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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  靴をなくした天使 《ネタバレ》 人間ってのはいいもんだ、と人は思いたがっているのだけど、シラけずにそう思わせるにはある種の技術がいる。その技術を洗練させるのに最も成功したのは、実はアメリカ映画なのではないか。チャップリンやキャプラや、面白いことに外国から渡ってきた作家によって生まれた作品群に洗練の極みが見られるが、本作もイギリス生まれの監督によってその伝統が受け継がれている。まずどうしようもなく卑小な人間が造形される。バーニーというコソ泥。自分の裁判の最中でもつい手が動いてしまう男。別に世間に反抗してやろうなんて積極的な意志を持ってるわけではなく、食えりゃいい、というところ。息子には「目立たないように生きるんだ」と教訓を垂れている。次に出てくるのがゲイルというテレビの女性レポーター。彼女はニュースなんて自由に演出できると思っているやり手で、世間を自分の手のなかで動かせるのが楽しくてたまらない。この正反対の二人が、飛行機事故で一瞬の接触を得てドラマが動き出す。バーニーがついゲイルの救出者になってしまうのだ(ちゃんと財布を抜き取っていくところが頼もしい)。ここからマスコミの狂騒ぶりがイキイキと描かれていく。消えたなぞの救出者の捜索を一大イベントに仕立て上げていく。ここに三番目の登場人物ジョンが関わる。タイプとしてはバーニー側の人間だが、彼ほど枯れていない。チャンスがあるなら、世間の中でほどほどの成功はしたいと思っている男。そこで救出者としてマスコミに名乗り出る。そのあと彼が祭り上げられ、理想化・聖化されていく過程がコメディとして見応え十分のところで、とうとう本人たちによる再現ドラマまで企画される。ジャーナリズムが今ではイベント屋になってしまったとこへの徹底した笑い。しかしこう人間の集団に対する幻滅や不信をたっぷり描きながら、映画は個人の中に存在しているであろう人間性に対する期待を静かに引き出してくる。つまりここがアメリカなのだ。他人たちがぎっしり詰まった社会の中で、最後は個人を信頼していくしかない、という健全な個人主義がここにある。ヒーローになってしまったジョンの感じる疚しさ、つい善行をしてしまった自分に戸惑うバーニー、百パーセントの善人も百パーセントの悪人もいない、そういう個人たちで出来ている社会だと認識すること、これらのアメリカ映画に感じる気持ちのよさは、そういった認識の潔さなのだと思う。[映画館(字幕)] 8点(2011-08-28 09:39:23)

2.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 この監督、どうしようもない奴を描くのが好きで、そのどうしようもなさがクッキリ出てくる腕前は大したものだと思うんだけど、でもこんなにまでして「どうしようもなさ」を描きたがるその根本のエネルギーがどこから来るのかがわからん。こういう奴がいるんだということを言うために、2時間半の映画を作ってしまうその動力源が。仲間うちの感じなんかがすごくうまいの。「俺のどこがファニーなんだ?」と急に絡んでくるところなんか、こういう連中の空気が本当に良く出ている。カタギの人間の気持ちが不思議でたまらない。“マフィアになろうと考えない”人間がいるってのが理解できない。そういう狭い仲間内だけで閉じているいやらしさ。レイ・リオッタ、いいすね。こういう世界の中だけで成長した幼さみたいのがある。眼が現実を見てない。逮捕の日のシーン。怪しいヘリコプターが頭上をしつこくついてくる。まるで幻覚のような不気味さ。けっきょく真っ当な生活とまるで触れ合えずに保護監察下で毎日を潰していくラストの苦さ。つまらない男のつまらない人生を描く監督の手つきだけが、つまらなくない。[映画館(字幕)] 7点(2014-02-26 09:42:26)(良:1票)

3.  牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(188分版) 《ネタバレ》 なんか初期の大島渚や柳町光男を思い出させる手触り。テーマとか演出がじゃなくて、映画に張りつめている不機嫌さみたいなものが。とりあえず室内電灯と懐中電灯の映画と定義してみましょうか。侯孝賢も室内電灯の作家だと思うんだけど、この作品ではそれが懐中電灯と対比されている。室内電灯とは何か。それは家庭であり、取調室であり、職員室であり、不良グループの溜まり場である。そして少年が職員室の電球をバットで叩き割ってから悲劇が走り出す。こっちの公的な光に対して、懐中電灯は個人的、押入れの中の狭い狭い部屋、夜の校内を移動してまわる光、溜まり場を出たあとの移動。撮影所に懐中電灯を置き去りにしたとこで少年の悲劇は決定的になる。懐中電灯をノミにして闇を削ろうとしていた彼らの、どうしようもない閉塞感、何も変えることが出来ない時代への敗北感の映画とは言えないだろうか。正直言って前半の不良グループの関係が分かりづらかったんで、ストーリー把握の面ではやや消化不良だった。劇中に聞こえてくる音楽の使い方がいい。ブラスバンドの練習がパッと止んで少年少女の会話が浮き上がるところ、ポップスの奇妙にヌメッとした手触り、賛美歌の中で泣き続ける妹。殺しの後の緊張感と言ったらないね。少しずつ人が気づいていくその上品なこと。喧嘩が始まりそうになると、パッと椅子を放り投げて、何すんのかと思ってると、それ壊して武器の木片を作ってたの。[映画館(字幕)] 7点(2012-05-27 09:58:14)

4.  紅の豚 《ネタバレ》 主人公の変身が、ストーリーの芯にはなってないですよね。人間界に愛想を尽かしたことは分かるけど、なぜ豚なのか。かっこよくなってしまうことへの照れなんでしょうな。でもこのダンディズムより少女フィオが出てきてからのほうが宮崎さんらしく感じられる。無骨な男どもが家来になっていくパターン。女たちだけの工場で木製の飛行機が作られていく、ってのは、考えてみれば宮崎さんのモチーフだらけなわけだ。見せ場としては町の水路から飛び立っていくところもいいが、やはりゆっくりと昇天していく友人たちの飛行機のシーン。亡霊飛行機たちが銀河のような流れを作って。「昇天」ってのも、『ラピュタ』のラストとか宮崎さんの重要なモチーフだった。[映画館(邦画)] 7点(2012-02-24 10:13:39)

5.  クイズ・ショウ 《ネタバレ》 しょせんテレビってこんなもんさ、とか、娯楽なんだから、という言葉の下に、ある種の倫理の頽廃を描いている。こういう大衆時代の腐臭を嗅ぎ取る敏感さがアメリカの最良の部分で、本作のような映画が生まれる限り、あの国をなかなか見限れない。決して倫理的に低劣だったわけではない主人公が、インチキに引きずり込まれていく怖さ。俺の知ってた問題なんだから、から、答えを自分で調べる、になって、なら結局教えてもらっても同じだし、となっていく。父の時代にはあった真っ当な倫理観「教わったことを答えて金を貰ってたのか」、が「こんなもんさ」に堕ちていく。有名になりたいという欲望、しかし有名になると大衆は脅威になっていく。ラストシーンで笑い続ける大衆が、主犯であり共犯であり、被害者であり傍観者である。そういう社会像を突きつけた映画。すべて台本と演出の時代。委員会での懺悔に続く拍手をロブ・モローが何かしっくり来ずに立ち会っている場が印象的。何でもすぐに「感動のドラマ」の演出になってしまい、さらに次のドラマが用意されるのだろう。タトゥーロが向かないってことを「ラジオ・フェイス」と言ってたな。[映画館(字幕)] 7点(2010-04-03 11:59:24)(良:2票)

6.  クローズ・アップ 《ネタバレ》 もし家族が資金を出したりすれば、一編の映画が出来上がってしまっていた。そしたら彼も、もう本物の映画監督になったわけ。これを裏返してみれば、キアロスタミ自身も、自分の中に卑小な詐欺師の部分を持っていると感じているのかも知れない。単純な“映画愛賛歌”の映画ではないだろう。クローズアップした顔は、もう顔でしかなく、職業を持たない。またロングで捉えると、ホンモノとニセモノ似てるんだなあ。アイデンティティのゆらぎ、と言うとものものしいが、そういったテーマを含んでいる。冒頭の車中、バスの中での会話、クローズアップの切り返し。嘘がばれるあたりの不安の演出なんかうまい。ひそひそ話しながら部屋に入り、何となくヒンヤリとした空気。運転手がころがした空き缶の演出。オートバイ二人乗りの映画の企画が、ラストで実現する。赤い花が家に戻っていく。などなど、演出・構成の妙がたくさん。ちょっとした誤解が引き金となって、つい演じてしまうことってあるなあ。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-16 11:58:24)

7.  クイック&デッド 《ネタバレ》 早撃ち大会トーナメントという趣向。つまり決闘シーンが繰り返されるわけだが、そこにいろいろ趣向を凝らすのが見どころ。最初は「立っていられなくなったら負け」だったのが「死ぬまで」にエスカレートしていく。タマが一発しかなくて相手が生き返っちゃったりとか、親子かも知れぬ、とか、その次々の趣向でけっこう見せちゃう。時計台のある広場で、死を刻み続けていた時計台がラストで爆発するのも正しい。そうそう、馬車につないでおいた悪漢が、車を引きずって生きているのもおかしい。ジーン・ハックマンが自分の影を見ると胸のところに光が丸く開いている、といった昔話やホラ話を語っているような調子の演出で、なかでシャロン・ストーンひとりが大マジメに演じていた。[映画館(字幕)] 7点(2009-12-14 09:07:14)

8.  グリーンマイル 《ネタバレ》 そうか、キリスト伝説みたいな話になってるのか。いえね、彼、冤罪じゃなくて、大きな罪を犯したために癒やしの能力が罰として降りかかってきた、って話かと初めのうちは思ってたもんで。なんかそういうほうが面白いと思いません? 愛を使って悪を為した、という罪のテーマもあって、なんかドストエフスキー的なダイナミックな構造が、もうちょっとで現われそうなとこだった。どうしても死刑を執行したい執念を持つ敵役を、三枚目っぽく造形してるのが、かえって怖い。しばしば悪は、おどけの面相をして登場する。感動的なのは、闇に差し込む光として映画を捉える場。『トップ・ハット』! I'm in heven と見守るJ.C.の頭上に、後光のように映写光が輝いていた。[映画館(字幕)] 7点(2008-10-03 12:14:00)

9.  クリクリのいた夏 誰もが「自由万歳」とは言うけれど、さらに「グータラ万歳」という心境にまで踏み込めるのは、イタリア人とフランス人くらいではないか。自由が血肉になっている。徹底している。ただイタリア人はおもに都市でヘラヘラ笑いながらグータラするが、フランス人は田園でしみじみとグータラする。この映画、田園の沼地が何ものかからの避難地となり、そこでのグータラ生活が謳歌される。「子どもを働かせちゃ駄目だ。悪いクセがついちまう」。1930年代。激動の20世紀において30年代ってのが、時間軸の上でのちょっとした避難地だったのかも知れない。物語に緊張を与える不運なボクサーがおかしい。[映画館(字幕)] 7点(2008-09-09 12:10:52)

10.  グリーン・カード 《ネタバレ》 本当は夫婦でない二人が、出会いから結婚して現在に至るまでの来歴を作っていくあたりがミソ。スキー抱えた写真やら、アフリカとの間で往復した手紙やらを捏造しつつ、その歴史を追体験するように、だんだんその気になっていってしまう。まず多民族の都市ニューヨークをスケッチして始まり、入国管理の非人間性を描いた社会派映画でもあるわけ。ラストもニューヨークに住めぬ二人はフランスで落ち合うことを暗示して、これがオーストラリア人監督の見たアメリカ。自然保護運動を絡めたのはちょっとうるさかった。パーティの席でピアノを弾かねばならなくなったときの切り抜け方が楽しい。二人に愛が生まれるまでの間に、もっと何度も揺り戻しがあっていいんじゃないか。面接室へ走るとき、公園の中のグリーン地帯をたっぷり通過させる趣向。自然を通って、喧嘩した二人も浄化され、愛は蘇るのよ。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-18 09:22:42)

11.  クライング・ゲーム 《ネタバレ》 「男が女を愛するとき」に乗って寂れた遊園地に入っていく導入よし。でまあ、だんだん犯人と兵士の間に友情が生まれてくるのが前半の見どころ。男と男の信頼いうか、自分を乗せた蛙を刺すサソリのたとえも意味深。秋の森のなかの疾走、友人同士のたわむれのようでもある。で後半、前半が男と男の心が打ち解けていくのを見せたのと対になるように、男と「女」の心の打ち解けあいを見せていく。兵士の影。しかし次第に性の混乱がドラマを濁らせてきて、彼女を男装させ、というか、彼を男装させ兵士の服を着せ、これはあの兵士への贖罪ってニュアンスがあるのかな。なんか私にとってはつかみ所をつかみ損なってしまった映画で、あの一点にポイントが掛かった作品に見えたが、脚本賞を獲ったというんだから、なんかもっと深いんだろう。しかしもう一度観賞というほどの魅力は感じられなかった。[映画館(字幕)] 6点(2011-10-07 10:26:14)(良:1票)

12.  雲の中で散歩 《ネタバレ》 労働シーンが生き生きと描かれる映画は、このころではもうかなり珍しくなっていた。もっともこれはどこかノスタルジー的であって、理想化された労働の姿。現代の諸問題の解決にはならないが、一つの基準を提示してはくれる。かつて家庭と労働と社会とが、過不足なく絡まりあっていた時代があった、と。『赤い薔薇ソースの伝説』のときと同じ、黄濁した画面。室内もいいが、海沿いの道路の場など大変美しい。この愛の解決の仕方はアステアの『有頂天時代』をちょいと思い出させた。こういう解決に至るドラマって、好きなんです。好きな男優二人が出てて、ジャンカルロ・ジャンニーニが怖いお父さん、アンソニー・クインはカドが取れたいいおじいさん。まだ遺作じゃなかったのか。[映画館(字幕)] 6点(2010-04-02 11:59:40)

13.  クロッカーズ 死体死体死体の写真で始まる。ヤクの売人が胃弱ってのがおかしい。自分ではヤクをやらない代わりに、チョコナントカの中毒で胃弱になってるという設定で、文字通りしじゅう「ムカついている」。殺気立っている日常、いい子でいることが困難な雰囲気がひしひしと伝わってきた。一人一人が立ち直ろうと思っても、とうてい個人の努力では無理なのが分かる。チクリ屋と思われるのが一番怖く、そのためにさらにツッパってるとこを誇示しなければならないわけだ。死体のまわりで刑事が不謹慎なことをしゃべり続けるあたりも、実に日常らしい。この人の映画でときどき見せる滑らかな前方移動、台車にでも役者を乗せて運んでいるのか、あのヘンな感じ、非現実感を出したいのかよく分からないけど印象には残る。タトゥーロは、わざわざ彼が演じている意味がなかった。[映画館(字幕)] 6点(2009-09-07 09:16:01)

14.  グリム・ブラザーズ/スノーホワイト(1997) 《ネタバレ》 ホラーとしての童話。一つ一つのモノが象徴性を帯び、あれこれと深読みを誘う楽しみはある。鏡とは? 森とは? って。芯にあるのは、つまりすべて嫉妬。娘の継母への、後妻の先妻への。S・ウィーヴァーは、極端なキャラクターにしてしまわずに、よくやっていたのではないか。七人の小人がハイホーなんて歌う陽気な連中ではない。王子さまが毒リンゴの後でやけに早く到着したかと思ってたら、こいつはダメで、七人の小人のリーダーがその役になる、というヒネリがあった。ディズニーの『白雪姫』の後半の物足りなさに対するアンサーというか、現代的解釈なのでしょうな。旦那は自分の足で探せ、旦那と同じく顔に傷を負って得よ、と。この旦那に連れ子の女の子がいるとオチになるのだけど。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-23 12:00:40)

15.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 《ネタバレ》 隠れた天才もののファンタジーの味と、心の回復物語とが、うまく噛み合っていないような気がした。そもそも精神的なものの対極にすぐ数学を持ってくるのが安易だと思うのだけど、まあ人生に対する臆病さってのが、基本的なテーマとしてあって、そこらへんで統一感はある。親友との場はいいな、おまえと会うのは楽しいけど、いつかいなくなることを期待している、って。でフトいなくなって、微笑を浮かべ車に戻り、するといつも後ろの席の奴が助手席にまわってくる。仕事に貴賤はない、人は平等と言うけれど、そうも言い切れないところにこの世の活力は生まれているのかもしれない。若者らが集まってバカ話をしているあたりの雰囲気がよかった。あとガールフレンドのミニー・ドライヴァーが、カラッとしていながらちゃんと女でもあっていい。[映画館(字幕)] 6点(2009-02-10 12:12:44)

16.  クアトロ・ディアス 《ネタバレ》 いかにも中産階級の坊っちゃんたちの革命ごっこのように始まる。射撃訓練など、部活のノリ。しかし抽象的だった“敵”がしだいに具体的となっていくにつれ、彼らも闘士の顔になっていく。一番ヤワそうなのが、筋金入りの革命家に憧れていくのもいい、話としてはさして発展してないが。周囲も描けていて、拷問者も単なるサディストではなく、そのことによって心にうつろを抱えていたりする。大使も、恐怖で失禁しトイレでさめざめと泣くシーンなどいい。どれも人間らしい人間なのに、政治がからむことで非情になっていく世界。「けっきょく君たちは軍事政権の対極のようでいて、よく似ている」って言葉が重い。[映画館(字幕)] 6点(2008-10-27 12:05:21)

17.  Coo/遠い海から来たクー 《ネタバレ》 設定に無理はないか。悪漢の悪行の稀薄さ。そういう生き物の存在を否定するんなら、クーを奪うというより、全員を抹殺する方がはるかに楽なわけで、しかも世界に対して発言力の薄い目撃老人は殺しておきながら、こっちはそうしないってのはヘン。フランスの科学者だって解剖する前に育てたいと思うよ。クーを守りつつ、けっこう危ないとこに連れ出したりもしてて。一番の見せ場である核実験場にプレシオザウルスが姿を現わすとこなんか、もったいないんだよな。もっとタメることできないのか。潜水艦がいっぱいという報告のあと、すぐに出現のカットになってしまう。ここはもっともっとジラせるとこじゃないですか。と、映画がある頃から「ジラせる」ことが出来なくなってきたと思うんだけど、これ時間の進行権を作り手が完全に握っていたスクリーンの時代からDVDの時代に入ってきて、ちょっとタメたいシーンになっても、視聴者が早送りしてしまう可能性が生じたからだろうか。いわゆるジェットコースター式映画にしないと、途中でどんどん跳ばされてしまう不安に製作者は襲われる、とか。[映画館(邦画)] 5点(2011-02-13 12:12:21)

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