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1. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
《ネタバレ》 この異様な映画としての質の高さは何だろう。現在と過去との融合が見事に面白く描かれている上、泣いて笑える実に起伏に富んだ完成度の高い映画だった。又兵衛と廉の恋愛のこそばゆい恋愛もそうだが、春日の大名が「小国は大国に飲み込まれ、しかしその大国さえもが行く行くは消えてなくなってしまうのか。だとすれば今は四苦八苦している私たちは何だろう(私的要約)」と考え、廉を策略婚に出さなかったところに考えさせられた。これはそっくりそのまま今の時代にも言えることである。「オトナ帝国」より続くこの「はっとさせる」クレしん映画の勢いは凄い。ラストのドッキリは確かにドラマチックにしようという恣意的な狙いが見え隠れするものの、又兵衛「なぜお前(しんちゃん)が俺の前に現れたのか今わかった」と廉「おい、青空侍!」にはやむなく泣かされた。また笑いどころもたくさんあって、ひろしたちの唐突な出現と「どけどけー、ぶつかっても保険下りねえぞ!」には爆笑。私的には小林愛の声が前作に続いてつぼでした。8点(2005-01-21 00:49:03)
2. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 社会は常に向上していくという未来志向が疑われ始めた現在を描き出した作品。誰にでもある「昔は良かった」という感情を、オトナ帝国の、すなわち悪の野望としているところはある種の現代風刺とも取れる。そしてその悪行(過去志向)を食い止めるのがこれから未来を担っていく子供(しんちゃん)たちという構図にとても温かいものを感じた。しかし、このオトナ帝国のジンとチャコの主張にはどこか同意せざるを得ないところがある。社会の発展が必ずしも良いものを生み出していくとは限らない。「昔」にはやはりノスタルジーを超えた魅力があるのも確かだ。ひろしの「うちも古いのに買い換えるかあ」というセリフを、いつか身近に聞く日が来るのかもしれない。8点(2005-01-15 21:39:39)
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