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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 生きてはみたけれど 小津安二郎伝 小津安二郎が生前に関わった映画関係者や親族らの証言などを元に構成されたドキュメンタリー映画。監督業や私生活での人となりなども語られていて、小津ファンならずとも実に興味深い作品。個人的には、笠智衆のあの乾いた演技が「お能の面」でやってくれ、と小津に言われたというエピソードや、あるいはカメラマン(“キャメラマン”て書くとそれらしいのかもしれないけど、ちょっと恥ずかしいです)厚田雄春が語る「ローアングル」の秘密、あるいはドナルド・リチーの語った「“日本的”ということを深く突き詰めると“国際的”になる」という言葉が印象に残った。相変わらずのへっぽこ映画ファンである僕にとって「小津安二郎」という存在は大きな「謎」のような感じがしているのだけれど、やっぱり時々は、小津作品を観返してみよう、と思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-13 19:33:45)(良:1票) 2. 1969 自国が泥沼の戦争状態にあって、なおかつ徴兵制が敷かれてるという状況下、若者たちの心理はどうだったのか、ということをまざまざと見せてくれる。そりゃ徴兵逃れはしたいし、最低の気分を紛らわすにはいけないおくすりでもやらなきゃしょーがないかもなあ。ただ、この作品を反戦映画として捉えた場合、どーなんだろ?昔「7月4日に生まれて」の原作本を読んだ時にも感じたのだけれど(映画の方は未見なのです)、アメリカ人が戦争に反対する根拠が、自分や自分の身内が死んだり傷ついたりするのが嫌だ、みたいな所から始まってるようで、要は侵略戦争そのものの犯罪性ってとこにはあんまし触れられてない気がする。意地悪な見方かもしんないけど、例えばアメリカが自国の兵士を死なせないように「上手に」侵略すればOKってことか?とか思ってしまう(これは今のイラクに関しても言えると思う)。まー映画に罪はないのかもしれなけどね。6点(2005-01-20 18:34:07) 3. インテルビスタ へちょちょさん、ごめんなさい~。ワタクシ、フェリーニは「道」しか観てないのに、これ、観ちゃいました。でもまあ、そういう人間のレビューが一つ位あってもいいじゃな~い(波田陽区風)、と身勝手に解釈してレビュー書かせて頂きやす。よく映画の中で映画(もしくは映画製作)が出てくる作品はありますが、この作品の場合映画の中で映画作ってて、なおかつその映画の中でも映画を作っているという三重構造なもんで、頭がクラクラしちゃいました。でもきっと、フェリーニの作品って頭で理解するモンじゃないんだろーなーと、ぼーっとした頭で考えました。ある程度フェリーニ作品を観ていないと楽しめない作品だとは思いましたが、同時にフェリーニの茶目っ気みたいなものも伝わってきてなかなか良い感じ。これを機会に「甘い生活」「81/2」も観てみたいと思いまする。5点(2004-06-02 17:34:22) 4. イマジン/ジョン・レノン 前略、ジョン・レノン様。貴方が死んでから23年とちょっと経ちましたが、世界は相変わらずで、戦争も貧困も差別も国境も無くなっていません。その代わり、と言っては何ですが、貴方の事や貴方の歌は日本の教科書(英語・音楽)にも取り上げられています。そこにある貴方のイメージはまるで「愛と平和の殉教者」といった感じで、まるで神格化された聖人のようです。でも、ビートルズ関連の本や関係者のインタビューなどを読む限り、本当の貴方は女性にもドラッグにもだらしなく、少なくとも私生活面ではとても尊敬されるべき人間ではないと思います(この事に関しては常々「僕は普通の人間だ」と主張していた貴方にも同意して頂けるのではないでしょうか?)。最近貴方のドキュメンタリー映画を久々にビデオで観ました。この作品を観ると、貴方が途方も無い才能を持った音楽家であると同時に、我がままで、淋しがり屋で、甘えん坊な一人の男だった事が分かります。思えば、貴方の、特にソロになってからの歌はいつも「自分の事」ばかり歌っていました。「僕は嫉妬深い男」とか「自分とヨーコだけを信じている、ヨーコを愛している」とか、貴方の歌はいつも赤裸々で、それゆえ僕達聴衆は貴方の歌を「自分の歌」としても聴けるのだと思います。前述した様に、僕は貴方の私生活を見習いたいとは思いませんし、貴方の語っていた言葉が「文字通りの意味」で正しいとも思っていません(今から見ると貴方のやった「ベッド・イン」は正直的外れのように思えます)。はっきり言って貴方から音楽を取ってしまったらただのロクデナシです。しかし僕は、正に貴方が「ロクデナシ」だからこそ、尚且つ自分が「ロクデナシ」であることを隠そうとしなかったからこそ、その「愛と平和」の、とても純粋でシンプルな理念が信じられるのです。少なくともどこかの横暴な大統領の口にする「正義」の何万倍も信じられるのです。映画の最後で貴方の最初の妻が「彼は純粋な人でした。誰をも愛し、愛を素直に表現したのです」と言うのを聞いて僕は少し泣きました。・・・未来の事は分かりませんがどうやら僕は少なくとも今すぐ死ぬ、と言う事はない様です(幸いな事に命も狙われてはいませんし)。なので、当然貴方程の事は出来ませんが、もう少しここで踏ん張ってやっていこうと思います。時々貴方の歌を聴いたり、口ずさんだりしながら。―――草々。8点(2004-05-27 17:14:02)(良:1票) 5. 犬死にせしもの 作品をすべて観た訳じゃないので断言は出来ないけれど、これは80年代の井筒作品の中では最高傑作ではないでしょうか?戦後まもなくの、食うか食われるかの時代だった日本を活き活きと描いた西村望の原作は、内容がしっかりしているというだけでなく井筒監督の作風に見事マッチしているし、西村晃・蟹江敬三といった魅力的な脇役・悪役がしっかりと物語を支えている。何といっても真田広之・佐藤浩市という、おそらく当時最もイキの良い俳優二人が演じる主人公の存在感が凄い。その二人と、井筒監督の人間臭い演出が幸福な出会いをした結果、監督が愛するアメリカンニューシネマの影響を感じさせながら、同時にムチャクチャ熱い青春映画が生まれた。僕はこの作品を観た後、しばらくぼうっとなって、何をする気にもなれませんでした。井筒作品を苦手とする人にも、これは胸を張って勧められます、マジで。追記:今井美樹のヌードは確かにあまり見応えはないけれど、船べりで座り小便するシーンを堂々と演じた彼女の「役者根性」はもっと評価されてしかるべきだと思う。10点(2004-05-06 19:47:09) 6. 生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言 作りとしてはかなり粗っぽい感じで、最初観た時はストーリーや人間関係を追うのに精一杯な感じだったけど、二回目に観たら良かったです。原発ジプシーやヌードダンサー、じゃぱゆきさん(っていう言い方、最近聞かないなあ)やオチコボレ高校生などのアウトサイダーの健気な生き様にカンドー。中でも無垢の象徴のような「アイちゃん」が涙をそそります。それになんつってもタイトルにインパクトがあっていいっすよね。因みにチェルノブイリの事故が1986年。ある意味、時代を先取りした作品でもあるんだな。6点(2004-03-27 20:57:27) 7. インドへの道 うーーーん、なんか中盤、ごちゃごちゃし過ぎ。なんであの女の人はレイプされたなんて嘘ついたの?6点(2004-03-12 19:25:54) 8. いまを生きる そういえばこの映画、僕が高校生のころに上映されてたんですよね。当時のワタクシは、ウェルダン校ほどじゃないけど一応進学校に通ってて、これまたキーティング(だっけ?)ほどじゃないけどちょっと型破りな現国の先生がいて・・・という環境でした。そんなに締め付けられてたわけじゃないけど、かといって自由にのびのびしてたわけじゃない、ぬるーい状況に時にイライラしつつも、たいしたことができなかった苦ぁい青春でしたねー。これ、今観てももちろんいい映画だけど当時観てたらきっとずっと感動したんだろうなあーと思うとチョット残念。多くの皆さんが仰られていますがやっぱりあのラストは良いなあ。なんか我慢して、我慢して、我慢して、最後にドカァーン!って感じ。生徒はイーサン・ホークもいいけどチャーリー・ダルトン(いや、ここはヌワンダというべきか)役のゲイル・ハンセンという人が気に入りました。ところでこの映画観ながら思ったのは「これは日本じゃ無理かなあ」ということ。アメリカだとポエトリーリーディング(詩の朗読会)って結構盛んらしいけど、日本じゃまだまだ根付いてない文化だし(「詩のボクシング」っていうのが結構がんばってるけど)、あんなふうに人前で堂々と自分の言葉を口にするって日本人は苦手そうだもんなあ。なんだかんだ言ってアメリカって言葉に力を込める国なんですよね。大統領の演説とか(内容の是非はおいといて)迫力あるし、映画の中でも名演説っていうのが無理がないんだよなあ。あれは教会の説教とかの影響も強いのかな。そんなわけで、最近かなり反米・嫌米なワタクシですがちょっとだけ見直しました、アメリカ。9点(2003-05-01 18:09:58)
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