかった。今日現在、米国では毎日何千人もの方がコロナで命を落としています。それはトランプ氏の選挙運動方針(本人は明言はしていないけど、マスクを付けずに集会をやる、など)が無関係とは思えない。彼は色々な意味でやり過ぎたのだと思います。 同時に、そんな彼に7000万人以上が投票した事実も見逃せない。個人的には、後世の歴史観はトランプ以前とトランプ以後で分けられると思える程のインパクトがありました。今後の世界情勢は、トランプレスの米国がどのように中国とやり合うかで、しばらくは舵が切られていくのでしょう。 レビューっぽいことも書いておこう。この映画はトランプ氏排斥に効果があったと思います。両候補の得票は僅差だった。本作が無かったら、トランプ氏が再選を果たしていたことでしょう! ムーアさん、おめでとう。[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-17 15:47:53)《改行有》

11.  GANTZ:O 《ネタバレ》 原作で最も盛り上がったシークエンスだった(と私が思っている)大阪・道頓堀の妖怪編。そのCGアニメ化でほぼ原作通りの流れ。特に期待せずに見始めたけど、うん、楽しめました。なんだか安心して観ている自分がいて、それは恐らく実写版で痛い目に遭ったからなのでしょう。[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-03-31 23:06:35)

12.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》 相変わらず特に何も考えずに、ゆる~く楽しめる映画でした。親子や仲間の絆がテーマっぽいけど、そんなものはどうでも良いレベルで、私は主に登場人物たちの会話を楽しませてもらいました。オープニングのグルートのつぶらな瞳にキュンをしましたw[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-03-30 12:21:34)

13.  火車 HELPLESS 《ネタバレ》 原作は宮部みゆきの初期の傑作です。日本のサスペンスで邦画化されなかった傑作は韓国が映画にする。そんな印象を持っております。 原作を読んだのは随分と昔のことなので曖昧な記憶ですけど、ほぼ原作通りのストーリーでした。でも、ラストシーンの語り方が原作と違います。そこがとても気になってしまいました。可愛い容姿の女性の中身が実は悪魔的だったことが判明するのはサスペンスによくある筋立てです。でも本作の原作は、悪魔的だったことが判明したあとに、その女性が何気なく現れる違和感に醍醐味がありました。映画化に際して、最も特徴的だった部分が喪失し、テレビドラマレベルにアベレージ化されたという意見です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-24 03:50:31)《改行有》

14.  カラスの親指 《ネタバレ》 「あまちゃん」以外の作品であまちゃんが見られるとあって、楽しんで鑑賞しました。今はそういう人、多いのではないかと思います。 多くの方がご指摘の通り、長い作品でした。観ている間は特に退屈もしないけど、観終わった後にとても長かったと感じる。それは尺の長さと云うより、スピード感の欠落が作品の面白味を総体的に減じさせているからだと思いました。 サスペンス&ミステリとしては、疑問符を付けます。最後のネタばらしが長いこともマイナス点ですが、内容に頷けない。心地良く騙された気がしないのですね。それは、どう考えても偶然に任せる部分が多すぎるからです。宝石現金即売のチラシを作ってポスティングしても、あまちゃんがそこへ誘導される可能性がどれほどあるでしょう? 彼女が成金を装った役者に目を付けて仕掛ける確率は? 村上ジョージが一流の詐欺師だとしても、そこまで計算し尽くせるとは思えないのです。一石三鳥・四鳥にはやはり無理がありました。 さて、あまちゃんですが「あまちゃん」を観ていたから楽しめた、というのが正直な感想です。役作りとしては石原さとみの方が面白かったです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-06 03:10:28)(良:1票) 《改行有》

15.  岳-ガク- 《ネタバレ》 「山」の素晴らしさや怖さを伝えようとしているのは分かりますが、足の切断はちょっと無理矢理な感じがしました。そんなことより! 婦警のミニの制服が嫌で山岳救助隊を志願したらしいですよ。勿体ない。そんなことより! 中越典子を出演させておいて、まともに顔が写っているのは1カットだけとわ。許せん。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-05-08 02:02:28)

16.  カウボーイ&エイリアン 前半のミステリー的な展開に引き込まれるが、後半は一気にぐだぐだの頭の悪いストーリーに堕ちて行く。そこを笑って済ませられると娯楽として楽しめる、って云うのが私の評価です。私は楽しかったです。やっぱり突っ込みどころはあのエイリアンの性向ですね。宇宙を旅するほど技術が進んでいるのに、基地が襲撃を受けたら生身で飛び出してきて闇雲にカウボーイたちを襲う。戦略という言葉を知らないようで馬鹿丸出しです。肉弾戦闘種族ってことなのでしょう。ハリソン・フォードは見飽きた芝居だったけどダニエル・クレイグの存在感は大したもので、「トロン」から気になっていたオリヴィア・ワイルドもミステリアスで良かったです。ちなみに「カウボーイ&エイリアン」というより「盗賊&エイリアン」だと思いました。[試写会(字幕)] 5点(2011-08-09 23:01:19)

17.  GANTZ 《ネタバレ》 原作は読んでいる。ヤバイ表現が多いので連載当初から大好きだった。その映画化は観ずにいられないが、普通に映画化されたのね、という感想。星人の表現やグロシーンはそれなりに出来ている。キャラクターの描写もお題目通りには出来ていると思う。不満が残るのは演出のテンポの悪さ。異常な世界へ転送されて、その異常に疑問符を付けるのは当然だけど、「これは何なの!?」がしつこくて長い。はいはい、もう分かったから先へ進めよって感じだった。そもそも監督とアクション監督を分けた演出の布陣で、納得できる作品って観たことない。この先は原作ファンの意見。原作の面白さは生死を賭けた星人との戦い以外に、主人公の自己中なヒーロー観とナルシスティックな陶酔と青少年らしい下半身の劣情が渾然となって妙なパワーを発揮するところ。そこには日本のコミック好きが共感しそうな閉塞と開放の両方が描かれている。本作はキャストに合わせて主人公の設定を高校生から大学生に引き上げたが、あの年代の数年の差は大きい。その為か二宮・玄野は原作の青臭さいバカさが低減しているように感じられて、それが残念だった。玄野ってもう少しカッコ悪く、その反動で頑張っちゃうから玄野なのにね。多恵ちゃん役の吉高由里子は、目立たず冴えない女の子を吉高なりに存在感を殺して演じているように思えて感心した。予告編を観る限りパート2は原作を離れたオリジナル色の強いものになりそう。楽しみです。[映画館(邦画)] 5点(2011-01-30 01:36:06)(良:1票)

18.  海賊とよばれた男 《ネタバレ》 出光石油創始者のお話です。原作も読んでいますが本作の映画化は上手いと思えなかったです。ストーリーはそれなりになぞっていますけど、芯になる部分がごそっと抜け落ちている印象でした。 抜けているのは主人公の愛国心です。あくまで原作を読んだ個人の感想ですけど、主人公は自身が経営する企業の利益や従業員の暮らしだけではなく、ニッポンの行く末を常に意識して諸々の決断を下していました。特に戦後パートで海外石油メジャーと敵対した際の決断の根拠にはそれが顕著に見られました。だからこそ、社員の命を危険に晒す(現代では考えられないような)業務命令が意義を帯びる。彼はビジネスで(比喩ではない)戦争をやっていた訳です。ところが、本作からはその思想が感じられません。「海賊」と呼ばれるほどに元気が良く、時には無謀な経営者。その域を出ていない。サラリーマン金太郎のレベルです。 愛国心と云う言葉には否定的な姿勢を持つ方が多いと思います。それが行き過ぎると他国を侵略するような戦争を起こすからですね。しかし、本作の主人公を衝き動かしていたのは愛国心以外のものでは無かったと思います。そのまま映画化することにスポンサーからクレームがあったのか、あるいは監督さんの遠慮なのか。原作者は右傾を批判されることも多い方ですが、私は好きな作家のひとりです。[CS・衛星(邦画)] 4点(2017-12-09 21:35:10)(良:1票) 《改行有》

19.  カラカラ 《ネタバレ》 主人公は61歳のカナダ人男性。離婚し、教員を退職し、大事な友人を失くし、これからの生き方が見えない。そういう人が、セミナーで訪れた沖縄を巡るうちに癒されている自分に気付き、ここに住もうと思い始めるまでを描いています。私も1年ほど前に沖縄へ移住してきたもので、テーマ的にも映像的にも興味深く観ました。 主人公の移住動機がガツンと響かないことに不満が残りました。「移住」に説得力を持たせるためには主人公の過去描写が不可欠ですが、本作は主人公の背景を回想映像などを挟まず本人に台詞で語らせます。そこが映画的にはかなり薄味です。主人公と共に旅する主婦(=工藤夕貴)の家庭問題の方が分かり易くて、そちらの解決の達成感が勝っていました。 沖縄に住む者には見知った場所が次々に映るだけで嬉しいのですが、一般的な沖縄映画らしい色彩も希薄でした。ロケが行われた時期が沖縄的には寒い季節で、陽光を感じない絵が多いのです。観光ムービー的な趣きを排除するための配慮かも知れませんが、南国らしい魅力が見えるに越したことはないという意見です。それが沖縄の絶対的な資産だと思っていますから。 イメージしても実行する人が少ないのが「移住」だと思います。身軽が前提になりますが、本作ではかなり追い込まれた末のアクションという描写でした。「移住」だけ関しては、もう少しハードルが低くてもいいんじゃないの、というのが個人的意見です。私は暖かいというだけでかなり満足しています。[映画館(邦画)] 4点(2013-02-16 15:03:23)《改行有》

20.  海炭市叙景 《ネタバレ》 ロケ場所が函館であることはすぐに分かるのですが、あくまで海炭市という架空の街の出来事、というスタンスのようです。「叙景」とは風景の文章化。その映像化は、いわばドキュメンタリーってことなのでしょうか。確かにストーリーらしきものはありません。生きることのつらい部分、重たい部分、荒んだ部分ばかりを抽出します。それにどんな意味があるのかは分からないのですが目が離せない。「不幸」が持つ緊張感とか緊迫感がそうさせるのでしょう。劇中、再開発のための立ち退きを求められる婆さんのエピソードがあります。再開発があるくらいだから、別にこの海灰市は廃れて行くだけの街ではないはずです。でも、登場人物たちは「開発」という言葉とは無縁の場所で生きているように映ります。開発の裏側というか、街の代謝とは関わらない場所というか…。そして、海炭市に限らず、人が生活する場所には必ず「明るい部分とは縁のない人たち」のいることが漠然とイメージされました。この監督の作品は納得できないものが多かったのですが、本作は原作アリということもあってか、筋が通っている方だと思います。[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-04-23 23:45:46)

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