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1. クローバーフィールド/HAKAISHA
象が踏んでも壊れないアーム筆入れ。
映画の終盤には、このフレーズが頭の中をぐるぐるしていた。超ダイハードなビデオカメラの話である。
そうじゃなくて。
手持ちの家庭用ビデオカメラで、怪物に襲われて逃げまどうさまを、逃げてる人間の視線から見せる、というそのワンアイデアでできちゃってる映画。
生きるか死ぬかで逃げてるのに、ビデオどころじゃないでしょ、というまっとうな考えを排除するために、撮影者のキャラクターがすごくアホっぽかったり、彼が恋する女性がとても勇敢だったりと、設定もちゃんと工夫されている。
「酔う」という評判だったが、見ているとカメラの揺れにも慣れてしまってそれほどでもなかったものの、臨場感はとにかくすごかった。これを味わうために劇場まで足を運んだかいがあったね。
しかし、登場する女性たちは、みなぐちゃぐちゃと泣き言を言ったりせず、どんどん行動している。いまや怪獣映画にも、「スクリーム・ヒロイン」の出番はないらしい。
マンハッタンで大災害が起きて、人々が橋に向かって列をなして押し寄せる、というシーンを、『宇宙戦争』でも『アイ・アム・レジェンド』でも見たので、正直またか、という感じだったが、アメリカの経済の中心地が島である、というのは、こういうとき実に絵になることは確かだ。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-03 16:13:22)(良:1票) 《改行有》
2. 桑の葉
《ネタバレ》 『情事』『スキャンダル』で、中年女性の美しさを印象づけたイ・ミスクの若き日の作品。
コリアンエロス、という紹介のされ方をすることが多いようだが、セックスシーンはすべて間接描写で、たいした露出もない。じゃあどこがエロスなのかというと、これはイ・ミスクの肉体それ自身につきる。枯れきったような長老様を含めて、彼女を見た男という男が、ハァハァしちゃうようすが、実におかしい。
生まれ持った美貌と、貧しさのゆえに男の欲望の犠牲になって、という面もあるにはあるのだが、それを逆手にとった主人公のしたたかさもかなりのもので、このあたりの人物造形も説得力がある。
近所の人総出の農作業のようすや、川の洗濯場に女たちが集まっておしゃべりに花を咲かせる風景など、むかしの朝鮮の農村の、のんびりムードの中での艶笑譚である。音楽も伝統的な曲が使われている。
舞台は日帝時代で、主人公の夫を日本の憲兵が尾行していて、ばくち打ちということになっているこの男が、実は抗日の志士だということを暗示しているのだが、そのへんは点景にとどめているところも、からっとした印象につながっているようだ。[DVD(字幕)] 6点(2007-07-27 17:50:48)《改行有》
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