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1. この世界の片隅に(2016)
《ネタバレ》 「また見たくなる映画」という類の映画では無いが、稀有のクオリティ、バランス。絵、アニメーション、テンポ、脚本、演出、音楽、声優、それらが全て調和していた。戦争は舞台であって、描いたのは主人公の人生と、人の在り方だったように思う。でも、それが見たければ原作を読めば良いだけのこと。この映画では、ただただ、能年玲奈の演技に圧倒された。彼女は琵琶法師の如く、自分を無にして物語を伝える力を持つが故、意図されたパワーが減衰せずにダイレクトで響く。いや、増強すらされている気もする。現代にクラウドファインディングがあって良かった。拍手。
コトリンゴの「悲しくてやりきれない」も、他のアーティストに劣らないとても良いカバーだった。バークリー音楽院卒だからというわけではなく、彼女の才能なのだろうと思う。
【追加】原作を読み直したが、いくつかの場面でアニメは原作を上回っていると感じた。もしかしたらこの監督は…すごい監督なのかも知れない…[映画館(邦画)] 10点(2017-01-07 21:39:35)(良:1票) 《改行有》
2. 恋人たち(2015)
喪失と再生。
頑張って、そして人に優しく生きていれば、
誰かが実は肯定してくれてて、
それに気づいてなんとか小さな変化と自己肯定と一緒に生きていける。
人に優しくしない人は、誰かの後押しも得られなかった。
もちろん、現実にはより暗い地獄があって、そうじゃないこともあるけれど、
飯食って笑っていければなんとかなるんだ、という希望を、
嘘でもいいから持って生きていきたい。[インターネット(邦画)] 7点(2023-05-14 00:53:51)《改行有》
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