みんなのシネマレビュー |
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1. クロニクル 《ネタバレ》 唐突ではあるが、私が思うに「大事の前の小事」ということわざは、たまに「大事の前の小事は、重要ではない」と誤認・誤用されている事があるように思う。 正しくは「大事の前の小事を疎かにしていると、うまくいかないよ?」という意味である。 そう。この映画もまさしく「大事の前の小事」ということわざが、ピッタリ当て嵌まる。 超能力という分不相応かつとてつもない大事に対して、貧困、家庭内不和、ヲタ属性、童貞という小事をクリアにしていかない主人公が、人生の歯車を狂わせるのだから。 小さな事からコツコツとやれない(してない)人間は、どこか欠落している。超能力という現実感のない題材ではあるが、実は決して他人事、絵空事ではない、スコブル現実味あふれる映画なのである。イヤハヤ、恐れ入った。 「貧困も家庭内不和もヲタ属性も、ましてやどどどどど童貞も!ぜんぜん小事とちゃうわー!」と仰りたい諸兄らの気持ちは痛いほどわかるのだが、こればかりは遺憾ともし難く。[DVD(字幕)] 8点(2015-03-18 06:09:59)《改行有》 2. クエスチョン 《ネタバレ》 アイデアや素材は決して悪くないのに、練りの甘い脚本やらテンポの悪い演出やらが足を引っ張り、どうでもいい凡百なB級ムービーに成り下がってしまった感じ。 「SNSって、実は怖ェー!」と思わせたい映画なのだろうが、全体的にチープな悪趣味さ、幼稚さが難点。後味のよくなさも、あまり活きてこない。 …まぁ私も、某オクサイトで変なモン買う時なんかには気をつけねば遺憾ようだな!と、ちょっと考えさせられた分、点数は甘めです。[DVD(字幕)] 4点(2013-07-01 04:04:07)《改行有》 3. Green Days ~大切な日の夢~ 《ネタバレ》 演出や音楽などに「野暮ったさ」を感じつつも、全体的に素朴で瑞々しく、嫌味がない。シンプルながらも好感の持てるキャラ群や、手抜きを感じさせない美術も、非常に好感が持てる。 情熱を失いかけているイランと、宇宙に思いを馳せるチョルスの、急にではなく徐々に縮まっていく距離感も、こそばゆくていい。 使い古された「在りし日の思い出」を扱った平凡なアニメだとも取れますが、それでも及第以上の出来だったとしみじみ思わせる長尺アニメでした。製作期間に11年もかかっていますが、このレベルの作品がコンスタンスに量産できるようになってくる…となると、韓国アニメもナカナカ侮り難いと思います。 蛇足ですが、私的には…都会・ソウルからの転校生スミンの「大人びたクールな外面に隠された、年相応な背伸びとみっともなさ」が非常に可愛く、恋に破れて鼻水を垂らして号泣するシーンに、ごっつ萌えた。 鼻水萌え。萌え先進国・日本に住まうヲタクの私が、韓国アニメの新たに打ち出した「萌え定義」に平伏す瞬間であった。グッジョブ![DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 04:21:12)《改行有》 4. 黒部の太陽 日本の全土木従事者に敬意し、感謝したくなる、最高のエンタテイメントでした。観た後に「黙って私に、樽酒とヘルメット持ってこい」と、超興奮。や、トンネル掘ってないのに私。[映画館(邦画)] 10点(2012-09-27 08:07:08) 5. くもとちゅうりっぷ ほっこりする世界観や美術、繊細な動画に驚きを隠せない。当時の子供は目の色を変えて観ていたに違いないと、確信できる作品。クモ=米国というプロバガンダ臭のする暗喩など、この愛くるしいメルフェンさを前にすれば、どうでもいい瑣末さだ。[インターネット(字幕)] 8点(2012-08-27 04:41:35) 6. クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 「あのHAKAISHAとやらは、きっとイカだ」と確信して観ていたが、どうやらただのイカではない様子。今風に言えば「侵略!大王イカもどき!」で、いいのだろうか。(よくねぇよ)[DVD(字幕)] 7点(2011-10-26 02:56:56) 7. グレン・グールド エクスタシス 映画としての満足度は低いが、グレン・グールドというピアニストを知る上では及第? 私の中で何かと誤解・誤認されていた彼のパーソナリティを、幾分か払拭できたのは嬉しいのだが、もう少し彼の演奏を楽しませる構成にして欲しかったなぁ。[DVD(字幕)] 6点(2010-05-24 03:55:18)《改行有》 8. 黒水仙(1947) 観た後に感じたのは、宗教が如何に面倒なシステムであるか、女の嫉妬は怖い、という二点。 中々に面白かったのだが、半ズボンのディーンがポニーから降りるシーンが笑えてしょうがなかった。[DVD(字幕)] 6点(2010-04-07 00:08:41)《改行有》 9. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 《ネタバレ》 子供を楽しませると同時に、付き添って観ている大人をも退屈させない、という荒技を「ジブリ作品」や「劇場版ドラえもん」とは全く別の巧妙極まりない手口で完成させている。子供騙しスキルだけはドンと来い!の「○映動画」あたりにゃチョッと真似できないでしょうね。 「クレしん」独特のクドイ笑いやドタバタ劇で子供のテンションを引っ張り、同時にやんわり社会批判を匂わせる脚本で大人を引き付ける。その折り合わせ方がかなり高度でビックリした。とうちゃんの台詞(名台詞、多し)で私もウカツにも泣かされそうになりましたよ。 作画や動画は一見簡素に見えるものの、ヨクヨク観れば凄い仕事っぷり。コアなアニメ眼を持ったマニアにまで配慮したのか?と思わせるくらいに美術系も気合が入っていた。 ラストの屋上(?)シーンの鳩や「ズルいぞ!」と叫ぶ演出も、文句のつけようが無い。 まさか「クレヨンしんちゃん」で感動するハメになるとは思っていなかったので、予想外の嬉しい誤算でした。見応え充分。しかし、感動はしたが、子供がいない独身の私は泣くほどでも無かった。そこが残念。否、残念なのは、三十過ぎで独身の私の身の上だな。涙。[DVD(邦画)] 8点(2008-09-08 21:47:21)《改行有》 10. グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 ハリウッドからのパクり系で韓式の手垢つきまくりパニック&家族愛(←日本の配給会社の、もはや笑えないセンスが特盛のコピー)映画…じゃないのか?じゃないよ!?吃驚する程の完成度の高さ。見所は、客に出す筈のイカ焼きの足を一本くすねちゃうような主人公と、その家族の駄目っぷり。ここまで駄目でも成り立ってしまった脚本は、もう誉めるしかない。冒頭の惜し気の無いパニックシーンや、社会風刺・体制批判をも盛り込みつつも衰えないエンタテイメント性の高さにも、かなり驚かされた。そして何よりも凄いなと感じたのはラストの食事シーンからエンドロールにかけての流れ。スリムでシンプルで完璧。全然好みの作品ではないが、「トレマーズ」を初めて観た衝撃をアジアンテイストに仕立てて出世させたような感じ。御馳走様。[DVD(字幕)] 9点(2007-02-04 00:21:31)(良:2票) 11. クロスファイア(2000) 孤独で影のある主人公にしちゃ、どうも華があり過ぎるキャスティングに勿体無さを感じる。センスもちょっと無く全体のバランスが悪いと感じつつも、退屈せずにソコソコ観ることができるのは、意外と悪くない作品なのかも?[ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-02 23:19:45)(良:1票) 12. 雲のむこう、約束の場所 あの最果てにそびえる塔のわかりにくさが、勿体無い。並行世界という観念は、SFに疎い人(私含む)にゃわかり難いしね。しかし、胸の奥がチリチリと焦げ臭くなるような不快ではない青臭さや、埋めようの無い孤独に苦悶する主人公たちは、魅力的。既存のアニメの描写では、かつて無いといっていい個性だと思う。背景などの美術設定も、切ないカンジがとてもスキ。前作の悪趣味さもかなり濾過され、なおかつ際立つセンスがクッキリと輪郭を成している。今後の作品にも期待。[DVD(字幕)] 8点(2006-01-04 10:06:06) 13. グッバイ、レーニン! 微笑ましくも激動する情勢に、ササヤカに悪戦苦闘するホームドラマの傑作。西側の資本主義と東側の社会主義、両方の価値観が交錯する最中でも普遍的である親子愛が、何とも素晴らしい。[DVD(字幕)] 9点(2005-10-27 00:33:08) 14. クライング・ゲーム 《ネタバレ》 ヒロイン(?)があそこまでセクシーならば、いくら○○がついていようが、私は愛せます。「ま、いいか」とか言いながら愛せます。笑。だから主人公がヒロインの○○を見たときにバスルームで嘔吐するほど嫌悪するってのは、なんかアイリッシュの戦士も肝が小せぇなあ、と思いながら観てました。ですが、結果オーライなラストシーンは、結構キュートでしたね。ある意味、これ、ラブコメ映画です。秀作な。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-10 06:23:14) 15. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち こういう映画を見た後は、如何に自分が今の人生と向き合えていないか、という点にいつも悩まされる。私は天才でも何でも無いんだけど。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-10 04:44:05)(良:2票) 《改行有》 16. クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち 《ネタバレ》 ○ンフェタミンで凶暴になった刑事二人がドラッグパワーで物語を締めくくるっていう展開は、大昔「田舎刑事」という漫画で似た様なモノを経験済み。新鮮さに欠ける。って、そんなマニアなネタで新鮮さを欠いてるのは私だけでしょうよ。笑。ワザワザ語りはしないが、突込み所満載なのは頂けない。何より元ナチのドイツの大臣(クリストファー・リー)が自殺するってトコが、最大にわからん。雰囲気やギミックのコダワリが個人的にスキだったので、色々な意味で惜しい。J・レノもスキだし。って事で、この点数、ミーハーが贔屓した点数だと思ってください。[映画館(字幕)] 5点(2005-02-26 00:22:52) 17. グリーンマイル 残酷なファンタジー。当ても果ても無い看守の贖罪の人生に、身震いを覚える。奇跡の代償にしては重過ぎる。でも、神様ってケチだからなぁ。9点(2004-06-09 22:36:09)(良:2票) 18. クリスマスに雪はふるの? 《ネタバレ》 クリスマスに雪が降るだけで、ここまで美しいラストシーンを飾れた作品は他にそう無い。アホみたいに劣悪な日常だろうが、ウンザリしそうな環境だろうが、クリスマスに降った雪の白さが、無垢で希望に満ちた「明日」を予感させる。「SNOW」には「誤魔化す」というスラングもあるらしい。だけどいいじゃないか。作中の家族に幸あらん事を雪に祈ってみましょう。[ビデオ(字幕)] 8点(2004-04-16 00:35:18) 19. 孔雀王/アシュラ伝説 日本の特撮(戦隊モノ)スタッフのクレジットが目立つ。内容もそんな感じのアレでした。東映まんが祭りムード?な、孔雀王。グロリア・イプの主題歌は個人的にツボだが、本作品の評価には初夏の蜃気楼ほどの影響(オオゲサ)も無く、バブルの「なんだかなぁ」な時代背景も、見え隠れ。大人気無いのは百も承知。だが、恥を忍んで言おう。ユン・ピョウファンの恋人(当時高校生)と一緒に観にいって、冷え冷えとさせた罪は、重く、深い。し、私怨です。2点(2004-04-14 01:49:37) 20. 黒い家(1999) ぎりぎり悪趣味のほうに傾いてしまった失敗作。山崎まさよしがコッソリ出演。意味無いですけど。4点(2004-01-26 00:17:36)
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