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1. 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
《ネタバレ》 ドアン!?何故!?
そんな当時のアニメでも相当異色の一本。本筋から離れたアムロが1人の戦士と心を通わせるエピソードの一つなのですが、まぁドアンザクが岩でミサイルを撃ち落としたり正拳突きでザクを倒したり、細長かったりでネタ扱いを受ける可哀想な一本です。そんなお話がなんと安彦良和の目に止まりました。何故。
漫画版オリジンでも扱われていないお話らしく、本筋からも影響が出ないし一本の映画を作る上で扱いやすかったのかもしれませんね。
…って、ドアンで客が来ると踏んで企画が通る令和の時代は凄い。
そんな訳であの短いエピソードがなんと長編映画に。細かい設定は変わっているし、子供は倍どころじゃ済まない人数に増えてるし、あの女の子は何故か名前がロランじゃないし、ドアンの人となりも更に深くなっている。もう強くなくてもこの人数の子供から慕われている時点でドアンは凄い。
そしてルッグンでルルルと来るカッコいいザクもこの際だから5機に。しかも「強いぞ!カッコいいぞ!プラモ買え!」と言わんばかりにジムを倒して大活躍するもんだから、「ヤベー!ドアン今回は無理だろ!」とコチラも手に汗握ります。まるでMSVから飛び出し、アニメに殴り込んできた中学生が鼻血を流して喜ぶ様なコイツらは良い感じに、素人ホワイトベース部隊を蹂躙…の後に全滅します。やっぱりドアンもアムロも強いな〜。そして相変わらずセイラさんって変な人ですよね。
にしても今回のモビルスーツと戦争の描写はホント恐ろしくて、ガンダムですら怖いです。あのホロを剥がした時に現れるガンダムはヒーローではなく完全にジオン殺すウエポンですよ。
ドアンザクの回想に映るレッドショルダーも真っ青の地獄の部隊感が凄いです。そらゃやってられませんわ。
ちなみに今回は逃げる相手をガンダムが潰すという非常にエグいシーン付き。兵器の怖さと戦争の恐ろしさをこれでもかと見せつけてきます。牧歌的な裏にあるエゲツさがたまりません。
しかし終盤は何故か子供達は地下へ逃げず、ヤギと共にドアンのバトルを観戦。いや危ないよ!逃げろよ!でもこの応援やリアクションが映画的にはいいんですよね。
必殺ドアン正拳突きはありませんでしたが、代わりにガンダムが大暴れ。後光までさして頼もしいBGMまで流れるガンダムの心強さよ!そこからはまぁ時代劇さながらのチャンバラ合戦。荒れる海の決戦は中々見応えがあります。
そんな訳でオリジンで見たかったのはコレなんだよ!という絵をこれでもかと見せてくれた、とても良い映画でした。面白かったです。あとマ・クベ氏は内心めちゃくちゃホッとしてますね。(あとでキシリア様に殴られそうだけど)[映画館(邦画)] 6点(2022-07-01 07:52:53)《改行有》
2. キングスマン: ファースト・エージェント
《ネタバレ》 0!それは飛ばしすぎた2をリセットするには良い口実だ。2も嫌いじゃないけど、あの駄菓子はなんともクドすぎた。
そんな訳でキングスマン誕生の物語へ。舞台は20世紀初頭!日本人にはいささか馴染みのない第一次世界大戦真っ只中。英国崩壊を狙う魔の手からあの体たらくのM…ではなくオーランド・オックスフォードことレイフ・ファインズが頑張るスパイ映画になっている。
というかこの映画レイフのレイフによるレイフの為の映画だ。
キングスマンらしい特徴的な刺客と、派手なアクション、そして独特のエグみがシリーズの味だったけれど、エグみは前作でやりすぎたせいなのかその点は思いの外控えめ。そして史実に基づくお話にしたために説明は多め、派手なアクションは物語から30分後にやっと拝めるスローな展開。そんな訳であのビシバシキレッキレの映画のはずが異様に上品で親切でちょっと「らしくない」印象。
だけどもアクションシーンも刺客もやはりキングスマン。この堂々たるラスプーチン!まさに怪僧!正直こいつがラスボスで良いくらいの圧倒的存在感。そしてコイツの戦闘スタイルはどっかで見たことある!そうだ!ネオジオの格ゲー・ワールドヒーローズのラスプーチンだ!クルクル回る姿はまさに俺たちがよく知るラスプーチンだ!・・・しかし、この映画の最も盛り上がる所はここ。
その後の展開は結構失速してしまう。息子の死というドラマを描かねばならない為に遠回り…まぁ立ち直りも早いけど。
そんな訳でアクションシーンはどれも一級品でラストバトルも見た事無いアングルのバトルが拝めたりと満足も出来るが、もうちょっとしまりと刺激のある作品にしてほしかったとも思ってしまう作品でした。
この調子で第二次大戦、冷戦と続いて行きそうなので次回も見て行きたいですね。[映画館(字幕)] 6点(2021-12-30 19:30:44)《改行有》
3. 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
《ネタバレ》 逆襲のシャアであーんな事やっちゃったブライト艦長の息子もすっかり立派なテロリスト。
そんな彼の物語がついに映像化。見る前は正直Ξガンダムとペーネロペーの区別もつかない自分が見に行って面白いのか不安でしたが、結果としては非常に楽しめました。
とにかくイカしてた構図とカメラワーク、それとシンクロする音楽のなんて素晴らしい事か、見ていて気持ち良いのなんの。この時点でこのガンダムは今までとはちょっと違う大人な雰囲気を醸し出しています。
といっても僕の気に入ってるシーンは大体リゾートバカンスな描写なのですが。
トロピカルポイントを差し上げるなら100点満点です。(?)
ハイソなホテルを当然のように嗜むジェームズ・ボンドのようなハサウェイには惚れ惚れしますね。それにヒロインのギギも可愛い、見た目も良いけど仕草も最高。それでいてニュータイプであるが故の不安定さもある、クェスほどエキセントリックではないけれど彼女と重なる台詞回しもまた良いです。
また本作の容赦の無さもまた良いところ、生々しいテロリスト襲撃シーンや、F91を彷彿とさせる市街戦も怪獣映画以上に恐ろしくて最高でしたね。見せ方が死体を見せなくても炎や瓦礫なので恐ろしさを見せつけてくるのも上手です。
終盤のガンダム同士の戦闘は夜間ということもありお互い白いゴチャゴチャしたデザインということもあり見分けがつきにくいのがちょっと傷。
ペーネロペーの尻尾を頼りに見ていました。
それにこれまでいろんなモビルスーツ戦を見てきましたが戦闘機のような見せ方は兵器感が出ていてたまりませんね。
しかし思えば本作のスケールは他のガンダムに比べると島一個分の小競り合いと言うくらい非常に小さい、ストーリーとしても登場人物とモビルスーツの役割の紹介程度でコレからどのように転がっていくかは全然わからない。(そもそも続くんですね。)このクオリティの作品がこれから続いていくのは非常に楽しみです。
ちなみに入場特典のフィルムはアムロが馬に乗ったシャアに襲いかかるシーンでした。よりにもよってそこか…。[映画館(邦画)] 7点(2021-06-25 00:16:39)《改行有》
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