みんなのシネマレビュー |
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1. 機動戦士ガンダムF91 ガンダムであってガンダムでないような、そんな人間のフォルムに近いF91の造形が好きで、好きで、プラモデルも購入しました。ストーリー的にはぶつぶつと切り抜き記事を並べた印象で、戦争がまた始まるのか、と悲愴感や虚無感もなく平らな展開です。劇場で観たなら、飽きていたかも。でもでも、F91を主人公が駆り出してから、俄然面白くなり、ラストのラフレシアとの戦闘シーンは体が震えました。テーマそっちのけで、単純にカッコエエやん。スピードが残像が、何でやのんの突っ込みを入れる間もなく、ただひたすらカッコいいだけに昇華させた場面にやられました。近くのカラオケで妻に森口博子さんの主題歌を唄ってもらうと、必ずこのラストの戦闘シーンがモニターに流れるので、大変うれしいです。[DVD(邦画)] 8点(2006-10-23 12:33:40) 2. CASSHERN 《ネタバレ》 泣いてしまいました。映画で描かれる戦争の無意味さややり切れなさに思わず泣いてしまいました。単純なヒーロー物になってなくて、テーマはかなり重いです。映像で見せる点でも、そこかしこに目をみはるものがありました。監督の稚拙さもたくさん書かれていますが、キャシャーンを好きだった(今もきっと好きなんだろうな)感情はきちんと伝わってきました。TVアニメの時でも決して明るくはなかった物語。人間でない主人公の葛藤や悩みは大人の観賞に充分耐えうるアニメだっとた思います。それを実写で見る事が出来るなんて、長生きはするものです。でも、映画が全てを描き切れているかと言えばそうでなく、台詞で流す所も多くあり、ある意味内面描写には弱い点もあります。ただ、オレンジ色に統一された街並、白黒に近いスラム街、夜のブルーなカラーリングなどは、何故かしらゾクッとさせられました。世界観を色によって伝えようとする姿勢は好感が持てます。センスはありますね。傷だらけの人間とキャシャーン。ボディスーツが血まみれになったヒーローには、ただひたすらその戦いの無意味さが漂います。監督が一番したかったことは、言葉は悪いですが、キャシャーン自身を壊すことだったのではないのかな、そこに、善とか悪とか超越した「生きるもの」の存在を見い出したかったのでは?深く考え過ぎかも知れませんが、悪い映画ではなかったです。 最後に流れる唄も確かに沁みました。[DVD(字幕)] 8点(2005-04-19 18:33:38)《改行有》 3. キングコング(1976) なぜ、キングコングなのか。この時代に甦らせる必要が果してあったのだろうか。文明風刺を描くには古い題材という気がしてなりませんでした。また、男女(?)の悲恋ものとしてコングとジェシカ・ラングの絡みをロマンチックに見せようとしたのでしょうか。そこらへんがうまく伝わらず、自分にとってはスペクタクルでもパニックものでもない作品の印象になってしまいました。また、コングが作り物(当り前だけれど)としてすぐ分かってしまうのも、技術の差でしょうが、大画面では残念です。白黒の作品(過去の作品)の方が、妙にリアリティがあり動きはぎこちないながらも、見入った記憶があります。(残念ながらTVですが)リメイクするにはもう少し練ってからの方が良かったと思います。3点(2004-03-27 12:55:41) 4. キューティ・ブロンド 主演女優はキュート!です。本当にこんなフレーズの似合う女優さんです。ことこの映画の主人公にはうってつけという気がします。また、この人でないと魅力的には映らないでしょう。久しぶりに女優で観たくなった映画でした。アメリカ特有のポジティブな精神が堪能できます。7点(2004-03-27 10:04:57) 5. 奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 モノクロの画面からほとばしるほどの「愛」。人が人を変えるという現場を目の当りにする映画。三重苦の人間を「病人」ではなく人間として再生させるために、これでもかというくらいの先生と生徒の心の格闘を描いています。光も音も感じられないヘレンが心動かされ、人間であることに目覚めるラストの水のシーンは 鳥肌が立つ程の感動。「ウォーター」と叫ぶ場面の迫力は言葉では到底言い表せません。「愛」でしか成し得ないこと。「愛」でしか起こせなかった奇跡。理屈じゃない素晴らしい「教え」がここにはあります。9点(2004-03-22 10:05:14)《改行有》 6. キッド(1921) 《ネタバレ》 目で見せる。サイレントの特性は、常に映画の基本精神に成り立っているところです。チャップリンの映画は、そのほとんどが目で見て分る、おじいちゃんやお母さんや子供も、偉いさんもそうでない人も見たらわかる、姿勢を貫いています。この映画もそうです。自分の子供ではない。だけど捨て子といって放っとく訳にはいかない。自分の食事だけでも危ういのに、何とか助けようとする。まずしいながらも、2人で組んでのガラス売り。警察官との丁々発止。コミカルに描きながら、台詞はなくとも、たくましく育てている「愛」がこちらに伝わってきます。そう、貧しいという「苦しみ」を「生きる喜び」に変え、それを感じさせるたくましい精神を子供に教えているのです。「お前を愛してる」なんて言葉は交わしません。ただ、一緒にいたい。離れたくない。一途な気持ちだけが全て。実の親子よりも「愛」を感じること。その精神のなんと幸せなこと。チャップリンの、誰にでも「愛」で通じ合うものがあるというメッセージが強く伝わってきます。昔になりますが、12月24日に亡くなられて、TVの「月曜ロードショー」において、この映画を放映していました。故荻昌弘氏が解説を担当していたのですが、荻氏が泣きながらチャップリンの偉大さを、そしてこの作品の偉大さを伝えていました。自分も亡くなった哀しみと合わせて、この素晴らしい解説に涙が止まりませんでした。今でも「キッド」を見ると、そのことが思い出となって甦ります。10点(2004-03-18 12:58:08)(良:2票) 7. 機動戦士ガンダム 《ネタバレ》 TVの再編集版として、映画館でお金を取って見せるのはどうかと正直思います。画質も粗いでしょうに。また、ダイジェスト版として、そぎ落とされたいいシーンも残念で。だから、冷静に映画として見るとなると、どうしてもこの点数です。確かに、今見ても安直なヒーロー者では無く、「戦争」を題材に、テーマは重く、暗いものです。自分は決してアニメファンではありませんが、この物語は好きです。宇宙を第二の故郷として、人は生まれ変わることができるのか。人類の新しい形は訪れるのか。深遠なテーマを戦争を舞台に描ききった点は、早すぎたとか難しいのではといった声もありました。でもファンが誰よりも先にそれを認識し、深いテーマを掲げてコミュニティを繰り広げていったのも事実。様々なメディアで取り上げられた「ガンダム」という名の現象。映画の枠を越えた作品として、記憶に残る時代と、その1本だと思います。7点(2004-03-08 17:08:27) 8. 銀河鉄道999 《ネタバレ》 数在るアニメ映画の中でも、これはダントツ!少年が大人になる、その成長を描いて、しかも、舞台は宇宙とくれば、ファンタジーのるつぼ。面白くないわけがない。鉄道という響きもよく、しかもSLなんて。夢あふれまくり。ゴダイゴの曲を聴いて、涙するというコメントもありましたが、私も同じです。40才の今もラジオから流れると泣きますね。見事に。鼻水も出るくらいに。機械の体を求めて、旅にでる鉄郎。母の仇を討つことも目的だが、テーマは母からの思い出の旅立ちともとれる。メーテルに母の面影を感じて、恋をしてしまうなんて、異性への目覚めですね。おっと、その前に男としても目覚めるんだ。ハ-ロックやトチローによってね。何とも言えん、男の子からの脱皮。友情や絆、約束や信頼、人間だからこそ感じ取れる血の通いあう熱いものに、こちらの涙腺はゆるみぱっなし。ラストは、列車を追いかける鉄郎の姿で終わりますが、あの曲がかかり鉄郎が再び走りだす と、いけません、もうゾクゾクきます。だから、「さよなら」は作って欲しくなかった。10点(2004-03-03 18:30:39)《改行有》 9. キス★キス★バン★バン 殺し屋と知的障害の男2人の物語。こういう題材は、映画だからこそ。現実には、ないもの。裏を知り過ぎている男と、外の世界を知らない男。この対比、このコントラストがこの映画の全て。知り尽くしている男には、現実などないに等しく、知らない男には全てが新鮮、新しく、不思議だ。でも、本当の「愛」を知ることになる2人。そこには大きな犠牲があるのだが。しみじみとした交流を描く良品。禁煙パッチのシーンには腹をかかえて笑いました。8点(2004-02-18 16:46:57)(良:2票)
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