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1. 雲の中で散歩
《ネタバレ》 恋愛映画って触れ込みだったけど、どっちかっていうと家族愛がテーマのお話だったな。両親も知らず、出征中に心の離れた妻しかいない青年が、ひょんな巡り合いから家族を見つけるんだな。キアヌ=ポールも、一晩だけの約束を二日・三日と居付いてしまうのは、ヴィクトリアへの愛情よりも家族というものへの憧憬の方が強いし、キアヌが、天蓋孤独の青年の不器用な憧れと、それは所詮茶番劇でしかないという虚しさを誠実に表現してた。ポールとヴィクトリアの愛情の変化も、押し付けがましくなく、葡萄が熟成していくように、なるべくしてなったなぁって感じがいい。頑固親父のジャンカルロ・ジャンニーニが、エキサイティング。こ~~んなに渋くなっていたなんて。それにしても、亀の甲より年の功? アンソニー・クインの爺さまのお惚け振りは、もしかして、ぜ~~んぶ御見通しだったのかな? おおらかなお母さんが、新婚の娘夫婦の為にベッドを用意して、夫婦の枕の真ん中に一本置いた真紅の薔薇が、心憎い。ランプ1個で葡萄園が全焼っていうのは無理矢理っぽいけど、見終わった後に、「ああ、よかった」って思える作品だった。キアヌの素朴な誠実さも堪能できる作品だけど、やっぱり、働き者で頑固一徹、愛情深いお父さんに、私は弱いらしい。息子ペドロとの近代化対決を、もう少し見たかったかな。9点(2003-08-02 00:43:19)(良:1票)
2. クール・ワールド(1992)
着想そのものは、悪くないんだな。でも、アニメ世界であるクール・ワールドの描き方が、無意味に騒がし過ぎ。現実を逃避した、オモチャ箱をひっくり返したような子供の世界を描こうとしたのだろうとは思うけど、そもそも子供向けアニメではないのだから、初めから開き直って、ストーリー重視で構成していれば、着眼点は悪くはないし、役者は豪華だし、もう少しはマシな評価になったと思うなぁ。ブラッド・ピットは、やっぱり華のある役者だなぁ。「スリーパーズ」の時も思ったけど、こういう髪型でフォーマルを着せたい。6点(2003-07-16 01:56:53)
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