|
1. 恐怖のエアポート<TVM>
《ネタバレ》 TVMだったのか!今の日本のテレビなんかより面白いな。
物語は非常にシンプルな旅客機内での集団食中毒。今日では、操縦士である機長と副長は2種類ある食事を、排他的に選択するように決まっていると聞くが、この頃はそうでなかったのか。で、操縦士を失った4発の旅客機を託されたのがベトナム従軍の元ヘリパイロット。管制塔の誘導で無事に帰を着陸できるかどうか?というサスペンス。
とても話がシンプルでほぼ余計な部分がないので、単純にドキドキさせられる。かつてのヘリでの壮絶な体験で心に傷を追っている主人公の話は、時代をよく表しているのだろう。その辺のトラウマを乗り越えるという物語も良い。
映像的に物凄い特撮などなくても、ドラマだけで面白い映画はありうるんだよな、ということを再確認。[DVD(字幕)] 8点(2020-01-15 20:24:21)《改行有》
2. キングコング(1976)
《ネタバレ》 33年版で不満だった、女とコングの心の危うい繋がりといったものがしっかりと描かれていて、満足。また髑髏島の巨大生物の描写も冗長なほど出てこなくてコングと人間の物語に重点が定まっているのも良い。
何より女が美しくて魅力的。殊に髑髏島に向かう途中の、これでもかと足を見せつける姿には参った。
途中、特撮的な難点はあるものの、物語とキャラクタが良いので気にしているヒマはない。最後の男の傲慢とも思えるセリフが無く、女がコングのために涙を流す展開も泣ける。コング、うかばれたな。[DVD(字幕)] 8点(2017-08-23 18:04:49)《改行有》
3. 銀河鉄道999
《ネタバレ》 この映画は個人的には低得点は付けられない。自分でお金払って観た初めての映画、友人と初日に徹夜した映画。
だからという訳でもないが、多くの人が評価し、好きだというTVシリーズよりも、私はこの映画版の方が好きである。というより、TV版は好きではなかった。
透過光を大胆に使った、美しくセンスあふれる画面。(ホテルの窓からのメガロポリスの景観だけが残念だったが)
TV版のように、いつも悲しそうな顔をしているわけではない、表情豊かなメーテル。
TV版のように、「鉄といえば灰色・窓といえば水色」のようなステレオタイプではない999の色デザイン。
TV版のように、「悲しい場面に悲しい曲」のようなステレオタイプではない、美しい楽曲。
世界観にマッチしている、ちょっと頼もしくなった鉄郎。
主人公をフォローする"スター"、ハーロックとエメラルダスのカッコ良さ。
名画の一シーンを見ているような、別れのシーンの切なさ、やさしさ。(これ自身、すでに名画か。)
どれも、映画版ならでは、の魅力である。
他の多くの物語に見られるように、人々の殆どが、それを渇望しているという訳ではない、「永遠の命」。鉄郎は復讐の目的のために、それを欲しただけ。だから、実は永遠の命に関する描写もドラマも殆ど無い。強いて言えば、クレアとシャドウのエピソードくらい。機械伯爵は根っから悪いヤツの描き方だ。だから、「機械人間たちを見ていると、永遠に生きるだけが幸せじゃない」のセリフが、妙にこそばゆい。この映画の唯一の弱点は、このくらいしか思いつかない。
[映画館(邦画)] 9点(2011-07-19 17:42:01)《改行有》
|