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1. グッドフェローズ
少しでも犯罪者心理を知る者なら、殺伐とした世界に生きる犯罪者が本当に求めるのは“ロマン”や“男気”ではなく“ユーモア”だと言うことが解るはずだ。そういう意味ではロマンチシズムに傾きすぎた『ゴッドファーザー』よりも、この『グッドフェローズ』のユーモアに満ちた淡々とした描写の方がリアルなギャングの姿だと言えるだろう。そもそもギャングとは「自分以外を信用しない」連中であり、そんな連中がやれ「兄弟愛」だの「仁義」だのと言うのは、単に自分が身を置く世界の緊張感に耐えられないから生み出す“虚構”に過ぎない。彼等はそんな自分たちの不幸を直視しようとはしないし、“幻想”だと解らずに“ギャングの美学”に陶酔してしまう愚か者さえいる。だが結局彼等の大半が行き着くのはこの映画でも描かれるように、かつて自分が軽蔑していた“普通の生活”よりも悲惨な場所なのだ。レイ・リオッタ演じる主人公が麻薬に溺れてにっちもさっちも行かなくなる姿はユーモラスで素晴らしくリアルな犯罪者の実像だ。[映画館(字幕)] 9点(2005-03-11 16:05:11)(良:1票)
2. グラディエーター
最初映画館で観た時は結構楽しめた。その印象があって最近DVDを買ったんだけど、アレ?なんかいまいちだな~。映像や美術は水準以上だし、多少ショボイCGも昔のハリウッド製ローマ物に比べれば感動モノ。で、なにが悪いかと言うとホアキン演じる皇帝を悪者として描くのはいいんだけど、帝政自体をかたくなに否定して、元老院に象徴される共和政を盲目的に肯定するストーリーになんか政治のニオイを感じてしまう。もっと現代の価値観から離れて、素直に古代世界を描く映画はないものだろうか。[映画館(字幕)] 5点(2003-10-10 15:16:51)
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