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プロフィール |
コメント数 |
2610 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
https://tkl21.com |
年齢 |
43歳 |
メールアドレス |
tkl1121@gj8.so-net.ne.jp |
自己紹介 |
「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。 映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。 |
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21. グランド・マスター
《ネタバレ》 久しぶりにウォン・カーウァイの映画を観て、自分がこの人の映画に惚れていたことを思い出す。
6年前に前作「マイ・ブルーベリー・ナイツ」を観たときも、同じような思いをしたような気がする。
近年決して多作ではない映画監督なので、映画を観始めてしばらくして、描き出される映画世界の特異な空気感に「おや?」となり、「ああそうか、これがウォン・カーウァイだ」と記憶が呼び起こされる。
誰もが楽しめ、受け入れられる類いの作風ではないことは明らか。
時に酷く散文的で、ビジュアル的な美しさが強調される世界観を嫌う人は多いと思う。
この映画にしても、ストーリー的にはあまりにまとまりがなく、「結局何の話なんだ?」と主題がぼやけて見えることは否めない。
詰まるところ、激動の時代における、伝説の武術家イップ・マン(葉問)をはじめとするカンフーマスターたちのそれぞれの人生模様を描いた作品なわけだが、「伝記映画」と謳っている故か、超人的なカンフーマスターたちがドラマティックに絡んでいくように見えて、実は直接的な絡みは殆どない。
アンフェアな予告編に騙されて、“カンフー映画”としてのエンターテイメント性を期待してしまうと、きっと肩透かしを食らう。
ただし、十数年前に「恋する惑星」を観て以来、この映画監督の作品に惚れてしまっている者としては、映画全体からほとばしるその「美意識」だけで、諸々の否定的要素は霧散してしまう。
ハット姿のトニー・レオンが土砂降りを切り裂くように敵を蹴散らす。薄い化粧(けわい)が秀麗なチャン・ツィイーが降雪の中で強く美しく舞う。
ビジュアル的な「美意識」だけが先行してしまっている映画という評は間違ってはいまい。しかし、その「美意識」だけで充分だとも言える。
ウォン・カーウァイがカンフー映画を撮るというのはこういうことなのだ。と、理解してもらうしかない。
兎にも角にも、映画自体の完成度はともかく、大好きな監督の最新作を久しぶりに観られたことの満足度は高い。
ああ、「恋する惑星」が無性に観たくなった。[映画館(字幕)] 7点(2013-06-16 00:57:03)(良:2票) 《改行有》
22. くまのプーさん(2011)
“くまのプーさん”は勿論日本でも大人気のキャラクターだが、このキャラクターの実態は、クリストファー・ロビンという少年のぬいぐるみコレクションの一つという基本設定は意外と認知度が低いのではないかと思う。
そして、このキャラクターの本質に、この映画を観て初めて直接的に触れて、想定外のアバンギャルドぶりに呆然としてしまう人も多いのではないかと思う。僕は実際そんな感じだった。
とにかく、“プー”を始めとして登場するキャラクターたちの揃いも揃った「お馬鹿」ぶりに対して、結構すぐに置いてけぼりをくらう。
物語の根幹はぬいぐるみたちの持ち主である少年の空想世界であり絵本の中のメルヘンなのだが、ずっと観ていると、それはもうメルヘンというよりもシュールという言葉が相応しいんじゃないかと思えてくる。
幼稚だとか、子供だましという価値観を超えて、ある種異様な世界観が脳内に浸食してくる感じすら覚える。
そういう思いを巡らせていると、最初から最後までひたすらにハチミツを欲し続けるプーの様が、明らかに“ジャンキー”のそれに重なって見え、これは本当は子供が観たら駄目な映画なんじゃないかと錯覚してくる。
それはまさに、ディズニーのクラシック映画である「ダンボ」や「ふしぎの国のアリス」にも共通するメルヘンのオブラートに覆われた禍々しさだ。
それらの作品に比べて、この映画はあまりにストーリーが無いので、より純粋にメルヘンも禍々しさも際立っているように思う。
正直、映画として面白いのか面白くないのかすら判断をつけづらい。
色々な意味で「こまった映画」。敢えて一言で表すならこういうことだと思う。
禁断症状直前のようなプーさんがハチミツのプールにダイブする様を見て、あんなにハチミツでベッタベタになったぬいぐるみをその後どうすればいいんだ……と一寸思考が停止してしまった時点で、ああ僕はこの作品を観るには歳をとり過ぎてしまったんだなと思い、少し寂しくなった。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-03-03 01:04:12)《改行有》
23. グリーン・ホーネット
「惜しい」最終的にはその一言に尽きる。
ヒーローとしての資質がまるでないボンボン社長が主人公、運転手のくせに社長と殴り合いを始める東洋人の相棒、派遣社員のくせに雇い主を蔑んで足蹴にする参謀的美人秘書(年増)、時代遅れを気にする威厳のない悪党のボス。
すべてのキャラクターが、本来与えられるべきそれぞれの役割の「定石」から逸脱していて、そこから生まれる軽妙な掛け合いは、とても新鮮でユニークだった。
そのキャラクター設定が、ミシェル・ゴンドリーが奏でるポップでコミック調な映画世界にマッチしていて、オリジナリティーに溢れるエンターテイメントを感じられることが、この映画の最大の面白味だと思う。
もの凄く大好きな映画になりそうな要素は大いにあったのにそうならなかった要因は、ひとえにストーリーの雑さが目立ちすぎたことだと思う。
アメコミ調のヒーロー映画なのだから、多少の強引な展開は問題ないし、むしろ歓迎する。
でも、物事が転じていく要となるポイントがダイジェスト的に表現されたり、グダグダと無駄なシーンに時間を割いたり、ストーリーそのものに魅力が無さすぎた。
キャラクターのユニークさや、この映画において主人公よりも何よりもカッコいい愛車“ブラックビューティー”のビジュアルなどには大いにワクワクする反面、展開されるストーリーにはあまりにワクワク感がなかったと言える。
元々がテレビシリーズだっただけに、この作品の娯楽性は、ある程度の長いスパンの中でジワジワと愛着を持たれるものかもしれない。
P.S.序盤に悪党のボスに制裁されあっさり殺される薬の売人がいた。キャスト名はエドワード・ファーロング。マジで?[ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-07-03 10:01:52)(良:1票) 《改行有》
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