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1. 斬る(1968)
《ネタバレ》 反体制精神を目一杯こめながらも、娯楽映画として、テンポ良くコミカルに創り上げた快作。
「椿三十郎」とストーリーも似ており、尺も短く気楽に見られる軽妙時代劇として同じような娯楽作品であるが、まさに、黒澤監督と岡本監督の作風の違いがハッキリと見て取れる。
黒澤監督は、コミカルで軽妙ながらも静と動を使い分け、どこかに重厚さを感じさせるのに対し、岡本監督のこの作品は、テンポよく流れるようにラストまで持って行くように作られている。映画を芸術として捉えると黒澤監督に軍配が上がるが、身構えずに見る娯楽として捉えると甲乙付けがたい。
岡本監督のエッセンスがふんだんに詰まった作品である。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-09 19:38:28)《改行有》
2. 飢餓海峡
《ネタバレ》 重厚で緻密な描写はいいのだが、妙に間を持たせた冗長で長いシーンも散見され、もっと尺を短くしたほうが、スリリングで緊迫感も増したのにと感じた。 あと、ラストが納得いかない(原作は未読)。 見終わって考えると、北海道に行きたいと懇願したのが、船上から身を投じるための演技と解釈できないわけではないが、元刑事のお経で発作的に身を投げた感じもし、突然打ち切られてしまったような未消化感。 まあ、これから更に北海道紀行をやってたら、さらに尺が長くなるんだろうが、、 高倉健は刑事というよりやっぱりヤクザのほうが合ってるな。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-11 19:11:11)
3. キングコング対ゴジラ
《ネタバレ》 この作品からカラーのシネマスコープで、完全に怪獣がメイン。
人間ドラマは現実味のないコミカル路線で、製作の意図が明らかに興行成功狙い。
怪獣の動きも、さらにリアリティや恐怖感が薄れ、「怪獣」目当ての子供の人気取りの意図が見え見え。ここで、怪獣=娯楽、B級という価値観が定着してしまった。
ただ、南の島の住人(全員日本人役者なのは一目瞭然だが、、)に怪しげな現地語を喋らせて、通訳を連れて行くという設定や、潜水艦の中の会話がすべて英語で字幕スーパーなところに、僅かにリアリティを持たせたいという意地と努力の片鱗が感じられて泣けてくる。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-01 00:54:58)《改行有》
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