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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 銀の匙 Silver Spoon 《ネタバレ》 漫画原作の実写化という事で不安があったものの、吉田恵輔が監督という事で見ました。まぁ原作と映画は大きく違ってしまう事は良くあることでそれは仕方の無い事なんだけど、この映画に関してはちゃんと原作の芯の部分をしっかり残してくれたことはとても良かったんじゃないかと思います。特に豚の屠殺シーンを入れたのはこの物語のテーマのひとつであり、良かったんじゃないかな、と思います。それとキャスティングはなかなか絶妙だと感じました。原作の登場人物っぽい特徴のあるキャストを入れつつ、中村獅童の様な元のキャストとはかけ離れた感じをしっかりと取捨選択したことは大きく評価したいです。残念なのは、所々に変な笑いを入れてくる所かな。例えば主人公の八軒のちょっとした能力に対する他社の一言とか、ヒロインの御影に対する他者の一言に対する反応を繰り返すのはアリだと思うけど、普通のシーンで変なギャグが入っていたり、原作でのギャグと同じ事をやろうとして中途半端になっていたりするのは、はっきり言ってナシなんじゃないかと思うんだよね。それと原作ではマスコットになってる副ぶちょーなんかは、何の絡みも無いのだから、要らなかったんじゃないかと思うんだよね。つまらないことかもしれないけど、こういういう小さい事が原作を読んでいる者としては気になるし、勿体無いと思います。[映画館(邦画)] 6点(2014-03-30 05:43:25) 2. キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 これすごいな、と思うのは、船長の物語の筈なのに、海賊目線でもちゃんと物語が見れるんだよね。原作未見だから分からないのだけど、多分、この映画程海賊に対しての目線や感情はここまでではないと思うんだよね。これはやっぱり、この監督の上手いところなんだと思う。同時に、キャストの演技が本当に凄いんだよ。特に海賊サイドの役者陣は、生々しさがあって、見ている側が不安になるし、同時に彼らの感情も伝わってくるんだよね。良く映画で表現されるスラムの黒人とは違い、アフリカの貧困層の根底にある逞しさみたいな物が表現されている気がしました。[映画館(字幕)] 8点(2014-01-15 02:46:42) 3. キック・アス 面白いなあ。こういうのをもっと配給会社は宣伝すればいいのに、なんて思いました。(町山智弘さんが紹介していなければ、あたしは見て無かったかもしれません。)B級映画かもしれないけど、こういう映画はもっと愛されても良いんじゃないかな?内容はかなりグロイよね。R15指定を受けてしまうのは仕方ないかもしれないけど、もっと宣伝されれば集客を生む映画だと思います。内容もバイオレンスばかりでなく、笑いや涙の要素もキチンと入れてあり、それが良く出来ているから本当に飽きさせないんですね。役者としてはアーロン・ジョンソンが凄いですね。つい最近彼が演じたジョン・レノンを見たばかりだったので、表現の幅の広さにちょっと関心をしてしまいました。ヒットガールのクロエ・モレッツは今後の成長が非常に楽しみな女優になりそうですね。演技が非常に大人っぽく見えるのが秀逸で、それ以外ではやっぱりあのマスクの奥に見えるたれ目だよね(笑)。ギャップ萌えとでも言ったら良いのか、良く分かりませんが、他の映画での演技を早く見たいと思ってしまいました。 [映画館(字幕)] 9点(2011-01-28 12:45:53)(良:3票) 《改行有》 4. キャタピラー 《ネタバレ》 うーんかなり評点が低いですねぇ。悪く無いと思うのだけどね。 戦争を銃後だけで、これだけ端的に捉えた映画って少ないと思いますよ。「火垂るの墓」なんてのもあるけどね。 ただし、皆さんの言っている事も納得出来るんだなぁ。とにかくディテールの荒いんだよね。的外れな批判とか論理のすり替えと受け取られていた方も居る様だけど、決して的外れな訳ではないですよ。でも最近の人が戦争体験が無く、まともな近代史教育も受けていないのに、描き方として非常に情報が少ない上にそれを説明出来るだけの時間や構想が出来ていないというのがこの映画についてのネガティブな評価になるんだろうね。 とか言ってはみたものの、やっぱり役者の演技は良いものの(脇役では特にクマさんが良い)、それ以外がかなりお粗末なのは事実だよね。 何しろツッコミ所が多くて、例えば、あの時代の眼鏡であんなに径のでかいのなんて無いし(そもそも、あんなフレームあり得ない)、それに「軍神 黒川少尉」とか言っておきながら、階級章は金モールに二本線(これは佐官)。こんなのがゴロゴロとでてくるしね。余程制作費が少なかったのかな?その割には特殊メイクは金かけていた気がするのだけどね。うーんそれもちょっと信じられないね。 それと気になったのが、スーパーの使い方。玉音放送のスーパーは現代人に判りやすい様にという配慮なんだろうけど、どうなんだろう?あの言葉の意味って、あの意訳では意味は判ったとしても、あの言葉の重みって伝わるのでしょうかね?また、それまでさんざスーパーの文字を縦書き数行で表示していたのを、あそこだけ突然スクロールにする意味も判らないですね。 全体的にみると、作品としての意義はあると思うけど、良い映画かというとちょっと首を捻っちゃうかな。[映画館(邦画)] 6点(2010-10-20 02:22:37)《改行有》 5. 君に届け 《ネタバレ》 原作の9巻ぐらいまでの重要な部分を纏めたシナリオになっているという感じですが、役者は頑張っていたと思います。風早と吉田を除けばキャスティングも非常に原作の漫画のイメージに合っていたと思うし(三浦春馬よりも真田龍役の青山ハルの方が風早みたいな爽やかさがあったんじゃないかな? それに吉田役の蓮佛美沙子は可愛すぎ(笑)、もっと線の細い、目のキツメな感じの方が役としては良かったと思う・・・結果的には楽しんでたけど(爆))、多部に関しては演技の掴み方がちょっと危なっかしい感じはあったものの、要所で間の取り方とか表現力があって良かったね。ピン役のARATAも怪演していたし、雰囲気が原作とは全く違うのだけど、父親役の勝村政信とか富田靖子も非常に良かったです。 但し、シナリオは詰め込み過ぎって感じですね。約10ヶ月を2時間ちょっとでやるって言うのにはちょっとイベントが多くて、その結果としてひとつのエピソードが非常に希薄になってしまうという問題があります。 「君に届け」というタイトルは、最後の風早の言葉へのフックというだけでなくて、それぞれのエピソードに必ず入っているのだけど、丁寧に描かれていないから、折角の思いが希薄に見えてしまうんです。 個人的には原作で一番好きな爽子・千鶴・あやねの3人の仲が結実する話は3人が自発的に行動に出る事に大きな意味があって、爽子のピンチに風早が2人に声を掛けて・・・という流れは、話の意味が大きく変わってきてしまいます。時間の都合もあるだろうけど、このエピソードの流れに使った時間とカットを考えると、十分に表現できる時間はあったと思うので、何を丁寧に描くかが原作をキチンと汲み取っていないんじゃないかと思う訳です。 クライマックスのクリスマスから大晦日までの流れは時間的に仕方ないかなって気がします。でも折角の爽子の誕生日というフラグが立ててあったにも拘らず、完全に忘れられてる感じは残念でしたね。 それ以外にも、肝試しのシーンで両手を陰にかざしてみたいな演出とか、明らかに光量の多い場面を使ったというのがやっぱり変ですね。だって「リング」を知る世代な訳だし、爽子自身もどうやれば皆が怖がってくれるかを考えていた筈なんだから、あれは不自然過ぎなんです。どうも、脚本を作る事が優先されて、物語の扱いについて、キチンと考えたとはお世辞にも思えなかったようにしか見えないのが非常に残念ですね。[映画館(邦画)] 6点(2010-09-30 12:45:54)(良:1票) 《改行有》
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