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プロフィール |
コメント数 |
106 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
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1. 軽蔑(1963)
昔はすべてが共犯の歓びの中で無意識に過ぎていった。何もかもが異常で魔法のような気軽さとともに起きた。 異常なまでに繰り返される主題曲は、もはや作品の言語世界に追随することを辞め、自らの見えざる主題を語り出しているかのようである。 気付かぬ内に彼の腕に抱かれていたあの感覚はまるでなかったかのように姿をなくす。 自室で繰り返される真意の読み取れない議論の末、直後の劇場での、ラングとカミーユ、ポールと製作者の座席の位置で愛の消滅を告げる。これが映画である。 妻を殺しても愛を失い、浮気相手を殺しても愛を失う。 不毛な議論の中で、無価値な言葉と同等に発されたこの一節が価値を帯びてくる。これが映画だ。 フリッツ・ラングへの愛、映画への愛、ホークスへの愛、ヒッチへの愛、カリーナとの愛、一部映画への軽蔑。 言語が語る、音楽が語る、映像が語る、海が彫刻が語り合い、せめぎあっている。だからゴダールの映画は凄い。だから映画は素晴らしい。
[DVD(字幕)] 10点(2006-12-29 02:23:05)(良:1票) 《改行有》
2. 汚れなき悪戯
《ネタバレ》 子供を捨てちゃうような母親は地獄に堕ちちゃっているので、マルセリーノが天国に行っても会えないんじゃないか とか 病の少女にこんな話したら、私やっぱ死ぬんだ、って落ち込んでしまうんじゃないか とか考えてしまうおれとは対極に位置しそうなこの作品。 がしかし、真相を突き止めるべく潜んでいたお粥さんの指が組まれるその瞬間ばかりは崇める心を共有し、「マルセリーノが あの子が 神に召された」という台詞で信仰が少しだけ沁みこんでくる。汚れなき天使が呼び起こす理解を超えた奇跡。そして汚れなきものがそれを語ることにより私たちが胸を震わす小さな奇跡。この作品は正に神の僕たる修道僧として、忠実な語り部としての立場を保っている。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-24 12:26:11)(良:1票)
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