みんなのシネマレビュー |
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21. クリスマスに雪はふるの? 今これを書く直前に唐突に思い出したんですけど、昨日テレビでやってた小津安二郎のシンポジウムで吉田喜重監督が「反復とズレ」ということを言っていました。要するに、日常というのは同じ事を反復しながら少しずつズレていく。それを小津は描いているのだ・・・みたいなことだったと思うのですが、この作品はまさにそんな感じ。季節が少しづつ移ろう中の家族を淡々と描いている作品でした。重要な所はわざと描かないで観客に想像させるところとか良かったです。7点(2004-01-07 21:17:01) 22. クロムウェル 映画としては見ごたえがあったけど、カソリック教徒=悪みたいな視点とか、民主主義に対する無邪気な幻想みたいなものがちょっと気になってしまいました。ちなみにクロムウェルってアイルランドではそーとーヒドイ事をしてて、いまだに嫌われているそうです。7点(2003-10-13 15:19:07) 23. 紅の豚 勝手な想像ですけど、これって宮崎監督が「今までいっぱいエンタテインメントやって、観客には目一杯奉仕したかんね。これからは売れようと売れまいと好きなことやらしてもらいますばい(なんだ、この口調?)」という決意を表明した作品って感じがします。個人的には「カリ城」や「ラピュタ」の方が好きなんですけど。後の作品と比べると声優がいいですね(特に加藤登紀子)。7点(2003-09-27 21:26:01) 24. クライ・ベイビー ジョン・ウォーターズ監督お得意の、分かりやす~い構図の楽しい映画でしたね(“スクエア”を「山の手」と訳してたのが妙におかしかった)。僕は世代が全然違うんでよくは分かりませんが、エルビス・プレスリーの映画のテイストを真似ているのかな?それにしてもジョニーの歌は吹き替えだったのかあ。もともとミュージシャン志望だったのに・・・。7点(2003-09-06 18:57:48) 25. グッドモーニング,ベトナム 《ネタバレ》 あり?意外と評価低いんですね。僕もロビン・ウィリアムズのギャグ(早口英語、しかも日本人が分からないような固有名詞出まくり)の「意味」は分からなかったけど、勢いや声色の面白さだけで結構楽しめましたよ。確かにアメリカ人向けだけど、日本映画にだって日本人にしか分からないようなギャグはいっぱいあるわけで。「アメリカ人向け」ということで言えば、この作品の主たるメッセージは、反戦というよりも当時ベトナム戦争に駆り出された多くの若者に対するオマージュなのではないでしょうか。僕はアメリカの対ベトナム政策が正しかったとは全然思わないけれども、当時の兵士の多くのほとんどは「自分達はベトナムの人民を救いにきたのだ」と思っていて(思わせられていて)泥沼の戦闘に突入させられたわけですから。故にこの映画には「ベトナム人民」からの視点はあまりないのですが、それは仕方ないと思います。ひとつの作品の中にそれほど沢山のテーマは盛り込めないし、例えば「二十四の瞳」や「火垂るの墓」だって日本軍に侵略された国の視点が入ってるわけじゃないけど、だから良くないというわけではないと思うんですよ(だから僕の場合、ロビン・ウィリアムズと“ベトコン”の少年との交流とか、最後ベトナム人と野球をする所はちょっと欺瞞的というか、嫌味な感じがしたんですよね。何だか後から“アリバイ作り”をしているようで)。僕が思ったのは、狂った世界で気狂いにならないためには、健全なユーモア精神(多くの人がそれを「過激」といいますが)こそが必要なのではないか、ということ。だからこそ主人公のDJは(戦争という狂気にさらされていた)多くのアメリカ兵に支持されたんじゃないでしょうか。とはいえ最後には当局の圧力に屈してしまうし、主人公も矛盾(アメリカ兵を励ますということはつまり、ベトナム人を殺す手伝いをするということですから)を抱えたまま除隊・帰国してしまうというのは、結局個人の限界を露呈しているし、ある意味この作品の限界でもあるのかな、という感じもします。7点(2003-08-11 19:31:17)(良:2票) 26. クリクリのいた夏 こういうノスタルジックなヨーロッパの田舎の風景に弱いんですよね。淡々としつつも瑞々しい自然の描写が印象的でした。ちなみに僕はエスカルゴはそうでもないけど、カエル釣りがしたくなった。そして食べたくなった。7点(2003-07-25 18:46:59) 27. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 この作品、観る前はただひたすら重ーーいだけっていうのを想像してたんですけど、意外にもほのかにとぼけたユーモアが随所に観られて(とはいえやっぱりあの変な日本人には閉口。別に腹は立たないけど、何だかなあ。そういや「TAXI」にも全然ハングル語に聞こえない言語を話す韓国人が出てたけど・・・フランス中華思想?)楽しかった。それにしてもあのジャック・メイヨール、瞳がキラキラしてて笑顔がやたら無防備で「生まれたての赤ん坊」という表現があったけどまさにピッタリ。いろんな意味で“innocent”なキャラでした(お笑いコンビ“カラテカ”の矢部太郎にもちょっと似てたけど)。ジャン・レノもごついくせにママには弱いという魅力的な役を好演してましたね。結構辛口の評価が多いみたいですけど、これはどちらかというと「考えるより、感じる」映画じゃないですかね。ラストシーンは自殺という後ろ向きなものではなく、深海という美しくも恐ろしい所、誰にも行くことができない所へ向かっていく、ということの象徴なんじゃないかなあ、よくわかんないけど。結構余韻が残りました。僕は完全版の方(167分!)をビデオで観ちゃったんで、正直ちょっとかったるかったところもあったんですが、これ、夏の夜とかに映画館のでっかいスクリーンで観たらかなりトリップできる気がしますね。とにかく映像と音楽が綺麗でした。観る時はなるべく日常性を排した状態で観ることをお勧めします。7点(2003-04-21 20:46:40) 28. 偶然にも最悪な少年 うーん、正直言って良く分かんない。ヒップホップやらシャブの売人やら少年犯罪やら、と「イマドキ」を狙った感じはあるけど・・・んー、でも行き当たりばったりで、「ウザい、キモい、ありえない」といった言葉で他者を拒絶する現代の若者(念の為に書くけど、そうじゃない若い人だっていっぱいいるのは分かってますよ。あくまで大ざっぱな傾向、という意味です。いや、僕も若い頃オトナが「新人類」って言葉で若者をひとくくりにしようとする事に対してスッゲーむかついてたクチなので)の姿は反映されてるんじゃないかなー、と30代のオジサンは思いました。あと、「クソみたいな世の中だから、冗談みたいに生きてやるんだーいアッハッハァ!」って感じの主人公の男の子の姿には、ちょびっと共感できなくもない。[DVD(字幕)] 6点(2005-05-18 19:39:26) 29. グレンとグレンダ 突然ですがカミングアウト。ワタクシ、学生だった二十歳の頃、二度ほど女装した事があります。因みに“密室で楽しんだ”訳ではなく、一回目はとあるイベント事のため、二回目はクリスマスに開かれた仮装パーティのため。下着は普段のだったけど(最初女友達のブラを借りて着けようとしたんだけど、体格が違いすぎて着られなかったのでコンビニで買ったゴムボールを装着)、お化粧とマニキュアはやってもらいました。別にまたやりたいとは思わないけど、あれはあれで興味深い体験だったと思います(ストッキングって意外とあったかい、とかね)。つーかさ、女の人が男のカッコすると「男装の麗人」とかゆわれるのに、逆だとトーサクとかヘンタイとかゆわれてしまうっていうのは間違ってるよ・・・と、書いてる最中から読んでる人がひく気配を感じてきたので、閑話休題。ほとんどの人と同じく、僕もバートンの「エド・ウッド」を観てからエド・ウッド作品に触れたので、贔屓して観てしまっているかもしれないけれど、これ、そんな酷い作品かなあ?これは言うなればとっても生真面目な「啓蒙映画」だと思う。はっきり言ってストーリーはあってないようなもので「女装は悪くない!差別したり“病気”のレッテルを貼ってはいけない!」というメッセージを、ただひたすら繰り返してる、だけ、なのだが、その語り口が愚直なまでに真摯で、ちょっと引き込まれてしまう。そもそもハリウッドの功績の一つに「他者を発見し、理解する(つまり、世の中自分と違う人たちもいっぱいあるけど、仲良くしようよ、と訴えかけるってこと)」というのがあった(余談だけどハリウッドに左翼が多かったのは、共産主義がどうこうというより、「他人の痛みを理解しよう」という感覚が当時の映画人にあったからだと思う)。そういう意味ではこの作品はとっても「正統派」だ。確かに後半の心象風景(?)のシーンは訳分かんないけど、キューブリックとかだってそうじゃん。もしエド・ウッドにもうちょっとの才能とお金と理解者がいれば、ラス・メイヤーやジョン・ウォーターズや鈴木清順(!)のような「鬼才」になり得たかもしれない、と思うけどなあ。あ、それにきっと「ロッキー・ホラー・ショウ」には少なくない影響を与えていると思う、この作品。[DVD(字幕)] 6点(2005-04-26 18:10:43)(笑:1票) 30. グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー エルビス・プレスリーの腰をくねくねさせる歌い方が「いやらしい」「不謹慎」と、「良識」あるオトナたちから非難された50年代、自分らしくあるためRock'n Rollし続けた「ロックンロールのやんちゃ坊主」ジェリー・リー・ルイスの伝記映画。正直映画の出来はそれほどいいとは思えないけど、ロックファンなら見ておいて損はないはず。若かりし頃のウィノナ・ライダーにも逢えるしね。6点(2005-01-16 20:20:24) 31. クジラの島の少女 古い伝統と、時代の新しい流れと、どう折り合いをつけていくのか、という問題はマオリ人だけでなく、ほとんどの国の人が向き合っている問題だと思う(ちなみに僕は、同じ「女性がダメ」な日本の伝統として「女性は相撲の土俵に上がれない」というのを連想した。蛇足だけど、そんなに相撲が神聖で古い伝統が大事なら、古事記にも載っているように蹴りとか突きとかもアリにすればいいじゃん、そもそも神聖なものをテレビ中継したり、観るのにお金を取ったりってどうなのよ、とか余計なこともいろいろ考えてしまった)。その辺りがラストで解決するのかなーと思って観ていたら、何だかファンタジックに「逃げてる」感じがしてちょっと拍子抜け。そんなんで良いのかいな。主演のケイシャ・キャッスル・ヒューズは頑張ってて、ホント良かったけどなー。6点(2004-10-27 18:43:23) 32. グリーンフィンガーズ すごくいい話だし、感触もいいんですけど、ちょっと物足りないんですよね。主人公がガーデニングに出会う前に感じていたであろう絶望感がもう少し描かれていれば・・・と思います。でもあのお爺ちゃん(ファーガス)はいい味出してたし、スキンヘッドの囚人も良かったな。6点(2003-10-29 21:44:47) 33. クレーヴの奥方(1999) この作品、「90年代の映画の最高傑作!」っていう人もいるみたいですけど、イマイチ良さがわかりませんでした。ヒロイン役のキアラ・マストロヤンニはエレガントだったし、面白い手法(コンサートシーンで、音楽は聞こえるけど写っているのは楽屋だけ、とか。「家路」でも似たような手法のシーンがあった)もあったんですけどね。厳格な母親の影響で貞節にこだわってしまうヒロインってのにどーしてもリアリティが感じられなかったんですよ。僕の映画の見方がまだまだ甘いせいかもしれないんですけど・・・。うむ、人間、一生修行だな。6点(2003-10-13 15:13:27) 34. クラークス ケヴィン・スミス監督の「ジェイ&サイレント・ボブ」シリーズ(「モール・ラッツ」、「チェイシング・エイミー」、「ドグマ」、そして完結編「ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲」)の一作目ですね。コンビニやビデオ屋でバイトしている若者は共感するところが多いかもしれない。かくいう僕も昔コンビニで結構長い間バイトしていたので、なかなか面白かったです。それにしても、やや粗めのモノクロ画面にあんまり動かないカメラ、何だか「ストレンジャー・ザン・パラダイス」みたいだなーと思っていたら、ちゃっかりエンドロールのスペシャルサンクスのところにハル・ハートリー、スパイク・リーに並んでジム・ジャームッシュの名前も挙がっていました。ただ、僕は「ストレンジャー~」の良さがいまいちわからなかった人なので、この作品が良質なオマージュとなっているのか、それとも俗悪な猿マネなのかは判断しかねます。6点(2003-08-29 17:52:07) 35. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち うーむ、基本的に「感動作」と銘打たれた作品に対しては素直に感動するほうなんですけど、これは何だか違和感を感じてしまいました。ちょっと「頭でっかち」な話に思えちゃったんですよね。どっちかっていうと「小説家を見つけたら」の方が良かったです。ごめんなさい。5点(2003-10-11 21:32:30) 36. 九龍の眼/クーロンズ・アイ 実はこれ、僕が初めて劇場で観た(つまり、声が石丸博也でない)ジャッキー作品。ということで結構期待して観に行ったのですが、「あれえ?」とちょっとがっかりしたのを覚えています。最近BSで放映されていたのを久々に見直したのですが、やはり突っ込みどころは満載。ちょっとダラダラし過ぎでしたね。4点(2004-01-04 22:43:47) 37. グッドマン・イン・アフリカ こ、こりはヒドい・・・。何がヒドいって、いかにも主演のフリしてるショーン・コネリーの出番がすげー少ない(まあ重要っちゃあ重要な役どころだけど)し、話も後半破綻しちゃってるし・・・どーゆーこと?3点(2003-10-30 21:00:29)
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