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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 喜劇 女は度胸 《ネタバレ》 男は度胸、女は愛嬌、などと今どき言ったとしたら、男尊女卑的な批判はまぬかれないだろうが、そんな言葉も死語となって久しい。 だから、女は度胸と言ってみても、その意外感やウイット感ももはや伝わらない。 話は兄弟の弟が惚れた女に、微妙に兄が絡んで誤解が重なり家族もろともゴタゴタする話。最後のお母さんの切り札的告白がスゴい。[DVD(邦画)] 6点(2018-10-08 14:10:29)《改行有》 2. 喜劇 一発勝負 《ネタバレ》 何だったか忘れたが、何かを見た時にも思った、こういう賢妹愚兄モノを幾度も作って、探りさぐり寅さんに行き着いたんだなあ、と今になって思う。 だがしかし、この映画の「因果はめぐる」というか、「歴史は繰り返す」というか、毒のある感じが山田洋次にしては意外。何ともチャラい感じのマチャアキと都会に行ったこの娘は、後年必ず実家に舞い戻るのだろうなあ、と思わせる。 父親の描写と共に、最後に感じさせるそこのところの毒気が、映画館で喜劇とあだうって見せるものとしては、どうなのか?と、若干引っかかる。[DVD(邦画)] 6点(2013-10-02 02:32:52)《改行有》 3. キューポラのある街 《ネタバレ》 北朝鮮に帰る人達は、「みんなで」新しい国を作ろうとしている。サユリちゃんのクズ親父は、組合のいわば「集団の力」で、職と地位を確保できそうである。進学する余裕のない子も、働きながら「みんなで」夜学で学ぶことで、勉強を進めることが出来るという。 全体主義と言うと違うけど、何か胡散臭い共同主義幻想にごまかされている感が強くする。特に働きながら夜学で、という部分は、なんだか電機メーカーのイメージ戦略絡みの匂いまでしてくる。まあ、それは置いといて。 いろんな映画や、時には現実にも聞くことのある、「働きながら学ぶ事もある。生涯勉強だ」というのは、間違っているとは言わないが、これ、ある種の誤魔化し、方便だと思う。学校で学ぶものと、職場で学ぶものは厳然として違う。自分自身、夜学出身だから、それ自体を否定はしないけど、単純に夜学ぶのと昼学ぶのが、同じだと考えているような、幾多の創作物を見ると、どうしても違和感が拭えない。 しかし、こういう環境下で、ちょっと危うい部分はあるものの、ハツラツな真っ直ぐさと、オンナオンナしていない少女の魅力を、見事にサユリちゃんは発揮していて、まぶしいくらい。 失礼ながら、「演じた」というよりは「発揮した」という感じ。この時代の、この年の少女だからこそ持っている、彼女の魅力。体現したと言っても良いかも知れない。 それにしても、子分の生活費をバイトで稼ぐまでになった弟くんは、エライ。この映画の中で一番の成長株かも知れん。[DVD(邦画)] 6点(2012-11-28 00:00:49)《改行有》 4. キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 公開時から、そういう意図で見られていたものかどうか、判らないが、このおかしな感じ、皮肉な感じはどうだ? 鋼の硬さと、絹のしなやかさ、という新繊維素材を作ったメーカーとのタイアップだというこの映画に、これだけコマーシャリズムをおちょくった内容を持ってくる、まぁ普通なら怒られるか、あるいは批判精神を評価されるかなんだろうけど、あまりそういう事を聞かない。コミカル路線に紛らされているのもあるだろうが、当時はマジでああいう商業・経済優先神話みたいな気持ちがあったのだろうか。 そういう思いを持って見ると、この映画は、一作目と並ぶ厳しい社会風刺と見ることができて面白い。 特に、劇中で治安関係各所から、「一切の責任を負うもの」とされた、パシフィック製薬の、コング騒動の賠償金のことなんか考えると、東電の対応を思い出して、笑うに笑えない。 映像的には、コングの造形が非常にマヌケ顔なのが一番の痛恨だ。ゴジラに関しては、尻尾の躍動感が、生き物っぽさを出していて、意外と良い。 ところで、しんにょうがかかる、なんて言い回し、初めて知った。古い映画ってのは勉強になるものだ。[DVD(邦画)] 6点(2012-11-04 03:15:43)(良:1票) 《改行有》 5. 銀座の恋の物語 《ネタバレ》 夢を追う若き貧乏芸術家、認められずに悪事に落ちる仲間、事故で記憶を失った恋人。もはや古典的なキャラクタと状況で、どうなるのか想像もつくんだけれど、それでも面白く見られるのは、彼らキャラクタの魅力にヤラれてしまっているからだろう。悔しいけれど(何故?)裕次郎はそれなりに格好いいし、浅丘ルリ子は、カワイイ。それに、なんといってもこのストーリー、というか最後に記憶を取り戻すシチュエーションは、所謂テッパンの感動物語なのだと思う。 ところで、ジェリー藤尾の悪事が、最初は何だか分からなかった。人に教えてもらってやっと密造酒絡みだと知った。そういえば、なんにも貼ってないボトル、とか、散乱しているラベルなど描かれるが、こういうのは当時の社会状況を知らないと、厳しいかもしれない。 古い邦画を見る時の楽しみの一つは、昔の風景だが、銀座となると、今でも残っている建物も多く、「あれはどの辺だろう」などと考えを巡らせるのも楽しい。信号機の周りの緑・白の枠なんか、久しぶりに見たわ。[DVD(邦画)] 6点(2012-10-07 08:23:33)《改行有》
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