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1. 子猫をお願い
《ネタバレ》 「どこに行くかは、行きながら考える。」
高校時代の仲良し5人組。卒業から1年半の年月が経ち、ある者はソウルで、ある者はニンチョンで、それでもそれぞれの生活を送っている。時間や距離が人の心を引き剥がしてしまうなんてよくあることなんだけど、5人はそれを否定するように、何かといっては集まろうとする。お互いのためというより自分のために。
社会に出たはずなのに、5人の中でしか自分を位置付ける事しかできない彼女たち。皆が同じ方向を向いていた時はそれでもよかったかもしれませんが、彼女たちは既に別々の道を歩み始めているからややこしい。かつてはそんなことなかったでしょうに、親のコネで一流企業に就職したヘジュは、他の4人に対して優越感をひけらかす。そんな彼女を嫉妬と羨望で見つめるジヨンとテヒ。この2人はツルみがちなのですが、それとて恐らく今だけなのが暗示されている。
一流企業でばりばり仕事をしているはずのヘジュは、会社では単なる雑用係。デザインの才能を生かしたいテヒは、家計の都合で進学できない。何をしたいわけでもないジヨンは、何をしたいわけでもないだけに家の手伝いをやらされる。中国系双子の姉妹だって人と違うことがしたいだけで、特に目指すところがあるわけではない。
思い通りに進まない現実に、戸惑い挫折する20歳の5人。"楽しかったあの頃"の象徴である友情にすがりつくも、それすらも時の流れに変化してしまっている。でも本当に変わってしまったのは、厳しい現実にさらされた彼女たちなんですよね。
お互いの身勝手さを責めつつも、自分の身勝手さも重々承知。いずれは大人にならなきゃいけないとわかっちゃいるけど、20歳という年齢が邪魔をする。まだリセットできる歳だと知らないほど子どもじゃないから、5人の決意は鈍りがち。
子猫を拾ったけど、家の状況を考えたらとても飼えないテヒ。もらったときは嬉しかったけど、だんだん邪魔に思うようになるヘジュ。仕方なく家族に隠れて世話するジヨン。旅立つジヨンから世話を任される姉妹。
5人の間をたらい回しにされる子猫は、今は宙ぶらりんな自由の象徴。けど彼女たちが自立するとき、今度は本物の自由の象徴として彼女たちの間を巡るのかな。行きつ戻りつ、5人が大人になるように。
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-05 21:54:08)《改行有》
2. 皇帝ペンギン
《ネタバレ》 『WATARIDORI』や『ディープ・ブルー』でも、一体どうやって撮影したんだろう?と思うような映像で楽しませてくれたリュック・ジャケ監督。本業は動物行動学者だそうで、そんな仕事にでも就いてなければ目にすることの出来ない、生命の賛歌を見せていただけたのは貴重な体験でした。ブリザードの中ペンギンたちが体を寄せ合い、内円と外円を交代しながら中心にいる子どもを守る姿を見ると、座席一つ譲り合えない人間はなんてバカなんだろうと思ってしまふ。彼らにとっては本能のまま繰り返してきた営みでしょうが、その「不器用ですから」って生き様にはいろんなことを考えさせられました。が、やっぱりあのナレーションはなし。短い足でトコトコ歩く面白可愛いペンギンの姿に、感動的な"台詞"を重ねられてもなんか困る。ここで感動しないとまずいでしょうか?って感じで。南極の自然の過酷さは、わざわざ音楽で盛り上げてもらわなくても見ればわかる。当たり前のことを当たり前にやっているペンギンの姿から、何を感じようとそれは個々人の自由じゃないだろうか。
ドキュメンタリーを演出するのは『華氏9/11』から始まったブームなんだろうけど、あの映画にはプロバガンダという目的があった。でもこの映画は動物[DVD(字幕)] 4点(2008-10-05 21:52:14)《改行有》
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