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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 恋人たち(1958) ジャンヌ・モローの美しさとブラームス音楽で成り立っているような映画だ。ジャンヌの夫にしてみれば何が起こったのかもさっぱりだっただろうし、友人のマギーからみれば正気の沙汰とは思えなかっただろう。そして何と何とジャンヌ自身にしても不安を持ったままの旅出とは・・・。一夜にして燃え上がる愛とは何だろう。私にしてみれば例え夫を捨てることはできても娘を捨てることはできないと思うのだが・・・。 ところで主題曲としてあまりにも有名になったブラームスの弦楽六重奏曲第2楽章だけど、同じメロディーなのにある場面では甘く、また別の場面では不安を帯びて聞こえてくる。本当に映画にあった曲だ。[DVD(字幕)] 5点(2014-12-06 22:16:31) 2. ここに泉あり 《ネタバレ》 戦後まもない日本、しかも一地方都市高崎に交響楽団を設立するという極めて困難な中での物語。いやこれが実話に基づく映画というのだからすばらしい。主役は岡田・岸の二人なのだろうが、助演の小林桂樹の熱意がすごいと思う。何度も危機に陥り解散まで考えた楽団を救ったのが「赤とんぼ」とは。他に「この道」や「からたちの花」などたくさんの童謡や歌を作った山田耕筰、彼は管弦楽曲なども作曲し日本のクラシック音楽界をリードしてきた人であるが、映像として見るのはもちろん初めて、感慨深い。なおピアニスト出登場する室井摩耶子さんは今なお現役90歳のピアニストだという。映画で有名なクラシック音楽をたくさん聴けるのが良い。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-10 10:28:39) 3. こころ(1955) 《ネタバレ》 「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」と三部に分かれる長編小説を、よくぞ映画にしたと感心せざるを得ない。小説でもいろいろなことが起きて変化に富んだ物語であれば映画化は容易だろうが、途中をずいぶん端折って読んだ私にはこれが映画化されているとは思わなかった。映画を見て、なるほどこういう流れだったのかとわかりもしたが、改めて小説を読み直して、逆に映画だけで理解できるのだろうかとも思った。 先生はなぜ一人で友人の墓参りをするのだろうかとか、どうして隠遁生活みたいなものを送っているのだろうかなどの疑問は映画を見ているうちわかってくる。しかし自分の秘密をどうして打ち明ける気になったのかは今ひとつピンとこない。そして一番気になったのは森雅之、先生役は良いが回想シーンで書生になるのはどうしても無理に思える。 [DVD(邦画)] 5点(2012-09-02 11:05:49)《改行有》 4. コタンの口笛 1950年代後半には少年少女向けのたくさんの邦画名作があった。次郎物語、路傍の石、風の又三郎、あすなろ物語、にあんちゃん、・・・など。このコタンの口笛もそのひとつ。 アイヌの姉妹が差別や貧困に負けずにけなげに生きる物語だが、見たのは遠い昔の話だから細かいことはほとんど覚えていない。しかし良い映画だったということははっきり覚えている。 数年前にCSで放送されたと知り、とても残念に思っている。再放送、DVD、何でもいいからもう一度見てみたい。[映画館(邦画)] 7点(2011-11-20 06:50:19)《改行有》 5. ゴジラ(1954) 怪獣映画と日本の特撮技術の原点となる映画で、歴史に残る貴重なものであろう。だから評価が高くなるのは当然だが、私にすればいくら何でも点数が高すぎるのではなかろうかと思う。 ゴジラの出現は水爆実験に起因していて、自然災害とは異なり、人間が生み出した恐怖の象徴として描かれていたはずだ。いわば人間の愚かさに対する警鐘である。それが次々と続編や類字映画が出現するにつれ、子ども向けの怪獣映画、こわかった、おそろしかった、でもやっつけてよかったという娯楽映画になってしまった。 私が言いたいのは、その誤った方向へ導く要素が、この映画にすでにあったのではないだろうかということである。[DVD(邦画)] 6点(2011-05-24 07:43:47)《改行有》
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