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プロフィール
コメント数 349
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

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1.  腰抜け二刀流 《ネタバレ》 神田・神保町シアターにおける「生誕110年・森繁久彌特集」にて初鑑賞。NHKのアナウンサーから始まった経歴は今でいう「マルチタレント」の先駆けであり、「当時の世間では一段下に観られていた喜劇役者が本格的な演劇役者に成り上がる」系譜の道筋を作り上げた人物として、最後は国民栄誉賞まで受け取ったのだから凄い才能であった、と思うのであります。そんな彼にもはじめの一歩はあった訳で、それが30代で初主演となったこの作品。ある大名の御家騒動に巻き込まれた鉄火肌の飲み屋女中とそのパートナーになる、剣豪:宮本武蔵と勘違いされた偽物香具師、この二人が巻き起こす時代劇ミュージカル。題名からわかる通りノーマン・マクラウド「腰抜け二丁拳銃(’48)」の引き直し版でありジェーン・ラッセル:轟、ボブ・ホープ:森繫なんですよ、これ。ただ作品そのものは換骨奪胎どころか脱線転覆...いや脱線ほどではないけどグダグダな展開が進み上映時間の短さもあってあっという間に終劇。この映画の見どころはやはり舞台(喜劇)役者として脂の乗り切った彼のコメディ・ミュージカル演技。映画への経験値が無い分未熟な感は否めないけど、戦後芸能史に多大な影響を与えた、「スピード感ある軽妙洒脱さ混じった演技」の一端が見られるところは最初の主演作から感じられるのではないだろうか。あと同年にデビューした香川京子の出演もさることながら、清川虹子の登場にはちょっとビックリ。 [映画館(邦画)] 5点(2023-05-17 21:16:41)

2.  ご冗談でショ 《ネタバレ》 マルクス兄弟の、世の中の常識や権威主義に対し痛烈な皮肉をもって対応するこのスタイル(植草甚一先生曰く「シュールレアルな喜劇の出発」)、現在の風刺劇やコメディに多大な影響を与えているのは間違いありません。ただ字幕から情報を得なければならない我々にはチコやハーポのボードヴィル芸はともかく、グルーチョの風刺がわかりづらいのが難点。という訳でソフト会社は格安ビデオを販売するだけでなく、ちゃんとした解説書を付け加えてだしましょう。…話がそれました。なんといってもこの作品の白眉は大学教授グルーチョがヒロインと陽光下、アヒル池で舟遊びをしている際に歌う「Everyone Says I Love You」。ウディ・アレンがオマージュとして取り上げるのもむべなるかな、というほどの幸せに満ちてます。ま、最後はヒロインを池に叩き落とした挙句、浮き輪を求める彼女に対してトローチを投げつけるという期待通りの行動を見せつけますが。ボードヴィル時代の作風をそのまま踏襲している「ココナッツ(29)」「けだもの組合(30)」「いんちき商売(31)」と比べ、比較的屋外撮影を多用するようになったこの作品の名声こそが、彼らにとって三弾飛びで言う「ステップ(ジャンプはもちろん「吾輩はカモである(33)」)」的成果を遂げた作品なのでしょう。多少甘目なのですがこのシーンで+1点。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-11-04 15:20:49)《改行有》

3.  これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫 《ネタバレ》 シェー!「『ゲゲゲの女房』が当たったからここは漫画家を題材にすベシ!」的な安易な企画設定とポイントのずれた脚本によってせっかくの役者の熱演も無駄にしちゃった、というのが正直な感想なのだ。個人的には赤塚先生の破天荒な行動の数々は「弱者への限りない優しさ」そして「他人を喜ばせたい=孤独を嫌い、寂しさを紛らわせたい」という想いから来ていたものであり、それは年少時に満州からの過酷な引き揚げ体験を経験していたという「闇」からの逃避であったのでは無いかと思うのだよーん。だから「あまり乗り気でなかった仕事/赤塚先生の魅力を感じて~」という話にするのならもう少し先生の多面性を詳しく描いていただきたかった、と思うのココロ。堅物な男性編集者浅野が赤塚先生に感化されて、のびのびと人生を渡り歩く的な話だったらまだ説得力が増したのにまさに賛成の反対なのだ、である。でも、でも、でもである。ご自身が映画の主人公として取りあげられた事に関してきっと赤塚先生は照れくさそうに微笑まれているに違いない。学費がなくて高校へ行けなかった先生は「少しでも映画の世界に浸りたい」と映画の看板屋に就職し漫画の腕を磨いていったんだ。ご自身が売れっ子作家になった時制作したのは「下落合焼き鳥ムービー」だよ!所ジョージにタモリにたこ八郎だよ!この点数はそんな愛すべき映画好き、赤塚不二夫先生への想いを込めた点数である。そんなわけで支離滅裂なレビューになってしまったがこの場合は作品憎んで先生憎まず、いつものあれで閉めようではないか。これでゐゐゐだ!以上。[映画館(邦画)] 4点(2011-05-11 22:39:33)

4.  紅夢 《ネタバレ》 現在の彼の作風は妙な「あざとさ」ばかりが目について正直好きではないのだが少なくとも「秋菊の物語」「活きる」くらいまでは抑えた表現もありの、まさに「緩急を使いわける映像」にとても関心させられた記憶がある。そんな彼のキャリアの頂点は今のところこの一本。古い屋敷にうつる紅い提灯の怪しげな美しさや閉鎖的な空間の中で女性達が繰り広げる狂わしい程の怨念(20代の自分にとってあの紅い色=子宮から流れ出る経血を感じてました。お恥ずかしい)、最後主人公に起こった悲劇等内容的にも見応えある話だがこれは「見せない(もしくはポイントのみ見せる)」彼の演出の巧さを堪能すべきと思う。あえて説明しない=観客の想像力にまかせる事で強い印象に残る演出もあるのだ(こんな事言いたくは無いが、余計な説明の多い変に長い映画のなんと多い事か)。主人公が迎える悲劇的な最後に至るまでの展開が性急すぎるかなとは思うが機会があればぜひ。てか監督イーモウと女優コン・リーの黄金コンビ、DVD発売の機会が無いというのは如何なもんでしょうか。[映画館(字幕)] 8点(2011-04-25 23:13:18)

5.  荒野の七人 《ネタバレ》 映画としては7点くらいの感覚でしかないがこの点数にしたのは1.オリジナルを痛快娯楽作(バーンスタインの音楽!)に仕立て上げた監督スタージェスの腕の良さ。2.オリジナルに対するリスペクトが感じられる点。(ま、ブリンナーは「七人の侍」というより島田勘兵衛=志村喬を演じたかっただけだと思うけど) 私にとってベスト吹き替え映画の一本。小林修/内海賢二/大塚周夫/小林清志/井上真樹夫/矢島正明/森山周一郎... これこそ本当の、マグニフィセント・セブン![地上波(吹替)] 8点(2010-07-24 20:21:00)

6.  恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ 《ネタバレ》 ミシェルのミシェルによる、ミシェル・ファイファーの為の映画。(ブリッジス兄弟も良いのですが)彼女の素晴らしい魅力を語るにはこの1本で充分。オーディションでは冴えない雰囲気の彼女がライブのシーンでピアノに横たわり唄う姿!たまらん。多分10~20年後のジャズヴォーカル本には彼女の唄う「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」がジャズの雰囲気を見事に表した好例として記憶に残る、と断言しちゃおう。私の「脳内ライブ=隣の嫁さんを売り払ってでも行きたい」もののぶっちぎりトップ。[映画館(字幕)] 8点(2008-04-13 19:58:58)(良:1票)

7.  ゴジラ(1954) 邦画史上最高の、人類愛と平和を訴えた究極の到達点。映画というメディアが存在し続ける限り、1954年は「ゴジラの誕生した年」として記憶されるだろう。ゴジラ、そしてオキシジェン・デストロイヤーと一緒に海中に消えた芹沢博士の涙は永遠に人類への警鐘となる。[映画館(邦画)] 10点(2008-01-30 23:22:46)(良:2票)

8.  攻撃 《ネタバレ》 映画の宣伝担当者様、よく『熱演』という言葉をお使いになってますがジャック・パランスの域までいってるんでしょうね?熱いエネルギーを感じる、アルドリッチの名作。(だからこそ型に落ち着いたオチだけが痛いのでこの点数。)[ビデオ(字幕)] 9点(2006-11-12 22:31:08)

9.  ゴッドファーザー マーロン・ブランドの圧倒的な存在感とニーノ・ロータの哀愁あるメロディが無ければ単なるギャング映画の類から抜けられなかったのではないかと。それを「大河ドラマ」へと押し上げたパワーに脱帽。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-17 16:28:05)

10.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 兄弟、家族を守る為に組織を大きくしていった父親と組織を保つ為に家族・兄弟を切らなければならなかった息子。マーロン・ブランドの存在感を埋めるのは無理としても話としてはこちらの方が好き。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-17 16:23:04)

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